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第二四七話 かずき と 乙葉 まさか…

先生を呼ばなくては、先生を呼ばなくては…




かずき と 乙葉は授業を終えて、一度寮に戻り、着替えを済ませた。札幌の時の服装である

正門で待ち合わせをしていた。

乙葉

「ごめんなさい、遅くなりました」

かずき

「いや、時間通りだよ、乙葉、行こう、すぐ着いちゃうけどね」

地下鉄2つ目の駅

かずき

「乙葉降りるよ、ついた」

乙葉?!え?歩いてでも、これたのでは?と思いながら

「近くないですか、それなのに、かずきは、寮なのですか?」

かずきは乙葉の手を握り歩きながら

「うん。家に居ずらいからね」

「ほら、ここが、家、道路の向こうが、病院」

乙葉、本田産婦人科と書いてある、大きい病院、え?産婦人科ってこんなに大きい病院なの?

かずき

「とりあえず、家に入ろう」

かずきは、家に先に案内すると

乙葉え?これ、家?お屋敷みたいな・・・えええ?文化遺産とか国宝とかになりそうな、え?ちょっと、まって、ここ、東京よね、東京のど真ん中だよね?

かずきは、スマートフォンをかざすと、門が開いた、かずきは乙葉の手をとり、中へ

「ただいまー」

かずきの母

「あら、おかえり、そして、乙葉ちゃん、写真よりかわいーーーい!もう、かずき、偉い!」

「さ、あがって、あがって、今日は、お兄ちゃん、お姉ちゃんもいないけどね、ささ、遠慮なく」

乙葉は、日本古来の御屋敷に唖然としていた

「お、おじゃまし、ます」


中に入ると、かずきの御父さんであろうか、ビールを飲んでいた

かずきの父

「いやー、久しぶりに休んだ感じだ。かずきがな、帰ってくると話したら、まとめて院長、お休みとってください、だとさ」

かずきの母

「もう、朝から、待てなくて、待てなくて、わたしもビールを飲んでいたの」

「お寿司を取ってあるから、まもなく来るとおもうは、ほら、かずき も、乙葉ちゃんも座って、座って」


かずき

「二人ともお酒飲んで大丈夫なの、いきなりお産があった場合は?」


かずきの父

「うちは7名も先生が居るし麻酔科も3名、見習いの先生なら10数名いる。お休みは、交代で2名でローテーション。もっとも院長である私や、副院長のかあさんは、やすまないのだけどな。今回はお休みをもらったよ。いや、ビールが旨い!」

かずきの母

「それにね、外部からも4名いますから、大丈夫よ」

「あ、お寿司来ましたわね。まずは食べてからね」


かずきの母は、特上、極めて上質なお寿司を。

寿司桶ではなく、板さんが直接、桐箱のようなものの上に、それぞれのネタのすし

その他に、4つの特上と日本酒、焼酎と

ネタの説明をそれぞれしてから、帰って行った。


乙葉(…お寿司ってこうやって注文するものなの?東京はそういうもの?…え?)

かずき

「乙葉、食べよう、まずは食べよう、頂きます!」

乙葉

「頂きます」

「!?美味しい!」

かずきの御母さん

「でしょう!今のお寿司大好きなのよ、あの板さん、神田江戸銀の方よ」

「美味しいでしょう。わたし、ここのお寿司、毎食でも食べたいの」

かずきの御父さん

「ま、旨いのは間違いない。酒も上手い、乙葉ちゃんはかわいい!いうことなし」


かずき(…これ、酔っているな、父さんも母さんも)


かずきの父さん

「新聞と動画見たぞ、機内出産!、見事な連携だ。でかしたぞ、かずき!」

かずき

「32週だったから、既に頭が、あの場で産むしか選択肢がなかったから」

乙葉

「私は、ずっと遠くから見ているだけでしたが、感動して泣いてしまいました」

かずきの母は、ピンときて!

「むふふ、新千歳空港へ、そう、そうなのね、羨ましい」

かずきの父さんも、母さんもお寿司をどんどん食べる

それに、かずき、乙葉も負けていない。

かずきの父さん

「かずき、ビール飲むか?乙葉ちゃんもビールでよいかね?」

かずき

「高校生、僕たちは高校生!!お酒は飲めません!」


その時であった、

父さんと母さんのスマートフォンが同時になった。


かずきの父さん

「ちょっと、すまない、電話に」

かずきの御母さん

「ごめんなさい、電話ですわ」


わかった。すぐいく、

わかりました、行きます。


かずきの父

「うまくいかないらしい、ちょっと、行ってくる、見る事しかできんが」

かずき

「僕も行こう、乙葉もおいで」

かずきの母

「頭の良い、かずきだから、そして機内出産を成し遂げたわけだから、かずきもお願い、乙葉ちゃんもよいかしら?」

乙葉はなにが、なんだか、わからない。ただ、機内出産の時のように、緊迫している事は、十分に伝わった。


父さんと母さん、かずき、乙葉は道路向かいの大きな産婦人科に行く。

アルコールで消毒を済ませ、服をまとい、それは、かずき も 乙葉もであった。


着替えている間に、又、父に通話があり、父はスピーカーに切り替え

陣痛がはじまり、中に入ってから10時間。経産婦では長い、なにより胎児の体重が

その一言が決定づけた。

父も母も中には入れない。もちろん、産科の先生は複数いるので、医師の数には、問題が無い。


父と母もガラス越しに中を見て、データをみなくてはと、思っていたその時


かずきが、分娩室の中から、助産師さんが慌てて出ていくのを、止めて

かずき

「すいません、データを見せてください、カルテ」

助産師さんは、かずき様と気が付き、院長も副院長も居る事にはじめて気が付いた


かずきの目は真剣そのもので、機内出産の時の男らしい、強い力を感じた。

「もう1度、現時点での、母親の状態を」

助産師さん

「かずき様、経産婦さんで、既にお二人女の子がいます、年齢は40歳、身長145cm、4070gと推定」

かずき

「吸引は無理だ、戻ってください」


かずきは、タブレットに書き込み、院長である父に見せ、副院長である母に見せ

その後、助産師さんに渡した。

助産師さんは、アルコール消毒し

かずき

「そのタブレットを産科の先生へ」


産科の先生

「道具は?」


助産師さん

「あの、これをと」


産科の先生がタブレットを見ると


大きく太字で書いてある


<胎児骨盤不均衡、即帝王切開>


胎児骨盤不均衡、145 Cm、経産婦 女の子二人、40歳、4070g



産科の先生は、かずきのタブレットを見ながら、ガラス面に視線を向けると、そこには、院長、副院長、そして、かずきの姿があった。


産科医師

「帝王切開に切り替えよう。」

助産師さんが、おかあさんと、立ち合い出産の旦那さんに

「帝王切開にしますね、旦那さんも良いですね」

御母さんは、涙が頬をつたっていったが、頷いた。


麻酔科医の先生も分娩室の中へ

母体の状態を確認していた。



産科医師

「では、始める」


はじまるとすぐに、男の子が産まれ

助産師さん

「男の子ですよ、男の子、待望の男の子」

計ると、4074g


立ち合いしていた旦那さんも喜んでいた。



数時間が過ぎて

かずき

「乙葉びっくりしたでしょう、じゃー帰ろうか」


帰り際に、ステーション近くに産まれて間もない、赤ちゃんたちが、小さなベッドケースで横に並んでいた。

確かに、赤ちゃんが、並んで、寝て居るのであるが


・・・あきらかに、大きかった。元気そうでなによりである。


院長である父、副院長の母、かずき、乙葉は、もう1度、御屋敷に戻るのであった。


一度、かずきと乙葉は部屋にもどり、荷物を置きに行くことにした。かずきの部屋の和室には、布団が2枚すでに、敷いてあった

それを乙葉は見逃す事もなく、顔が真っ赤になっていた。


父と母はせっかくのお休みであるから、お酒と、オードブルを注文し、改めて、食事をする事に。


かずきの父

「かずき、遅いな」

かずきの母

「余計な事は、考えないの」


二人は、もう1度乾杯!とビールを、その時、かずきと乙葉がやってきたのであった。


乙葉だけは、お酒を飲んだわけでもないのに、何故か顔が真っ赤であり

顔がまっかのまま、先ほどの席に座るのであった。

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