表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
308/340

【告白編】第9話 帰宅後の恐怖。ダメだった。涙する麗華


お父さんに怒られる、怒られる、怒られる

怖い、怖い、怖い

全身が震える

怖い、怒られる。





佐伯は和井田から、自宅に帰ってきた。

あれ?こんなところに、花が咲いている。

奇麗だな!

あ、猫ちゃんも、小さな女の子が猫をなでて、いる。


佐伯は、嬉しくて、嬉しくて、世界が一変していたのである。

そう、今まで見る事ない景色すら、彼女の1つ、1つが、新しく映り込む




佐伯

「ただいまーー!」


お母さん

「あら、早かったのね、お帰りなさい」


佐伯は、靴を脱いで、リビングへ、鼻歌を奏でながらである。


お母さんは、お茶を入れてくれて、娘がいつもと違う事は、十分に感じ取れていた。


佐伯

「お母さん、お茶ありがとう!ねー、聞いて、聞いて、お母さん」


お母さん、お茶を出して、ありがとうなんて、初めて言われたような?


佐伯、お母さんなら、話せる!うん、今のお母さんなら!

「あのね!あのね!彼氏!!出来ちゃいましたーー!!!」


お母さん

「あら、やだ、本当?例の彼?おめでとう!」


佐伯

「うん!戸倉君!超かっこいいの!今日ね、和井田に迎えに行ってね」

「それから、野球場に行って!」


お母さん

「野球場?」


佐伯

「あ、和井田の練習場ね!そこで、戸倉君の自転車を、なんか、もう、こーーーなに、大きいのに、超軽い自転車!」

「それをロッカーにいれてから、和井田に戻って、お昼を食べたの!一緒に!」


お母さん、よほど、嬉しかったのね、こんなに楽しく話してくれるなんて

「はい、それで?お昼ご飯?」


佐伯、思い出すだけで、ドキドキしちゃう

「そう!お昼!焼肉屋さんで、個室!二人きりで!」


お母さん!え?

「お昼に焼肉屋さんに行ったの?」


佐伯

「うん!副キャプテンがお店予約してくれていてね!もう、個室でしょう!わたし、緊張しちゃって!」

「あれ、焼肉何食べたのだろう?あれ?覚えてないやー、でも、美味しかったよ!うん、たぶんね!」

「高そうなお肉を、一緒に食べて!あ、何を話したのだったかな、あ、そうそう、野球の話で盛り上がって」


お母さん・・・?


佐伯

「それで、それで、あ、そうだ、これ。店員さんが撮ってくれたの。写真」


佐伯は、お母さんにスマートフォンに映る、二人で隣り合って焼肉を食べて居る写真を、みせて


佐伯

「これが、わたしで、こっちが戸倉君」


お母さん、・・・それは、娘の顔くらい、わかるわよ。


佐伯

「戸倉君!超かっこいいの!!」


お母さん

「かっこいい、ハンサムね!」


佐伯

「でしょうーー!でしょう!それからね、それからね、戸倉君、お金持ってきていなくて、電車に乗れなかったの!」

「だから、送ってきた!戸倉君を!」


お母さん?!話が、見えないのだけれど?


佐伯、大丈夫、大丈夫なはず。

佐伯

「お母さん、怒らないで、聞いてくれる?」


お母さん?まったく、話についていけず、あっちこっちに、話が

お母さん

「はい、どうぞ」


佐伯は、顔を赤くしながら、いっちゃえーーー!


佐伯

「戸倉君と初キスしちゃった!!!」


お母さん!!え?

「え?急展開ね!おめでとう!どうだったの?」


佐伯

「どうだったのって?」


お母さん

「キスよ!キス!」


佐伯

「超!!ドキドキして、ドキドキして、泣きそうになったけれど、それよりも、ドキドキして」

「恥ずかしい!!」


お母さんも嬉しくなって、娘がちゃんと青春を送れて、良かったと



お父さん

「ただいまーー!」


お母さん

「あらやだ、はやいわね、ちょっと行ってくるわね」


お母さんは、玄関にお父さんを迎えに

お母さん

「早かったですね、ゴルフどうでしたか?」

お父さん

「ドラコン!ばっちり、とったぞ!」

「とりあえず、ビールが良いな」


お母さん

「はい、はい、わかりました」


お父さんも、リビングに行き

お母さん

「あなた、着替えてからでも、良いのでは?」

お父さん

「まー、ビールが先だな!」


佐伯

「おかえりなさい、お父さんもゴルフだったの?」


お父さん

「も?ゴルフえ?も?とは」


佐伯、あ!しまった、つい、言ってしまった。怒られる、怒られる、お父さんに怒られる


佐伯

「いや、なんでもありません」


お父さん

「変な子だな。ま、凄い人数だったよ、記念コンペ!呼んでくれて感謝だわ。ドラコンとれたし!ぎゃふんと言わせたよ!」


佐伯?記念コンペ、まさかね?


佐伯

「お父さん、もしかしてご夫婦で来られている方も、記念コンペにいたとか?」


お父さん?!

「お、良くわかるな!なんだ、テレビ中継でもされていたのか?」

お母さん

「テレビ中継なんて、されるわけないでしょうに」

お父さん

「そりゃ、そうだよな、戸倉建設の150周年記念コンペだ。戸倉ご夫婦は、一緒の組で回ったのだが」

「戸倉のやつ!俺よりとばすぞーーーっていきがっていたのにだな」


お母さんが、ビールを追加する・・・?!え?


お父さん

「まだまだ、俺には、届かない、100年練習してこい!!って言ってやったよ!」


佐伯?!え?

「川越の人?」


お父さん

「なんだ、なんだ、ラジオか?ネットか、中継されていたのか?」


佐伯ああああ、また、言っちゃった。怒られる、お父さんに怒られる、怖い、怖い。怖いよ。


お父さん

「そう、戸倉は、川越にでかい屋敷があって、家の会社と戸倉の会社は、共に成長していったんだが、なんで、川越と?」


佐伯、まずい、まずい、まずいよーー、この場から、去らないと、お父さんに怒られる。怒られる。


お母さん?!

「そういえば、送って行ったとさっき、言っていたけど、川越に送っていったの?」


お母さん!?もしかしたら?


佐伯は、下を向いてしまい、お父さんに怒られる。怒られる。怖い、怖い、怖い

佐伯

「うん。川越にタクシーで」


お父さん・・・?どういうことだ

「なんで、川越にそれも、タクシー?」

「どこから?川越まで」


佐伯、怒っている、怒っている、お父さん、怒っている、怖い、怖い

佐伯

「和井田から・・・」


お父さんとお母さんは、顔を向き合って、目を合わせ


「おまえ、あれか?もしかして、戸倉の息子と、出来ているのか?」


佐伯、しまった、・・・逃げればよかった。お父さん、怒っている、怒っている、怖い、怖い


佐伯は、少し、下半身が震えてしまい、怒られると、怒られる、そう思うと、涙ぐんでしまった。



お父さん

「おい、聞いて、いるのだぞ、戸倉の息子?川越?」


佐伯、ダメだ、もう、ダメだ、怖い、怖い、佐伯は涙が落ちてしまった



先程までの嬉しい、和やかな空気とは、一変してしまい、怒られる、怖さで、そう感じてしまった。



佐伯は、ぽつりと涙を落としながら

「はい。」







佐伯(私の恋は、終わったのだ、もう、無理)



ここで、あきらめてしまうの、

佐伯麗華 ・・・。いったい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ