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プロローグ
「外も大分暑くなってきたね」
「ああ。まだ何とかなってるけど、本格的な夏になったらクーラーに頼る日々が始まる……」
「でもさ、折角なんだし夏らしいことをしたいよね」
「比奈はどんなことしたい?」
「海とか行きたいなあ……あと夏祭りに行って花火見上げるとか」
「どれも夏の風物詩だな。是非行きたい! ……けど時間が取れるかどうか」
「高校三年生ともなると中々遊びの方に時間が取れないもんね」
「その通りなんだよ。俺は文化祭まで部活あるからその練習もしなくちゃいけないし、何よりその後には受験が控えてるから勉強しなくちゃいけないし……夏休みの大半を勉強に費やすとかふざけんなこの野郎!」
「何だろう、カズ君に受験を経験した人間の魂が憑依してるみたい……」




