第二六五話 快進撃と悲劇
ピーポーピーポーピーポー 夥しい数の救急車
和井田野球部は帰りのバスに乗り、ホテルに向かう
監督
「とんでもないことを、なしとげましたな、副社長様、いや、キャプテン」
飯塚
「震えました、心が、誰もが、一度は夢見る81球。目の前で見れるなんて、和井田に入って良かったです」
女子マネージャーは、黄色い声が止まない。
嘉位
「監督、皆も聞いて欲しい。僕と由良が次に出るのは、準決勝ベスト4からになる」
「それまで、駿、こうせい、まもる、そして連、マスク圭、伊達で行ける。」
由良
「連まかせたぞ、君達なら十分にやれる。甲子園を、とるぞ!」
一同
「はい!」
ホテルに戻り、それぞれが部屋で食事、お風呂を済ませて、体を休めていた。
一方和井田学園の応援団を初めて、チア部、吹奏楽部、帰らないと宣言。
理事長と校長の計らいで、大阪の早稲田にて学問をと。元々、嘉位が山本財閥の名で宿は、1か月抑えてくれていたのである。
それ以外の生徒達は、いったん東京に戻ることになった。
由良と嘉位は同じ部屋で
由良
「しかし、すごいな、ホテル食が部屋で振舞われるなんて」
嘉位
「ロイヤルだから、他のお客さんに迷惑がかかってしまうからね、部屋で」
「熱闘甲子園が始まる」
「電話だ、そうさんからだ、スピーカーで」
そう
「みとったで、派手な事やったな、あの記録は誰も破れない。同じ記録が奇跡的におきても、初出場で、第一試合、一回戦で、81球、由良の場外ホームランも伝説に残るな」
由良
「そうさん、ありがとうございます。練りに練った、作戦ですから」
そう
「作戦でも出来る事と、出来ない事、ま、嘉位と由良なら出来ちゃうのか、うおーー、俺は産まれるのが早すぎた」
嘉位
「これから、熱闘甲子園はじまりますので」
そう
「そやな、では、優勝期待してるで、ほな」
熱闘甲子園がはじまると、前代未聞の2つの記録が生まれました。その前に開会式からごらんください。そして一回戦、両校が映し出され
由良は、吹き出した。
由良
「なんだこれ、いつ撮ったのだ、マネージャー20名で」
嘉位
「八重さん、目立ってるなー、あの奥にちょこっと映っているのって」
由良はまたもや、吹き出し
「瞳さんだ、なんでお尻振っているんだ」
「和井田が、和井田が」
由良の奇跡、嘉位の伝説、今年の夏、甲子園は熱い!と締めくくられていた。
そして和井田学園は順当に勝ち進み、ベスト8を連の好投、圭、悟のホームランで快勝したのであた。ベスト4入りが確定した。
由良と嘉位は第3試合、次の準決勝であたるのは桐蔭であることから、試合を見に行くことに。
ところがいったんホテルに戻って、再度甲子園球場に向かう途中に、電車でおばあさんが倒れており、熱中症である。嘉位と由良は見過ごす事はありえず、対応をし
救急車を呼んで、救助に当たった。その後球場へ、気になるのはサイレンであった。
既に試合は開始であったが、嘉位と由良が付くと、そこには救急車が数台とまっており
一体何が?嘉位と由良は救急車にかけよると、中島、小久保、石津がタンカーに
救急隊員に嘉位と由良は阻止されるが、嘉位はライセンスを見せ、医師であることをしめし、かけよる
由良
「中島、どうした?」
嘉位が抑えているところを触診すると
「肋骨2本折れている」
中島
「わからない、バッターボックスに立った途端、視野が消えて、気が付いたら倒れていた」
由良
「小久保は、石津は」
嘉位
「小久保、半月板が割れている。石津は手首が折れている」
小久保
「痛い、なかじがいうとおり、真っ白で何もみえず、気が付いたら倒れこんでいた」
石津
「これ折れてるよな、嘉位、由良、どれくらいかかる、嘉位」
嘉位
「骨折は2、3か月で治るが、リハビリに最低4か月、6、7か月はかかる」
石津
「まいったな、昨年の選抜も怪我で出れず、ようやく治って夏出たのに、これでは来年の選抜も無理か」
嘉位
「墨田コーチに連絡して、代表の医師団をつけてもらうから、心配するな、石津君」
石津は、一筋の涙がこぼれていた。間に合わない事を悟ったからである。
救急車はその場を後にした。
由良と嘉位は救急車を見送り
由良
「ピンボールが来たとしても、なかじと、小久保、石津なら、よけられるはず、視野が消える、真っ白」
嘉位
「対戦相手は、広末」
「桐蔭主軸の3名がリタイアだと、厳しい」
由良
「俺たちと一緒にやってきたU-15代表の仲間だ、実力は実証済み、それが」
嘉位と由良は試合を見ずに、ホテルに戻ることにした。
墨田コーチに状況を話、日本医師会、日本代表医師団が全力であたることに
墨田コーチ
「俺が側で育てた、日本の宝だ、嘉位、由良、俺に任せてくれ」
嘉位と由良も食事、風呂を済ませて、熱闘甲子園を見るが、桐蔭 4-7 広末で、次準決勝の相手は、和井田 対 広末 なった。
準決勝は明後日である。中1日休日後。嘉位と由良は寝に着いた。
準決勝当日
八重
「さー今日勝って!そして決勝で、甲子園を制するわよ、今日はキャプテン、副キャプテンが出るからね」
香織
「応援にも熱がはいるね、八重」
楓
「楽勝、楽勝、決勝が楽しみ」
佐伯
「まずは、今日の試合、広末ね」
桜井
「悟君、ホームランをお願い」
整列 試合が開始した、先行は和井田 後攻が広末
1回表 三者凡退でチェンジ
1回裏 三者三三振でチェンジ
2回表 打席には4番由良
初球であった、
八重
「え?由良、由良、どうしたの?」
実況
「起き上がれません、タンカーが運ばれてきます。」
解説
「顔面に直撃でしたから、心配です」」
実況
「臨時代走が、4番御手洗君、タンカーで運ばれて行きます」
5番 嘉位
初球であった
香織
「え?嘉位?」
実況
「立て続けに、顔面に直撃、山本君、動けません、タンカーが運ばれてきます」
解説
「危険ですね、顔面に直接、それも150Kmがダイレクトですから」
香織、八重
「ちょっと、行ってくる、楓ちゃん、後は任せる」
外に出ると救急車に搬送されるところで、八重と香織は事情を説明し救急車に同乗した。
八重
「由良、どうしたの?どうして、何か言って?由良?大丈夫よね?大丈夫よね?」
香織
「嘉位、手を握り返して、どうして、どうして?」
病院についくと、直ぐに検査、ICUへ
数時間が経ち、医師が出てきて、状況を説明、意識が全くない、バイタルも弱い、出来る限りの事はしています。
八重は泣きながら
「嘘よね、由良だよ、由良、勲章をもらっている、日本の宝、由良だよ」
「先生!なんとかしてよ!お願いだから」
香織も泣いていた
その日も、翌日も由良と嘉位は意識が戻らかなった
夕方になり、由良の家族、嘉位の母、楓、連、が中に
連
「優勝しました、状況は?」
香織
「意識不明、特に異常は見当たらない、出血等もしていない。意識が戻らない」
その時、バイタル低下、先生を、何人もの先生がICUに
八重
「どうして、由良だよ、由良なんだよ、由良、戻ってきて」
八重と香織には、一瞬、由良と嘉位がぽつりと、涙が一滴流れるそんな気が、いや、流れた
バイタル停止。戻ってこい、戻ってこい、戻ってこい、20分経過
楓は泣きながら、叫ぶ
「そんな、お兄様、優勝したのよ、お兄様、見て、連のメダル!」
連
「いったい、俺たちは、なんのために」
山本の母
「どうして、どうしてなの、一体、なにがったの、嘉位、由良君世界を変えるのではなかったの」
医師これ以上は、と医師達も頷きICUから、数名が出てきて
「全力をつくしましたが、お二人とも、同時に、お亡くなりになりました」
連・楓は、膝を落とし、大泣き
香織は取り乱して、泣きながら、先生に
「嘘でしょ、嘘だと言って、嘉位だよ、嘉位なのよ、嘘だと、いやーーーーーーーーーーーーーーーー」
八重は完全に取り乱し、大泣きしながら、医師に
「そんな、由良よ、由良なんだよ、由良、嘘だよ、由良」
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」




