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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第3章 亡き母を求めて 《クラシア=ヴェルデ》
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レベル24 願望 《クラシア=ヴェルデ》


「・・・ってことがありました~!超怖かったです~!!」ダキッ!


「だ、大丈夫?」ナデナデ


「ハっ、子供だなお前(笑)」


「な、何ですと~!?(怒)」


「だって同じ場にいた女の子は平気だったのに、お前はビビりまくってたってことだろ?」


「~~~!!」


「で、ゲリュオンに頼まれた要件って、守護獣エヴィウスの加護を受ける人を連れてくるってことで良いんだよね?」


「は、はい。何か私の近くにいるとか言っていたような気がするんですが・・・」


「あぁ、それなら大丈夫だよ。ね、レイくん?」


「まぁな。アリナ、それ俺が行くから。」


「え、あ、どうも・・・じゃなくて!!えぇッ!?レイさん変わりに行ってくれるってことですか!?」


「いや、一緒に行くんだろ?」


「あ、いや、まぁそうですけど・・・会いに行くってことで間違いないですか?」


「あぁ、さっきから何言ってんだお前・・・」


「え、てことは・・・!えッ!レイさんって加護受けてるんですか~!?」


「あぁ、そうだが・・・言ってなかったっけ?」


「初耳ですよ!」


「そうなの・・・なら何でみお姉は知ってるの?言ってなくない?」


「あれ?スキルが発動した時に言ってなかった?それで知ったと思うんだけど・・・」


「まぁとにかくだ。呼ばれてる場所には今行った方がいいのか?それともお前が昨日言った時間か?」


「あ、多分今じゃないと思います。」


「じゃあ今日もレベル上げしてから行くか。」







そして、昨日の夜の時間。

レイはアリナと、そして昨日同じにいた少女と共にあの場所へ向かう。


そして少女は昨日と同じ時間に同じ場所で同じ呼び声で、守護獣ゲリュオンを呼び出した。



――― ・・・ソナタ、レイ=ベルディア、カ? ―――



「あぁそうだ。俺に何か用か?」

(何で俺の名前知ってんだ?)



――― 頼ミガアル ―――



「た、頼み?なんだそれは。」


(というかレイさん何で普通に守護獣と話できるんですか!?)



――― 我ガ主ノ頼ミヲ聞イテ欲シイ 我デハ願イマデ遠イ ―――



「主の頼みを聞く・・・その主ってどこにいる。」



――― ソコニ居ル ―――



「あ、あの・・・わたし、だよ。」


(えッ、あなただったのですか!?)


「・・・そうか。」


(この子、やっぱり異様な雰囲気だと思ってたが・・・やはりそういうことか。まぁさすがに騎士の類いではないと思うがな・・・)



――― 頼ンダゾ レイ=ベルディア ―――



そしてゲリュオンは昨日のように消えて行った。



「・・・で、まず君の名前から聞こうか。」


「うん、私はシェリー=クラシア。」


「クラシア・・・?」


レイは昨日の村長との話を思い出す。


(クラシア・・・・虐殺された彼女の苗字・・・彼女は娘がいる・・・)


「・・・君は、マイア=クラシアという女性の娘、だよね?」


「えッ?あ、うん。私はマイア=クラシアの一人娘。どうして知ってるの?」


「詳しいことは村長に聞いててな・・・、それでシェリーの頼みってなんだ?」


「えっとね・・・」


言いたくないのか、それとも言葉にするのに時間を使っているのか。どちらにせよ、その返答からかなり長い時間が経った。

さらに彼女はその時間が経つたびに、顔を悲壮で埋め始める。


「・・・私の・・・私のお母さんに、もう一度会わせてほしいの!!」





「お母さんに、会わせる・・・!?」


「そう、私はお母さんに会いたいの!!まだ別れも行っていないのにお母さんは死んじゃったから・・・!!だからもう一度だけ会いたいッ!!」



彼女の母に何があったのかは聞いている。しかし、レイはどうしても思いつかない。


「・・・どうしたらお母さんに会える。それを教えて欲しい。」


するとシェリーは、自分のポケットの中からとある紙切れを取り出して、それをレイに見せた。その紙切れには何か絵が描いてあるようだ。


「・・・これは『魂の水鏡』。亡くなってしまった者の姿と魂を映し出す、伝説の道具なんだって。」


「じゃあそれを使えば・・・」


「ううん、もう一つ。『魂の光』も必要なの。この光を鏡に当ててお母さんを映すの。」


「なるほど。その二つの場所は分かるのか?」


「光は北のベルディークの塔に、もう一つの水鏡は・・・帝国城に。」


「帝国の城?それはキツいな。」


「そうなの、しかも水鏡は国宝だし。あっちの人でも見ることもダメなのに、私達妖精族じゃ・・・」


階級制度で一番下に属する妖精族は、水鏡を見るどころか城に入る権利すらないのだ。


「・・・階級制度が邪魔って訳か。」


「うん・・・昔は全員が簡単に城に入れて、水鏡も見れたのに・・・今の国王のせいでッ・・・!!」


「・・・国王が、どうかしたのか?」


「国王がッ・・・!!ある日勝手に階級制度を作ったの!あの余計なモノさえなければッ・・・!」




クルスオード帝国は階級制度ができる前、四民平等が最も規律よく行われていた国であったのだ。四民というのは人口が多い3種と妖精族を指す。


しかし国王の乱心か、国王の独断で勝手に階級制度が施行された。獣人ビスタ鳥人バーダ緑人グリーダ、そして妖精族という順にランク付けされるようになった。規律のもとで暮らしていた国民は、やはりこの制度でも規律を重視するようになる。特に最上級の獣人はなおさらだ。国民の資質もあり、階級制度はすぐさま国に浸透していったのである。



「だったらなおさらどうすればいいんだ・・・?」


「方法はあるよ。でもそれは無謀に近いものなんだ。聞いてくれる?」


「・・・まぁ言いたいことは分かる気がする。どうせ城に乗り込むんだろ?」


「・・・そ、そう。けど・・・これだけじゃ人手が・・・」


「いえ、戦力なら大丈夫です。レイさんが何とかしてくれます。」


「え・・・?そうなの・・?」


「はい。レイさんは獣騎士の一人です。固有スキルも有していますし、戦力分は問題ないです。」


「ば、バッカお前!!道中の敵にやっとだった俺だぞ!?さすがに無理が・・・

「あれ?いつものナルシストモード、いつ入ってくれるんですか?」


「な、ナルシストモードぉ・・・!?」


「それに、」


「・・・なんだよ?」


「階級制度で苦しむ人々を、私は救ってあげたいです!!」


「アリナさん・・・!」


(・・・ロリガキのくせにいっちょ前なこと言いやがって。)


「・・・そうだな、じゃあ乗り込み確定だな。」


「いいの・・・!?」


「あぁ、どうせここに来たのもレベル上げが目的だ。ボス戦だと思えば問題ない。」



「あ・・・ありがとうッ!!」








しかしまだレイは知る由もない。



――― 今の国王は、亜人ではないことに


次回投稿日;4月22日

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