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「プロローグ……異世界への招待客』その2

さてさて、前回からの続きになります今回はっ。


桜丘専門学院での補修授業を見事すっぽかし、何故か光雄は意味不明なハイテンションでの晩餐会を開くべく食糧をたらふく買い込みその帰り道にて不幸にも路地裏にて不良にからまれてる輩に遭遇。このままスル―すれば良いものの、彼のとった行動はっ?


てな訳でっ!


マリオン「ねえ――私の出番は?」

光雄「ちょ?…本編前に顔だすなよw」

 



「す、少しばかり買い占めすぎたか…」


 両手に持つビニール袋が歩く度に引っ張られ。ギッシリ詰まる酒や食材が揺れる事にガチャリとした音を立て、今現在通過中の路地裏に響く。



 メインストリートにもなる表通りや大きな商店が目立つ国道沿い。

全てにおいて俺が住むここ、桜丘街は”人と自然”つー街のテーマにちなんで街路樹が植えられ綺麗に区画整理されている。



 しかしちょいと表通りからの抜け道にもなる路地は未だ古い雑居ビルがひしめきまるで迷路のように狭い通路がある。

 かつての繁栄の裏側。既に取り壊し予定の区画や、放置された残骸を半壊した廃棄ビルに山積みされ、工事車両も入れない有様だ。



 しかしその裏道になる迷路を国道から抜ける近道で利用する者も少なからずは居る。



 ま、元々地元の連中はこの抜け道を良く利用しているのも何故かよそ者になる俺に教えてくれたある叔父さんのおかげにもなるんだけどな。



 まぁこの場所だけじゃなくこの街を根城にする不良共。その不良に絡まれているサラリーマンをたまたま助けたのがきっかけなんだが。




「相変わらずスンゲェ〜落書きだな、お?何か増えてねーか?これ」



 既に放置された取り壊し予定の廃棄ビル。そのビルを囲むように工事業者が囲った薄汚れた壁を仰ぐ。



 ほんの数分前に既に沈みきった日差しの代わりに少し明るめな外灯。その外灯に鮮やかに映し出されるある種のストリートアートを見つめながら鑑賞する。




 多分この辺を縄張りにするアスリート共の仕業だろうか。



 チーム名かどうかわからない事もないが、丁寧に書き込まれた変わった文字やマーキングに目が留まる。



「お?…なんつーか、ええっとこの複雑な”星型”、どっかで見た記憶が…」



 と、あまり鑑賞している暇がなかったんだ。

まだ夜の帳だから安全っちゃ〜安全なんだが、いつ何時この落書きの主が現れるとも限らない。



「あ?なんだテメ」


「って?…天ぷら…じゃなかった。テンプレかぁあ!」



 ふと無人の路地裏に響くドスの効いた野郎の声に生唾を飲み込む。

その声がした方向を振り向き対処するか、はたまたその場を一目散に逃走すっか。



 どっちにしろこの両手を今現在塞ぐ荷物が足を引っ張り不利な事はたしかだ。

ならば上手く迷い込んだ素振りで話し合いに持ち込めばなんとかこの場を回避出来る考えで俺は渋々と呼び止められた方角に振り向くのだが?






          ◇




「ありっ?」



 一体さっきの声の主は何処に消えたのやら、多分。別の箇所にてチーム同士の小競り合いでの声なのか。

 狭い通路ならではの良くある勘違いでそっと胸を撫で下ろす。



 とりあえずは俺自身に火の粉がかからない内に早々にこの路地裏から立ち去ろうと小走りになった矢先。



「おい!俺達”爆裂団”の縄張りにこんな事したお前は”グロリア”の一味か?」


「にしちゃぁ〜あんた可愛い〜コスプレだな、僕チンの好みやわぁ」



 とまぁ、多分この区画の直ぐ近くにて俺と同じく一般人が絡まれてる声が響く。





 未だチームの連中に絡まれてる相手は何処の誰だか知らないけど確実に俺の居る場所は安全なのは立証済みだから全く関係は無いんだけれども。



 偶然的にこう言った類いの集団に出くわすのもまれにある。ようは彼方側で絡まれてる奴がビンボーくじを引いた訳であり。偶々運が良かった俺は幸運にも助かるという訳だ。



 にしてもこうも危険地帯を近道で抜けようと利用する俺もかなりの変わり者っちゃー言えない事もないんだけどな。



「さて。尊い生け贄がくわれてる内に……いんや、こ、これでいいんか?俺…」



 だからと言ってこのまま見て見ぬふりをすんのも後味が悪い。

結果又々こんな危ない爆心地に自ら足を踏み入れんのも俺のいつもの悪いクセの一つなんだが。



「あ〜あ。ったく、んな場所で不良にわざわざ絡まれに行く俺って」



 両手を塞ぐ荷物と画材やその他が入る大事なリュックを壁際の放置車両の陰に置く。

耳元まで伸ばしたクセのある黒髪を片手でクシャリと掴みイヤイヤながらも自分自身に気合いを入れさせ。ては言うものの。

 単に絡まれた間抜け野郎を連れ、とりあえずは迷路になる路地から表通りまで逃がすだけなんだけどな。



「おうおう威勢がいいなお前!んな睨んでもムダだっつの」


「へえ?…威勢ねェ…丁度良かったよ。ねえあなた、ここの世界の住人だよね」


「はぁ?何訳ワカメな事言ってんだ?コスプレで頭までなり切りってか?どーでもいいから早く金か持ち物出せや!」



 うわちゃぁ〜。なんかかなりドスの聞いたデケェ声張り上げてハッスルしてんよ。犠牲者は――女か?それとも女声の少年か。多分俺と同じ位の学生だな。

 たしか、ここの通路の直ぐ脇からだよな。




 多分人数にしては役3〜4人位だろうか。

あまりモタモタしていたら仲間を呼ぶかもしれない事を想定し、声とは少し逆の通路から回り込む型で駆け出す。

 正にこの通路を知り尽くした俺が今からやる策。『必殺!一撃離脱戦法』を使用すんのには持ってこいの状態のようだ。



 ま。普通に正攻法から突っ込むのはあまりにも無謀だし、それに救出出来たとしても犠牲者と孤立し囲まれるオチだ。



 なら、不良共に気付かれる事無く犠牲者の背後から素早くかっさらう。そして突然目の前に現れた俺に、奴等が俺達の対応に遅れている隙をつき全速力で犠牲者を掻っ攫い離脱。



 ま、この奇襲作戦にゃ犠牲者の逃げ失せるまでの体力も必要とすっから当然老人や子供じゃ不可能。



 しかし、幸いな事に今現在絡まれている野郎は俺と同じような学生と把握済みだ。



 うし!

 回り込み成功ってか?




 そして、路地裏から路地裏へ素早く移動し現場に躍り出た俺。

葛城 光雄は、この世界での。いや、俺にとってこの先に待つ様々な出来事のきっかけにもなる大事件に巻き込まれる事になろうとは――








 つづくっ!







ええと、改めましてここの場所をお借りしてでの宣伝をば。


以前ある企画にて色々とお世話になっています作者様。『阿 夜琉』はんの場所にて『青春を取り戻せ? ~青霧高等学校~』なる企画での参加者を募集開始しました。

ようは、なろうユーザー様方での参加型での学園生活を楽しもう?みたいな自由企画です。あらかじめ用意しました学校にて教師。はたまた生徒になり、各々が自由に学園生活を盛り上げながら送ろうというシンプルな企画。


キャラクターのみの登録でもよし…

その個性あるキャラクターを使い物語をすきなように書くのもよし。

詳しくは、『阿 夜琉』はんのユーザーページにて企画内容を記載してます。もし興味ある方は、お気軽にメッセージをっ?


      ◇



さて、宣伝はこれくらいにして、改めて始まりました新『光学』でのプロローグ編。次回はいよいよこの物語でのもう一人の主役が登場。この現世にて事実上元居た世界に返りたくても帰れずにいるその人物に、何故か協力することとなる光雄は?


そんな訳でっ!

次回もお楽しみにっ!



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