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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第3章 亡き母を求めて 《クラシア=ヴェルデ》
28/110

レベル25 下剋上 《アンチ・ウォー》


そして翌日の朝。

シェリー含めた4人は戦のため、準備をしている。


「なぁシェリー、今から城に乗り込む前に訊きたいんだが、戦えたりするのか?」


「えッ、私?私はあまり・・・」


「・・・そうだよな。」


(これも駆け出しの俺みたいなパターンか・・・)


「危なかったら私達に言ってね。すぐに助けるから。」


「そうですよ。私達、こう見えて意外に強いんです!!」


「えッ、アリナさんこの中で一番小さいのに?」


「なッ・・・!!」


この中で一番背が高いのはレイ、その次はミオンだ。しかし、一番背が小さいのはシェリーではなくアリナなのだ。ちなみにシェリーは11歳である。


「シェリー!よくも私が一番気にしてること言いましたねッ!?」


「えッ・・ダメ、だった?」


「いやまったく。全く問題ない。」ババーン

「お・お・あ・り・ですッ!!」ギロッ!


「ん~、でもさすがにシェリーちゃんその装備じゃあ少し危ないかもね。」


「え、そうなの?」


シェリーの装備を順にあげていこう。

まず肝心の武器!・・・それはなんと木の棒で作った自作の剣!


(ヒノキの棒かよ・・・)


そして鎧!・・・はなんとそのままの私服である。おそらく何も防御してくれないだろう。


(こ、これはさすがに・・・)


そして盾!・・・は、おなじみの『おなべのふた』である。


(ど、ド〇クエ・・・?)



「さすがにこれは戦場なめてるやつの格好だ・・・」ヤレヤレ


「えぇッ!?ダメなの!?」


「当たり前だバカ。まぁいい、装備を買うか・・・」


「あ、待ってレイ!私ゲリュオンから貰ったものあるんだ~!!」


シェリーはそういうと、部屋の奥から何かを持ってきた。



「じゃーん!!はいこれ!」


「?それは・・・」


「これはね、え~っと何だっけな・・・あッ、分かった!これはk―――

「光絶の弓じゃないですかッ!!」


「な、なんだそれ?」


「し、知らないんですかレイさんッ!?同じ代物持ってるっていうのに!!」


「えッ、そうなの?」




説明しよう。


『光絶の弓』とは、レイが持つ竜絶の剣・どこかにある天颯の鉾に並ぶ、『三聖器』の一つである。

その所有者は、守護獣ゲリュオンが服従を誓う者とされ、『青の獣騎士』の資格を持つ者とされる。

またこの武器装備による付与効果は、他の三聖器と変わらないらしい。



(三聖器の一つ・・・!?じゃあまさかシェリーもあのスキルを・・・!!)


「な、なぁシェリー。ちょっとスキル表示開いてくれないか?」


「え?うん、いいけど。」


シェリーはステータスパネルを開いて、スキル表示の画面へとスライドさせる。


「・・・はい、これ。でも詳しいこと分かんないんだ~。」


シェリーのスキルボートに表示されていたモノは、


(や、やっぱり・・・)


『スキル;「プレ=ヴォルガン」』


見覚えあるモノにかなり似たような感じのフレーズだった。


(もしかして呪文の方も・・・?)


レイは呪文表示の箇所にスライドさせる。


(お、これもそうだ・・・やっぱりこれって三聖器なのか・・・)



『呪文;レ・シャイン 消費魔力100』



「れ、レイどうしたの?さっきから私のパネルばっか見てるけど・・・?」


「いや、俺のステータスと結構似てると思ってな。ちなみに職業って何なんだ?」


「私?私はね~、これ!」


シェリーがスライドさせた画面に表示されていたのは


「『アークレンジャー レベル3』?」


「アークレンジャーと言えば魔導士と狩人双方をレベル10まで上げると解放される上級職ですよ?凄いですね!」


「へへ~ん、そうでしょ!」


「ッ!・・・やっぱり俺と同じじゃなかったわ。」




4人は態勢を整え、いざ帝国城へと向かう。

シェリーの装備も、あの弓以外は一通りそろえておいた。魔法もある程度は使えるようだ。


「よし、行くぞッ!!」






帝国まで、何時間かかっただろうか。

4人は戦闘前からかなり消耗していて、レベルは上がったものの、疲労が激しい。


「ちょっと休むか・・・。これで行くのはきつい、だろ?」


「はい、確かにこれではきついです・・・」


4人は結局クルスオードの宿屋に一晩泊まり、再び態勢を整える。




そして翌日。

4人はいざ帝国城へ参上する。


「ハッ、あなたたちは・・・!どうぞお入りください!」


「あ、あぁ。ありがとう。」


4人はささっと城内に潜入していく。


「・・・ふう、シェリーの耳とか隠しておいて良かったな。見つかってたら潜入できなかったぞ。」


「そうだね~。確かに警備は凄そうだもんね。」


「さて、先日の王室の間に行かないとですね。私達はまだこの国で『招待』されている身ですので。」


「あぁ、早くしないと。シェリーのことがバレるかもしれないからな。」



4人は足早に城内を進み、潜入から5分ほどで王室の間の前に到着。


「よし、じゃあ開けるぞ。武器は持つな。最初は話し合いからだ。」



ガタンッ・・・



レイは大きなその扉を開ける。


「・・・レイ=ベルディア、ここに参上した。今日は要件を申し出たくてな。」


部屋の中では、王が4人をお出迎え。王の座に座り、上段からまるで4人を見下すかのような姿勢で様子を伺う。


「・・・おや、そろそろ来る頃かと思ってましたよ、レイ=ベルディアさん?」


「・・・何が言いたいんだ?それじゃまるで俺達を待ってたみたいじゃあねぇか?」


「・・・そうですよ。あなたを待っていましたよ。あなた方が“あの村”に入ってから、ね。」


「ほう・・・じゃあ俺が言いたいことも分かるってか。すげぇな国王っつーのは。」


「はい。・・・まぁもう一つの判断材料としては、そこにいる妖精族の亜人がいること、でしょうか。」


「なら話が早い。俺達の要求は一つ、階級制度の廃止だ。」


「ほう、それはどうしてですか?」


「その急に施行された制度で、少なくとも一つの命が無くなってるからな。」


「・・・それは妖精族、ですか。」


「あぁ、そうだ。」



部屋の空気は、より一層重くなる。さらにレイの眼の色と、国王の顔の色が、共に少しづつ変わっていく。



「・・・そろそろ何か答えてくれないか?これじゃ埒が明かない。」


「・・・ではお答えしましょう。答えはノーです。」


「ッ・・・どうしてだ?」


「この階級制度は国民同意のもとで行われたモノです。国民の意見を反映するのが国家でしょう?」


ッ・・・!!!


ふとシェリーが痺れを切らす。


「ふざけないでッ!!!一体誰が合意したのッ!!!???」


「あぁ、確かにそうだな。一体誰がそんなことしたんだ。」


「・・・いえ、『国民が合意した』というのは本当よ。ただし・・・」


「獣人のみの意見しか反映していない、でしょ?」


「はい、あなたの言う通り、行ったのは獣人間のみです。しかしこれでも『国民の意見を反映した』ことに変わりありません。」


「そんなわけッ・・・!!」


「それに」


「・・・?」



国王の形相が、一気に赤に変化する。



「どこの最低カースト族がそんな口利いてんだッッッ!!!!!」



突然国王の身体が小刻みに震えだす。

国王の両手は段々と肥大化し、その腕は亜人のそれから魔人のそれへと変貌。

亜人の顔から角を生やし、牙をむき出し、赤い眼光を放つ。

黒いオーラを纏ったその姿はまさに・・・・


「な、なんだこれ・・・!!??」

「「「・・・!!!」」」






見た者皆絶句する、魔神 ―――





次回投稿日;4月23日

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