第二三九話 朝早くに登校
昨夜、楓から皆に連絡があり
いつもより、2時間早く学校に行くことに。サングラスは、由良、八重は付けておいた方が良いと
連からも連絡があり、異変があったら、連絡をくれるとのことであった。
八重はどうして、なのだろうと思いながらも、
朝由良とランニングをしながら、話をし、おにぎりを食べて、2時間早く家を出た。サングラスはとりあえず持って行くことにした。
嘉位と香織、楓も早く出ており
駅に集合した。
佐伯
「おはよう!副キャプテン、びっくりした!ゴールデンウィーク、言ってくれれば、わたしが!」
桜井
「なにか出来るのかい?」
佐伯・・・
「応援!」
桜井
「・・・。さて、レイはここに、置いて、皆様、行きましょう」
丁度その時、連からメッセージが皆に届き
連からのメッセージを確認すると、正門に沢山のカメラマン、記者が居るから、裏門で、サングラスも
楓
「やっぱりね!」
八重
「どうして、やっぱり?なの」
楓
「取材したいじゃない、それも出来れば、独占でインタビューを」
由良
「うーん、迷惑をかけてしまったな。後で謝らねば」
香織
「こんなに早い時間から、待機しているのね」
楓
「うん、怖いわよ、本当に。」
香織は嘉位の顔を見て
嘉位
「株式会社 八重は学校からすぐだけれど、帰り囲まれる可能性もあるから、由良と八重さんに車を用意しよう、裏門で」
由良
「かい、助かる」
楓
「連が言ってくれたので、裏門へ行きましょう。サングラスをかけて」
「幸いにして、夏服なので、上着が無い分、わかりづらいはず」
香織
「今年から5月、夏服になったのよね、昨年暑すぎたから」
由良と嘉位・・・昨年と今は、見方が違うので、夏服に、目のやり場が
とりあえず、サングラスをつけて、裏門から入る事は出来た。
それぞれ、サングラスを外して、教室へ。
八重
「おっはようーー!諸君・・・て、「まだ、誰もいないわ」
楓
「6時だからね、せっかくだから、女バス見に行こうか?朝練やっているし」
八重
「良いね!」
「由良いこうよ、女バス!女バス」
香織
「せっかく、持田さんも同じクラスだし、石井君も居るはずだから、嘉位、いこう」
「あれ、かずき君は、まだ、きていないのね」
桜井
「寮だからね」
佐伯
「じゃー、女バスにいこう!八重、この制服で良いの?」
八重
「うん、見学するだけなら、騒がなければ大丈夫」
一同は、第一体育館に移動をはじめた。
桜井
「そう、そう、気になっていたのだけど、かずき君って、乙葉ちゃんと、合うのでは?」
嘉位、香織、由良、八重、楓・・・しまった。言ってない。
楓
「レイ、シュン、あのね。黙っていたわけではなくて、ゴールデンウィーク色々あったので」
佐伯
「それはニュースや新聞で見たし、おまけに、首相官邸でしょう、それは忙しかったよね」
桜井
「わたしは、クレーンゲームで忙しかったわ」
佐伯
「桜井は、黙っていて」
楓
「それでね、本人から言うのが1番良いのだけれど、わたしから話すね。詳しくは本人に聞いてね」
「ゴールデンウィークより、前から、実は4月半ばから、株式会社 八重に私達、そして、かずき、乙葉ちゃん、せんさん、瞳さんと」
「災害対応の策や役割等を」
佐伯
「そして、トンネル崩壊が起き、結果的に死傷者0だったのよね、凄い、マスター」
楓
「それでね、お兄様が、お疲れ様という事で、みんなで札幌に行ってきたの」
「レイは、実家デートと言っていたし、悟君は、シュンを誘うと言っていたので。」
佐伯
「ぜんぜん、構わない。光と一緒に、添い寝できたしーーー!」
楓
「その、あ、ちょっと、こっちに」
楓は、レイとシュンを呼んで、顔を寄せ合って小声で
「あのね、あのね、せんさんと、瞳さん。かずきと、乙葉ちゃん。その、いわゆる。大人になったの」
佐伯・桜井、大きな声で
「ええええええええええ!!!!」
楓は唇に指をたてながら
「しー!しー!声が大きいって」
佐伯
「うわ、負けた」
桜井
「いいなー」
さらに、楓はもう一度、顔を寄せ合って
「つまりね、後は、シュンと悟君がカップル成立すれば、お兄様がセッティングしてくれるから、シュン、がんばれー」
佐伯
「えええええ、実家デートより、札幌LOVEがーーー!シュン早く、もう!今日、告っちゃえ!」
桜井は顔が赤くなりながら
「無理、無理、無理、無理、無理」
そんな話をしながら、体育館につくと
石井君の徹底した、指示とチェックが、厳しく入っていた。
石井
「添えるだけ、手、もっと、肘を寄せて、それだと回転かかるから、弾かれるし、弾かれた先でリバウンドされる」
「もう1度」
「もう1度」
「そう、その位置、変な癖を抜かないと、楽をしては、ダメ。絶対にダメ。」
由良
「堅、すごい熱が入っているな」
八重
「東京優勝したから、来月関東だからね」
「持田は上手いな。」
由良
「バスケ、やりたくなったかい?」
八重
「わたしは、良いの、由良さえ居れば、由良と一緒であれば、なんでもやる」
石井
「よし、5分休憩、その後、最後オフェンス1回、ディフェンス1回で、終了ね」
石井は由良と嘉位に気が付いて
石井
「おはよう、由良!嘉位君、昨日のニュースみたよ、すごいじゃないか、由良!中学、高校が同じで、僕も嬉しいよ」
「八重さんも、おめでとう!」
八重
「ありがとう」
持田が来て
「由良君、八重さん、おめでとう!どうして、こんなに朝早いの?遠征?」
楓
「正門に報道陣・・・。裏門から、逃げて入って来たのよ」
嘉位は、歩いて行きゴール脇に行った。
嘉位
「先生、おはようございます。その後調子どうですか?」
女監督
「大事な、決勝リーグも行けなかった分、ゴールデンウィークは休ませてもらい、今はお薬を続けているわ。石井君の指導が適切なのね。」
「そうそう、お礼をしていませんでした。本当に、山本君には助かりました。」
嘉位
「良かったです。薬で良いというのであれば、カテーテルは不要と判断されたので、飲み続けて、あと血圧に気を付けてください」
「医師からお話はあったと思いますが、4.4.8でリラックス、血圧も下がりますから、続けてください」
「医師が良いと言うまでは、薬を勝手にやめたりしては、行けません」
女監督
「本当に詳しいのですね。山本財閥副社長様は」
嘉位は、ポケットから何かを取り出して
「これです」
女監督
「え?副社長様は、お医者様なの?どうりで、救急で行ったときも、病院の先生が適切な処置、時間計測報告等、驚いていました」
「納得です。って、納得できません、え?お医者様?学校は?」
嘉位
「僕、飛び級でUCLA卒業し、アメリカの医師免許を持っています。日本でも医師として認められました」
女監督
「もう、何がなんだか、山本財閥の副社長ともなると、そういうものなのでしょうかね?」
女監督は、大きな声で
「さて、そろそろ、朝練をおわりにしないと、着替えて、ホームルームに間に合わないよ」
嘉位達も、教室に戻ることにした。
教室に入るなり、大きな拍手で、迎えられた。
桜井は、照れながら、みんなに手を振って
「みんな、どうも、どうも!」
佐伯
「シュンは、何もしていないでしょうに」
一同大笑い
田口
「御手洗君凄いです。感動しました」
下村
「僕も、御手洗君、感動です。泣いちゃいました」
「もう、映画ですよね。本当に」
そういうと、先生が来て
ホームルームが始まり
「今日はこのまま、全員第一体育館に移動します。全校生徒、全校集会です。」
「そのまま、2列で並んで、進んで」
野球部、野球部マネージャーは平常心で、廊下を進んで行った。
そう、一人を除いては
その一人は、八重である
八重は緊張のあまり、
右手、右足が同時に、左手、左足が同時に、交互で、歩いていた
ただ、一人だけ。
八重の頭の中は、真っ白であった
いよいよ全校集会である。
< つづく >




