第5話 石井君の答え
彼氏確定?なにこれ、え?どういう事?
強引な!
由良は八重と香織さんを誘って、石井君の席へ
由良
「よう、堅!チョコレート渡されたのだって?」
石井
「え?なんで知っているの?」
由良
「そりゃ、女バスが堅を連れ出したとしたら、それしか無いだろうに」
嘉位
「石井君、それでチョコレートをもらって、おそらく手紙があり」
「その手紙には、返事は放課後の部活が終わってからと」
「さらには、3本勝負で、1本でも負けたら、彼氏に!」
石井氏
「山本君!なんで、誰にも見せていないのに、そこまでわかるの?」
「相談があったの?」
嘉位
「石井君、嘉位でよいです。いや、相談は無いですよ。ただ、八重さんの話を聞いて、今日の環境を考えるとね」
石井は、驚いて、隠す必要もないでの、手紙を机に広げた
桜井が、よいしょ、と、割って入ってきて
「どれどれ、うん、愛の告白文と」
桜井!え?
「放課後部活後、体育館で、3本勝負、私が3本全て勝ったら、彼氏確定!」
八重、え???
楓、こりゃ、また強引な
香織、嘉位の言っていた通りだ
由良
「これは、別に強引でも、なんでもない、普通のスポーツする女の子、スポーツじゃなくてもね」
「ただ、字体がばらばらですから、これ、女バスみんなして、考えてつくったのだろうね」
佐伯
「あ、ほんとだ、書き方や、文字の大きさ、バラバラだね」
嘉位
「このレターには、必ず、来い!等は一切書いていない」
香織
「あ、確かに!強引と思ったけれど、行かなくてもよいのだ!」
嘉位
「そこで、石井君、今日告白、手渡れたのは中学校の全国大会に出場していた、別の学校の生徒さんですよね?」
石井
「はい、かい君。その通りです。あれは全国大会。僕らは初戦で負けたのですが、僕は女バスが勝ち続けるように」
「アドバイスをと、帰りのバスには乗らずに、大会観戦を続けました」
「決勝で、その子と、和井田中学はあたり、ぎりぎり、せって和井田が優勝」
「個のレベルでは、その子のほうが、上です。」
「和井田は総合力で粘って勝ちました。」
「表彰式後、僕はロビーの自動販売機で飲み物を買っていると。」
「激しく泣いている、選手が居ました。そう、敗れた学校のとびぬけた技術を持っている選手」
「持田さんです。持田さんは、泣きじゃくっていました」
「僕の首にかけておいた、タオルは使っていないので、スポーツドリンクを買って、タオルを彼女に渡しました」
「彼女に渡したのですが、泣きじゃくっています」
「僕は、彼女に技術レベルでは、あなたのほうが、遥かに上でしたよ」
「全体的なトッププレイヤーが集まる、和井田の高校で、さらに能力をあげて頂点を目指してみては?」
「その子、持田さんは振り返って、泣き止み、タオルを受け取り、涙を拭いて」
「本当にそう思うのか、聞き返していましたね」
「僕はもちろん、お世辞等いうつもりはないので、正直にプレーの質は大会通じてトップですと答えました」
「また、持田さんは泣いてしまいましたが」
「彼女が和井田高校に来たのは知っていました。」
「何度か女子バスケ部の練習を見に行った事もあります。さらにうまくなっていましたね。」
「1年生からAチーム、スタメンでしょうね」
嘉位
「そうなると、石井君は、もう答えは出ているのですね」
石井
「はい、その通りです。かい君。答えは出ていますので、放課後、体育館に行きます」
八重
「え?良くわからない、答え?出ていて、勝負するの?手を抜くって事?」
由良
「そうではない、もちろん、勝つ、堅がね。」
「八重なら、わかりやすいと思う。」
「思いを認めてもらうと同時に、成長も認めてもらえたら?」
「もう少し、わかりやすく言うと」
「仮に僕がバスケ部で、八重も中学バスケ部、思いは伝えたいけど、今はまだ早い」
「1年後、納得できるレベルまで来た。そうすると?」
八重
「うまくなったことを、褒めてもらいたい!そして、認めて貰いたい、思いを伝えたい」
嘉位
「そうだね。つまり持田さんは、石井君が薦めてくれた和井田へ、そして1年間の成長を認めて貰いたい」
楓、あ、これもテクニカルなのね。女バス10数名で一生懸命考えた、文面。
「つまり、逃げ道もきちんと用意してある、必ず来い!等、書いてないし、負けた場合についても、書いていないから」
「来なかった時は、自分に感心が無いと、諦める」
佐伯
「でも、石井君は行くのでしょう?」
石井
「行きます。放課後」
八重
「持田は、本当に上手いよ、わたしじゃ、もう無理かな、でも由良がいるから良いけど!」
そして、放課後へ




