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第二七七話 会心の一撃 そして、会心の一言

どこまで…飛んでいくのだ。負けた



週末佐伯の家に、光が来ることになった。秋季大会優勝の報告である。

佐伯の家に来ていた。


色々話が膨らんでいくと、飛ぶ、どこまで、飛ぶに話がシフトしていき、唐突にゴルフ練習場に行くことになった。


光はゴルフバックが5つあり、それぞれを見て

「色々ありますね、僕は、それでは、SW、7番とウッドを、ウッドこのXシャフト借りて良いですか?」


佐伯お父さん

「もちろん、打てればだがな。硬いぞ」


佐伯のお母さん

「麗華のは、お母さんのを一緒に、使いましょう」


麗華

「私やった事ないよ」

お母さん

「誰しも、初めては、やったことが無いのよ、楽しいからやってみて、直ぐには上手くならないけれど、続けてみるのも良い事よ



一同は、お父さんの車で、ゴルフ練習場に、ボールのカードを受け取り、横一列。

お父さんは早速打ち始めて


お父さん

「良い飛びだ。戸倉には負けん」


麗華大きな声で

「ナイスバッティング!!」

「いや、野球じゃないから、ナイスショットね」

麗華は顔が赤くなり

「そうなのね、ナイスショット!」


お母さん

「これ、グローブね、後は、そうね、まずこの7番から、使ってみてね」

麗華

「うわ、重い」


光(久しぶりだな。半年ぶり位だ。ここ230ヤードか、短い)

光はまず、方にアイアンを両手に担いで通して、背負うように、体を左右に振り始めた。

麗華

「光なにやっているの?それ」

「軸がぶれるからね、麗華もやってみて、そうそのように」

麗華

「良くわからないけど、ここにある、ボールを打ってみればよいのね」

麗華えい

麗華は周りの人がガンガン飛ばしているので、私もこれくらいは出来るだろうと思っていた

しかし、見事に空振り。ボールが何か問いかけてきている。この場所から、動く事は当分なさそうだ。

そう、下手くそと、ボールは言わんばかりに、微動たりしない。

光は麗華の動きを見て、麗華の背後に回り

「いい、先ほど、肩の脇にクラブを入れて、体を回したよね、それを今度は前傾姿勢で、右に回したら、体を止めてみようか」

麗華は(前傾姿勢、前にかがめばいいの?)

麗華の体制は、完全にお尻を突き出して、あわや、前に倒れるかのような、前傾体制で

光は吹き出してしまい

「そうではなくて、俺の見てね、この態勢、そして、麗華のクラブ持ち手側で、俺の頭にのせてみて」

麗華は言われた通り、握りての方を光の頭にのせると

「ゆっくりやってみるね、見ててね」

麗華(え?)

「軸がぶれないでしょう。このイメージを持ってみて」


再度麗華は、イメージを維持しつつ、ボールにえい!と


麗華

「とんだ、というより、まっすぐ転がった。でも、あったたよー、あたったー」

光(ダフリトップに曲がりなしとは、まさにこの事だ)

「そのイメージで、クラブヘッド、麗華のはその先端の曲がっている部分の丁度真ん中にあたるように」

「慣れてくるとヘッドの重さを感じられるから、そして、効き目はボールの後ろを見つつ、スイングすると、飛ぶよ」


麗華は、じっと、ボールの後ろを凝視し、前傾姿勢は光のまねで、よーしと

大きくバックスイングし、飛ばす気満々で

光(あ、そうじゃない・・・)


麗華は遠くに、遥か遠くに、そして、とてつもなく大きな物体が、遠くへ


ゴルフクラブが、飛んで行ってしまった。


麗華

「あら?、ああああ、どうしょう、光、光、光」

光はボタンを押して、打席停止のアナウンスを依頼

「大丈夫、握りは確かにそれくらい、ゆるくてよいのだけれど、まさか、手放すとは」

打球がやんだので、光はクラブを取りに、中に入ると

なんと、打球が飛んできたのだ、

流石は、光である、かるがると、飛んでくるボールをキャッチ、そして、その場に落とし


麗華(光、かっこいい。なんてスピードなの、胸がキュンとした。あ、違う、違う、わたしのせいだ、わたしが、ぼーーんと、クラブを投げなければ、だって、飛んでちゃったのだもの、クラブの、バーカ!)


まだ、飛んでくる、飛んでくる、飛んでくるものを、全てキャッチし、その場に落とし、クラブを拾い上げ

何事もなかったように、麗華のもとに


麗華

「え?痛くないの?パーンって、ボールが」

「痛くないよ、僕達やっているのは硬式野球ボールだよ。あれだったら、折れちゃうけど。ゴルフボールなら」

お父さん

「いや、ゴルフボールでも痛いぞ、凄い裁きだな、これが甲子園優勝した球児本来のセンスなのか」

「見事、見事、しかし、上の階、打ち方止めのアナウンスが流れていたのに、マナーがなっていない」

「もっとも、クラブが飛んでいくなど、お笑いのテレビ番組ぐらいしか、見ないのだがな」

麗華は顔が真っ赤になって、恥ずかしかった

お父さん

「光やけに、いろいろ詳しいな。練習場の使い方も、説明も」

「和井田の硬式野球部、おそらくほぼ全員、学童、中学で打ちっぱなしは来ていますね、特に雨で練習出来ない時等は徹底して」

お父さん

「野球とゴルフは何の関係があるのだ?」

「体の軸を意識する、ゴルフも野球も、体の中心にある「軸」を安定させることが重要ですから。

軸が左右や上下にブレると、正確なインパクトができません。野球の打席も同じです」

「加えて、点で捉える感覚のバッティングは、速いボールを捉えるため、正確なインパクトつまり芯で捉える感覚が不可欠」

「ゴルフでも野球でも、上半身の力だけでなく、下半身の安定と適切な体重移動が飛距離と正確性を生み出しますので」

「動かないボールで、体に覚えさせる事で、ホームランを」


お母さん

「そういうものなの?、わからない、ゴルフと野球?」

光はクラブを変えて、ドライバーに持ち替えて

「見て居てくださいね」


周りのお客さんも、光の説明が耳に入ったので、打つのをいったんやめて、光に注目していた

先程までの打撃音が消え、シーンとなっていた


光は数歩下がって、クラブで目標を定めて

「あのド真ん中の鉄柱の1番上を見て居てくださいね」

光は体制と、ボールの位置、クラブヘッドを確認し、2,3度位置を調整し、バックスイングし、一気に

ぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

ゴルフボールは、宣言通り、ド真ん中の鉄柱の一番上に一直線、飛んでいき、当たった。


お父さん、お母さんは、え?!

お父さん(完全に負けた、あそこまで飛ばしたことは無い)

「あれだと、350は軽く超えているぞ」

一同は、静まり返っていた。

「これ以上だと、ネット超えちゃいますので、控えめに、今と同じように、このまま。10球、同じところに、当てますね」


光はほぼ、同じところに、10球続けて、当て込んだ


練習に来ていた一般の方も、レッスンコーチまでもが、光の打席をのぞき込んだり、近づいたりしてきて


光(あれ、妙に静かだな)

「あと19球、打っちゃいね」

光はまたもや、ほぼ、同じところに、19続けて、当て込んだ


レッスンプロ(どこかで、見た顔だな、あれ、どこかで見て居るぞ

、しかしプロ選手でも、あそこまで適格にコントロールは出来ない、彼は一体、何者だ。プロ志願なのか)


レッスンプロがやってきて

「君、凄いね、プロ目指しているの?どれくらいで回れるの?、プロテストは受けてみては?」

光(何のことだ?あれ?妙に注目されているな)

「プロ目指します。大学でドラフトにかかって、プロ入りを」

レッスンプロ

「ドラフト!ああああ、和井田学園、甲子園初優勝の、そうだ、ホームランもそうだが、あのジャンピングのファインプレーの、そうだ、たしか、戸倉、そう、戸倉君だね」

「いや、びっくりした。プロ野球、プロ野球行ける。プロゴルファーも、いける」

麗華

「凄い、凄い、凄いよ、光!周りをみて、全員、光を注目して、手が止まっているよ」

お父さん

「凄いな、光、今度一緒に、コース回ろうな、泊で行くか、戸倉も誘って」

お母さん

「いいですわね、私も行きます。麗華はゴルフ練習しないとね」

「あの褒めて貰って嬉しいのは、嬉しいのですが、俺だけ特異ではなく」

「和井田の野球部この程度は、全員誰でも出来ますよ」

レッスンプロ

「え!!!、凄いな、和井田学園、選抜も確定。今度見に行っても良いかね」

麗華

「はい、もちろんです。お待ちしております。土日自由に解放していますので、是非、来てください」

「わたしが野球部のマネージャーです。いつでも、受付で佐伯と言ってもらえれば、お迎えにあがります」

レッスンプロ

「ありがとう、野球を引退してから、プロゴルファーになる選手もいるからね、是非、しかし、あれ、佐伯社長」

「佐伯社長と戸倉君、どのような関係で?」

お父さん

「聞いてくださいよ、木村プロ、光は、戸倉建設社長の息子さんでね、家の娘と一緒になるのですよ、つまり、彼は、私の息子になるのです」

光(おいおい、そんな人前で公言しなくても)

麗華(嬉しくなって)

「はい、私の旦那様が、こちらの光です。宜しくお願い致します」

木村プロ

「おお、佐伯社長、おめでとうございます、お嬢様でしょうか。初めまして、おめでとうございます」

木村プロ

「いったん、皆様、少し椅子に腰かけしましょう。他のお客様からの注目で、皆様、打っていませんので」

お母さん

「それも、そうですわね」


帰宅し、御寿司を頼むことにした。お父さん、お母さんは、ビールを飲み始め

お父さん

「麗華、光、年末年始海外に行くのだろう、これは早い、お年玉だ、楽しんできなさい」

光(え?茶封筒)

お父さん

「来年は初孫に会えるのかな?」


麗華は顔が真っ赤であった。


麗華(ハワイで?え?)



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