第二二二話 恋のレイヤー、様々なレイヤー
一同は、下駄箱について
傘を自動乾燥機にセットし、教室に向かった
今日からは、通常授業である。
ホームルームが始まると、最後の授業は先生が入院中の為、自習になるとのことであった。
授業が終わり、午前中の授業も終わり、食堂へ
せんさん、瞳さんとも合流し、1年生は午前中で寮に戻っていた。
せんさんが、改めて、夏の東東京大会のメンバー表を確定させ
食事をしながら、みんなで確認した。
香織
「嘉位も、由良君も、本当に出ないのですね」
由良
「俺らが出なくても、十分に勝てる。連は決勝のみ。」
「八重、甲子園につれていくからな」
せんさん
「瞳、これで、甲子園に行く。甲子園に行くのが、僕の目標ではない、知恵、知略、和井田野球で、甲子園優勝を!」
瞳は、なぜだか、すなおに
「はい、せんを待っています」
食事を終え、午後の授業へ
午後の授業は情報、そのテーマが、2D,3D、アニメーション等の話があった。
講義というより、動画を見る形で、授業は終え、次、アニメーションの説明になるので、
各自出来るところまで、やっておくとのこと。
次は自習である。
自習が始まると、
三好が手をあげて
「山本先生!!先ほどの授業の、ラスターレイヤーとベクターレイヤー、何故、ベクターが優位なのか、今一つでして」
下村
「イラストを描くのに、同じでは?私も、イラストを描いたりするのですけれど、先生!教えてください」
嘉位と由良は、オンラインでマニュアルとショート動画を読み込み、暗記。
由良は、立ち上がり、教壇に移動し
「そこは、桜井か、佐伯か、楓ちゃんも、何かある?素材?」
由良は、桜井が持ってきた、スマートフォンのイラストを見て
嘉位も、立ち上がり、教壇に移動し、佐伯がもってきたものを
佐伯
「光に、似て!イケメンでしょう、光のほうが、イケメンだけれどね!」
嘉位と由良はタブレットとペンを持ち、書き出した
嘉位と由良は、さらっと描き上げていて
「これは、ラスタ」
「これを、ベクターで書き直すね」
「見ていてね、違いを説明するから」
皆は、嘉位と、由良、それぞれを輪にして集まり、描いている様子を見て、
先生が居ないこといいことに、動画で撮影したりしていた。
嘉位と由良は、ギャラリーを、おかまいなしで、今さっき描き上げた、ラスタで描いたものを、
それぞれ新規にレイヤーを追加し、同じものを、ベクターで描き上げた
一同!!!!!
「ええええええ!!!」
「すごい!!!イラストレーターだ!!」
「早すぎる!!そのまま、え???なんで!!」
嘉位、由良・・・?普通できるだろうに
嘉位と由良は、一同席に戻るように伝えて、嘉位と由良は、あらためて、教壇に立つ。
由良
「では、Raster Layerから説明するよ」
「ラスターレイヤーは、画像をピクセル(画素)の集まりとして扱う。つまり、点と点が結びついてね」
「写メや、先ほどの桜井のゲームのキャラクターの紹介情報のイラストはラスタ画像」
「つまり、ラスタは、網目状に並んだ色のついた小さな点、専門的には、ピクセル、で構成する。点と点の結びのみ」
嘉位
「一方、Vector Layerはね、画像を数学的な計算に基づく点や線、面で構成」
「座標、線の太さ、色などの情報を持つ数式で定義された図形として扱う」
「拡大・縮小しても、線の滑らかさが保たれ、画質が劣化しない。メリットがある」
「ファイルサイズはオブジェクト数に依存するね。」
「いわゆる、解像度、大きさですね、それにはファイルサイズは、関係が無い」
「ベクターレイヤーは、アニメーション制作に 拡大・縮小に強いので、 拡大しても画質が落ちないため、カメラをズームするような演出でも常に鮮明な画像を保つことが、出来る」
「編集が容易で、線の太さや色、形状を後から簡単に調整可能」
「これにより、キャラクターの動きに合わせて線画を修正したり、色を変えたりする作業が楽になる」
「オブジェクトとして扱われるため、キャラクターの手足を動かしたり、変形させたりする際に、歪みが少なくきれいに変形できるので、アニメーションに向いている」
「又、先生が言っていた、Computer-Aided Designがベクターレイヤーである理由は、CADは建築や機械設計に使われるため、寸法の正確性が最も重要。ベクター画像は数学的なデータに基づいているため、拡大・縮小しても寸法が変わることはなく、正確な設計が可能ベクター形式であれば、特定の線や点を簡単に選択して移動・削除・変更でき、作業効率良いよね。」
「ま、今描いてみた、感想かな?」
由良
「ベクター画像で制作されたイラストやCADデータも、最終的にはピクセルという形で表現される。しかし、制作過程でベクター形式を維持することで、高品質な編集が可能になり、最終的な出力をラスタ化、ラスタライズされた画像、も高解像度で美しいものにできる」
「ベクターのままだと、情報量が多いため、ファイルサイズが極大になる。2次元は目で見るので、ラスタライズ出力することで」
「ファイルサイズも極限できる。アニメーションも、最終的には、レンダリングし、3Dの仮想空間にあるオブジェクトを、カメラの視点から見た2Dの画像に変換、レンダリングの過程で、ベクターデータはピクセルに変換、つまり、ラスタライズされる」
「描いてみて、思うことは、こんなものかな?」
一同、理解はした、理解できたかは、別として、すくなくとも、先ほどの授業の先生より、
詳しく、意味が分かってきた。
各自、タブレットで、描いてみて、みんなで見せあって、半ば強引に拡縮を遊んでいた。
ある程度やってみて、なんとなく、意味合いが分かったこと
もう1度、嘉位と由良の描いたものを、見に行くと
ラスタとベクターの違いを、言葉で説明してくれてはいたが、説明以上に、嘉位と由良のデュープともいえる、イラストに、目を奪われて
下村
「キャプテン、副キャプテンは、なんでも、描けるのですか?」
香織
「いや、嘉位が、タブレットで絵を描いているのは、初めてみましたよ」
八重
「うん、由良も絵を描いているのは、初めてみた、由良、絵描けるのだね!」
楓
「うん、お兄様、絵を描いているのを、見たことがないですわ」
由良?え?それは、俺だって。描いたことないよ。
「いや、今、初めてだよ。絵描いたの、タッチペンで」
嘉位
「うん、僕も、初めて、アプリの起動すら初めて、かな」
一同
「えええええ!!!!」
香織、八重、楓、佐伯、桜井
「これも?暗記???」
嘉位・由良、そりゃ、暗記は誰にでもできるのだから
「普通だろう?」
一同
「普通じゃなーーーーーーーーーーーい!!!!」
チャイムが鳴り、授業が終わった。放課後である。
嘉位と香織は帰宅。由良と八重は、会社へ。他は、寮に行ったのであった。
佐伯は寮でトレーニングをしている、光に声をかけて、光と佐伯は、ファミレスに行くことにした。
楓も、トレーニング中の連に声をかけ、連と楓は、ドーナツ店に行ってみる事に。
桜井は、・・・、戸惑いながらも、どうしようか、あれこれ、まよっていると
トレーニング中の悟にみつかり
悟
「桜井さーん!!寮に来たのだね、ねー、雨だし、雨だから、練習ないし、どこか東京教えてよ!ねー、ねーー!」
結局、桜井は、独りぼっちになるので、
悟の強引な押しに負けて、佐伯が先に言った、ファミレスに向かうことになった。
桜井は、店内に入ると、遠くに佐伯と、戸倉君が居る事を確認し、全く反対の席にすわった。
桜井、なにを、どうすれば、よいのだろうか?・・・。
店員さん
「いらっしゃいませ、タブレット注文になっております。春のイチゴパンケーキがお勧めです」
桜井・・・とりあえず、それでと、タブレットで注文、悟も、タブレットで注文し
イチゴパンケーキが運ばれてきた。
すかさず、悟が、切り分けをして
悟
「桜井さん、はちみつ?」
桜井、え?・・・、自分で、やるのに
「す、すこし」
悟は、桜井に
「ほら!ほら!と」
悟は、桜井に口をあけるように、要求
「あーん、して、ほら、あーんして」
あーん、攻撃を連呼!
桜井は、おこちゃま、扱いだが、恥ずかしくて、恥ずかしくて、顔は真っ赤。
でもどうしてよいのか、わからずに、口をあけて、あーんをした。
桜井は顔が真っ赤になり、話が、止まり、固まってしまった。
桜井は、状況打破のため、思い付きで
桜井
「あのー、中学校の野球以外、というか、野球が終わったら、何をしていたの?」
悟は、え?野球以外、これ、言っていいのかな、引くのでは、ないかな?オタク扱いされたりしないかな?でも、ここは正直に
悟
「ゲームです!オンラインゲームをやっていました。MMORPG、パソコンのやつですね」
桜井!!は驚いて、え?ゲーム
「え?何のゲーム?MMORPG?」
悟は、スマートフォンを出して、スクリーンショットを見せながら
悟
「これです!知っています?桜井さん?これ、はまると、やばいやつですよ!昼夜問わず。」
「野球のトレーニングも兼ねて、椅子にすわらずに、こう、足を開いて立ったままやると、腹筋がつくのですよ」
「その体制で、このゲームやっていました、見事に、どはまり、しちゃって、大会終了後は、昼夜問わずやっていました!」
「しっています、このGAME?」
桜井、知っているも、何も・・・このゲーム。同じものを、なんと、悟もあの、MMORPGをやっていたと、それも、同じギルドに居る。スクリーンショットにギルド名があり!!
悟
「めちゃくちゃ、面白かったのですが、マスター達、3英雄って方が居て、大人の方ですね。転勤になったらしく、引退ということで、それでも僕は寮に来る前日までやっていました。キャラは残してありますが、引退という形ですね」
桜井
「このスクリーンショットの他にもあるの?」
悟
「ありますよ、あります、めくってみてください、みな、そのゲームのスクショですから、そのフォルダー内」
桜井は、スマートフォンで画像を次、次、次へと送ると
「ええええ!!!もしかして、モンク?!!」
悟?え?
「え?なんで、モンクと?」
桜井
「だって、これ!!」
そう、81層、85層のモンクが、悟だというのだ!会社員というのは、偽りであったのだ。
桜井
「このモンクの人、会社員と言っていましたよ」
桜井!あ、しまった!!!!
悟!え?
「あ、そう、ほら、中学生が夜中までゲームやっていると、疑われたりするので、自称会社員です!」
「って、なんで、そのことを知っているのですか?桜井さん?」
これには、桜井も驚いて・・・正直に
桜井
「実は、シュンが私で、」
「あそこいる、佐伯が、レイであり」
「楓ちゃんが、実はギルドマスター」
「3英雄は、和井田学園の野球部マネージャー・・・女の子なの」
「キャプテンの奥様が、マスターのサブキャラを、女神のスキル」
「楓ちゃんの専属メイドの、一夜さんは、そのまま一夜で」
悟
「ええええ!!同じゲームで、同じギルド!!」
ゲームの話になると、桜井は盛り上がり!人が変わったように、
逆にいきなり、人が変わったように!
悟を責める、
桜井
「だいたい、モンクがしっかりやってくれれば、あんなに徹夜しなくても!!」
悟は、何故か、怒られており・・・意気消沈
しかし、桜井と悟の話は大いに盛り上がり、桜井は、ふと、我に返ると
やってしまった・・・・と、顔が真っ赤に。
それでも、悟がまさか、ゲーマーだとは知らず、意気投合していくのであった。
恋のレイヤーが、描かれ始めていた。
一方
由良は会社で、解析を行い、東北地方の今月の降水量、台風の追加発生時の降水量シミュレーションをしていた。
八重は、お茶を社員の皆さまにお配りし、庶務の方々と、夫婦生活や、恋バナで盛り上がっていのであった。
香織は、千佳さんに、茶道、歩き方等をチェックしてもらったが、香織の作法は見事であり、千佳は教えるべきところは、無いと言い切っていた。
その間、嘉位は、上杉、直江と連絡をとり、本田、三菱に対する対応の意見を交わしていたのであった。
それぞれのレイヤーは、それぞれが、描いていたのであった。
< つづく >




