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【完結・改稿】ノヴァゼムーリャの領主  作者: 文野さと
第一部 ノヴァの地の新領主
44/154

44 領主の選択 6

「ただ今戻りました」

 ジャヌーがファイザルの執務室の扉をノックしたのは、秋の陽が荒地の彼方に消えてかなり経ってからの事だった。

 広いが簡素な室内は、あちこちに灯りが置いてあるが、帳を引いていないせいで、背後の大きな窓から闇が浸みこみ、陰鬱な雰囲気に沈んでいる。

「御苦労。ご領主様のお怪我の様子は?」

 ファイザルは、書類や本が高く積まれた机から顔を上げた。

「特にお辛そうなご様子はなく。捻挫の方は薬を塗ってだいぶ良くなられたようで。ただやっぱり、オリイさんとサリアさんに厳しく叱られておいでで。ひたすら謝っておいででした」

 その時の様子を思い出し、ジャヌーは破顔した。つられてファイザルもちょっと微笑む。

「そうか。フェルディナンドがいなくて、もっけの幸いだったな」

「レーニエ様もこっそり私に、そのようにおっしゃいました。ですからこれ以上叱られないように、私に是非とも夕食を同席せよとおっしゃられ、すっかりご馳走になってまいりました」

「……そうか」

 ファイザルの表情は動かない。いつものように静かでジャヌーが注意深く観察しても、内なる感情は読み取れなかった。

「……ところで指揮官殿、本日の使者はなんと? わりと偉い方だと伺っております」

 ジャヌーは話題を変えた。

 ファイザルのもとには最近、頻繁に使者がやってくる。たいていは公の使者で、もたらされた情報によっては、将校級の会議が行われることもある。

 だが、中にはファイザルが秘かに放っている密偵の場合もあって、実はこの者たちが運ぶ情報の方が重要だと言う話もある。しかし、今回の使者は前者で、ちゃんとした軍服に身を包み、紋章をつけた軍馬に乗っていた。

「ああ」

「どのような……?」

「奴はかつての俺の部下で、今は中央で結構出世をしているようだな」

 ジャヌーは頷いた。

 使者とすれ違った時に少佐の階級章が見えたのだ。と言う事は、もたらす情報の質も量もかなりのものと言う事になる。

 ジャヌーはファイザルの言葉を待った。

「南部の戦況で報告がある。詳細は後日会議にかけるが、気になったのは王都の西からノヴァゼムーリャに至る街道沿いの治安が少々乱れている事だ。村の様子はいつもと変わりがなかったか?」

「はい」

「そうか、今日見た限りでは、俺も別段異常は感じなかった。近隣の村々でも同じことだが」

「何かご懸念されることがあるのですか?」

「今のところはない。お前最近レーニエ様について村によく出入りしてたろう? 見慣れない人物や、不審者を見かけた言う話を聞かなかったか」

「いえ、今までのところは。俺も常時注意を払っていますが」

 ジャヌーは普段呑気そうにしているが、このような事には周到な若者だ。

 館に出入りするようになってからは、特に領主村の周囲には常に気を配り、屈託のない態度で村人に話しかけながら、必要な情報を得るのが実にうまい。

 ファイザルはそう言うジャヌーの心配りを信頼していた。

 ジャヌーが聞かないと言うのなら、少なくとも今のところはないのだろう。

「そうか」

「何か、悪い報告でも?」

「いや、南の戦況の悪化に従って、ある部隊では敵のザカリエ軍の脱走兵、これはおそらく無理やり自由国境地帯から集めた者だと思う――が出ている。それに、国境近くの町や村では、生まれ育った土地を捨てる難民が発生し始めているようだ。国境をすり抜け、西の街道を通って北へ向かう者を見たと言う情報もあった」

「北へ? これから冬を迎えるのに?」

 ノヴァゼムーリャの冬は、南から来た人間にとって、とても気楽に過ごせるものではない。ましてや身一つで逃げてきた連中ならなおさらだ。無謀にもほどがある。

「その前にもぐりこめれば、なんとかなると思っているんだろう、彼等は戦争で疲弊しきっている。少しでも戦地から遠ざかりたい気持ちは理解できる。ただ、食い詰めた者たちが乱暴を働いたり、夜盗となったりする可能性がある。念のため明日から街道筋の警備の人員を増やす。しかし、街道やその付近を通って来る奴らばかりとは言えないからな……これはちょっと広範囲になるな」

 ファイザルは難しい顔で、地図を見ながら考え込んでいる。

「さっきルカスに指示を出したんだが……やはりあと少し増員するか。ノヴァゼムーリャ地方は広いんだが、人口はそうでもないから警備の隙を掻い潜るのは容易たやすい。おまけに起伏の多い土地だし」

「左様でございますね。特にこの辺りは人家も何もありませんしねぇ。でも、何もないってことは、流れ者たちにも益はないってことだから……やっぱり奴らは食糧とか金品を狙う訳でしょう?」

 ジャヌーも地図を指差しながら考え込む。彼もこの地方の保安については真剣なのだ。

「まぁ、そうだ。しかし領主村の周辺の警戒に、二小隊を追加する。ルカスに伝えてくれ」

「は! しかし、先程のお話ですが、それほど南の戦況は厳しいことになっているのですか。いえ、聞いてはおりましたが」

 ジャヌーは気がかりそうに聞いた。

「ああ、例の『バルリングの黒熊』殿が戦場に戻って、大暴れしているらしいな」

「あの猛将……」

 ジャヌーはその名に怯んだように言葉を飲み込んだが、ファイザルは大して感じることはなかったらしく淡々としている。

『バルリングの黒熊』と言うのは、エルファランと南の自由国境地帯を挟んで対峙する目下の敵国、ザカリエ国の勇猛なドーミエ将軍のことである。

 彼が世に出て数十年、そろそろ初老に差し掛かろうとする年齢であるのに、彼の野心は留まるところ知らず、自国の中枢部にもあからさまに逆らえる者はいないという。君主といえども同様だと。

 ファイザルが戦線に出ていた数年は、ドーミエ将軍も自国の君主の世代交替に乗じて権力掌握の為、王宮内での暗躍に忙しく、二人は直接戦刃を交えたことはない。

 しかし、ドーミエは、自分が戦場から遠のいていた間にファイザルによって戦況が覆された事を理由に、王宮内での自分の重要性を大々的に吹聴したらしい。

 そして、国の中枢部に確かな地位を占めた今、再び戦場に乗り出して来たという訳だ。

「それで、わが軍の状況は? 被害は甚大なのですか?」

「第三軍、十三連隊のカーク指揮官によると、第五師団の五十七連隊は、ほぼ壊滅に近い状態になったそうだ。国境の町、ウルフィオーレ南部の戦場で、熊殿に正面からぶつかって交戦しているところ、陣形の横腹を別の部隊に突かれたらしい」

「うわぁ……それは不運な。しかし、ウルフィオーレと言うと指揮官殿の……」

「ああ、故郷だ。俺に故郷と言うものがあるならな。あの街も今頃は荒廃しきっているだろう」

「鉱山は死守できるのでしょうか?」

 南部戦役での敵国ザカリエの目的は、エルファラン南にある、豊富な鉱山資源の簒奪にある。そこを奪い、更には国境を越えて攻め入って、豊かなエルファラン本国を支配下に収めようと言うのがドーミエの狙いである。

「さぁな、今のところなんとか守っているようだが。しかし、少しでも撤退すれば熊殿は容赦なくそこにつけ込むだろう。そうなれば国境線は、どこかで崩れるだろうな」

「では……」

 ぞっとしてジャヌーが促す。

「さぁて……そうならないようにと」

 ファイザルは言葉を濁した。

「まさか! それではこの度の使者の本当の目的とは……」

 ファイザルは唇だけで苦々しく笑った。

 最近このような笑いが多くなったとジャヌーは思う。しかし、ジャヌーはその先を確かめる勇気がない。しかし、聞かねばならなかった。

「戻られる……おつもりで?」

「お前は……残るか?」

 絶句しているジャヌーを、相変わらず皮肉な笑みを浮かべて見つめながら、ファイザルは尋ねた。

「えっ!?」

「お前はここに残るかと聞いている。残って良いぞ」

「……しかし」

「あの方のことが気にならないのか」

 ファイザルは、ジャヌーの様子を鋭く注視している。

「それは……勿論。しかし私はあなたの従卒です。今まで何のためにあなたについて学んできたのか」

「俺は……心配なんだ……あの方のことが」

 厳しくジャヌーを窺っていた視線をふっと和らげ、ファイザルは横顔を見せた。前髪がばらりと落ち、男らしい額を隠す。

「……」

「弟のように可愛がっておられたフェルディナンドが行ってしまい、お辛いはずなのに、無理に明るく振る舞おうと努力しておられる。俺たちに心配をかけないように。だが、俺には……あの方が今にも折れてしまいそうに見える」

「……」

「俺はお前にここに残って、あの方を見守ってほしい」

「それはご命令ですか?」

 ジャヌーはきっと顔を上げた。夏の空のように澄んだ青い瞳が上官に据えられる。

「いや、違う。俺の個人的な頼みだ」

 ジャヌーの問いに、間髪をいれずファイザルは応じた。

「それでは謹んでお断りいたします」

 ジャヌーも負けずにきっぱりと返答する。

「ジャヌー……」

 ファイザルは、自分の若い従卒を困ったように見た。一途な視線とぶつかる。

 苦手だな。こいつのこういうところは。

「俺だって、レーニエ様のことが気にならないと言っては嘘になります。というか、すごく気になる。昼も夜も」

「お慕いしているのか」

 その言葉を口にするのが非常に困難そうに、ファイザルは尋ねた。そして彼の答えも、わかっていた。

「恰好をつけたって仕方がありません……ええ、俺はあのお方が好きです」

 ほんのしばらく躊躇ってから、若者はきっぱりと言い放った。

「ジャヌー……ならば」

「俺だけじゃありませんよ。どんな尊いご身分かは知りませんが、あの方はあんなにお綺麗で、素直で、可愛らしい。男ならどうしてお慕いせずにいられましょう。あの方に関わった男たちは、皆あの方に恋をしてしまいます。兵士だって、村の青年だって」

 さも当たり前のことのように彼は続ける。

「しかし、いくら俺が鈍くったって、わかりますよ。あの方の瞳が一体誰を追っているのか」

 ジャヌーは率直な瞳をファイザルに向けた。

「……言うな」

「いいえ、言わせてください。指揮官殿。指揮官殿こそ、あの方を残して本当に戦地に赴かれるのですか?」

「無論。命令だ。早晩こうなるとわかっていた」

「確かに。しかし、この夏以来、お二人の態度は明らかに変でした。特にレーニエ様はいつも張り詰めたように微笑えまれて、痛々しいくらい普通に振る舞おうとされて……指揮官殿は指揮官殿で、社交辞令のような言葉しか、おかけにならなかった」

「……」

「お二人に何があったのかは聞きません。だけど、俺はレーニエ様が可哀そうで仕方がなかったです。あの方が折れてしまいそうに見えるのは、フェルのせいだけでなく、指揮官殿の……」

「黙れ」

 ファイザルは低く唸った。

「いいえ、黙りません。指揮官殿!」

 いつもは柔和で大らかな青年が怒っている。

 彼は上官の厳しい声にも、誰もがすくみ上がる峻厳な視線にも怯まなかった。まるで明るい青い瞳が火花を放っているようだ。

「指揮官殿は何を考えておられるのです? あの方はお人形でも、幼い子どもでもないんですよ」

 だから困るんじゃないか!

 ファイザルの瞳が揺らいだのを見て、青年は容赦なく続けた。

「無礼は承知の上です、後で殴ってくだって構いません。あなたはあの方を……」

「ジャヌー、やめるんだ」

 それ以上聞いていることが非常に苦痛であるかのように、ファイザルは遮ったが、ジャヌーは構わなかった。

「あの方を愛しておられるのでしょう?」

「……」

「指揮官殿!」

 ファイザルは腰を屈め、机に大きく広げた手をついていた。そのせいで眼窩(がんか)に暗い影が落ち、青い瞳だけが光を放っている。

「さぁな。だが仮にそうだとして、俺なんかが想ったところで、どうなるものではあるまい。俺は平民出の使い捨ての軍人だ。今まで数多くの戦場をくぐり抜け、大勢の人々を殺してきた。そして間もなくその戦場に戻らねばならん。半年先の命があるかどうかもわからない」

 低い声は一見落ち着いて聞こえたが、その裏で彼が苦悩に身を焼かれていることがジャヌーにはよくわかった。

「それでも愛しておられるのでしょう?」

 しつこくジャヌーは食い下がる。

「どうなんです?」

 ごまかされないぞ、と言うような決意を秘めた瞳がファイザルを射た。

 ファイザルも静かにその目を見返していたが、やがて仕方がなさそうに目を反らした。このまっすぐな若者には叶わない。

「もし、指揮官殿があの方を愛しておられないなら……自分が手に入れてしまいますよ」

「お前が? どうやって」

 青年のまっすぐな言葉に、ファイザルは思わず笑ってしまった。

「あの方は普通のお方ではないぞ」

「ええ、いくら俺が馬鹿でも、あの方が普通の貴族じゃないことぐらいは察しがつきます。正攻法じゃあお話になりません。だから……そう、さらってしまってどこか遠くに逃げますよ」

「じきに捕まると思うがな」

「ええ、そりゃ勿論。だけど、何にもしないでいるよりずっとましです。そうでしょう?」

「……」

 ファイザルはジャヌーの若さが羨ましいと思った。若くて、ひたむきで、まっすぐで。かつては自分もそうだったかも知れないのだ。

「お答を、指揮官殿。指揮官殿はあの方を……」

 容赦なくジャヌーが挑んでくる。

 ダン!

 大きな拳が机に打ちつけられた。傍らのランプの灯が大きく揺らめく。

「ああその通りだ!」

 握り込まれた拳が、広い肩が微かに震えている。

「愛しているさ! そうとも、首ったけだよ。あの方の髪の一筋までも可愛くてならない。まったく愚かしいことだがな!」

 吐き捨てるように、ファイザルは怒鳴った。

「……どうだ、これで満足か!?」

 射殺されそうな視線でにらまれたが、ジャヌーはしかし、ひるまなかった。聞かずとも答はわかっていたからだ。

「お笑い草だ。女なんて……昔はいい、と思う時もあったんだが、すっかり面倒くさくなって……それで構わないと思ってた。そういうもんだと……なのに、今になって一番厄介な女に惚れちまったんだよ、俺は!」

 心底呆れたようなファイザルの吐露は続く。

「まったく、自分が信じられん。いい年をして……なんてこった……さぁ、笑えよ、お前」

「笑いません。あなたは立派な男です」

「俺は全然立派じゃない。現にこの瞬間も身が引き裂かれそうだ」

「なら、指揮官殿くらいの地位があれば、どうにかして回避を……もっともらしい理由を見つけて」

「それは無理だ。南の戦況は俺が予想した以上にひっ迫している。この先再び大敗すれば、ザカリエ軍は一気に首都まで攻め上るかもしれない。それは何としても避けなければならん」

「……」

「俺が行く」

 ファイザルはよどみなく言い放った。

 これはすでに心を決めた男の態度だ。

 若いジャヌーにもそれくらいは分かる。この人は、このような辺境の守備隊長の器ではない。今の自分など、どう逆立ちしても敵うはずのない相手であった。

「それが俺のあの方への想いの示し方だと思ってもらっていい。俺は俺のやり方で、あの方の安寧を守る」

 ジャヌーの目の前で、ファイザルは急に大きくなったように見えた。青年は、さっと姿勢を正す。

「左様でございますか。では俺もあなたに従います。実戦は初めてですが、お役に立てるように一生懸命働きます。どうか一緒に連れて行ってください」

「人を何人も殺すことになるぞ。時には命乞いをする、自分より若い兵士を斬り捨てて進まねばならない時もある。そして、それでも正気を保たねばならん……覚悟はあるか?」

「お試しください」

 ジャヌーにも既に迷いはなかった。若いジャヌーの眩しい瞳を受けてファイザルはほんの少し照れくさそうに笑った。

「どうなっても知らんぞ」

「はい」

「ふ……お偉方も、なりふり構う余裕もないと見えて、この俺に准将の地位を用意すると言ってきた」

 ファイザルは、本日付で届いたらしい書簡の束を放り出す。

「それは気前のいいお話で。では指揮官から司令官にお成りに?」

「何、彼らにとっては地位なんぞ、いくらくれてやっても、ただだからな。平民出の俺ならありがたがって勇み立つと思っているんだろう。権威を示すには都合がいい。だが准将となると、少なくとも一個師団を統率せねばならん。これは大仕事だ」

 師団とは軍の単位で、エルファラン国では約一万人の規模の部隊を言う。おそらくこの先ファイザルは、いくつもの師団を統率することになるだろう。

「はっ! おめでとうございます。それで、ご出立はいつで?」

「近々俺の後任がやってくる。今までの任務にケリをつけて、その者に引き継ぎをして……そうだな、遅くとも一月後か」

「一月後。初雪の頃ですが」

 予想以上に早い。ジャヌーは身の内が引き締まるのを感じた。

「そうなる」

「……それでレーニエ様にはいつお話に?」

 話が領主のことになると、途端にファイザルの瞳が陰った。

それはジャヌーも同じで、この地に残されるあの繊細な魂がどんなにか悲しむだろうと、そのことを思うと、いたたまれなくなる。

「なるべく早い方がいいと思われます」

「そうだな……お前の言うとおりだ。近いうちに面会の約束を取り付けよう。もう少ししたら猛烈に忙しくなるだろうし」

「は」

「辛い……な」

 ファイザルは、執務机の向こうの大きな窓に歩み寄りながらつぶやいた。

 そこからは砦の全貌と森林、そして、その向こうに領主館が見えるのだったが、もちろん今はすべて闇に沈んでいる。

 辛いなどと言う言葉を、この男が発するとは考えもしなかったジャヌーは、内心非常に驚いたが賢明にも何も言わなかった。

「先ほどの話では、明日からでも領主館周辺に、それなりの人数を配置した方がよろしいかと。俺がこれから手配をしましょうか? 明日も伺う事になっているし」

「それも既に考えている。だが、レーニエ様には警備の増員の事はまだ何も言うな。あの方のお心を、今はまだ乱したくはない」

 ファイザルは背を向けたまま、断固とした決意を込めて言った。

「折を見て俺から全て話す。すべて……な」

 広い背に揺らぎはなかった。

 ジャヌーはこの非凡な軍人が今、どのような顔をしているのか無性に知りたいと思いながら立ち尽くしていた。




いつも長くてすみません。

もしご新規様がいらっしゃるなら、手を上げて(比喩)くださーい!

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