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第二四〇話 全校集会

嘉位達、野球部一同、そして瞳さんは、体育館の外で待つように、指示され

外で待っていた。

なにやら、体育館の中が騒がしい様子で、

嘉位達からは、中を確認できない。


「すぐに終わると思ったのに、長いですね」

せんさん

「他の説明があるにせよ、その場合、僕達も中に居てよいはずなのに」

乙葉

「忘れられているとかは?」

かずき

「さすがに、それは無いでしょう」

「時間があるので、キャプテン、副キャプテンに報告します」

「今週金曜日から日曜日、乙葉をつれて、実家に行くことになりました」

八重

「えええ!!!どう?反応?どうだった?」

かずき

「うん。こんなにかわいい子、もったいないと・・・言われました。キスしている写真も間違って送ってしまい。」

乙葉は顔が真っ赤になり

「えええええ!!」

かずき

「ゴールデンウィークのフォルダー毎送ったので、その中に」

「週末、姉と兄は不在ですが、父と母は居てくれる、婚約すると説明をしました」

乙葉、聞いてない、聞いてない。

「ええええ!!!」

かずき

「大学に行くなら、良いとのことで、どうどうと、乙葉を連れて行きます」

「かずき、良かったね!おめでとう!」


せんさん

「僕もだね。両親に金曜日から日曜日、瞳を実家に連れて行くことになりました」

香織

「せんさん、どうでしたか?」

せんさん

「驚いたのですが、母と、瞳のお母さんが、親友とのことで、母と瞳のお母さん、その場で電話していました。間違いないそうです」

「母親同士、宜しくお願いしますと、聞こえていました」

「父も、喜んでくれたので、胸を張って、瞳をつれていきます」

瞳え?お母さんと、せんのお母さんが親友なの?

「せんのお父さん、お母さん、大学の先生、教授だよね」

せん

「うん、別々だけれど、父が東京大学、母が、慶応大学」

「大学は?」

せん

「父も母も職場と同じ大学。」

「あ、うちの母も慶応からCAに」

「そういう事なの、大学での親友、そういえば、良く長電話している時があって、誰と話しているの?と聞いたことがあったの」

「確かに、お友達の慶応の教授さんなのと言っていた」

「あ、良かった!安心した」

八重

「瞳さん、おめでとう、せんさんも、おめでとう」



そんな話をしていると、中から先生が出てきて、では、中へと

体育館の中に入ると、大きな拍手で迎えられた

由良、八重、嘉位、香織、楓、せんさん、瞳さん、かずき、乙葉の順でそのまま、檀上に

その間も大きな拍手であった。


校長

「待たせたね。今、改めて、奇跡の動画を流していたのだよ、部活動で見て居ない生徒さんもいるかと思ってね」

「後ろを見たまえ、何人かは、まだ、泣いているし、皆目が赤いだろう」

八重が振り返ると、確かにそうであった。

校長

「では、マイクをいれるからね」

「それでは、先ほどご紹介した、和井田学園の生徒、9名がこちら」

嘉位達は、いったん、生徒側に回れ右をし、流石に野球部である。動きが揃っていた。


大きな拍手がいっせいに


「そして、機内出産で命を救ったのが、3名」

嘉位、由良、かずき は頭を深く下げた


拍手は続く


「さらに、総理大臣から表彰を受けた2名」

改めて、由良は、頭を下げ

八重も一歩前に出て、頭を下げた


大きな拍手が起こっていた。


野球部と瞳さんは、もう1度回れ右で、校長の方へ


校長

「貴君らは、学園の模範であり、本校始まって以来の名誉ある賞も受賞」

「なにより、尊い命を、救い、そして、災害を未然に防ぐことは、奇跡であり、実行し、そして成し遂げた」

「ここに、本校を代表し、表彰する」


それぞれ、賞状を受け取り、頭を下げた

一人、一人に、大きな拍手が起こっていた。



校長はマイクをオフにし

「どうだね、何か、声をかけてはくれないかね?」

由良

「では、僕から」

校長はマイクをオンにし、

「これから、代表として、御手洗 由良君」


一同回れ右をし、改めて全校生徒の前に。


体育館は静まり返っていた。


何を話すのか、注目していたからである


由良が一歩前に出てマイクをうけとり



由良はあたりを見渡してから


「全校生徒の皆さん、貴重なお時間を頂きまして、ありがとうございます」

「和井田学園の本業は学問です。」


由良は、一呼吸おいて


「学問とは、先人の築き上げた知識や体系を学び、そこに新たな問いを立て、真理を探究する人間の営み」

「哺乳類の中で、唯一許された、営みなのです。」

「知識の暗記ではなく、世界をより深く理解し、未来をより良くするための、知的で創造的な冒険と言える事でしょう

「学の根本は、学ぶこと、学は、既存の知を受け入れる、いわば静的な探究の側面を持っている」


由良は、さらに、一呼吸おいて


「問は、既存の知の枠組みを超えていく、いわば動的な探究の側面を持っている。」

「これらを融合して、学問である。」

「学無くして、門は無い。門なくして、学はない」

「学と門があってこその学問なのです」



由良は、もう1度、深い呼吸をし


「わかりやすく、一言で表現するのであれば」

「勉強する事が、学問では無いのです。学問の中に、勉強というカテゴリーがあります」

「物事1つ、捉え方、見方を変える事で、新たな発見もあります」


「和井田学園で学び、その門を開く」

「僕達がこの度行ったことは、まさに、学問の成果であります」

「株式会社 八重 の言葉を引用するならば」


「やれることは、なんでもやる」

「やるからには、全力を尽くす」

「二度と、同じ涙は、流さない」


「流す涙は、ただ1つ、感動の涙、それだけである」



「最後に1つだけ、皆さんにお伝えしたい事があります」


由良はマイクを切り、さらに一歩前に出て

大きな声で


「今年の夏、和井田学園は甲子園に初めて出ます。達成します。優勝します」

「今年の夏は、皆さんを甲子園に連れて行きます」

「今年の夏は、飽きさせません!」


「感動夏を一緒に過ごそうではありませんか!」


「ご清聴ありがとうございました」




すると、一斉に

大きな拍手と、生徒達も由良の演説に感動してしまい

ボロボロとその場で、泣いていたのであった。


野球部一同と瞳は、深くお辞儀をし、

檀上を降りて、体育館の外へ、教室に向かっていった


その間も、大きな、大きな、拍手と

沢山の涙する生徒が、

それは、八重、香織、楓、瞳、乙葉も同じであり、ボロボロと泣いていたのであった。



< つづく >


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