第二六一話 夢への始まり
159Km
全スタジアムの観客の視線は、電光掲示板に表示された球速、159Kmに、
中継のカメラも、電光掲示板により、159Kmを映し出していた。
続く2球目、157Km
3球目は、フォークを投げ、空振り三振
三者三振で、1回表を終了
1回裏 関東 0-0 和井田
悟は、初球をかくがる、センター前にヒットで出塁し、
次の光は、2球目を犠打、1Outランナー2塁
飯塚は4球目をライト前ヒット、ライトの浅い所に落ちたので、悟は、3塁で止まる。1Outランナー1、3塁
そして、けいである
けいは、警戒されており、ボール先行で 3ボール
そして4球目も高めのボール球であったが、そのボールを強振し
ほぼライナーで、センターを大きく超えて
実況
「打球はぐんぐん伸びて、伸びて、入ったーーースリーランホームラン」
解説
「彼凄いですね、ここまでの全試合、全てホームラン打っていますよ、一年生。見事ですね」
1回裏 関東 0-3 和井田
その後は打ち取られる
2回表 関東 0-3 和井田
関東4番
圭はスライダーを要求し、連は投げるものの
ファール、次もファール、そして次もファール
連(旨いな、悟なみの打者だ。流石関東4番)
次のストレートを、ジャストミートー
実況
「打ったーが、良く取りました、ファンプレー」
打球はセンターに抜けるあたりを、花島ダイビングで横っ飛び、キャッチOUT
その回も終え、連もスタンドにいれ
そのまま試合は進んでいく
6回表 関東 0-5 和井田
実況
「和井田の打線が止まりません、反撃なるか」
解説
「少し、お待ちください、今現時点で、豊田君ノーヒットノーランなのですよ。」
「球速も凄いですが、変化球の落差、精度、1年生ですね、豊田君。ここらで、関東も捉えて行かないと」
全観客も関東H0に、視線を
八重
「もしかすると、ありえる?」
香織
「凄い、凄い!」
楓(お願い、連頑張って。両手で祈る)
かきーーーーーーーーーーーーーーーーーん
実況
「抜けるー、いや、取った、取った、そして、アウトーーーーー!」
解説
「いや、花島君良く取りました、完全にセンター前のヒット性の当たりをダイビング、そしてそれをトスして、飯塚君のダイレクトにファースト送球」
「これは、日頃から連携プレイを練習していないと、出来ないですね。」
連
「花島!ナイス!」
「飯塚、ありがとう」
飯塚(やる気だな、もちろん、伝わっているよ、連君)
その回も次の回も終わり、裏でけい、佐藤と連続ホームラン
8回裏 関東0-7 和井田
実況
「いまだ、ノーヒットの関東、ここで、きっかけが欲しいところ」
解説
「そうですね。高校野球は1つのきっかけで、大きく流れが変わりますから、この回関東の攻撃は見ものです」
そう言っている間に
実況
「打った、これは、面白いところに落ちる、フェアーか、ファールゾーンか、サードとレフトが追いかけてていくが、間に合わない、打球は落ちるー!」
「いや、ショート、飯塚突っ込んで、取ったーーー、取ってます、取ってます、飯塚!ファインプレー!!」
解説
「あれを取りますか、真逆のスライディングキャッチ、ラインギリギリで、見事でしか言いようがないですね、飯塚君1年生」
連
「飯塚!ありがとう!」
飯塚は軽く手をあげた
スタンドでは大興奮!!言葉が聞こえない。まったく、聞こえない
榎本 幸恵
「飯塚君、かっこいい!ファインプレー」
楓(お願い、お願い、お願い、連を、連をと祈り続ける)
9回裏 関東 0-7 和井田
実況
「関東まだ、ノーヒット、ピッチャー豊田君、現段階でノーヒット、ノーラン、球数92球」
解説
「高校野球は最後までわかりませんからね、ただ、和井田の全員野球が素晴らしい。豊田君をバックアップしています。関東はなにか、しかけないとですね」
けい(あと3つ。)
中村(あと3つ。)
悟(俺のところに飛んでこい、全部取る)
光(俺のところに、こい、どこでも取る)
佐藤(連、任せてくれ、ここは堅守する)
飯塚(連君、やってみせてくれ)
連
156Km
そして、フォーク、スイーパーで、三球三振
次のバッタも、三球三振
2OUT 9回裏
スタンド
八重(あと一人)
香織(あと一人)
楓(お願い、お願い、お願い)
スライダー空振り
チェンジアップ、タイミングを外され見逃して、ストライク
けい(あと1球)
武田(あと1球、俺のところにこい、全て取る)
伊達(連君に任せる)
岡田(俺が取る)
連は一度、空を見上げて
(神宮の空って、こんなに広いんだ、天気が良いな)
ワインドアップをし、
圭も構える
ばーーーーーーーーーーーーーーーん
159Km
実況
「最後は、ド真ん中のストレート、手が出ない、見逃し、三振」
「和井田学園、初優勝!、夏の甲子園の切符は、和井田学園に決まりました」
「和井田学園、豊田投手、ノーヒットノーランを、この神宮決勝で達成101球」
スタンドの怒号は、まるで雷が続いているようであった
スタンドの和井田の学生は泣いていた、本当に夢が叶ったのだと
誰を見ても、男女構わず、泣いている。
チア部も吹奏楽部も応援団も、涙を止める事が出来ない
それは、マネージャー陣も同じであった。
八重
「楓、おめでとう!」
香織
「楓ちゃん、おめでとう!」
楓は涙で、涙で、言葉が出ない、震えていた。
実況
「夏の甲子園、東東京代表は、和井田学園、甲子園初出場、そして、この決勝の大舞台で、ノーヒットノーラン達成」




