25 領主の恋 1
ノヴァの地の春は遅い。
だが、一たび春が訪れたかと思うと、すぐに爛漫たる季節を迎える。
村も荒野も森も山裾も北方独特の、色鮮やかな花々で満ちる、彩の季節だ。
そして春は、忙しい季節でもあった。
家畜の出産が一段落つくと、様々な畑仕事が忙しくなる。
冬の間凍りついていた畑を耕し、肥料や空気を入れると、取り入れの早い穀類の種まきが始まり、次に痩せたこの土地でも安定した収穫が期待できる、根菜や豆類の種が植えられる。
春の市は、そんな忙しい日々の間隙をぬって開かれた。
それは点在する村々の広場で三日間開かれ、点在する村の人々の交流の場にもなっていた。そして、新しい領主も、この地で開かれる賑やかな行事を初めて体験するつもりにしていた。
暖かくなってからレーニエは、頻繁に村や荒野に馬で出かけた。村人たちは静かに馬を打たせる黒衣の姿をよく目にした。
たいていは若い大柄な兵士や、生意気そうな黒髪の少年が一緒だったが、稀に一人でいるのを見かけることもあった。おそらく屋敷の者の目を盗んで出てきたのだろう、目深に帽子をかぶっている。
そう言うときは少し早めに馬を駆けさせるので、緩く編んだ銀髪が真横に流れるのだった。黒衣を着ていようと、大きな帽子を被っていようと、どこに行っても領主は人の目を集める。
そのことを知ってか知らずか、レーニエは時折村の通りで馬を止め、遊んでいる子ども達を見ていることがある。子ども達は屈託なく馬に乗ったレーニエに話しかけ、彼女も心を許して話をする事ができた。
それはささやかながらも楽しいひと時で、春と言う、一年で一番心が浮き立つはずの季節を今まで一度も楽しんだことがないレーニエが、生まれて初めて、萌え出る季節を迎える喜びを人々と分かち合えた最初の経験だった。
彼女には春の何もかもが珍しかったのである。
ある朝、ジャヌーは早く目が覚めた。
久しぶりの領主館での宿直が明け、清々しい気分で目覚めた彼は少し体を動かそうと、剣を手に靄の掛かる前庭に出た。庭の井戸の水をかぶっても、もう冷たくはない。
ジャヌーは上半身むき出しのまま、愛剣のクレイモアを構える。
両手中段から剣先を左に倒しつつ、利き足を踏み込んで柄を引くように横に薙ぐ。薙ぐと同時に後ろに飛び退る。ジャヌーの最も得意とする踏み込みの型だった。
少し体を動かすと若い体にはすぐに汗が浮かぶ。それは、振りおろされる腕の筋肉の動きに弾かれ、きらきらと四方へ飛び散った。
「ほぅ」
一息入れると、肺に朝の空気が流れ込む。よい天気だった。この分ではこの館の主がまた、自分を共に遠乗りに行かれるかもしれない。
ジャヌーはそう考えて梢を見上げて微笑んだ。すると、二階の露台の手すりにたくさんの小鳥が集まっているのが見えた。
「あれ?」
その露台はレーニエの寝室に続くものだった。しかしまだ早すぎて、領主の起床時間ではない。
なんであんなに小鳥が集まっているんだろう。
ジャヌーは不意にその訳を確かめてみたくなった。
勿論貴人の寝間を堂々と通って行く訳にはいかないが、ちょうど傍の楡の木がうまい具合に枝を張り出している。
これは警備上どうかと思うが、レーニエがその木を気に入っているし、夜は跳ね橋を上げることになっていたので、とりあえず切り倒さずそのままに置かれていた。
まぁ、まだ誰も起きてこないし。お寝間の帳は引かれているに違いないんで、ちょっとだけなら。
子どもの頃の木登りの記憶は、まだそんなに遠くなっていない。
瞬く間にジャヌーは樹上の人となる。鍛えあげた筋肉と長い手足のおかげで、さしたる苦労もなく露台に張り出している枝までよじ登った。
え?
誰もいないはずの露台に白い姿が立っていた。その人物はやや腰を屈め、石の床に何かを巻いている。よく見るとそれはパン屑で、それを目当てにたくさんの小鳥が集まっていたのだった。
しかし、ジャヌーの目には小鳥など目に入っていなかった。
白い麻の寝巻きは肩も露わで腰を屈めているため、鎖骨の下までもが朝日に晒されている。顔を伏せているその人物はどこまでも真っ白に見えた。
ぱたぱたぱた
手すりに止まっていた茶色の小鳥が、硬直したジャヌーに気が付き慌てて舞い上がる。その気配でレーニエは顔を上げた。
「おやジャヌー、そんなところから朝の挨拶かな?」
そして市が立つ日。
娘たちは冬の間に染めた布でつくった新しい晴れ着を着て大変華やかだった。そして、村の青年達や若い兵士達に遠慮がちな笑顔を振りまいている。
気候は落ち着き、少し先の雨の季節までまだ間がある。
ノヴァゼムーリャは春を謳歌していた。
春の市は都や、その他の地方から商人がどっと集まり、この地では珍しいものから生活必需品まで盛んに取り引される大きな市である。
ノヴァの地からは農産物をはじめとして、冬の間になめしておいた毛皮、家畜の仔等が取引きに出される。少し南のアルエの町では、もっと大きな市がこの後に立つ予定だが、辺境のノヴァゼムーリャにあって春の市は、夏至の祭りや秋の収穫祭と共に人々の数少ない娯楽となっていた。
勿論人が集まるところには、好ましからざる人物も付きものなので、ファイザル達、この地方の治安を預かる者は要所要所に兵士を置き、抜かりなく警備をしている。
「サリア、私、何かおかしいところがあるのではないか?」
少し離れたところから市の様子を見物していたレーニエが、おずおずと小声で傍らの侍女に尋ねた。彼等は広場の片隅、村長のキダムが用意してくれた席に落ち着いてゆっくりお茶を飲んでいる。
そばのテーブルにはキダム夫妻と、少し離れてファイザル指揮官が控えていた。
「おかしいって、何がでございます?」
「ふ、服装とか……その、外見とか……皆がじろじろ見るんだ……挨拶してくれてるのは別にして」
その時子ども達の一団が前を通り過ぎる。彼等は広場で行われる大道芸が始まったので、我先にいい場所を取ろうとはしゃいでいた。
その中に手をつないだミリアとマリの姉妹ももちろんいて、すれ違いざまレーニエに可愛らしく手を振った。
「レーニ様ぁ、後で遊んでね!」
「遊ぼうね~」
「確かに。この彩の季節に軍人さんでもないのに、そんな真黒な服は目立つかもですわ」
微笑みながら手を振り返すレーニエを見つめてサリアは呟く。
皆が見るのは衣装の色のせいではないことを、無論サリアはわかっていたが、取り合えずそういう事にしておく。そうしておけば、いつかサリアが縫うつもりでいる空色のドレスを着てくれるかもしれないと思って。
「う……しかし、こんな色しか似合わないし」
「どんな色だって、お召し物だって、すばらしくお似合いになると思いますって、いつも、口を酸っぱくして申し上げているではありませんか。まぁ黒だってお似合いになるんですけども」
日除けの帽子のおかげでわかりにくいが、いつも外に出る時にはつけている黒絹の仮面は外され、その非凡な美貌が露わになっている。
前を通り過ぎる者は流石に不躾にじろじろと見たりはしないが、それでも殆どの者が初めて見る領主の素顔にちらちらと視線を走らせ、その若さと美しさにうっとりとなっている。そしてその自覚のない領主は、その視線を自分がへんてこだからと誤解をしているという訳なのだった。
「……」
「ですが、重い上着をお召しにならなかったのはようございましたわ。そのレースのシャツはとてもきれいですもの。御髪がさらさらと映えて」
色こそ重々しいが、薄い絹でできたそれは、近頃ようやく娘らしい丸みを帯びてきたレーニエの肢体に柔らかくまといつき、田舎の風景の中でひときわ彼女を優雅に見せていた。
ゆったりしたシャツの背中には、サリアが念入りに梳かした白銀の髪が流れている。背中の中ほどで臙脂のリボンでゆったりと結わえてあっても、その珍しい髪色は人々の目を引いた。
「とてもよくお似合いですわ。ご領主様」
二人の会話を耳に挟んだキダムの妻のトリシアが優しく頷く。
彼女は気さくな人柄の老夫人で、春の市のことで領主館にキダムとともに足しげく訪れていて、レーニエも馴染みつつある。レーニエは照れたように少し微笑んだ。
「ありがとう、トリシア殿。ところでサリア、フェルは?」
「ああ、あの子はヒューイや他の男の子達と一緒に、なにやら的当ての様なところに行くと言っていましたが……お呼びしましょうか?」
「いや、いい」
「あの子も週に三日、学校に行く準備や何かで、ファイザル様の配慮でいろんな勉強を始めてから、なんだか変わってきましたわね?」
「ああ……」
「なんだかとっても背が伸びたし、男の子っぽくなったって言うか。そうそう、この間なんか髪を切ろうかな? なんて言ってましたよ」
「髪を?」
「ええ、そろそろ邪魔になってきたんじゃないでしょうかしら? 私はレーニエ様に聞いてからって言ったんですけども」
「聞いてない。でも、フェルの思う通りにしたらいいと思う」
「あの子ったら、レーニエ様の御髪に憧れてたから、当分切らないのかなって思ってたんですけど、ここの男の子たちは皆短いし、もちろん基地の男の人たちは軍人さんだからたいてい短いし……そういう時期ですかしら?」
サリアは遠慮してやや離れて立っている背の高い軍人に話題を振った。
「そうですね」
黙って市の様子を見ていたファイザルが言葉少なに答える。
彼の方はいつもどおりの簡素な略式の黒い軍服に、生地こそ薄くなったものの、やはり濃いマントをつけている。肩の所に付いている階級章が唯一の装飾だった。
「私もこんな髪切ってしまえば……あ、いや」
レーニエも言いかけたが、サリアが怖い顔をするのでやめてしまった。その様子を微笑ましく見ていたファイザルが実務的な事を尋ねる。
「レーニエ様、今夜は各村の村長達が、お屋敷にご挨拶に来ることになっていますが、お屋敷のご準備はよろしいのですか?」
「ああ、準備と言っても挨拶を受けるだけだとキダム殿には伺っているから」
「はい」
「さようでございます。ですが皆はご領主様にお会いしたくて、うずうずしていると思いますよ。そら、あっちで緑の帽子を被ってこちらを見ている者は西の村の長です。私の古なじみで……おや、こちらに来ませんな。なんだかご領主様を見てかなり照れたような様子でしたな」
キダムは少し楽しそうに横から口を出し鷹揚に頷く。視線の先では初老の男性が帽子をとって丁寧に挨拶をし、しばらく躊躇っていたが、やがて行ってしまった。
「そ、そうか? とりあえず晩餐の支度はさせてあるが。ヨシュア、あなたも同席してくれるのだろう?」
なんで照れる必要があるのだろう? と小首をかしげながらも、挨拶に応じて頭を下げ、レーニエはファイザルに向き直る。
「はぁ、一応」
「私は領主と言っても形だけだし、そんな形式は無用だとキダム殿に言ったのだが……四十年ぶりの領主だからということで挨拶だけでもと言われて……でも、あまり気が進まない。挨拶っていったいどうすればいいのやら」
「まぁ、彼らも都からいらしたご領主様を一度は見てみたいのでしょう。私の知る限り、村長達に悪い人間はいないと思います。大丈夫」
不安そうに視線をさまよわす領主に、ファイザルは励ますように頷いた。
「さようでございます。この辺境の地は今まで、住民だけでなんとかやってまいりました。その自治を認めてくださり、子ども達をはじめ、領民を大切に思ってくださる領主様を歓迎こそすれ、悪く言うものはおりますまい」
「……」
「レーニエ様!」
そこへ、何やら光るものを手にかざしながら、嬉しそうにフェルディナンドが駆け寄ってくる。
「まぁ、フェル。それは何?」
サリアが面白そうに聞いた。
「髪飾りだよ。ナイフ投げで真ん中を射抜いて、貰ったんだ。俺だけだったよ、真ん中を当てたのは」
「まぁ、きれい」
「ほんとに。なかなか良い品ですわ。フェルディナンドさん、良いものを手に入れられましたね」
トリシアも同意する。
フェルの手には赤い貴石の付いた髪飾りが握られていた。香木で彫られているらしく、よい香りがする。
「レーニエ様、こんな物でよろしければ……どうぞ」
「ありがとう。でもサリアの方が似合うと思うけど……」
「姉さんはたくさん持ってるんだもの。それに、俺はレーニエ様のために取って来たんです」
「そう。じゃあ頂こう。きれいなものだね」
「だけど、この型の飾りを使うには髪を上げなくちゃ。レーニエ様、サリアのたっての望みは、そのおきれいな御髪を結って差し上げることなのです。ちょうど今夜皆さんが来られることですし、いかがですか?」
サリアはやっとそういうことが公けにできそうなので、大変嬉しそうだ。今までは主が辛そうな顔をするので、髪型も衣装もレーニエの思うままにさせてきたのだった。
しかし、この地に来てからレーニエは少しずつではあるが、着実に変わってきている。
王宮の片隅でひっそりと暮らしていたことは、常に自己否定的で何事をも諦めきった様子で髪を結うなどと、とても口には出せなかったのだ。
サリアが何か気持を浮き立たせるようなことを言ってみても悲しげに微笑むばかりで、庭に面した露台の上で、遠くの空ばかりを憧れるように見ていた。
愛する主を変えさせたものが、何であるかサリアは知っている。勿論、フェルディナンドも。
サリアは控え目に少し離れて控えている、静かな男を横目で見た。
軍人らしく背筋を伸ばして立っている様子は、黙っていても頼もしく理知的で、実は大変純粋培養のレーニエが兄のように慕うのも仕方がないと思われた。
だけど、そりゃ確かに最初はお兄様のように思ってらしたのかもしれないけど……今は、ねぇ。
サリアの視線を感じたのかファイザルが目を上げる。慌てて淑女らしい微笑みを製造し、サリアは淑やかに日除けがわりの扇を傾けた。
だけど、レーニエ様自身ははっきりご自覚があられるのかしら?自覚されたとしたらどうされるおつもりなのかしら?
そして、あの人の方は如才ない態度は保たれているけれど、実のところあの人の心の内は読めないわねぇ。
抜け目なく扇のレースの狭間から観察を続ける。長い脚を組んで大人しく茶を飲んでいる男は、都の貴公子を数多く見て来た自分の目から見ても、絵になる男だった。
もし仮にお二人が相思相愛だったとして、この恋は実を結ぶのかしら? 結んでいいのかしら? レーニエ様はあれで桎梏の多いお身の上だしなぁ。おまけに照れ屋で引っ込みじあんの極みだし……ああ、ややこしい。
サリアは表情豊かな眉をひそめ、何があっても自分はレーニエの傍にいて、もしもと言う時には一肌脱ごうと秘かに決意する。
だけど、あんなに自己否定気味だったレーニエ様が自分を受け入れ、前向きになられたのは、全部あの人のおかげなのだわ。
それは数日前。
領主館の庭の雪がすべて消え、春を告げる小鳥の鳴き声が初めて聞こえた日の午後、尋ねてきたファイザルとレーニエは二人で長いこと話をしていた。
そしてその夜、レーニエはもう仮面は付けないとサリア達に打ち明けたのだった。
フェルディナンドは最初、激しく反対した。もし都からよからぬ人間がやってきたとしたらどうすると言うのだ。
しかし、レーニエは自分の出生のことが今更外に知られたところで、どうせ抜け目のない王宮の人間は、いくらでも言い逃れの道を用意してあるだろうし、自分の存在が王室の脅威になることはまずないと言い張った。
「あの方は、そんなことも全て御承知の上で、私を見逃してくださったのだ。もし万が一、私の存在が僅かでも国を揺るがす事態になれば、あの方は何の迷いもなく、私を切るだろう。そして、それをわかっていて私もあの場所を出た」
「ですが!」
「あの場所は私を守ってくれたと同時に、すべての希望を奪うところでもあった。私は自らそれを捨てたのだ。この身に何が起きても、もう、恐れない。いつまでも母のスカートの影に隠れている年齢でもない」
「だけど、俺は気に入りません。あの指揮官に説得されたからレーニエ様はそうなさるのでしょう?」
「フェル!」
「いい」
オリイが言葉の過ぎる息子を咎めようとするのを、主が片手で制した。
「フェル……フェルディナンド、それは違う。ヨシュアはただ、ありのままの自分を受け入れろと言ってくれただけだ。彼は私のことはほとんど何も知らない。
私が今まで仮面を外せずにきたのは、何事からも逃げようとしていた証し。体だけこの地に逃れてきてみても、心が弱いままでは意味を成さない。これは私の問題で、あの方もヨシュアも関係がない。だから」
「……」
それでも納得がいかないようにフェルディナンドは青い目をきらめかせた。
「レーニエ様は、ずっとお傍にいた俺たちよりも、あの人の言う言葉に耳を貸されるのですか?」
「フェルディナンド」
それまで黙って聞いていたセバストが重々しい口を開いた。
「父さん?」
「少し黙りなさい、フェルディナンド。レーニエ様、それではご決心をなさったわけですね」
「ああ」
「私もレーニエ様にとってはその方が良いと思われます。ご身分から考えて、危険が全くないとは言えませんが……しかし、こう申しては何ですが、今更レーニエ様の存在が王室にとって大変な驚異になるとは私も思えません。万が一ご出生の秘密が知れたところで、一時酷い醜聞にはなるでしょうが、あの強いお方がそんなことで怯まれるとは考えられません」
「ん……」
「それに事が露見したところで、これはあくまでも国内事情で、国際情勢に直接は響かない。南の戦争にも関係がない。レーニエ様のおっしゃる通り、あの老獪な政治家でもあられるお方が、その辺りのことに抜かりがあるとは思えません。おそらく、万一に備えて周到にご準備されていると思います。ただ、これだけは言っておきますが」
「……」
「あの方は、様々な事情を差し引いても、真実レーニエ様を愛しておられるのですよ。それだけは疑いの余地がありません」
「……」
「暗い王宮の奥深くで籠の鳥の一生を終えるよりかはとお考えになって、あなたを外の世界に放たれたのです」
「わかっている。だから」
「はい。どうぞご自由に羽ばたいてくださいませ。この土地に根を下ろし、生きていかれるおつもりならば。そしていつか誰かを愛されて、幸せになられてくださいませ。私たちは、いつもお傍におります」
「そうです、そうですわ! レーニエ様」
オリイも涙を浮かべてレーニエの手を取る。
「セバスト、オリイ。ありがとう……」
そうして、ノヴァゼムーリャの領主は春の市が立つ日の朝、白日のもとにその姿を見せたのだった。