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第4話 乙葉 と かずき

この人と出会うために、私は東京に来たのだと。

お母さん、ありがとう。私は幸せです。




かずきと乙葉は、飛行機の中で話していた、桜を見に行くことにした。



かずきは、乙葉にタクシーで行こうかと伝えたが、乙葉が歩いて行きたいと。

かずき、ま、歩こう


かずきは、事前に調べてあったタブレットのマップを、再度確認し、ほぼ直進である



かずきは

「では、いこうか」

二人は、歩き出していた。



乙葉、今日!言うのだ、今日!札幌で。強い決心があった。



乙葉も歩き出し

かずきの隣に並ぶ



乙葉は手を繋ぎたい、手を繋ぎたい、そっと、手を伸ばしてみるが

かずきとの、タイミングが合わない


二人はそのまま、話ながら、桜の見える公園に進んで行った



乙葉、言わなくちゃ、言わなくちゃ、この想い、もう、いっちゃえ!!






乙葉は、かずきの顔をみて

「あの!」

かずき

「乙葉さんは、高知からだよね、どのようにして、和井田に?」


乙葉、あああ、また、言いだすチャンスを逃した


「乙葉、香宗我部は、歴史が長いのですが、わたしも詳しくはしりません。」

「古いお屋敷みたいなところに住んでいました」



「私は、子供のころから、ピアノやバイオリン、フルートが大好きで、教室に通い詰めでした。」

「運動は全くダメです。勉強は頑張りましたよ」



乙葉・・・うーーん、その話をしたいのでは、ないのだけれど、でも、聞かれているので、続けて


「お父さんが、今回の選挙与党で初当選しました。昔から、仕事人で出版関係、新聞社と」

「家に帰ってくるのは、遅かったかな。」



「母は家にいて、弟が二人います、中学2年生と、小学校5年生」


乙葉、なんとか、旨く、切り出したい。手を握りたいものの



乙葉とかずきの手がふれそうな、タイミングではあったが、かずきは、それで?と、手をいったん顎に

あ、そうじゃない、そうじゃないと、乙葉



「コンクールで最優秀賞!それが、目に留まったのか、わからないのですが、」

「和井田への推薦があり、吹奏楽部と」


「もう1つが特待生で、野球部のマネージャー」

「家は、家計が厳しかった事もあり、特待生を選びました。」



「まさか、父が出馬し当選するなど、この時は思っても居ませんでしたから」




かずきは、足を止めて

「吹奏楽部に入りたいとは?思わないの?」

乙葉

「はい、今は、思いません。野球部のマネージャーになれて、良かったと思っています」




かずき

「え?どうして、せっかくの、技術があるのに?」

「和井田の吹奏楽部も全国レベル」


「ここ数年はタイトル逃しているけれど、瞳さん達なら、やれるのでは」




乙葉は、ここだ、ここで、言わねば!

今が、まさに、その時、喉から言葉が出そうになったが、


・・・


・・・


・・・


逆に意識してしまい、なんと言えば良いのかが、わからず


「いえ、あの、あの、ですね、あの」


丁度その時、突風が吹いて


かずき

「ここだね、着いたよ!桜!見て、乙葉ちゃん」




二人で初の写真を!進みながら、色々な桜の木の前で。

写真をとり、さらに、歩いて、写真をとり、ポーズを決め、また、写真を撮った。



乙葉はとても、とても、ドキドキして嬉しかった。二人きりの初の写真。

男性と写真を撮ったのも、初めてで、ドキドキは止まらない。



乙葉、いま、いましか、ない!よし!


乙葉は、かずきの顔を見て

「あの」



かずき

「さて、もどろうか、まだ、時間あるけれど、歩く?疲れちゃうかな、タクシーで、行こうか。」





乙葉・・・あ、あああ、あ、また、また、だ、タイミングが、

どうすれば良いの?どうやって?言わなくちゃ、あ、タクシー乗っちゃった。



タクシーは大通り公園に向かい

少し遠いところで、タクシーが降りられる場所があったので、そこで二人は降りた。



乙葉

「東京タワー?」

かずき

「いや、札幌放送局の電波塔」



乙葉、ここしかない、ここで、言わないと、後悔する。ここだ!

「この通り、奇麗ですね」



かずき

「そうだ、僕の事を話して居なかったね」



乙葉、え?その話、その話も、聞きたいけれど、

わたし、わたしは、えええーー、

また、なの、タイミングが、決意したのに





かずきは、テレビ塔の方へ、歩き出しながら

「うちは、産婦人科、父がやっている。母もね」


乙葉、あ、少し、まとう、落ち着こう、落ち着こう、このかずき君の話は聞いておきたい。

「だから、飛行機の中で、手際よく、堂々と」


かずき

「うん、許可を貰えた妊婦さんの、立ち合いをしたことも、中学生の時からあったね」


乙葉、手を繋ぎたい、繋ぎたい、タイミングが合わない。もう!!!

「かずき君は、産婦人科の先生になるのですか?」



かずき

「いや、ならない。歳の離れた兄と、姉が居て」

「兄は大学病院に勤めて居て、姉は助産師として、本田産婦人科に努めている」

「兄が継ぐのでね。」



「もっとも、中学の時から、産婦人科で、受付や助産師さん達に、将来のために、私でお勉強しておく、みたいな?」

「姉は、姉で、素っ裸で、家の中を歩き回るし、」



「和井田の中学だったから、高校はエスカレータだったのだけれど、野球部の寮、記録員として、寮に入った」

「いや、家に居づらかったかな。寮のほうが勉強できるからね」



乙葉

「将来は何か、決めているの?お家を継がないのであれば?」



かずき

「うーん、決めて居ない。ただ、知恵を使う仕事をとは思っている、これでも、学年3位なのだよ」



乙葉

「3位!!!数学オリンピック銀メダリスト、え?3位なの?」

かずき

「うん。」




乙葉

「もっと、頭のいい人が、いるのですね。」

かずきは、歩きながら、徐々に電波塔へ

「常に満点がね。二人・・・。キャプテンと副キャプテン」



乙葉・・・。

「なんとなく、納得です。」



かずき

「ちなみに、3年生の1位は同じように、満点二人、せんさんと瞳さん」

乙葉

「ええええ!!皆、頭が良いのですね、私も出来る方ですけれど、上期どうなるのか?」



かずきは笑いながら、足を止めて、乙葉の方を、見て

「僕で良ければ、勉強教えますよ」


乙葉、これは、来た

きたーーーー!、


これは、来た。


今!言葉じゃ、わたし、間に合わない。





言葉では、届かない!!!






乙葉は、かずきの胸のあたり手を寄せて

突然!!!

乙葉、かずきの唇に、重ねる



乙葉は顔が真っ赤になりながら、数十秒、そのまま

そう、そのまま



公園のド真ん中で

そのまま

そう、そのまま


かずきは、え!となりながら、数十秒、そのまま


カップルや、観光の方が見ている中

そう、そのまま

そのままである。



時間が停まったような、いや、時間は止まっていた。

そう、少なくとも、今の二人には時間が止まっていたのである。




乙葉、くちびるを離して

「かずき君が、好きです!みんなを守った、かずき君が好きです、今度は、私を守ってください!」


かずきも、ドキドキしながら、

「え?僕?僕で良いの?他に、乙葉さんに、似合う人沢山いるでしょうに?」


乙葉

「居ません!!このような気持ち、初めてなのです。男の人と話すのも正直、初めてです」

「ドキドキが止まらなくて、この気持ち、好きなのだと。」

「わたしと、わたしと、わた」



かずきは、流石に、これ以上はと思い


かずきは、乙葉の手をとり、握り


かずき

「僕が、守ります、お付き合いしてください」


そういうと、乙葉は、ボロボロと泣き、涙が止まらない

かずきと、乙葉はもう1度、唇を重ねるのであった。


乙葉は泣きながら

「好きです!大好きです!嬉しいです!」

かずき

「僕も、薄々は気が付いて居た、そして、僕自身の気持ちが動いている事にも、気が付いていた」


乙葉は、かずきに抱き着いて。・・・。


泣いた

泣いた

泣いた



嬉しくて、嬉しくて

泣いたのであった。


嬉しくて、泣いたのは

はじめてであった。乙葉は、想いを伝える事が出来たのであった




Fin.

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