第二七二話 久しぶりの学校
日本Ｕ－１８優勝！
嘉位と香織、由良と八重はその後帰宅した。
お屋敷では楓、千佳さん、一夜さん達が出迎えてくれて
千佳さん
「お帰りなさいませ、副社長様、奥様、優勝おめでとうございます」
楓
「見てました、お兄様！最終回、信じていました。」
「野球部、男性寮で、マネージャー全員画面に釘付けでした」
香織
「凄かったよね！わたしも八重も大はしゃぎで、旦那様最高！」
広間にいき、食事をとり、お風呂、そしてお部屋へと
香織
「明日から、学校ですね」
嘉位
「2、３か月、学校に行っていないからね」
香織
「旦那様、高校生でも世界一になりました。」
「私の旦那様は世界一です」
香織はそういうと、そっと嘉位の手を取り、夜を共にした。
香織の誇りと嘉位自身の責任感の体現でもあった。
朝、広間で楓が既にまっており、三人で登校、久しぶりの登校であった。
駅でみんなと合流すると、話題はもちろん
佐伯は飛び跳ねて
「キャプテン、副キャプテン、おめでとうございます世界一」
桜井は振り返りながら
「最終回、副キャプテンの逆転の１打、皆、寮のテレビにくぎ付けで、大はしゃぎ」
楓
「その裏の回に、最後は１６７Ｋｍ、3者三振」
「寮も大盛り上がりで、寮のおばちゃん達も一緒に盛り上がって、流石和井田だと」
由良
「実際に、最後の試合の1打席しか本戦は出て居ないのだけれどね」
佐伯
「そう、それが不思議だったのです。なんでもっと初めから、試合に出なかったの？光もなんでだろうねーって言ってました」
嘉位
「日の丸を背負う、三年生は十分なスペックを持っているから、そして種明かしをするのであれば、あえて僕らは出さないで欲しいと監督に告げていた」
桜井
「あえて、なのですか、どうしてです？」
由良
「ほら、プロ野球は各高校の選手、個を見定めるけれど、Ｕ－１８はＮＰＢ、つまりドラフトのアピールポイントになるから」
「俺らは、出ない、どうしてもの時は、いつでも行けるようにしておきますと、監督に伝え、監督も納得してくれた」
佐伯は顎に手をあてて、なるほどと
「そういう事なのですね。では、来年は全部出て、また世界一ですね」
嘉位（…言うべきなのか、マネージャ陣には言うべきだよな）
「俺と由良は来年日本代表に選出される」
「しかし、辞退する」
楓
「え！お兄様、由良も辞退するのですか？」
由良
「俺らが居なくても、大丈夫。そして俺と嘉位は来年の今頃やることがあるので」
「最後の高校野球は来年夏の甲子園優勝。それで卒部」
桜井は心配そうに
「えー、日本勝てるのかな？」
佐伯
「どうだろうね、でも良いのか、前にキャプテンが言ってましたものね、中学で世界一、高校で世界一を取るために」
そんな話をしていながら、教室に入ると
拍手、拍手、クラッカー、パンパンパン
ボードには世界一おめでとう！と書かれていて
嘉位は驚いたが、素直に
「ありがとう」
由良（そういえば甲子園優勝してから、初登校だった。祝勝会、全校集会、都庁報告も行かずにＵ１８沖縄に行ったからな）
「素直に、嬉しいよ、みんなありがとう」
石井は立ち上がり、拍手しながら、自分がＵ１８の一員のように
「最後のホームラン、しびれたね！流石、由良」
三好はテレビにくぎ付けで、1秒も目を離す事が無く
「１６７Ｋｍの締めくくり！カッコ良かった」
田口（初甲子園優勝、そしてＵ１８世界制覇、僕らの誇り）
「俺たちの誇りだよ、キャプテン、副キャプテン」
午前中の授業が終わり、食堂へ
食堂でも大きな拍手で迎えられていた。
この日は、連、せんさん、瞳さん、かずき、乙葉、悟、光も一緒に昼食
連
「かいさん、ゆらさん、お疲れ様でした。お帰りなさい」
食事は終始、Ｕ１８の話で盛り上がっていた。
皆に由良が1つ説明を
「秋季東京大会、俺と嘉位は出ない。連のチームだ。任せる。」
連、悟、光」
「はい！」
放課後の練習に少しだけ顔を出したが、その足で
由良と八重、嘉位と香織は、株式会社 八重に行くことに、せんさんも一緒である
会社に着くと
庶務の方々に、拍手で迎えらえた。
由良
「ありがとう、あれ、専務は？」
庶務
「専務は札幌、函館に出張中です」
由良
「工事が始まると聞いていますが」
エンジニア
「はい、着工しています。わたくしも、来週から現地調整を」
由良
「お願い致します」
由良と嘉位、せんさんは、マシーン室へ
香織と八重は、Ｕ１８の話を庶務の方と賑やかに。
由良
「3号機稼働後の連結は済んでいる。予備稼働の状態でも、操作は出来るのだが、まだ目視したことがない」
せんさん
「任せて、今、動かすね」
嘉位
「良いですね、気象衛星もリアルタイム」
せんさん
「3号機凄いですね、こんなに鮮明で、ズームで。さらに色々な探知も出来ますね」
「フルスペックです。」
一同は三号機の状況が把握できたので、退社する事になった
この三号機が、後々、どのような活躍をするのかは、まだ、誰も知らない。
そして月日は過ぎていく。
