第二五一話 京都事件 後編――ホワイトナイトの決断
<一同!控えろ!…その言葉が出るまでは…>
連
「無駄です。マテリアルが同じです。結果、同じ道を行く、道連れにしたのは、あなた方、旧N社の方々です。」
「責任は、旧N社のあなた方にあります。取り返しがつかないのです」
旧:N社の専務
「なにを、根拠に、バカな事を言うな、子供が、だったら、この産業はどうやって、生き残るのだ」
「2年でも、1年でも、延命をし、その間に研究の成果を」
連
「もう1度言います。マテリアルが同じである以上、結果は変わりません」
「籾殻から、白米を焚いて、出来るのがお米なのです。それを多様化させたものが、お酒であり、酢である、お米には多様性があり、無駄が無い」
「しかしながら、マテリアルが変わらない、原材料は変わらないと言えば、わかりやすいですかね」
「廃棄物についての考慮が全くない。多様性が無いのです」
「燃料電池が、食べられますか?食べられない、使い切った電池をどうします?」
「再利用して、現資源と同じ性質、性能が保てず、劣化製品を作りづける、結果的にサイクルは短くなり、その分」
「利用者は無駄にお金を使い、一番困るのは、利用者、この場合、消費者、つまり、国民です」
「それが、わかっていながら、あたかも、嘘で丸め込んだ、旧:N社の責任は重い」
しずまりかえる
旧:N社の社長
「あなたのおっしゃることは、間違ってはいない、事実です。しかし、それでは自動車産業の未来、日本の未来は、どうなるのです」
ついに、嘉位が立ち上がり
「根本の発想を、根底から変えます。いや変えています。既に技術提供を、山本財閥から、豊田ホールディングスに提供、実運用は秋」
「豊田会長にお任せしているので、わたしからは、言えませんが、世界が変わります。既にテスト運用はコンプリートしており」
「技術的な事は、お答えできませんが、答えだけ、言いましょう」
「あなた方の言う、自動車という産業から、燃料という、つまりサイクル燃料という概念が無くなります」
「これによって、もたらす事は、世界の富であり、世界の問題を一気に解決でき、多様化も出来、エネルギーそのものを根底から変えます。」
「なによりも、クリーンで安全で、永久的なエネルギー」
一同は、しずまりかえり
「株式会社 連 に 吸収し、株式会社 連 は 豊田ホールディングスの技術提供のもと、共存します。あなたがた、旧N者は、この業界に不要です」
「目先の金銭にしか、いまだに、目が言っていない。わたくしが以前説明したのにも、関わらず」
「このままだと、どうなりますか?あなた方、旧N社の方針を続けて」
「年末には、日本国民の25万人以上が失業する」
「これを、ホワイトナイトとして、株式会社 連 が 助けてくれると言うのです」
「ご理解いただけませんか?」
本田取締役
「ありがとうございます、もちろん、ご賛同致します」
EV取締役
「私共もその研究に、豊田ホールディングスに加えて頂けないでしょうか、根底は違えども何かしらのプロセスでお役に立つはずです。
これは日本の為、世界の為」
連
「ありがとうございます」
旧:N社の専務
「なにを、話を終わらせようとしているのだ、そもそも、貴様は誰だ!、子供が勝手な事を」
旧:N社の常務
「そうだ、なんの権限があって、このような、場で、発言を」
本田取締役は、立ち上がり 旧N社役員に対して
「目を覚ますのは、あなた方の方です。」
旧:N社の取締役
「どうしたのですか、本田取締役、そのような、子供の話を」
「そもそも子供の君、君、貴様だよ、そこの、何の権限があって!、おうちに帰って勉強してきなさい」
嘉位は、やれやれ・・・と思いながら
「まず、わたくしが誰であるのかは、説明は入りませんね。わたくしが本田を潰すといったら、その瞬間に潰れます」
「そのような事はしません。大量の失業者が出る、先ほども申した通り、ホワイトナイトとして」
「株式会社 連が、本田の従業員の皆さま、ご家族を救ってくれるというのです。」
本田取締役
「株式会社 連 が助けてくれることによって、我々社員だけでなく、家族が救われます」
旧:N社の社長
「山本財閥副社長様が、おっしゃることは、もちろん、わかります。あなた様の一言で、本田いや、三菱、マツダも廃業する事でしょう」
「しかし、1つ、府に落ちないのが、彼です。なぜ、彼が、そこまで、話をすすめて、纏まるのかが、理解が及ばず、申し訳ございません、副社長様」
旧:N社の取締役
「社長、そこまでへりくだることは無いですよ、子供相手に、確かに山本財閥の副社長様ですが、そこに居る子供、どこから沸いてでてきたのか、しらないが、勝手な事を」
由良が立ち上がり、大きな声で
「一同、控えろ!」
と、一喝!!!
その声は、千年の都に雷鳴のように響いた
会議室全体が、凍てつくように
しーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
由良
「あなた方が言う、こちらの方」
連は、もう1度立ち上がり
由良
「豊田ホールディングスのお孫さんであり、株式会社 連の息子。 つまり、豊田ホールディングスと、株式会社 連 を1つに」
「それが、今、あなた方が言う、何処から湧いてきた?」
「何を言っている」
「彼こそが、豊田 連 はじめに、挨拶したのを、お忘れか?」
「豊田ホールディングスと、株式会社 連 を束ねるのが、彼だということに」
連
「目先の金の亡者入りません、退去ください。私共は、このままでは年末に、大量の失業者を日本は出してしまう」
「それは世界経済の混乱も招く、そして争いの種になる」
「未然に防げるものは、防ぐ。ただ、それだけで、日本から大量の失業者を出す事は無くなる。それだけです」
「もう1度言います、目先の金の亡者である、旧:N社役員は退去願いたい。」
「首です」
「しいていうならば、銃を持って、父を殺害しようと仕向けたのも、この中に居る事は判明している」
旧N社の専務、常務、取締役数名、は、真っ青に
由良
「では、お入りください」
外で待機していた、警察特捜部が一斉に中に入り、
旧N社の専務、常務、取締役数名に裁判所からの逮捕状を元に、逮捕され、連行されていった。
静まり返った、会議室。
連
「お騒がせしました、週開けより、宜しくお願い致します。新たな日本を共に作ってまいりましょう」
本田取締役、EV取締役、その場にいた部長級の社員は
ボロボロと泣いていた。大の大人であるが、泣いていた。それは、事件ではなく
グループ全体の社員、家族が守られたことがはっきりとわかったからである
本田取締役
「ありがとうございます。宜しくお願い致します」
EV取締役
「研究プロセスを全て、豊田ホールディングスに渡します。ありがとうございます」
深々とお辞儀をしていた。
嘉位
「それでは、私共は、失礼いたします。」
「もう1度、日本を作り直しましょう。一緒に、お力をお貸しください、宜しくお願い申し上げます」
一同が、泣きながら
「はい!!!!」
そうして、
嘉位、由良、連、香織、八重、楓は、外に出てタクシーで大阪のホテルに戻るのであった。
それぞれの中のタクシーでは
我慢していたのであろうか、
香織は、嘉位に泣きながら、声に出して泣きながら、抱き着き
八重も、由良に泣きながら、声に出して泣きながら、抱き着き
楓も、連に泣きながら、声に出して泣きながら、抱き着き
タクシーはロイヤルについたのであった。
ディナーを済ませ、翌日は時間の許す限り、それぞれが、お互いを求めあっていった。
翌朝も、それぞれが熱い想いを…。
新大阪を出た帰りの新幹線は、熟睡であるのは、言うまでもないことである。
かくして、話はホワイトナイトである、株式会社 連 でまとまり、
嘉位、由良、連の3人が描いたシナリオ通りの結果となった。
週明けの対応は、山本財閥会長兼、社長、豊田ホールディングス会長、株式会社 連 社長
そして、御手洗経団連会長が表向きの尻ぬぐいをすることになっていく。
話のバックグラウンドは、世間では知られる事が無く…。




