第二四一話 変化
体育館を出た、野球部一同と瞳さん。
香織、八重、楓、瞳さん、乙葉ちゃんは、ボロボロと涙が、こぼれていた。
嘉位、由良、せんさん、かずきは、振り返りもせず、そのまま、教室に向かっていた。
由良は気が付いて
「あ!俺ら教室戻って良いなんて、言われていたか?」
せんさん
「確かに。副キャプテンの言う通り、それでは、と拍手で送りだされたけれど」
かずき
「いまさら、体育館の中には戻れないでしょう」
嘉位は思っていた、今体育館に戻ると、それはそれで、面白い。ただ、それはU-15の優勝等では通用する監督達がいるからこそ、大笑いされながら、そして間違いなく怒られる。その怒られるのもまた、楽しいのである。原田監督、井畑監督、墨田コーチにである。
ここは学校であるから、そのまま教室に戻るのが正解。
八重は、涙をハンカチ拭きながら
「由良、どうして、そんなに平然としていられるの?」
瞳さんもハンカチで涙を拭きながら
「うん、副キャプテン、何事もなかったかのように」
由良、嘉位、せんさん、かずき
「普通だろう」
八重、香織、瞳さん、楓、乙葉
「普通じゃない!!!」
楓もハンカチで涙を拭いて
「台本のセリフを読んで、お芝居であったとしても、感動するエピソードよ、由良」
「私が泣くなんて、めったに無いの」
「あれほど、心を打たれた、強いメッセージは、聞いたことが無い。感動した、由良、今も感動している」
乙葉ちゃんも涙を拭きながら
「ど、どれくらい、副キャプテン、考えた、演説の内容なのですか、かなり文面に落とし込んで、時間をかけたのでしょうか、心に響きました」
由良、嘉位、せんさん、かずきは、何のこと、え?となって、常日頃からの志があるのだから
由良
「事前準備等、何一つしていない。その場での言葉、嘉位、せんさん、かずき、誰があの場に立っても、同じことを話しただろう」
せんさん
「もちろん」
かずき
「そうですね」
香織も涙を拭いて
「ええええええ!!!、あんなに長い話を、その場で」
嘉位
「香織、僕たちは常日頃から、同じ想い。株式会社 八重となってからは、その思いは共有し、強く根底にもっている」
「あの場で、誰がマイクを持っても、同じ事を言っただろう」
「流れ的には、勲章の由良が適任」
「それだけの事」
・・・香織、八重、楓、瞳さん、乙葉ちゃんは、唖然としている
そして、教室へ
教室の中にはまだ、誰も戻ってきていない。
嘉位、あ、いまなら、廊下で電話できる。嘉位は廊下に出て、千佳さんに電話をし、車を1台手配していた。
嘉位が戻ってくる頃に、他の生徒たちも教室に戻ってきた
石井
「由良、流石!響いたよ!」
三好はまだ、涙が止まらない
「御手洗君、感動しました」
午前の頭の授業は、授業にならなかったが、その後の教室の空気はガラッと変わっていた
もともと学問に特化した進学校でありながら、さらに、取り組む姿勢というもが変わっていた
お昼になり、食堂に向かい席に着くと、あらためて、生徒一同から大きな拍手を受けた。
昼食後、三年生のせんさん、瞳さんの教室も、生徒がいつもと、違う、強いまなざしで、授業に取り込んで居るを感じる事ができ
1年生の乙葉ちゃんのクラスも、ついこの前まで中学生であったことを、忘れさせる、何かが、変わっていたのであった。
授業が終わり
由良、嘉位、一同は、下駄箱にあつまり
嘉位
「裏門に、車を用意してある、おそらく、正門は、由良、八重さんを待つ、報道陣が待機している、車には千佳さんも同乗してくれているから」
由良
「嘉位、ありがとう、八重と行ってくる。専務と先に大阪の件と、函館の件、話してくる。夜まとめて、タブレットに送っておく」
嘉位
「わかった」
由良と八重は校門へ
野球部は、正門から歩いて、練習場をめざすと
正門には、沢山のカメラマンと報道陣が待機していた。野球部はその脇を通り過ぎ、練習場へ
嘉位、かずき、せんさんは着替えをすませ、グラウンドに行くと
既に、連を中心に、練習が始まっており、連がノックを打っていた
連
「はなしま、高い、高い、腰!抜けるぞ、それだと」
「飯塚、もっと横から、スナップかけて、ファーストに。それじゃ、中村が伸びないと、落とすし、中村は良く取った」
「佐藤、もっと、チャージしろ。前で、取れるぞ」
「悟、良い判断!」
「伊達、遅い、遅い、圭と交代、一回、圭のを見ろ!」
せんさん、かずき
「こういう効果が、あるのか、甲子園宣言での効果ではなく、学と門それは、学業の一貫である、野球も該当している」
「その本質が、1年生に伝わっている」
嘉位
「せんさん、かずき、練習は連に任せよう。連のチームだ。」
「僕らは、監督と再来週末の練習試合の組み方を確認しにいこう」
一方の由良と八重
千佳さん
「由良様、会社の前に報道陣がぎっしりと、車を止める事が出来ません」
由良
「千佳さん、ありがとう、ここで降りて、歩きます」
千佳さん
「お帰りのさい、私の番号または、副社長様にご連絡いただけましたら、お車を向かわせます」
由良
「ありがとうございます」
そういうと、由良と八重は、降りて、株式会社 八重の中に
報道陣とカメラマンは、学生とは聞いていたもの
夏服姿の2名が中に入っていくのを、由良と八重だとは気が付かなかった。
何人かはもちろん、気が付いていたのだが、その声は届かなかった
由良
「おはようございます、外大変な事になっていますね、ご迷惑をおかけします」
専務
「お疲れ様です。社長、ご迷惑だなんて」
由良
「今日は、専務に確認がありまして、部隊長、教官は大阪ですよね?土曜日に御礼に行こうと思います。隊員の皆さまも」
「もう1つ、函館に大規模訓練場と民間の大家兼型展示場を作ります」
専務
「函館!なるほど、あそこは空港があり、空港の付近には、山と海」
「良いアイディアだと思います」
その様な話をしながら、由良と八重も帰りの車で、帰っていったのであった。
それぞれが帰宅してから、週末の計画をあらためて共有するのであった
せんさん、瞳さんは、金曜日から日曜日の外泊の手続きを
かずき、乙葉ちゃんお、金曜日から日曜日の外泊の手続きを
楓はお兄様の連絡を受けてから、連と電話で話していた
週末の計画が稼働し、そして、彼ら彼女らには、週末なにかが、起こるのであった。




