一話 救済の嘆願
なろう初投稿です。多分駄文になりますが、どうか温かい目で読んでください
大陸の最西部の半島にある国、クリト王国。この国の北の海に面する土地は大きな森林で覆われている。その森林は人が住める所か行くことですら困難な場所。水には高濃度のヒ素が含まれており、森の木からなる果実には致死性の猛毒が含まれている。そして入り番の問題はここに住まう獣が原因だった。ここの獣たち地は皆が肉食。それも人間を大好物としているものばかり。そんな天敵しかいない森で誰が住みたいと思うだろうか。
そんな森林の中心部には標高五百メートルくらいの山がそびえ立っており、その麓には割と大きめの洞窟があるといい、そこにはある噂存在するという。曰く、魔物なのに人の言葉を喋る巨鳥がいると。曰く、その洞窟には様々な財宝があり、そこに赴くと巨鳥が武器と加護をくれると。曰く、強欲な者には死よりも恐ろしい恐怖を与えるという。
「そんな噂があったのか」
「はい。ですが今日参ったのはこんな世間話をする為ではありません。私は貴方様にあることをお願いしたくて参った者です」
そんな洞窟の中に二つの陰があった。一つはこの洞窟に住むと言われる虹色の輝く翼を背に持つ猛禽類の頭をした人型の巨鳥。腕は存在しており、上腕から先は黄金の鱗で覆われている。足も短くも無く、むしろ長い。その
足を折りたたみ、数ある財宝の上に座り込んでいる。もう一つは見た目の年齢が十四くらいの場違いな印象を受ける銀髪の少年。
「それで、俺にお願いってなんだ? 俺が出来る事なんて限られてるぞ。それこそ、お前の武器に俺自身の力を宿らせるくらいしか出来ないと思うが」
「貴方様の加護は魅力的ではあるのですが、今回はそれより大事な事です」
どこか焦っている様子に見える少年。それを見て巨鳥は何かを諦めた様子で少年の話に耳を傾けた。
「巨鳥様。貴方様は今、この大陸の各地で異常な事態が立て続けに起こっている事はご存知でしょうか?」
少年の問いかけに首を傾げる巨鳥。その様子を見て、彼は落胆するように俯く。
「何が起きている」
「今、大陸中で起きてい事。それは魔物が突然巨大化して町や村。ちょっとした集落でさえ、襲い始めた事です」
その言葉を聴いた瞬間巨鳥の表情が驚愕に染まった。
「魔物が巨大化したのか」
「はい。それも大きさは我々人間の約二十倍にまで巨大化為るとのことです」
人を平均百八十にして、その二十倍と成ると三十六メートル程の巨体となる。そんな巨体と人間がまともに戦えるはずがない。それこそ空でも飛ばない限り、そんな相手に対抗する術はないのだ。
「そこで私は貴方にあることをお願いしたいのです」
少年は真剣な眼差しで巨鳥に拝む。
「どうかこの異常事態の解決の為の力をお貸しください」
遂に彼は自身の真意を打ち明けた。そして続ける様に言葉を紡いだ。
「私はこの国の王族です。私にはこの国を守る義務があります。それ故、今大陸を揺るがす程の異常事態を見逃すわけにはいきません。これを見逃せばその魔物共はいずれこの国に脅威をもたらすかもしれない。いいえ、もたらすでしょう。その時私はただ、民が犠牲になることが許せないのです。だからどうか我々に力をお貸しください。どんな物でも構いません。力でも知恵でも。報酬は払います。財宝でも家畜でも。ましてや私の命でも隙にしてください。どうか、どうか我々にあなた様の力をお貸しください」
彼の真摯の籠もった嘆願はそれから三十分ほど続いた。
「良いだろう。だが、それには条件がある」
巨鳥の呆れたその言葉を聴いて、少年は嬉しそうに顔を上げる。その顔をみて思わず巨雄蝶は
ため息を吐く。
「それで、条件というのは。まさか生け贄を寄越せという物では・・・」
「そんな物はいらない。俺は人間は食べないし、お前が国民を生け贄に為るとも思えないからな」
少し警戒した様子でそれを口にした少年はその言葉を聴いて少し安心した。
「俺が出す条件は二つだ。一つ目は前世持ちを探して欲しい」
「前世持ちですか?」
首を傾げながら問い返す少年。どうやら初めて効いた様子で頭に?マークを浮かべながら聞き返した。
「そうだ。前世持ちだ。違う言葉で言うならば転生者だ。この者達ならばその魔物に対抗することが出来るかもしれないからな」
淡々とした様子で話し続ける巨鳥。そこで少年は今頭に浮かんだ疑問を投げかけることにした。
「なぜ、その者達を探すのですか」
「そんなことは後二つ目の条件を飲んでくれたら話す。それより了承してくれるのか?」
「は、はい。分かりました。我が国の情報機関の力を総動員して探して見せます」
そんなことはお安い御用ですと言いたげな表情を浮かべる少年。それを眺めて巨鳥は少し不安に思いながら二つ目の条件を口にした。
「二つ目は、そうだな。・・・・・適当な名前を俺に付けてくれ」
数瞬の沈黙。少年は驚愕のあまり口が開いていた。
「あ、あの。私めにあなた様のような伝説の巨鳥様の名前を付けよと申したのですか?」
「そう言ったのだが、何か問題があるのか?」
名前がないと不便だろと言いたげな表情を浮かべる巨鳥は言葉を続けた。
「実はな、俺は二百年程生きているが名前という物を持ったことがない。俺には親などいなかったからな名付ける者がいなかったのさ。それからも別に必要無いと楽観的に考えていたが、お前に協力するのだ。名称は必要だろ」
「きょ、協力してくださるのですか?」と呻き声のような小さな言葉を少年が口にすると「さっきの条件を飲めばな」と返す。巨鳥は言葉を続けた。
「さて、前報酬だ。今ここで俺に名を付けろ」
どんな名を付けるかという期待の目を少年に向ける。少年は良い名前を考えなければという謎のプレッシャーで押しつぶされそうになりながら数分にわたって自己問答をはじめる。
「アダルというのはどうでしょうか」
「アダル? どういう意味だ」
少し神妙な顔つきになる巨鳥は自身に名付けられる名の由来を聞く。為ると少年は少し困った様に答えた。
「どういう意味でしょうね? 私にも分かりません。ただなんとなく最初に頭に浮かんだのがこれで、他にも考えてはみたのですがどうもしっくりしませんでしたのでこれにしただけです」
最期にすいませんと言った少年はどこか申し訳なさそうにしている。それもそうだ。伝説の巨鳥の名前をなんとなくで付けたのだ。申し訳なさそうにしてない方が可笑しい。
「アダルか。アダルだな。気に入ったぞ。今日から俺の名はアダルだ」
しかし名付けられた巨鳥・アダルは何回か確かめるように名前を呟き愉快そうに笑い、輝きだした。突然何事だと少年は急いでアルダの様子を見ると彼は絶句した。いままでそこにいた巨鳥の姿がなかったのだ。 代わりに姿を表したのは紺のインナーと赤いコート。そして黒のスラックスを身に纏った男だった。髪は金髪。瞳は紅色。長身で少し目つきの悪い二十歳そこそこの男の姿だけが巨体の跡地に佇んでいた。
「感謝するぞ、少年。どうやら名がないと人間の姿にはなれないようだからな。二百年ぶりの宿願が叶った」
男が発した声は先程まで少年が話ていた巨鳥の声と同じ物だった。少年は恐る恐る彼に話しかけた。
「もしかして、アダル様でしょうか?」
「なんだ見てなかったのか? もったいないことをしたな」
男は愉快そうに笑い少年の頭に手を置いた。
「そういえば少年の名前を聞いていなかったな。お前、名前はなんていうんだ?」
「は、はい。私の名はユギルです。ユギル・クリト。クリト王国の第二王子に成ります」
ユギスの名を聞いたアダルは優しく微笑み、彼の頭を撫でた。
「ならば俺も名乗るとしよう」
アダルはそう言うとユギル目をみて話しかけた。
「種族は天輝鳥。名をアダル。お前らが噂と呼ぶ巨鳥であり、前世持ち。または異世界からの転生者だ」
ユギルはこの日、最期の驚愕の事実に口が塞がらなかった。