第二七四話 再び京都へ
優勝は和井田学園!
東京秋季大会を制した、和井田学園
その他の試合も制し、春選抜出場は間違いなく確定となった。
嘉位と由良は出場する事はなかった。連も決勝で最終回の登板のみで、東京を制したのである。
丁度ドラフト会議が行われ、中継を見ていると
注目選手No1 宗山 走が巨人ドラフト1位指名。U18代表も多数の選手が指名されていた。
僅かな休日の合間にて
嘉位、香織。由良、八重。連、楓は再び、京都に向かっていた。
新幹線の中
楓
「大会の後は、ビックリする事が沢山、まさかでしたわ、武田君から始まり」
「そういえば、瞳さん、毎日お屋敷に来ていますね、せんさんも一緒に」
「それと瞳さん、せんさんも、悩んでいるみたいですね、大学での生活」
八重は声を大きくし
「あれは、びっくりしたよ。そうか、瞳さん大学での生活を色々考えないといけないのか、大変そうね。」
「それより、私も行ってますよー。お料理教室。毎日ではないけど、野球部もあるしね」
「料理長に色々教わって、さらにレシピが増えたわ。一番の上達は瞳さんよね。瞳さんも真剣そのもの」
「はじめは、びっくりしたわ。せんさんも、目が飛び出していたものね」
楓
「あれは、ネタじゃなく、素なのよね、私も驚いた」
「お米を研ぐ、洗うを、まさか食器用洗剤で、洗うとは」
連は目を丸くして
「え?洗剤でお米を?、ネタじゃなくて?」
楓
「うん。瞳さんまったく料理したことなくて、でも、流石瞳さん、呑み込みが早い。天才よね。学年1位は」
香織
「1回覚えたコツを忘れないものね、キャベツの千切りも、今やお手の物だし」
「料理長の教え方が旨いのもあるけどね」
八重
「香織はお料理上手だから、教える側だし、うらやましい」
香織
「私は幼いころから、スパルタ的に教養としてだから」
「嘉位も料理旨いのよね、由良君も、連君も、お料理できるのだけれど、どうしてなの?」
嘉位
「あ、あれはレシピや動画を全て暗記しているだけだから、由良も連も」
由良
「だよな」
連
「はい」
八重(…この3人、やはり、人間じゃない)
楓(本当は分解したら、アンドロイドなんじゃないのかしら)
香織
「みな、それぞれ旦那様が料理できるので、一人でお留守番をお願いしても、大丈夫ですね」
楓はキリっと、キツメに
「お姉さま!」
八重
「それを香織が言いますか、そうなると、キャプテンは一人で海外視察とかお仕事とか行っちゃいますよーぉ」
香織
「嘉位は例外です」
連は笑いながら
「話が、バラバラだ・・・」
香織はまずいと思い、話題を変えて
「今日お泊りするところはね、実は、嘉位と初めて外泊デートしたところなの」
八重(うまく、話をすり替えたな、香織)
「エッチなお泊りするところ?光が、なんか眩いくらいに、あんなにキラキラさせる意味あるのかしら?」
楓
「お兄様が、そういうところを選ぶわけないでしょうに、あの時、かお、ゲームにログインしてこなくて、もう大変だった、懐かしいって今思ったけど、ついこの間、1月の話なのよね」
「この1年が目まぐるしく動いたから、つい昨日のように思えてしまうね」
八重
「うん。色々あったな、この1年。この1年間で、今までの人生の時間と同じ、いやそれ以上に濃厚な1年だったね」
「由良が常に居てくれたから」
楓
「わたしも、連が居てくれたから」
香織
「わかる、わかる、ものすごく濃密な一年だった、嘉位と結ばれて、そしてこれから、結納式の着物に袖を通しにね」
「宿は、ハトヤ 和室よ、和室、はじめて、のどぐろを食べたのも、ハトヤだったの、温泉がお屋敷の温泉と同じ造りで」
由良
「それは楽しみだな。ハトヤは泊った事がないな」
連はスマートフォンを取り出して、楓にみせていた
「ここ!和室良いですね。」
嘉位
「連と楓は露天風呂付の部屋で、僕と香織、由良と八重さんは、その隣の、そう、その部屋になる」
楓
「お兄様、良いのですか、私がここで」
由良
「選抜確定のご褒美だよ、な、嘉位」
嘉位
「そうなるね」
楓
「ありがとうございます」
由良
「大浴場もあるのだ、良いね」
香織
「そして、秋!まつたけ、まつたけですよ」
八重
「まつたけ!!食べたことない、有るのかもしれないけど、記憶にない、楽しみ!」
京都について、そのままハトヤに到着した
嘉位がフロントへ
「予約の山本です」
フロント
「副社長様、お待ちしておりました。甲子園優勝、U18優勝おめでとうございます」
「こちらがルームキーになります」
嘉位
「ありがとう、全て僕の部屋付けで、お願いします」
フロント
「かしこまりました」
嘉位は、皆のもとに、それぞれルームキーを渡すと、それぞれの部屋に案内された。
連
「凄い、和室、広い!このまま、荷物を置いて、出かけるのだよね」
楓
「はい。行きましょう」
ロビーで集合し、ハイヤーでに志田へ。
ハイヤーは別の場所で、待機と
香織
「八重、壊れないからね、壊れない」
八重
「あれは、冗談だって、さ、行きましょう」
「ごめんください」
一同は入ると、女将が出迎えてくれて
「甲子園優勝、U18優勝おめでとうございます。お待ちしておりました。早速ですが、試着を」
嘉位、由良、連は別の部屋に案内され、袴に。戻ってくると
香織が、着物に。八重が、着物に、楓が着物に
男性陣は、言葉を失っていた。(…奇麗だ)
八重
「どう?由良、ほら、由良ってば」
由良
「見違えた、奇麗だ、八重」
八重
「見違えたって、どういう事、普段は変ってことなの?」
楓
「そうなのでは?」
由良
「いや、そういうわけでは無く、表現しょうがない程、美しい」
八重は、予想外の言葉に頬が赤くなっていた
連
「楓、うん、美人さんがさらに、美人に」
嘉位
「香織は着物が映える。最高だ」
女性陣もニコニコしながら、そして写真を撮った
最後に、嘉位と由良と女将で、写真を。
嘉位
「ありがとうございます。素晴らしいお召し物です。こちらを郵送して頂きたい」
「来月、結納式になります」
女将
「かしこまりました」
そうして、またハトヤに戻ってきた。
夕食はそれぞれの部屋で、懐石が振舞われ、オプションで、松坂牛のフィレ、まつたけの土瓶蒸しを堪能した。
その日は、それぞれ、お互いを確かめ合って、京の都の夜を。
翌日朝も部屋食を済ませ、そして大浴場で寛ぎ、そして京都を後にした。
いよいよ、結納式が迫ってきたのであった。




