綺麗に散った花
綺麗に散っても花は幸せだったのかも。
あるところに、一人の少女がいました。
大人しくて、本をよく読み、お人形遊び
などが好きでした。
両親は、忙しくて、おもちゃや、本を買い
与えるばかりで、あまり、相手をしませんでした。
でも、少女は幸せでした。大好きなペットの
犬もいましたし、大好きなおばあさんが話相手
になってくれたからです。
仲の良い親友もいました。
そんなある日、村に争いが生まれました。
村は、2つの勢力に分かれて争いだしました。
少女は、おばあさんや、親友と離れ離れになり
ました。
そして、村の預言者のお告げで、村にすくう妖怪が
村を混乱させているのだといいました。
そして、村の争いをとめるには、心のキレイな人が
妖怪の友達になってあげたら、おさまると予言しました。
少女は、その話を聞いて、「私の心は綺麗か、わからない
けど、お友達にはなれるかもしれない。村の争いを止めたい。
私になにかできないかしら。」と思いました。
そして、こっそり、預言者に会いに行き、自分が妖怪の友達
になりたいといいました。
預言者は驚きましたが、少女の心は揺らぎません。
そして、妖怪の居場所を聞き、会いに行きました。
妖怪は、今まで見たことのない生き物でした。
「なんだ、お前は、何の用だ!と言いました」。
少女は、言いました。「私が、あなたの助けになれるかもと
思い、きました。何かして欲しいことはありませんか?」
妖怪は言いました。
「俺の友達の妖怪は、皆、死んでしまった。俺の寂しさを
何とかしてくれ。」
少女は言いました。「私がお友達になってあげるわ。お話も
してあげる。面白いかわからないけど」。
妖怪は内心嬉しかったですが、「お前に何ができるんだ。
そうだ、俺の庭に咲いている花にしてやろう。そして、俺に
歌を歌え」。と言いました。
少女は怖かったけど、「村の争いを止めてくれるなら、いいわ」
と、言いました。
そして、妖怪は、本当に少女を花に変えてしまいました。
そして、少女は、花になっても、妖怪に歌を歌ってあげたり、
お話をしてあげたり、楽しい思い出を語りました。
そして、村は平和になりました。
そして、妖怪は、満足して、死んでしまいました。
それから、花になった少女は散ってしまったのです。
誰にも告げず、誰にも知られず、妖怪の心を癒して
綺麗に散ってしまいました。
でも、どこから聞いたのか、村には少女のことは、
語り継がれていったのでした。
少女は、散ってしまいましたが、今はお星さまになって
村を上から、優しく見守っています。
少女は、本当は、どう思っていたのか、
私にはわかりません。