覚醒前夜の物語 (プロローグ)
気分で投稿していきます。
書き直してばかりになるだろうから面白くないかもしれない……()
そのときはごめんね?
では、名前のない英雄。連載スタートです
寝れない
目を覚ますと見覚えのない所で僕は横になっていた。視界に見える一面が白く、とても明るい部屋。なぜ、ここにいるのか、なんでこんなところで寝ているのか、考えてから僕はあることを思い出した。
「…………あの男…」
フラッシュバックするようにして脳内を駆け巡る景色。
そして黒い影に襲われ、殺されかけている、自分を。
何か鋭利な、それこそナイフのようなものを突きつけられて──死んだんじゃないのか?と、疑問が浮かび上がり飛び起きる。
両手で体中を弄る。
服もよく考えれば白衣を着せられている。
私服はどこいった──と、辺りを見渡すと真横に、女の子が居た。
無表情ではあったが、綺麗な人であった。こんなにも綺麗な人が居るということは、ここは死後の世界では、ないだろう。そう、勝手に思考していると少女は閉じていた目を開け、紅い瞳をこちらへ向ける。
その美しい瞳に、見つめられて僕は動けなくなった。
鼓動が少し早くなる。
「(こ、これはもしや、一目惚れか!?)」
などと僕は自分の心臓がある部分を心の中の自分で押さえつけている図を想像していると、
「目が覚めたのね、結城……しよう?だっけ、あなたの名前」
「そ、そうだけど……どうして名前を?」
突然名前を呼ばれて驚くが、指を指された上に、先ほど胸元についているプレートに触れたことを思いだし、上から覗きこむと確かに自分の名前が書かれていた。漢字で書かれていたため、読みがあっているか確認したかったのだろう。
「紫に太陽の陽で紫陽なのね、難しいわ。人間の名前って」
頭を右へ倒しながら言う一言に一瞬の安堵。
「そう言えば、あなた人間の体を保ったままなのに、良く生きたわね。普通なら、死んでたと思う」
だが、意図が理解できない言葉が、耳に届いた瞬間。状況は掴めなくなる。
「え?それってどういう」
先ほど脳裏を過った映像と辻褄が合う話をされ、説明を求めようと手を伸ばすが、唐突に無表情の少女は立ち上がるり、横の棚から体温計を取り出して差し出してくる。
「はい。体温、計って。そしたら次行く」
と、たんたんとことを運んでいく動作や言動に呆気にとられ、素直に脇に体温計を挟む。わざわざ少女と対面するように座り直し、計測完了のベルが鳴るまでベッドに座ろうとしていた。しかし、五秒ほど経ってから我に返り状況を整理すべく、ピンク髪の少女を見つめる。顔立ちからして同じ歳か、若しくは一歳くらい前後するかもしれない。胸はあるけど多分大きくはない。個人的にはAとかBとかDとか言われたってわからない。けど、あえて言うならあるけどない。
……ではなく、服装は見るからに軍人っぽかった。だが、どこ高貴な感じがする服装。少し肌の露出が高い気もするけど、それはきっと動きやすさを追求した結果なのではないかと自己解釈した。
この部屋もよく見ればおかしい。部屋の四つ角、それとこの真上に監視カメラがある。明らかに普通の病室ではない。そもそも僕がここを病室だと思っている理由はなんだ。白いからか?だとしてもなんで病院なんてとこに居る。─と、考えているときだった。
「……ってるわ。………………聞こえないの?」
「え?うっわぁ!!?」
前に影が落ちたと思ったのもつかの間。目の前にある顔を初めて認識した僕は反射的に目を閉じて前や後ろへ動いて計二回、頭をぶつけた。おかげで、考えていたことが全部忘れてしまったが、少女がおでこを押さえて小さく唸っている姿を見て少し笑うことができた。本格的に死後の世界では無さそうだと確信する。
「はは、ごめん。ここの、職員……ですか?」
小さく唸っていた少女が、目をぱちくりっとさせ、紅い瞳で僕を見つめる。その眼差しにドキッとしてしまう自分がいた。
「私は──」
手を下ろした流れで僕が持っていた体温計を受けとり、画面を見て台へ置くとスッと立ち上がってお辞儀をする。
「私は………………あなたの先生」
予想もしていなかった一言、そんなことを言われては、人間は硬直せざるを得ない。
「────?」
一旦は鳴りやんだ体温計が、台の冷たさでエラー音を鳴らすまでの間。僕たちは互いに一言も発することがなかった。
こんばんはー誄歌(Ru:NOName)です。
名前と作者名違うって?そんなの気にしない。
名前なんていくらでも変わっちゃうんだから。
それでは次の投稿で
感想、誤字脱字報告等もどしどし待っておりますm(_ _)m