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とある青年のレベル上げ ~グラド・サーガ~  作者: あいうえおさん
第2章 各々の条件 《フィドゥーティア・ジゴケルビム》
15/110

レベル13 賢者 《アリナ=メルド》

あれから時間が流れ、

レイ達は、ペーディオ討伐後はサウスデルトロード周辺でずっとレベル上げ。サウスデルトロード周辺はデルト街道よりも強敵が多く、その分得る経験値も多いわけだ。

しかしペーディオ戦闘時に覚醒した竜閃の剣が予想以上に強く、レベル上げは物凄くはかどったわけで



「えッ!?レイくんもうレベル15ぉ!?これはいくらなんでも早すぎるよ・・・」


「いや、仕方ないだろ。そういうスキルなんだから。」



レイは戦闘時に発動したスキル『プレ=ヴィローゼ』により、通常なら1貰える経験値をおよそ4もらうほどの補正がかかっている。これが早熟系スキルの効果となる。

なお、この早熟するスキルはよく呪われた武器装備時に付与されることが多い。しかしこの竜閃の剣の場合、別に呪われている武器ではない。よって、武器による身体への過剰浸食の心配もない。


ちなみに過剰浸食とはその名の通り、武器の力がスキルの効果で身体に深入りし、最終的には所有者が武器に精神を乗っ取られてしまう現象である。


「え~でもレイくん魔法まで覚えちゃったんでしょ?簡易魔法だけど。」


なおこの一週間のレベル上げで、レイは謎の魔法『ジゴレヴィ』のほかに、新しく炎魔法『フレイ』を覚えていた。

『フレイ』とは詠唱で敵一体を炎の弾丸で貫く簡易魔法である。

MP消費が100と高すぎる『ジゴレヴィ』に対してこちらは消費4と、お手軽なものだ。このような魔法を簡易魔法と呼ぶ。


「あぁ、炎のようにアツい俺だからだなッ。」ドヤァ


「あーはいはい。そろそろ町に戻るよ~」


「・・・せめてもっとマシな返し方にしてくれよ。」




夕焼けに染まるイーストデルト城下町は、それはそれは賑やかで、いたるところが光でいっぱいだ。あ、さっき夕焼けに染まるとかいったけどあんま染まってなかったわ。ごめんちょ。

レイたちは現在、今日のクエスト達成の報告とその報酬を受け取るためギルドの窓口にいる。


「・・・はい、達成確認しました。こちらは報酬の3500ゴールドになります。」


「最初のクエストに比べると報酬の伸び幅がすごいなぁ・・・」


「最初なんて報酬300ゴールドだったもんね。」


「はい、お二人とも二週間のうちに猛スピードでレベルアップしていますからね。」


「あぁ、それもそうだな・・・」


(さすがにみお姉もここの魔物には慣れてきただろう。もう少し強い魔物と戦いたいものだが・・・)


今のレイたちは、この周辺の魔物ではレベルが上がりにくくなる所まで成長している。レベルが高くなったことで、得られる経験値が少なすぎる状態になったのだ。


「・・・職員さん、今の俺達のレベルで行ける一番強い場所はどこら辺にあるか教えて欲しいんだが。」


「えっと、レイさん達が戦える最も強い魔物がいる場所・・・でよろしいですか?」


「あぁ、そうだ。」


「う~ん、そうなりますと・・・


職員さんは右横にある棚から周辺地図を取り出して、それをカウンターの前においてレイたちの前に見せた。


「でしたらこちらはどうでしょうか?このデルト街道を行くと、西の方にレントヴィンという町があります。あちらにはギルドもありますし、レベル上げには丁度良いのではないでしょうか?」


「デルト街道といえば、最初にクエスト現場だった場所だな・・・」


「私はそこでもいいよ。さすがにもうちょっと遠出してみたくなったし。」


「・・・そうだな、ならそこに行こう。」


レイ達の次の目的地が決まった。次は西の町・レントヴィン。

レントヴィンは神官の街として有名であり、この変の魔物は強さもそうだが、数がここと違う。

すると職員さんが


「あの、でしたら私から一つ提案があるのですが・・・」


レイたちに提案を申し出る。


「ん?なにか?」


「この先もお二人で行かれる予定ですか?」


「ん?あぁ、まぁな。」


「でしたらパーティー増員を提案します。この先の魔物は強敵ですが、それ以上に数が多いです。さすがに二人では人手不足ではないでしょうか?」


やはり指摘したのは、『敵の数』だ。

確かにレイとミオン二人だけでは質では勝っても量では勝てない。

全体攻撃ができるメンバーがいれば何とか対処は出来る。しかしレイは全体攻撃できる手段は持っていない、ミオンに至っては攻撃魔法自体覚えていない。

この先の冒険で、メンバー増員は必須事項になることは目に見えている。


「確かに人手は欲しいが、入ってくれる人がいるのかどうか・・・だよなみお姉?」


レイはそう言いながらミオンの方を向いた。しかしミオンはレイのほうではなく、どこか別の方を向いていた。


「・・・みお姉?なにかあるのか?」


「レイくん、その人手だけど・・・案外すぐに見つかるかもよ?」


「へ?」


そういうと、ミオンはギルドの端からこちらを伺っていた一人の少女を連れてきた。


「はい、この子!」


「え・・・」


ミオンが連れてきた少女は、見るからに幼女そのもの。とても冒険できるお年頃ではなさそうだ。見た目だけで判断しているが。


「え・・・みお姉、この幼女は・・・?」


するとその少女は




「幼女ではないのです!!私はこれでも14歳ですッ!!」






~~~~~


「え?」


「え?ではないのです!幼女ではありません!私は14歳ですよ!?」


発言の内容、そして口調、何より身体・・・

全てにおいて、どう見ても幼女にしか見えないッ!!!


(・・・おいおいマジかよ。笑っちまうんだけど・・・)


「みお姉、この子は・・・だれ?」


「それはね、今日からこのパーティーに入るお仲間さんだよ。」エッヘン


「えッ!?この幼女がぁ!?」ハァァ!?


「あ~!!また幼女扱いしましたねッ!?私は14歳なんですよ!?」


「いや、14歳でも幼女に見えるから!!少女っつーのは最低でも140cm超えないとだろ?」


(幼女体系のこの子をどうやったら14歳に見えんだよ・・・)


「うぅ・・・」グスッ


「あ・・・」


「えッ、おい!泣くなって・・・」オロオロ


さすがにやりすぎてしまったようだ。ついでにいうと泣き方までも幼女っぽい、てか幼女。


「はぁ~ホントにレイくんはデリカシーないねぇ・・・」ナデナデ


少し涙目になる少女をミオンはなぐさめながら、


「まぁまぁ、じゃあアリナちゃん、自己紹介してくれる?」



「う、うん・・・私はアリナ=メルド、ランク5の賢者です・・・」



ガタッ!!

「ランク5ぉ!?」

「け、賢者ッ!!?」


「えッ、なんで職員さんも驚いてんだ・・・?」


「えッ!?あ、まぁ・・・こんな幼い子が上級職とは驚いたもので・・・」アハハ


「~~!!!ギルドの人も私を幼女扱いするのですねー!!」




少女の名はアリナ=メルド。ランク5の賢者レベル2の冒険者、種族は獣人(ビスタ)族出身。

賢者とは主に攻撃呪文を使いこなす職業で、上級職の一つだ。


上級職とは基本職二つをあるレベルまで上げることで解放される、二つの職の性質を持つ人段階上の職業である。

ちなみに賢者は、魔導士レベル10とプリーストレベル10で解放される上級職の一つだ。さらにこの二つの組み合わせで解放されるもう一つの上級職として、『司祭』という回復魔法専門の職が存在する。


「・・・そんなに凄いのか・・・幼女のくせに。」


「そうなのです!凄いのですよ・・・ってまた幼女って言いましたね!!」


「あ~悪い、つい本音が出ちまったわ。」


「~~!!!」


(ホントこいつの反応は面白いなおいww)


「レイくん今の眼凄い悪い人の眼してるよ?」ジト・・・







デルト街道の道中にて


「・・・というわけで、新しくメンバーになったアリナ=メルドさん?だが・・・」


「はい、よろしくお願いします!」


「何て呼べばいいんだ?」


「前のパーティーでは普通にアリナって呼ばれてました。」


「えッ前のパーティー?お前どこかのパーティーに入ってたのか?」


突然アリナの表情が変わってしまった。


「えぇッ!?はい、まぁ・・・」


アリナは急にあたふたし始める。


(つい口が・・・!!)


「・・・何でそんなに驚くんだ?」


「何でもないです何でもないです!!」


「?」


「・・・」


「・・・まぁいいや、それよりアリナ?はどんな呪文が使えるんだ?」


「あ、はい。私は基本的には全体攻撃できる攻撃魔法が得意です。回復魔法は使えませんが。」


「なるほど、みお姉と属性はかぶらなそうだな。いっちょ見てみたいもんだがな。」


「はい、いいですよ。これでもう幼女とは呼ばせませんよ?」フフーン


アリナは二人の一歩前に出て手持ちの杖を前に掲げると、杖先に意識を集中させて呪文を唱えた。


「あのカメラゼの大群の前に現出せよ!」


ゴゴゴゴゴ・・・・・!!!!!!!


「うおッ」

「お~」



「『シラゼド』ッ!! 」




アリナが叫ぶと同時に、カメラゼの大群の真上に大気が凝固して出来た巨大な氷の大結晶が現出。


「ふんッ!!」


アリナが杖先のスペルを結晶目掛けて放つと、結晶がスペルに反応し分解され、その全てがカメラゼ達に一斉に降り注がれた。





!!!! !!!! !!!! !!!!





「す、すげぇ・・・」ポカーン




数秒後の目の前には、無数に降り注いだ結晶達が成した巨大な氷山が広がっていた。




次回投稿日;4月9日

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