第二九一話 緊急会議 政府災害対策本部 嘉位、由良の躍動
翌朝、株式会社八重に集合した。
嘉位
「悟、光、いきなりで申し訳ない、佐伯、桜井も」
「せんさん、瞳さんせっかくの新居なのに申し訳ない」
せんさん
「キャプテン、おおよその話はメッセージで確認してあります。シュミレーターにかけてみたい」
かずき
「分析材料を集め痛いのですが」
八重
「かずき君、大丈夫、私は大丈夫だから、何でも聞いてね」
専務
「社長、あけましておめでとうございます、彼らは」
由良
「専務、突然でもうしわけありません。大統領自由勲章の男性陣です」
専務
「わかりました、認証キーを発行しておきます、奥様方でしょうか、もちろん、発行します」
佐伯(あら、奥様だなんて、ま、光の奥様ですけど)
桜井(え、悟の奥さんなの、そうなるのよね)頬を赤らめる
一同は、マシン室へ
瞳さん
「あいかわらず、ものすごい音よね、ここ」
乙葉
「うん、大きな声で話さないと通じないし、ものすごい音、音」
かずき
「まず、今ある情報を入れ込みます」
光
「ゆらさん、最近の台風は弱くないですか、さらに東京の直下で台風になる事など、あるのでしょうか?台風ってむしろ強大で、遠くからパワーアップしながら、やってくるような?」
由良
「良い質問だ、昨年がまさにそれであった、11月末まで残暑とは言えない、猛暑が続き、日本に上陸した台風は2つのみ、ただし、局地的豪雨、短時間の集中豪雨は続いた」
「なぜか、それは日本全土に太平洋高気圧が居座っているから。台風が弱まったのは正しいが、ある意味違う」
「台風は海水を巻き上げながら、つまり水蒸気でパワーアップ、海水温が高ければ高いほど、仮に海水温29度で遠方で台風が発生した場合、想像したくはないが、とんでもない巨大台風が発生する」
「しかし、日本大陸の直前に台風になった場合、上陸しても水蒸気によるパワーアップはない。」
「この場合前線による短期間集中した豪雨にさらされる。昨年同様、今年の冬も暖冬で、尚も海水温は高い。」
「11月東京直下の台風発生は十分にありえる」
悟
「流石、気象予報士!納得です」
桜井
「今年まだ、雪降ってないものね、昨年は雪が降って、大きい地震があったので覚えている」
香織
「うん。よく覚えている、あの地震は忘れられない」
瞳さん
「え、なにかあったの、あの地震、幸い雪で交通網が遮断されていたから、緊急車両が通りやすく大災害にはならなかったはずよ」
八重
「ふーん」
楓
「なるほどね」
香織は頬が赤くなり
「もうー、今はその話じゃないでしょう」
せんさん
「結果が出ました。確率100%」
一同静まり返る
「かずき、八重さん1つ質問してよいですか、出口とか、広さとか」
八重(思い出せ、思い出せ)
由良
「八重、無理には良いぞ、苦しくなったら、飲み物を、手を繋ごう」
八重
「うん広いと思う、東西線、あ、木場、茅場町って書いてあった」
かずき
「八重さん、ありがとう、それも入れ込む。そして夕方には台風はそれると部隊長は言っていたから、それも、入れよう」
「そのエリアで、電車が流される、これも」
専務
「地下鉄東西線の門前仲町から木場は、地獄のような乗車率通勤時間なら200%は当たり前です。乗りたくない路線です」
瞳さん
「前線の雨で地下鉄が水浸しどころか、濁流で飲まれるのであれば、その前に地下鉄は運休しているのでは」
乙葉
「確かに、そうなりますね」
佐伯
「大型の台風の場合は、前日から計画運休のお知らせがでるものね」
かずき
「ありがとう、皆さん、それも、インプットします、それでシュミレート開始」
光
「埼玉なんて、雷の名家っていわれるくらい、もう夕方は土砂降りですよ」
連
「記録的短時間豪雨の場合は」
せんさん
「結果でました、確率120% 大横川氾濫、1時間に130ミリ以上、晴、雨、晴、雨を繰り返し1週間程度」
かずき
「つまり、突然記録的に降雨だが、晴れてしまい、それを繰り返して、警報を出すのが遅れた」
連
「その間に、河川は増水し、満潮時刻と重なったり、又、コンクリートも痛みを」
嘉位
「かずき、その説だと、1つ気になる、東北のトンネルと同じで」
由良
「そうなるな。」
乙葉
「かずき、エリアを広げてみて」
かずき
「あ、そういうことか、土砂災害の落雷と同じに、わかった」
せんさん
「目黒川、氾濫、それが最大。資産損失60兆円、経済損失40兆円、合わせて100兆円」
一同、沈黙する。
いっかい、食事にしようか。
佐伯
「わたし、何か買ってくる」
八重
「奥様方で行きましょう」
一旦マシン室から外に出て、会議室に移動した
嘉位
「財閥を全部投入する。全グループ、豊田会長にも依頼する、株式会社 連も、上杉さん、直江さんの知恵もかりたい」
「悟と光は、既に世界中に顔が知られている、頭も良いし、飛びぬけた瞬発力がある。力を借りたい」
光、悟(キャプテンから、力を借りたいと、言われた、凄い、凄い)
「もちろんです、キャプテン」
その後、政府災害対策本部と、経団連、山本財閥、豊田ホールディングス、株式会社 連、株式会社 八重で緊急の会議が行われた。
嘉位
「外観の問題であれば、物理的には出来るはず。内側から見えるが外側からは見えない、作り、露天風呂がそうである。」
「上杉さん、直江さん、何かアドバイスを」
上杉
「アドバイスだなんて、わかっているのに副社長ずるいな、もちろんできます。やりました、スタンフォードで」
直江
「余裕です。そして強度は遥かに強く、これなら外側からは桜も、川も奇麗見えます」
「内側からは鉄壁の防御壁です」
国土交通副大臣
「それで行きましょう。全面的に支援します。八重さんの予知夢がなければ、この会議はなかった。都心の地下排水の完成は3年後。その前に東京都そのものが水没する。都庁には大臣とわたくしから、説明をします」
総理の声が低く響く
「死者が出る。経済的損失は計り知れない。経済は立て直せても、死者は再生できない。一刻の猶予もない」
「ここに居る財界の皆様、日本にお力をお貸しください」
嘉位
「僕たちは、未来を守るためにここにいる。誰一人、死なせない。費用は全て、山本財閥が負担します。寄付という形をお願い致します。未曾有の寄付金になります。無記名です」
総理
「わかりました、副社長様」
こうして、会議が終わり、それぞれが動き出していた。
未曾有の大災害を回避するために、株式会社八重を中心に、団結するのであった。




