第二四四話 それぞれの準備 大阪組
<食事中だが、由良と連に電話をしたい、スピーカーはオンにする、良いかね?聞いて欲しい>
明日学校が終わってから、車で東京駅に行くことになった、株式会社 八重 由良、八重、嘉位、香織、連、楓
嘉位、香織、楓は広間で食事をとりながら、由良と八重、連と同時通話をしていた。嘉位はスピーカーをオンにして。
由良
「嘉位、専務と話はついた。土曜日に、隊長、教官、隊員は大阪の訓練場にいる。」
嘉位
「僕の方も、ゼネコン社長と、サブコンの社長と話はついている、大阪で話をまとめ、札幌と函館に行ってくれる。」
八重
「御父さんの会社の人たちも同行してくれると言っていたよー、キャプテン、あとで日付をと」
香織
「八重!!ありがとう」
連
「僕も大阪なのは、良いのでしょうか?」
嘉位
「僕と由良と連は、大阪の訓練場を知っているし、顔も通っている。又、連をおいていくと、楓が駄々をこねるからね」
楓
「お兄様、そこまでは言っていません。」
嘉位
「では、楓一人で良いのかい?」
楓は下を向きながら
「駄目です。」
嘉位
「楓冗談だ、連が行く意味がある、京都だ」
香織
「あ!結納の着物」
由良
「まだ、出来ていないだろう、袴は出来ていると思うが」
八重
「あの、手で叩いたら、崩れてしまう危険がある、お店だよね」
「あの時もこの三人は、まったく」
嘉位は笑いながら
「ワコールの老舗、着物は、とりあえず顔を見せる程度」
香織
「嘉位、それで京都は?何を」
嘉位
「これは、連がいかなくては行けない、本田の技術研究所」
「株式会社 八重が今週報道を独占している一方で、自動車産業の再編も報道している、株式は一時暴落したが、週明けには過去最高を示す」
「それには、連が」
連
「つまり、中止にと」
香織と八重と楓は話している意味がわからない。
由良
「あの路線で、旧N社が失敗し取り返しのつかない大赤字を出したにもかかわらず、本田は同じ研究所を、それも大量に投資している」
「これを、やめさせなければ、株式会社 連に吸収しても、負の遺産が続く」
嘉位
「由良の言う通り、そこを、僕と連で」
連
「わかっていませす。」
嘉位
「これについては、上杉さんも、直江さんも賛同している」
千佳と一夜は、上杉、直江の名前が出て、嬉しくなり、一方で副社長様に認められている事をあらめて、知ることになり
素晴らしい男性と結ばれる事が、嬉しくて、嬉しくて
連
「この件は、先日、おじい様、父さんとのセンターでの話でも出ていました。お任せください。僕が話をまとめます」
香織、八重、楓は、先日のセンターの話が出たので、頭の中で話は繋がったが、嘉位の顔つきが、経営者の顔つきに変わっていたので、会話に入ることはなかった。
八重だけは、少し我慢ができずに、自分の胸を、由良におしつけ、由良の反応を楽しんでいた。下着付けない方が、喜ぶかな?由良?
嘉位
「これをやらなければ、大量の失業者を出す。その家族までの数を考えるのであれば」
連
「お任せください、説き伏せます。いや反論の余地はありません。」
由良
「連、俺も行く。今の株式会社 八重は 広告金字塔としてゆるぎないもの、役に立つはず」
連
「ゆらさん、ありがとうございます」
嘉位
「そもそも、人類は衣食住に困ることが無ければ、争いも起こらない。欲がなければ。」
「欲というものは、本能なのであろう。」
「欲が過ぎているから、貧富の差が拡大、それも両極端に」
「得た富は、国あってこそ生まれた財なのであるから、その富、財は、国に返せばよい」
「前政権の老害共だ、言葉わるくて、深いな思いをさせるが」
「富を国に返す!そのような事をしたら、優秀な人材は日本から出て行ってしまうではないか」
「と捨てセリフ。」
由良
「既に海外に出ているのにな。」
嘉位
「由良の言う通り、それを悪用した、名前だけの公益財団等」
連
「ペーパーカンパニーや、タックスヘブン」
由良
「その通り」
嘉位
「わずかなものを守る為に、大儀を失っている、そしてその影響を被るのは、氷河期世代の方達」
「表向きは、母さん、山本財閥会長兼社長と、豊田ホールディングス会長、由良の御父さん、御手洗経団連会長が、首相と進めていく」
由良
「シナリオは、嘉位だがな」
嘉位
「いや、由良それは違う、僕たち三人だ。僕と由良と連。確認に、上杉さん、直江さん。いずれ、ここに、せんさん、かずきが加わる」
由良
「よし、話はまとまった。嘉位これ以上、この話は、別の場所で、京都でも。ほら、それぞれのお嫁さんが、どうしてよいのかわからず、沈黙を貫いているから」
嘉位あ!!あああ、しまった。つい・・・。
「ごめんなさーーーい、香織、八重さん、楓。つい、ごめん、ごめん」
連
「いや、僕も、すいません」
香織と八重と楓は、既に伴侶として、世界を動かす妻として、一歩引いていくことは、決意しているので、問題でなかった。
一方で
この三人は、どこまで先を見据えているのか、私たちは、一歩引いても、必ず側から離れないようにしようと
心に誓っていたのだ。
千佳と一夜も、再度、上杉と直江の名前が出て、嬉しかったが、気持ちは表に出さずに、平然を装っていた。
嘉位も由良も、連も、京都で必ず起こる、逆境…数々が、正念場であると…




