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第2話 バレンタインデー 三好のアプローチ、受ける一色、将棋の盤面は無し


あのー、今日何の日かわかる?わかってるの?将棋の天才君。

私は、あなたの部活、ずっと見てきたの。それなのに、なんで?

え?先読んでよ、読んで!!手の内が見透かされないように、寝ないで考えた結果がこれ?





桜井

「え?なかに、入っちゃだめなの?」

「ほら、黒板に書いてあるの、キャプテン先生の講義の続きみたいなのを、勉強しているのでしょう?」

佐伯

「え?そうなの?バレンタインデーなのに、和井田は、これだから・・・」


「え?どこをどう見れば、勉強しているように、見えるのよ」

「ちゃんと、黒板に書いてあるものを、読んで!レイもシュンも」

桜井

「シュンは、内緒、内緒」

佐伯

「レイも内緒で」

桜井

「え?やっぱり、キャプテン先生の続きですわ」

佐伯

「うん、そうですわ、あ、そうか、皆さんはキャプテン先生の自習講義をしらないからですわ」


香織は、ちょっと、ムっとして

「嘉位、なんですか、それは!」


嘉位

「しー!自習の時に、前回のテストで皆さんが難しくて解けなかった」

「問題の、解き方を自習で、講師として解き方の説明をね」


由良

「だから、しー!しかし、良く出来ているな」

「そうとう、時間かけないと考えられないぞ、これ」


「確かに」


八重と香織は、この補習?が、バレンタインデーとどのように、関係があるのかが、わからなかった

もちろん、佐伯も桜井もまったく、わからなかった。


頭を少しだけあげて、目視してみる

気が付かれてはいないようだ。


佐伯

「三好さんと、一色君だ」

桜井

「あのふたりも頭良いものね、お勉強中だって」


「わざわざ、教室で勉強しないでしょう、図書室等もあるのに、今人が居ないのはどこ?」

「教室、さらに、卒業する三年生も、居なければ、2年生は海外研修の準備で居ない」


「そうなると、1年生だけ。つまり、このバレンタインデーは、告白するのには、絶好のチャンスですわ」


桜井

「あ!そういう事か、フラれても、目立たないし」

佐伯

「不吉な事を、言うな!でも、勉強しているようにしか見えないですわ」

嘉位

「静かにすれば、話していること聞こえるから」

「もっとも、僕と由良は唇、口の動きだけで、理解できる」


桜井・佐伯

「キャプテン、副キャプテン、やはり、人間じゃないわ」


「だから、しーー、レイ、シュン」


桜井

「了解、マスター」



しーーん、と、なって、教室の中の声を、聴いてみた

うん、何か言っている。



三好さん

「この間の山本先生の覚え方、解き方、面白かったよね」

「自習時間の休み時間に、他の場合も想定してみたい」

「文字を短く、思いを込めたものとかも」

「外国人のツアー客、面白いだろうね、と一色君言っていましたね」


一色君

「うん!あれは、難しかった。山本さんの解き方が、凄くわかりやすかったです」

「確かに、ツアーコンダクターとして、面白く伝えてみたいなーとも言いましたね」

「三好さん、聞いていたのですね」


三好さん

「はい、もちろん、それで」


「黒板に書きました」

「見てください!」

「字が奇麗でしょう」

「でも、字を褒めてもらうより、」

「あの時は鳥羽伏見の戦いを300文字」


「今回は200文字内という設定にしました」


「薩摩藩の願い」

「これが、題材です」



先陣を切った薩摩兵の勢い、まさに雷霆の如し。

上様の命に背き、会津は義を貫かんとす。

京の都は、戦火に包まれながらも静かに時を刻む。

今こそ、志を胸に、刀を抜く時ぞ。

断じて退かず、我らの誠を示さん。

江戸の空、春の霞に紛れて、別れの言葉は風に消ゆ。

薩摩の誇りを胸に、旗の下で友と敵が交差する

運命に抗う術はただ、心の奥に秘めた願いのみ。




一色!!!わーー!


「凄い、こう、戦場を駆け抜ける、決意みたいなものが」

「物語的にまとまっています。三好さん凄いです!」

「これは、山本先生に見てもらうと、褒めてくれますね」



三好は・・・?いや、そうじゃないのだけれど

三好・・・今日は、何の日?わかる、わからないの?


三好は、少し、ムッとしながら



何をどうすれば、伝わるの?

学業抜群の和井田高等部なら、伝わると思ったのに

どれだけ、時間かけて、考えたかわかっているのかしら


それとも、女性として見ていない?

そんなことは、え?そうなの?

もしかして、私、女性の魅力なし、

それって、フラレちゃうの、嫌だ、嫌だ、嫌だよ


どうすれば…


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