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三十二話

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「てめっ!逃げてばかりいるんじゃねぞ、ゴラァ!」

「うるせー!お前みたいな脳筋の相手なんかしてられるか!」

「さっきまでの威勢はどこいった!」

「過去にこだわってねーでさっさと次にいけこのやろー!」

「ああそうするさ!テメーをぶち殺したらな!」

「お前、馬ッ鹿じゃねーの!?俺なんか殺してどーなるってんだよ!」

「どうなるかなんて後で考えりゃいい!今は任務が優先だ!なあ!そうだろオイ!」

「任務より人の命を優先しろよ!」

「ああワリぃ言い方を間違えたみたいだなぁ!俺様は人の苦しむ姿が見たいんだよ!だからさっさと潰されろ!」

「なんだよお前!ただの変態かよ!」

「貴様!ぜってーぶっ殺す!」

「お前少し大人気ないぞ!?」

元気に走り回る、と表現していいのかは定かではないが、将と十次は走り回りながら罵倒し合う。将のロールの効果が切れ彼は対処出来なくなり仕方なく逃げ回る事しか出来なかった。榊の援護を期待していただけにこれは将にとって想定外の出来事だ。気絶したままの魔術師を睦生が拘束さえしてくれれば彼が駆けつけて二人で拳闘士の相手を出来るが、それまで逃げ切るかは将の体力にかかっている。が、それももうそろそろ先が見えてきている。

当然だ。常に体を鍛えている拳闘士の十次と特に体力作りをしているわけではない魔術師の将では体力に圧倒的な差がある。だがそうは言ってもなかなかに将は持ちこたえてはいた。

一筋の光が、彼を救う。

「チッ!ここまでか。回収も排除もしないままとはな。・・・何のつもりだ夜一。だが、まあ・・・」

無事ならいいか、とも思う。

十次は立ち止まり悪態をつくと空に描かれた一本の光の軌跡を見上げ、視線を夜一が消えていった雑木林へ落とすと少し安心したように睨みつける。髪を掻き上げ滴る汗をそのままに、彼はゆっくりとした歩みで気絶したままの魔術師の元へ進む。当然、そこには睦生が既に辿り着き、魔術師の拘束を試み始めたばかりでいた。

将の、怒号の様な制止が轟き身構える睦生に緊張が走り、こめかみから頬を一筋の汗が這い落ちる。将が慌てて駆け寄るが今更間に合うはずが無かった。

そんな二人の焦りに十次は呆れた様にひらひらと手の平を振ると気怠い声で何もしない事を告げ、代わりに魔術師は貰っていくと、少し意地の悪い笑顔を見せる。

「本当に、何もしないんだな?」

「ああ。うちのリーダーの指示は絶対なんでな。それにアイツとの不毛なやり取りで俺も大分、やる気が削がれているしな。それに、まあ、なんだ。」

十次はそこまで喋ると魔術師を肩に担ぎちらりと睦生を見る。それは厳しい眼差しだが、確かに思いやりのようなものが感じられた。

「こいつを殺さないでいてくれたろ。うちのリーダーもな。手加減された、とは思っちゃいねぇが、あんたらなら確実に俺らを始末できたはず。何を躊躇っているのか知らねぇが、もし今回みてぇなことがあると、今度は命を落とすぞ。人道主義も結構なことだが俺らを雇った連中はあまり甘くねぇ。あいつらにとって人の命なんざただの数字だからな。二人を助けてくれた義理として、忠告だけはしとく。」

精々気を付けなと、彼はポツリと呟き橋のある方へ歩き出す。少々歩き辛いようで、聞き取りは出来ないが魔術師へ何やら文句を言っているようだった。

橋の前にはいつの間にか夜一が来ている。榊の姿はまだ見えないが、夜一に目立った外傷がなく十次は心の中でそっと胸を撫で下ろしていた。

「で?なんだって撤収の指示なんて出した。」

「手掛かりを掴んだ。一旦表のギルドに接触する。」

「手掛かりを掴んだ割には随分と不機嫌だな。あのヤローになんかされたか?」

下卑た含み笑いを浮かべる十次の臀部に強烈な蹴りを入れるが彼には対して効果がなかったのか嫌な笑顔は消えることがなく、寧ろからかうようにその笑い声は大きくなる。

「まあ、無事でよかったよ。」

「アイツらは所詮素人だし。でも、済まないと思っている。」

「何がだ?」

「依頼の放棄のこと。」

「ああ。そのことか。確かに面倒になるかもなぁ。」

「ごめん。」

「元々手がかり掴むために裏の世界に足を踏み入れていた面もあるんだ。気にするな。」

「でも十次は元々裏の世界にいたし・・・」

「そうだっけか?昔過ぎて忘れちまったよ。しかしまさか全く逆の方法で探していたなんてなぁ。なんと言うか、間抜けだな。」

「ぐっ。それを言うな。」

「消息不明だったから裏で探ってたが、完全に裏目に出たな。それで?生きてるのか?」

「分からない。でも、多分、もう・・・」

「・・・そうか。」

「十次は破滅種に会ったことある?」

「いや、ないな。亜人ならあるが。そもそも本当に破滅種何て存在してるのか、余程隠れるのが上手いのか。」

もしくは、と十次は考える。

今回の任務を依頼してきたのはアメリカ政府のとある機関だ。表向きはごく一般的な規模の製薬会社で月に一度程、広告を雑誌や新聞に掲載している。広告内容も特に興味を惹かれる様なものではなく掲載されている電話番号にかけても話し中で繋がらずHPも一度も更新されていない。

この世界には表に出ない政府機関が数多く存在している。政府さえその存在を把握しきれていないのが実情だ。

そして破滅種や覚醒種に関する情報を知る者は限られ、当事者以外では千人にも満たないと言われてる。

十次が思う考えとは、破滅種とは裏で繋がるごく一部の者達が作り出した幻影、もしくは口実ではないかと言う疑惑だ。

少なくとも彼の身の回りで破滅種にあったと言う者はおらず、彼自身も破滅種の存在を裏付けるものは何一つ見ていない。亜人の存在がそれに充るかもしれないが人間が作った可能性もある。

「アイツは、破滅種の存在を信じているみたいだった。そして多分、その痕跡を見つけている。」

「そいつぁ、いいのか?このまま離れて。」

「構わない。それに早くこの場から、この国から離れないとボク達の命が危ない。」

「まったく面倒な事に巻き込むなよ。俺は楽しく楽に生きたいと何度言わせれば気が済むんだ。」

「起きたんなら自分で歩けよ。」

「いてッ!もう少し優しく降ろせよ。」

「ヤローに優しくするメリットなんざありゃしねーよ。」

落とされた時に臀部を強く打ったのか樹は顔をしかめると立ち上がり十次を軽く蹴り上げる。全く効果がないのか意に介さず十次は歩みを緩めることなく進んでいく。

今後どうするかを十次と夜ーは話し合う。樹の不平不満は全く聞き入れてもらえる気配はなく彼の不満はいつの間にか仲間から政府へ、そして世界へと向けられ自分たちがどれだけ壮大な陰謀に巻き込まれようとしているかを半分本気で説いていた。














「結局何だったんだあいつらは。」

「暗殺者、ってやつだろ?何にせよお互い無事で良かったよ。」

「まったくだ。榊のやろーはどこ行きやがったんだ。あいつのせいでヒヤヒヤしちまったじゃねーか。」

「こっちも大変だったんだよ。わかれよ。」

ひょっこり姿を現した榊に二人は一瞬黙り込むがすぐに大声をだして笑う。左頬を赤く腫らした榊は不機嫌を隠そうともせずに憮然とした表情を浮かべていた。

「なんだよそれ。」

「うるさいよ。ちょっとうっかり口が滑っただけだよ。で、どうなってんだ?」

溢れる涙と笑いを必死で抑え込みながら睦生が説明する。大方は榊の予想通りだったが意外とあっさり身を引いたあたり、夜一と言う人物にはそれなりの統率力はあったのだろうかとぽつりと呟き今度は自分が見聞きしたものを二人へ細かく説明した。

「ああ、あのときのロシア人か。今頃日本に行ってるんだろうな。それにしても妙な縁だな。」

「だね。前々から思ってたけど榊と会ってからなんだか騒がしい気がする。」

「トラブルメーカーなんだろ、こいつは。」

「お前また年上に向かってこいつとか言いやがって。まあいいけど。で、どする?」

「一旦引き上げかなー?まあこのまま連れて行っても良さそうだけど。」

「それは困る。」

唐突に投げかけられる聞き覚えのない声。三人は一斉に声のする方を振り返りその手には既に武器が握られている。咄嗟に。或いは無意識に。それ程、その声には冷たい殺意が込められていた。

「いい反応です。噂通り、中々の場数を踏んでいるようで。」

グレーのストライプ柄のスーツを着た男がそこには立っている。左手にはヒースが引きずられ、彼は気を失っているようだった。

「だとよ。良かったな褒められて。俺もびっくりだよ、最近までそんな反応なんて出来てなかったろ。」

「褒められても嬉しかねーしびっくりでもねーよ。こんだけ殺意を振りまかれてちゃ反応しないわけねーだろ。」

「だね。何者なんだろうね、あれは。ところで二人共、余裕そうに見えるのは気のせいかな。」

「でっけえ誤解だ。俺は今すぐ逃げ出したいよ。」

榊の額を滲ませている汗がそれが冗談などではなく本気で言っている事を物語っている。柄を握る手にも汗をかいているのか何度か握り直しをしていた。

「取り敢えず、自己紹介などしてみましょうか。私はレイニー・クラーク。ご察しの通りかはわからないが、所謂破滅種です。以後お見知りおきを。」

「で、そんな希少種がなんだってこんなとこにいるんだ?散歩か?」

「まあ似たようなもので。手間を考えるとね。実はこの後も一件予定があるのでね、早めに終わらせたいと思っています。」

「おい!まさか椿達にも手をだしてんじゃないだろうな!」

「あなた達はあれのお気に入りなので心苦しいのですが、まあそうです。この男の存在を知るものには消えてもらうことにしたようです。ではさようなら。」

空気が弾けた気がした。

咄嗟に構えた剣を通して全身を衝撃が穿く。数か所の骨を代償に辛うじて耐えた肉体に無理をさせ攻撃へ転じる。足元から流れてきた力は剣を伝い相手を押しのけ右斜め下から非常識な速さで相手を切り上げる。レイニーの表情に僅かな歪みが、頬を切り裂いた傷と共にあらわれる。

榊の二撃目。上がりきった剣先を強制的にねじ伏せ突き。が、いつの間にか取り出された槍の回転に阻まれ弾かれる。槍は回転したまま左右に振られ威力を増したまま連続の突きに榊は防ぐしか出来ず、またそれが目的でもあったように剣の間合いから離されてしまう。

「将!睦生!離れろ!」

彼らを見ずに榊は叫ぶ。殆ど勘と予測だけで躱し、防いでいるが穂先は徐々に彼を捉え始め刻々とその身に切り傷を負っていく。突きの速さだけではない。穂先を引き戻す速さが尋常でなく、引き戻しの際に回転でも加えているのか奇妙な衝撃が発生し、それが一々榊の反応を鈍らせる。

突如、炎の柱が立ち上がる。将の術だが以前使ったときは暴発したが今回は上手く作用している。が、直前でレイニーは引き下がり炎の効果範囲から逃れていた。

「大気の変異さえ感じられればあなた方の魔術などただの児戯なんですよ。所詮、我々の真似事。いや、真似すら出来ていないようですがね。」

攻撃が止んだ一瞬の隙きを榊は見逃さない。驚異的な突進力で一気に間合いを詰める。常人ならば反応は出来ない。人ならざるものでも、間に合いはしないだろう。榊の全身を覆う、睦生が作り出した薄い空気の膜は全ての大気の抵抗を無にしてくれる。それによる榊の移動速度は燃え上がる将の炎の柱さえ彼を捕らえられない。

紅い筋が幾重にも宙に様々な模様の残像を残す。それは榊の剣の軌道が、いかに早いかを証明してくれている。更に速度が上がったのか紅い筋は次第に範囲が狭まっていきほぼ、レイニーの上半身にのみ残像を残し始める。

意識の切り替えと、尋常ではない負荷を持った剣の制御。

それは榊の身体にかつてない負担を残し続ける。

遠巻きに見ていた将の頬に一滴の紅い液体が降りかかり、将と睦生の間に焦りが生まれる。

榊が何をしているのか全く見えないが、恐らく防いでいるであろうレイニーが僅かな笑みを口元に浮かべ、一方的に榊が傷付いていくのだけはわかる。それがどれだけ危険な状況かも。

「睦生!ありったけの魔成を使え!このままじゃ榊がやべぇ!」

睦生もそのつもりだったのか直ぐに詠唱が始まる。

「榊!一旦離れろ!」

将の怒号にも似た叫び。当の榊も既にレイニーから距離を置きいつでも迎え討てる準備をする。相変わらず、レイニーは不敵な笑みをその口元へ浮かべていた。先程、榊が唯一付けた傷は既に塞がり掛けており種としての圧倒的な差を見せ付けられている。

榊の中で確信が生まれる。それは今まで戦った相手に一度も『本物』の破滅種がいなかったという確信。圧倒的なまでの種族差に恐怖すら薄れ一つの疑問が浮かぶ。今は、それどころではないのに。

レイニーの四方を囲むように幾重もの障壁が出来上がるとほぼ同時に将の魔術が炸裂する。それは文字通りに。

ごく限られた空間での瞬間的な燃焼。

それは被害を広げないためだけではなく、効果的に燃焼を促進させまた、燃焼までの時間を大幅に短縮させている。ありったけの魔成を注ぎ込まれた燃焼はその力の行き場を障壁に阻まれ上空へと向けられる。

巨大な火柱が、立ち上がる。轟音と共に。

同時に障壁は弾け飛び熱風が三人をすり抜けていく。舞い上がる砂塵に覆われレイニーがどうなったのか分からない。鉄臭い唾が喉を落ちていくのを感じた榊は剣の柄を強く握りしめる。嫌な気配が、彼の首筋に纏わりついたまま臓物を掴まれている錯覚を与える。

乾いた口から漏れた言葉は、他の二人には届かなかった。それがわかったのか、それとも抑えられない感情が弾けたのかは分からないが榊はもう一度同じセリフを吐き出す。

「二人とも逃げろ!」

二人に躊躇いが見れる。当然だ。この状況で榊だけを置いてこの場を離れるとどうなるかなど火を見るよりも明らかなのだから。

「いいからいけ!」

今まで一度も聞いたことのない榊の声質に、二人は否が応でも従うしかなかった。虚勢と憤怒と、怯えがそこには入り混じっている。そして、恐怖も。

「くそっ!」

「絶対死ぬな!」

無茶を言うな、と榊は内心で毒を吐くが言った本人も恐らく同じ思いだったのかもしれない。そう思うと少しだけ気持ちが楽になっていた。

レイニーがいた場所を中心に突風が円の様に広がり走り抜ける。と、同時に埃が掻き消され槍を振り払う彼が姿を現した。

「槍の防御防御能力をあまりみくびらないでほしいですね。それに私が見逃すとても思いましたか?」

「いんや。あんたなら、何が何でもこの場で始末するだろうな。だが・・・」

深く、深く、息を吸い込む。身体の中心に気力が集まっていくのをはっきりと感じ取りそこに意識を練りこんでいく。呼吸法のもう一つの使い方。体内で練りこまれた気力を一気に体外へ放出し、数メートル圏内にいる者を強制的に榊に注意を向けさせ意識を彼から外せなくする。時間にして僅か数秒、感覚ではほんの一瞬だが大勢に殺意にも似た気配を向けられその効果から逃れるのは至難だった。奇妙な空気がレイニーに纏わりつき彼の動きを止める。

「くっ。妙な技を・・・」

「あんまり相手になんねぇかもしれないがもう少し俺に付き合えよ。案外、てこずるかもしれねーしさ。」

将と睦生は既にヒースを二人で支え車が止まっている場所へ移動を始めている。初めからそれが狙いだったかのように上手くレイニーをヒースから遠ざけていた。榊の攻撃が無駄にはならずに済んだようであった。

すぐ戻る、と聞こえた気がした。実際、将達はそのつもりでいたし、椿達も集めれば何とかなると、淡い期待かもしれないが、それでも榊一人だけを犠牲にするつもりは更々なかった。

だが肝心の榊にはその声ははっきりと届いていない。何故なら彼の意識は既に混濁し始めていたのだから。朧気に見えるレイニーの姿を正面に捉え僅かに残った意識を彼に集中させている。一瞬、紅く光った刀身は既にいつもの姿を取り戻しピクリとも動かず剣先はレイニーを狙っている。

榊の奥の手。本当の、奥の手。

仲間の皆には伝えていない、最後の手段。

それは、回復を行う息吹を使ったもう一つの剣の力。刀身が紅くなる原因に気付いた彼は誰にもそのことを伝えずにいた。息吹の力を、剣が喰っていると言う事を。最初は反応しているだけかと思っていた。が、どうやらこの剣は榊の息吹を喰らいそれを糧に力を増幅させ能力を限定的に解放しているようだった。

その能力が何なのかは未だに分かっていないが。

息吹を使い、吸われた力がどこに消えているのか気になった榊はその力を取り戻そうと試みるが一度消費されたものは取り戻せない事を知る。当たり前だが。

では消費前ならば?

そんな疑問が浮かぶのは当然で彼は何の迷いもなく躊躇いもなくそれを実行する。

取り戻されたのは増幅された剣の力。意識は途切れ、彼が目を覚ました時、辺りは嵐でも去った後の様に荒れ果てていた。木々は傷つき一部は無理やり切り倒され、手入れをされていなかった地は抉れ至る所が陥没していた。

念のため録画していた映像を見て榊は恐怖におののく。

時間にして僅か数分程度の映像に映っていたのは正気を失い暴れまわる自分の姿だった。衝撃に、彼はこの行為を心の奥底にそっと封じる。

それを今、彼は使った。


『還元』


彼はそう呼ぶ。ありったけの気力を息吹に変え、その力を還元する。己に。

意識が遠のいていくのを実感する。





















獣の如き雄叫びが響き渡る。榊の瞳は正気を失い鋭いギラつきだけが宿っている。熱気からなのか殺気からなのか彼の周りの風景は陽炎のように揺らいでいる。

剣を突き出しそのまま榊は突進する。そこに今までのような速さはなく容易く防がれそうである。

溜め息混じりにレイニーは槍での防御を試みる。剣は、簡単に弾かれる、はずだった。弾かれたのは、槍。咄嗟にその場から後退するがお構いなしに榊は追撃の手を緩めない。絶え間なく降り下され、薙ぎ払われる剣の速度は明らかに落ちているが異常な重さの剣撃にレイニーの銀色の槍は尽く弾かれる。後退と回避を余儀なくされ彼の顔は若干の曇りを見せた。

「・・・愚かな。」

「一時の時間を稼ぐ為に神の器になり下がるか・・・」

声の口調程、彼には余裕は無かった。ただ闇雲に繰り出される剣術には技術など皆無でただ獣が凶器を振り回しているに過ぎない。そこには榊の意志は既になく朽ちた本能だけで動いている。

忌々しい神々の力。

不完全ゆえ一時的なものだがやはりそれでもそれは厄介極まりないものだった。かつて自分たちの先祖を追い詰めた力だ。そう易々と退けられるとは思っていない。

金属が打ち合う音が辺りに響き渡り続ける。その度に二人を中心に大気が弾けその場を離れた将と睦生の鼓膜を震わせた。

「ありゃなんだ!?榊のやつどうなってんだ!」

「知らないよ!僕も何も聞いていないんだし!」

「あれは神々の力・・・いやしかし少し違うような気がするが・・・」

「じーさん目が覚めたか。無事でよかったよ。」

「あちらこちらに痛みがあるがね。しかし彼はあの力を何処で手に入れたのだ?」

「神々の力ってもしかしてあの時の怪物の力のことかな?」

「だろーな。けど少し違うって言ってるぞ。」

慌ただしく三人は車に乗り込むがそこに運転手の姿はなく、どうやら一足先に逃げ出したようだ。助手席に乗り込んだ将が運転席へ移動するとそのままハンドルを握りしめエンジンをボタンを押し起動させると睨みつけるような視線を榊とレイニーに向けていた。この場を離れるか残るかまだ決めかねている。榊を置いていく躊躇いには、睦生も理解しているだけに彼に急ぐように口出しを出来ないでいる。

「彼が心配なのであればロールで直ぐに戻ってこれる。残り少ないが、往復分くらいならまだ残っているしな。ペルも手を貸せば、あの男を引かせることが出来るかも知れん。」

「ペルって誰だよ。てゆーかそんな長距離を移動できるのかよ!?」

「ま、移動に多少のコツはあるが理論上は地球上の何処にでも移動できる。まあ失敗したときの命の保証はないがな。」

「マジか。」

「どちらにせよこのままじゃ命の危険はあるんだし、使って下さい。」

「分かった。上手く皆が揃っているといいのだが。」

数秒後、三人の姿はその場から消え去る。光に包まれ消え入る様に。

それに気付いたのかレイニーは無意識に歯ぎしりをする。計画の妨げと相違に苛立ちを感じ始め脳裏にあの男との会話がよぎる。それと同時にあの男から発せられていた香のような匂いも。


『お前でも、あの男には手を焼くぞ。あれの思考は、我らとは別のものだ。何をしてくるかわからん。』


少し大げさに、だがどこかからかう様にあの男は枯れた両手を天に掲げ、仰いでいた。優美を求めた自分とは対極にいるあの男をレイニーは嫌い、またあの男も事あるごとにレイニーの仕草や価値観を小ばかにしたように真似をする。決して相容れない、おそらくお互い目の前で途絶えようとしていても何の感情もわかないであろう。

槍をうねらせ地面を抉り弾かれた岩石が榊の動きを一瞬だが止める。既にレイニーは次の動きへ、高速で突き出される槍は残像を残しまるで数本の槍で同時に攻撃している様に見える。だが自我を失くし目に映るものへの興味をなくした榊にどれほどの効果があるというのだろうか。現に彼はお構いなく何の策も労せずにただ突っ込んでくるだけである。

そこに一つの違和感を覚える。

あるはずのものがそこには感じられない。榊の剣先を紙一重で躱すも読み違えたのか、それとも剣気によるものかレイニーの身体に深い傷を残す。

違和感の正体。

それは神の器に必ず現れる狂気。それが榊からは一切感じられない。

「馬鹿な。『あの事件』の男でさえ狂気を隠せずにいた。それをこの男が抑えられるはずがない。それにあの力は細胞レベルで抑える事が不可能な上に原型を留められなかったはずだ。」

誰も聞くことない言い訳じみた言葉が漏れるがそれはおそらく自分に言い聞かせているのだろう。傷口を押さえ治癒を早める。ヌルッとした感触が出血の量を教え傷口の熱が深さを教えてくれる。注ぐ魔力に注意を払い正面から執拗に追撃してくる榊に束縛の術を施し地中から実体のない鎖が榊を捕え彼の動きを止める。

榊の身に起きている事象を説明できるあらゆる可能性を記憶の中から探り出しながら彼の口は不可解な旋律を紡ぎ続ける。榊の拘束を終えた瞬間、複数の雷光が彼に襲いかかり土埃を巻き上げ榊の姿を隠し轟音が辺りに響き渡る。

「チッ」

思わず出た舌打ちに本人も意外そうに目を細める。辿った記憶に答えがなかったからではない。雷光に、何の意味も結果も無かったからだ。生物を塵にするには十分な威力だったはずだが恐らく彼は一振りの剣でそれを防いだ。どうやって、と疑念はいくらでも浮かぶが手段は案外単純なものかもしれない。


(やろうとは思わないが、な)


行き場をなくした雷の残りを刀身に纏い彼は静かに佇む。野獣のような殺気は消え、代わりに奇妙な空気を纏い彼はじっと地面を虚ろな瞳で見つめている。その姿は、何かを確かめているようにも見えた。

ぞくりと背筋が冷え、全身が総毛立つ。あまりにも久し振りの感覚の為かそれが何を意味するか理解出来ずに判断が一瞬鈍り、いいように榊に間合を詰められる。魔法を使う間もなく振り回される剣は相変わらず狂暴だが榊本人の瞳は虚ろのままのせいで先程までより剣筋が読めなくなっていた。

振り下ろされた剣を槍でいなすと同時に地面に押さえつけ石付きで榊の顎を打ち上げる。が、彼はそれを後転で躱し地面の砂利を蹴り上げながら剣を突き出し突進してくる。レイニーは手をかざしそれを迎え撃ち聞き取れない詠唱を紡ぐとそれは直ぐに完成し彼らの間に半透明の青白い障壁が出来上がる。奇妙な、だがある法則に則ったその障壁は美しく淡い光を放ち榊の攻撃を待ち構える。剣先が触れた直後、甲高い音と共に幾つもの鋭利な氷塊が榊を襲い彼を弾き飛ばし間髪入れず、レイニーは上空に手をかざし再び呪文を紡ぐ。頭上に展開される陣は先程より遥かに大きく、とは言え直径5m程の円形なのだが、それでも先程より禍々しくまた複雑でもあった。

「潰れろ。」

それが合図でもあったかのように陣は鮮やかな深紫色に光り輝く。榊を取り巻いていた土埃と氷煙は一気に散開し何かに押しつぶされるのを必死で耐える彼の姿が露わになる。

「耐えても無駄です。あの者が使っていたような未熟なものとは次元が違う。終わりです。」

穂先を榊に見定め構え彼はぽつりと呟く。どことなくその表情は寂し気なのは気のせいなのだろうか。が、その表情も一瞬で消え大きく見開かれた瞳は榊を凝視する。

「があああああああああ!」

突如湧き上がる叫び、と言うよりは咆哮に近い。それは大気を裂き、彼は剣を振り上げ自身の頭上にあるその陣へ向かって飛び上がる。

有り得ない現実にレイニーは確信を得る。

有り得ないと思っていた。

この時代に残っているわけがないと高を括っていた。

彼がそう思うのも仕方のない事だった。実際、神と呼ばれたあの者達が製造した数多の模造品は程なく朽ち果てそのどれもが本来の性質を再現できず、紛い物と呼ぶより全くの別物として出来上がっている。運よく現存する物も使用に耐えられるかも分からない。つまり実在したとしてもそれをヒトが観測できるわけがなく、観測出来たと聞いた時、彼は榊が持つ剣を神々が造った一振りと判断していた。

彼は今、ヒトを見下し、真実を受け止めなかった自分を呪った。まさかヒトの技術がその領域まで達しているとは思いもよらず、もう一つの可能性も視野に入れなければならなくなった現実に先が思いやられた。

さて、榊が持つ剣が原始の一振りならばもう魔法は役にはたたないだろう。言い伝えが真実ならば。あの状態で剣の性能を引き出せているのならば迂闊なことは出来ないが、幸い剣術と槍術の技術差には一長一短でこちらが有利だ。ただ、それでもやはりこの忌々しい剣圧だけはどうにもならない。

魔法陣を切り裂いた彼はそのままの勢いで回転切りの要領で斬りかかってきた。辛うじて槍で防ぎはしたが人体への影響を無視した剛力にそのまま抑えつけられている。この力がいつまでも続くわけでは無いのでこのまま飄々とやり過ごすのもいいのだがそれではプライドが許さない。

レイニーの口元に笑みがこぼれる。

剣をするりと逸らすと一旦距離を置き、少し大袈裟とも思える程、大きく槍を振り回しその残像は自分を中心に大きな円を作り上げる。

フッと、レイニーの姿が消えた気がした。いや、実際に彼がいた場所には土埃だけが舞い上がりその姿は既に榊の目前にいる。不規則に振り下ろされる槍は地を弾き反転と反動を繰り返し上空から弾雨のように降り注ぐ。その一撃一撃が人の身を破壊するには十分な威力を持っているが榊は無表情で弾き、身を捩って躱し反撃の機会を狙い続けるがレイニーは躱された矛先を地へ突き立てると上空へ跳び上がり榊の頭上を通り越す間に数多の突きを繰り出す。破壊的な威力はないが躱しきれなかった鋭利な矛先は榊の体を射貫く。鮮血が吹き出すも彼は表情一つ変えない。相変わらず虚ろな瞳は何を見据えているのか分からない。

レイニーの着地に合わせ榊は剣を繰り出すがレイニーはそれを躱すとすぐさま反撃に出る。が、それを柄で受け止め片手で胸倉を掴むとそのまま地面へ叩きつけるように投げ飛ばす。器用に受け身を取り繰り出される槍術を榊も負けず劣らず器用に剣で捌ききる。

繰り返される金属が弾かれる音と大気が弾ける振動。一度舞い上がった土埃は休むことなく舞い続け二つの武器により地を抉られていく。二人の力は拮抗しているように見えているがそれも残り僅かだろう。徐々に、力の差に開きが出始めている。

榊の覚醒が近付いている。

無表情だった顔には少しずつ動きが見え始め、虚ろだった瞳には時折光が灯り始める。

「制限時間付きとは。となると、やはりその剣は原始の一振りに間違いないようですね。一体どこでその様な物を手に入れたのか気になるところですが、人種の身でそれを扱うには辛いでしょう。そろそろこちらの声も届き始めている筈です。」


ああ、聞こえてるよ






















「なんだったのかしらこいつらは。」

「何だったって、大方ヒースを奪いに来た連中だろ。にしてもお前、強くなったなぁ。」

「そお?」

「それに容赦なさすぎじゃないか?人相手にこれだけやるとは思わんかったぞ。」

「新しい弾丸のおかげよ。ありがとう師匠。これで今後も気兼ねなく戦える。」

「本当はそんなもん必要ない相手との戦いがいいんだがなぁ。いや、それもどうかとは思うが、まあ仕方ないしな。」

「身を守れるならばなんだって使うわ。それに彼らの足手まといになりたくない。」

「足手まとい、ねぇ。」

それだけではないことは分かりきっている。むしろよくここまで他人を気遣えるまで余裕がもてるようなったと安堵すら覚えた。あの者達との出会いに、彼は心底感謝していた。交差して地面に突き立てられた二本の戦斧に背を預け、久しぶりの戦闘に気分が高揚している事に元来の性を改めて実感する。

「弟子の成長ぶりも見れたしな。」

「なに黄昏てるんですか、お師さん。」

「なんでもいいだろ。それよりお前らも容赦ないな。少し連中が気の毒に思えたぞ。」

「この人たちが弱いのよ。それにお師さんだって人のこと言えないと思いますけど?」

「わしのはあれだ。久しぶりで力の加減が出来なんだ。それよりも、と。」

彼は立ち上がり粗方片付いた周りを見渡し自分達を襲ってきた集団に指示を出していた男へのそりと近付いていく。拘束された彼の右腕はきつく縛られこれ以上出血しないように処置されている。肘から下は押しつぶされたように切断されていた。

「少しは痛みは引いたか、若いの。」

当然の様に返答はなく、睨み付けるその瞳は充血し強い憎しみを宿している。顔色は相変わらず血の気が引いた色をしているが先程よりは随分と良くなっている。全身黒い戦闘服に身を包み要所要所の厚みがある箇所は耐衝撃が施されているのだろう。生憎と所属を示すようなものは一切なくご丁寧に銃器のナンバーまで削り取ってある。

「さて、この右腕がほしいだろう。こちらの質問に答えてくれれば、繋げてやらんこともない。」

「馬鹿な事を。こんな場所でそれが出来るわけないだろう。さっさと始末したらどうだ、化け物共め。」

「化け物ねぇ。あんたらを雇ったのがその化け物じゃないといいけどね。霞、頼める?」

「いいの?」

「死なれても目覚め悪いしね。お願い。」

「だね。わかった。」

切断された自分の右腕を断面に押し付けられ思わず呻き声を洩らす。ごめんねと、少し申し訳なさそうに呟き霞は右手をかざしそっと瞼を閉じ歌う様に言葉を紡ぐ。その言葉の意味は人の耳には聞き取れず心地よさだけが耳に残る。かざされた先には淡い光を放つ不可解な緑色の陣が現れ無数の光子が切断された腕を包んで見る見るうちに繋ぎとめていく。

「多分暫くは痛みが残るし完全に繋がるには時間がかかると思います。痛みを感じなくなるまでは、動かさない方がいいですよ。」

瞳を大きく見開き、微動だにしない男に彼女は少し悪戯っぽい笑顔を向けてそう忠告する。

規格外だな、と心の中で呟く。

現役時代、彼女と同系統の者と旅をしていたこともあり神聖魔法の力は知っているつもりだった。だが、霞は彼が知る神聖魔法とは明らかに別次元にまでその力が作用しているように感じている。切断された腕を繋げたからではない。その程度なら彼が知る術者も出来ていた。驚いたのは術の発動の早さと疲労度の無さだ。

「経験の差だけではないだろうなぁ。」

「何がです?」

「いんや、こちらの話だ。で、どうだ、若いの。話してはくれんか。これ以上この娘らに酷いことはさせたくないからなぁ。」

男の反応を見る限り、こちら側の人間でない事に気付いていた。何も知らされずに金で雇われただけの傭兵だろう。矜持や義理で動くような人種でないなら付け入る隙はあるが問題は金以外で縛られている場合だ。

だから脅した。

先程までの戦闘と目の前で行われた奇跡を利用して。理解を超えた力に対して人は脆弱になる。

特に現実と向き合ってきた者ならば。

「・・・分かった。が、俺から得られる情報は多くはないぞ。」

「・・・だろうな。だからお前の『感想』を聞きたい。」

彼らは保身の為に依頼者に関する情報を極力、得ないようにする。必要なものは対象と金だけでそれ以外はトラブルの原因と考えているからだ。相手の事を聞かない代わりにこちらの情報も一切出さない。『窓口』を通して依頼を受けるのはそのためだ。

だから彼は『感想』を聞いた。経験からくる相手のイメージを。いくつかの心当たりがある場合、相手のイメージだけである程度の絞り込みが出来るから。

「・・・おそらくこちら寄りじゃないだろう。だからと言って素人と言うわけでもない。正直な話、かなり奇妙な、今まで相手にしたことのない種類の印象が強い。今ならその理由がなんとなく分かるがな。」

「例えば?」

「・・・闇だな。国や思想や政治的なものを一切感じさせない。」

「相手を知らないのによくそこまでわかるわね。」

「俺たちはゴロツキだが少なくとも今まで生きてきているんだ。人の裏を読み取れない奴は死んでいる。」

「それが答え?呆れた。」

「何とでも言え。お前たちこそそのままだと近いうちに死ぬぞ。」

「大きなお世話よ。」

「闇?ってどんなの?」

「恐らく覚醒種の事だろうが如何せんしかしだとしたら少々妙な事態になっていることになるなぁ。」

「妙な事?」

「それは・・・」


「みんな一緒に来てくれ!」























感覚はない。

そして多分意志も。

前回との違いは今回は意識があると言うことだろうか。

相変わらず自分の意志で動くことはできないが。

まるで他人の夢を暗闇からレンズ越しで見ているような気分になりひどい罪悪感と不快感が付きまとい二度と味わいたくない後悔で支配される。意識はあるがそこに思考はなくただただ目の前で繰り広げられている映像を見せ続けらせている。

どのくらい続いているのか分からないがそれは唐突に終わり痛みが彼を襲う。

どこが、と限定的なものではなく単純に激痛を感じる。

そして意志が、意識とつながりそこで初めて自分が置かれた状況に焦りを覚え必死で意思の切断を試みる。無駄と分かりながらも。

徐々に熱を感じ動かない身体を意識する。声が聞こえる。誰の声か始めは分からないが次第に記憶の中から声の持ち主の姿形が作られていく。闇の中で留まることを諦め体のどこが動くのかを確かめるがまるで神経が死んでいるかのように自分の体に意識を繋げられない。

いつの間にかそこにあった小さな光の点は一気に広がり榊に瞳に世界を映し出す。それと同時に地面へ膝から崩れ落ち、両腕はだらりと投げ出され剣が乾いた音を立てて滑り落ちていく。

「おや。目覚めたようですね。」

目の前の男は構えた槍を引き下げると相手が既に動けない事にとぼけたように声を掛ける。

「どうやら声すら出せない程疲労しているようですね。さて・・・」

槍をくるりと回すと彼は周りを見渡す。

「ご希望通り、あなたのあのおかしな仲間はまんまと逃げきることが出来ました。もっとも、猶予が延びただけで結果は変わらないですが。」

「そ・・・うでも、ない・・・」

「その体でこれ以上何が出来ると?終わりなのですよ、もう。それよりも一つ気になる事があります。」

うなだれる榊の顎を穂先で無理やり上げると喉元に突き付ける。一筋の血が滴る。

「その剣は、どこで手に入れたのですか。」

「言うと、おも・・うか。」

「ですね。では。」

穂先が首筋に沈む。

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