第1話 福井 悟 ゲームは、ゲーム、いざ東京へ
あと一歩、届かなかった。負けた。今年こそは全て優勝と、最後の夏。
連、一人で投げ切った。あれだけ連戦で投げたのだから
上には上が居るのだな、清々しい気持ちだった。
福井 悟
幼いころから、ピアノ、塾、プール、英会話の習い事漬けである
小学校で野球を始めた。勉強は常にトップ。走ることで負けたことは無い。
父と母は、研究所で働いておりめったに帰ってこない。
お爺ちゃんとお祖母ちゃんが、僕を世話してくれた。
同じ小学校、学童野球チームの友達がいる。豊田 連。
彼は学校では、ぐるぐるまきの、どでかい、眼鏡をいつも付けている。野球以外の時は常にだ。
小学校、3年生
連と外野を軽くは知っている時に、聞いてみた
「連さ、なんで学校で、変な眼鏡かけているんだい?目悪くないよね」
連
「練習が終わったら、少しだけ話すね。すぐに別の所にいくので」
悟は何のことかは、わからなかった。3年生で俺と連は、6年生に混じりAチームに帯同している。
それもスタメンである。守備はノーエラー、走っては、ホームスチールを成功させるほどである。
悟は悟で、人に言えない事があった。
大のゲーム好きなのである。家に両親が居ない事で、自由に遊べた。
ゲーミングPCはおねだりで買ってもらった。両親も家に居ないので、これくらいはと。
学校でもゲームをすることは、みんなには黙っていた。もっとも、男の子も女の子も話す相手は居ない。
唯一は、連だけであった。
練習が終わると、連はすぐに車に向かうが
悟
「連、まってよ、話って?ぐるぐるめがねの」
連(そうだ、悟には話して置こう)
「ごめん、ごめん、僕ね、小さい頃子役でデビューしていて、今もこれから撮影なんだ」
「これは、内緒だよ。悟。」
悟(そう言われれば、え?そっくりさんのお兄さんがテレビに居るとは思っていた)
「じゃー、俺も内緒話を、俺家でずっと、ゲームやってるんだ。それもパソコンのオンラインゲーム」
「ゲームの女の子大好きで、学校じゃ言えないから、内緒だぞ、連」
連は笑いながら、車に乗って行ってしまった。
そうなんだ、だから、学校でぐるぐるめがねをつけていたのか。
野球、勉強、塾、習い事全てが終わったら、パソコンに向かう。
何日か徹夜する日もあった。それくらいオンラインゲームに没頭していた。
もう1度言うと、学力はTOPだ。俺も、連も1位。全問正解だからね。
学童野球も有終の美を取り、1つの大会は全国を制覇した。
小学校も終わり、中学校。俺と連は、硬式野球愛知ボーイズに入った。1年からレギュラー。
一方生活スタイルは、変わりなかった。やることをやったあとは
眠るまでゲーム、ゲーム。ゲームの日々。
中学校3年にもなると、彼氏彼女の話題が沢山出ていた。
悟君かっこいい!付き合ってください。
良くあることだが、まったく興味がない。
丁重にお断りをしていた。
一方で、
ぐるぐるメガネの、連と一緒に居るのが、女性陣には変に思われていた。
もしかして、頭いい人って根暗なんじゃないの?
勉強しか興味ないとか?
そのような噂はまるっきり気にしないのである
俺の彼女?は、ゲームの中
ツインテールのお姉さん。この子が大好きで、大好きで
現実には居ないのだろうな、
こんなにツインテールが似合う、スタイル抜群のかわいこちゃん。
瞳、胸、お尻、なにより、顔!そして、ツインテール最高!
俺なんで自分のキャラこれにしないで、モンクなんだ?
剥げだよ、剥げ!モンク。
今さらやり直し出来ないし。
こんなかわいいキャラクターの女の子、実在しないけれど、世界中旅すれば、見つかるのかな
もしかして、俺って変なのか?
同級生の女の子には、興味無し。
話す事も無い。
ん?やばいのか、これって、
俺は変なのか?
今度連に聞いてみよう。
中学校ボーイズ野球は、優勝!ただ、2つの大会は、準優勝で終わった。
悟
「連、今日は仕事無いっていってたよね、家に来ないか?」
連を誘って、部屋に居れた。
連
「汗臭いから、シャワー借りて良いか、その後で」
二人はシャワーから出て、おばあちゃんがスイカを出してくれて
ゆっくりしていきなさいと。
悟
「連、高校どうすのだ?監督と話したのは俺も、連も大阪らしいが」
連
「僕の球が取れる捕手が居るところが良いな」
悟
「そうだよな。正直捕手で負けたようなものだし、連の2段階フォーク取れないのだもな」
「スライダーも、直球一本だと絞られたし、山本君だたよね、彼はどこにいくのだろう」
「バッティングも凄いけど、ブロッキングめちゃくちゃ上手かったよね」
連
「うん。彼は天才だよ。後はU-15代表で世界を制した、キャッチャー、あの人に受けてもらいたいな」
「どこの高校なのだろう、少なくとも今年出ていない」
悟
「東京に居るのかな、本題はそこではない」
連(え?)
悟
「パソコンを見てくれ、この娘、超かわいくない!ツインテール、もう最高」
「連の仕事でこういうお姉さん居ないの?、俺このキャラクターに夢中で」
「学校だと、ツインテール居ない。なんでだろう、この魅力わからないかな」
連
「はっきり言って、悟のシュミがわからない。職場でも居ないよ」
「大人の女性でも見ないな。ツインテール」
悟
「え、まじかよー。俺済む世界が間違っていたな、このGAMEの世界に住みたい」
連
「新学期始まったら、学校で聞いてみれば?悟、女の子にもてまくりだから、聞けるでしょう」
悟
「連だって、ぐるぐるめがね外して、正体明かしたら、学校中大騒ぎだぞ、ちなみに、女優さんとお付き合いとかしているの?」
連(数秒経ってから、口に出しそうだったが)
「あるわけないでしょう、事務所は厳しいのだから」
悟
「今、良いそうになったよね、ま、良いか、仕事の世界はわからないから、どこかで何があっても、面倒な事になりそうだしね」
連
「うん、ありがとう」
さて、高校どうするかな、何処でも良いと言われてもな。
新学期早速女子生徒に聞いてみる事にした
女子生徒達(え、福井君、こっちくるよ、かっこいい!)
悟
「あのさ、なんで女の子ってツインテールじゃないの?校則で禁止とか?」
女子生徒達(唐突な質問に、きょとんと、していた…)
「あ、髪型ね、そうね、幼稚園までかな、ツインテール」
「校則で禁止という事は無いよ。」
「ほら、ツインテールって子供っぽいでしょう。奇麗なお姉さんになりたいから」
「やらないかな」
悟は膝から崩れ落ち、背中を丸めて、連のもとへ
悟
「ツインテールは幼稚園までなんだとさ、俺幼稚園いこうかな?」
連は吹き出してしまい
「話がぶっ飛んでる。頭、大丈夫か、現実を見た方が、確かにあのキャラクターは可愛い」
「現実には居ないよ」
悟
「終わった、俺の人生。済む世界が違うのだ。」
連
「言っている意味がわからない」
2か月後、唐突に、和井田学園の話が出て来た。
東京に行けば、もしかしたら、ツインテールに!
先生、俺が和井田学園に行くことは黙っていてくださいね。
え?連も和井田学園なのですか?、猶更黙っていてください。
やった!連と一緒に野球が出来る。これで捕手さえいれば、甲子園だって。
和井田の特待生
入寮説明会
この時、運命の出会いが
ツインテールの美少女
きたーーーー!!!
この世に生まれてきて良かった!東京には居るんだ!
硬式野球ボーイズチームで日本一になった時、
そんなの比べ物にならない
体中に電気が走る、衝撃であった。




