第二二〇話 天使、エンジェル、そう、天使。
17時になる前に、嘉位と香織はセンターに行き
嘉位がすべてをオンにして、待機した。
定刻になり、
ビデオ会議が始まり
母、山本財閥会長兼社長
豊田会長
株式会社連、連社長が映し出されていた
豊田会長
「副社長申し訳ない、御手間をとらせて」
嘉位
「いえ、こちらこそ、このようなお時間に、そちらは、日付が変わるころでしょう」
母
「これが、終わったら、寝ますわ。大丈夫です副社長。香織さんもいらっしゃるのね」
香織
「はい。」
連社長
「まず、資料にあると通り、株式会社 連の報告になります」
「来年9月1日に、東京本社を立て、取締役2名を、東京本社、社長、副社長に任命します」
豊田会長
「せがれよ、遅くないか?年内ではダメなのか?」
連社長
「豊田グループのコンサル、アドバイザーのもと、人の根源は淘汰されています、酷いありさまですが、1500名はどう考えても
コンプラアイアンスを逸脱しており、懲戒免職にしました」
「ただ、もともとN社の製品のアフターメンテナンスは、引き続きます。ブランドは終了し」
「新ブランド 社名の連のアルファベット ReNで統一します。」
「これらのメンテナンスは、株式会社 連と、豊田グループで対応して頂いています」
「早める事は出来ます。東京を一時的にオフにし、外堀を再構築してからにします」
豊田会長
「その根拠は?」
嘉位
「僭越ながら、豊田会長、このお話はわたくしが、だした案です」
「本田、三菱のもう倒産寸前の状況、これにも株式会社 連が政治的な動きを行います」
「実際には、ご存じの通り、山本財閥が手を差し伸べる事になりますが、表向きは、株式会社 連 で」
豊田会長
「つまり、孫の連の為に、まわりも資本関係を維持し、あとは、孫の連の判断で、まとめるか、維持するのか任せると」
嘉位
「はい、出過ぎた真似をしたことを、お許しください」
豊田会長は、大笑いしながら
「それは、あれだな、孫の連が、豊田を食うこともできると、いう選択肢もあるわな、天晴じゃ」
山本財閥社長
「先日、副社長様のお話により、ドイツ、アメリカの2社は参加にTOBが成立しました。」
「衛星です。建前では、わたしが行った事になっております」
豊田会長
「副社長様のあの技術が実装されれば、エネルギー問題は全て解決します、第二四半期に結果をださせますので、お待ちいただけませんでしょうか?」
嘉位
「第二四半期、早いですね。年内と思っていましたが」
山本財閥社長
「うそをおっしゃい、嘉位、遅いとおもっているのでしょう」
嘉位
「いえ、そのような、ことは」
豊田会長
「陣頭指揮を、副社長様がとれば、そうなるということでしょう」
「なにぶん、うちのせがれ達、ぼんくられ、な、せがれよ」
連社長
「申し訳ございません」
豊田会長
「ところで、御手洗君と、首相との面談は」
嘉位
「はい、首尾上々、志が野田氏は同じですので、全面支援します」
「党がからんでいる、宗教については、解体します」
豊田会長
「わかった。マスコミは私が抑えよう。重箱の隅の話を1億倍にして、もっていくからな」
嘉位
「会長、ありがとうございます」
連社長
「わたしから、報告する事ではないのですが、副社長様が切り出さないので、ご報告を」
「本年末に、副社長様、奥様、息子連と、楓ご令嬢様、後、御手洗さんのご子息、株式会社 八重の社長様、奥様」
「結納を致します」
「来年末に、副社長様、八重の社長様が、挙式とあいなりました」
山本財閥社長(母)
「?楓は??」
嘉位
「楓と連は、さらに、その1年後になります、楓が大学1年生の時の年末になります」
豊田会長
「あれか、高校野球か!夏の優勝をしてからということじゃな、連と楓ご令嬢。」
嘉位
「はい。」
豊田会長
「お見事者、香織奥様、おめでとうございます。秋には日本に戻るので、お会いしましょう」
山本財閥社長(母)
「わたしも、秋には戻りますので、香織さん、是非ね、嬉しいわ。楽しみです」
香織
「はい、不束者でございますが、宜しくお願い申し上げます」
豊田会長
「副社長様は、子供作りはせんのかいな?」
嘉位
「もちろん、次期が来たらします、ただ、これは妻香織にも話しては、いないのですが」
「子供を天の恵みで授かり得たうえで、僕と同じように、海外経験を積ませると考えています」
「男の子、女の子であっても、です。母さんと同じ教育方針、元々、祖父もですが、曾祖父も同じ家訓」
「妻、香織には、本能的な母性という点では、申し訳ないと思います。香織は常に僕の側にいます」
山本財閥社長(母)
「副社長様、それが良いと、わたしの過ちもそこにあります。4,5年は許すつもりはないですがね」
「香織さん、私と同じ辛い思いをします。哺乳類の本能というべき、母性を、外に任せる事になるのです」
「お考えあれば、わたくしも、副社長様も再考しますので」
香織
「お母さま、大丈夫です。嘉位は言っていないと、言いましたが、それとなく、その話は、つつ出ておりました」
「その代わり、わたしは!わたしはですね!!!」
「わたしは、嘉位を一時も放しません!!食事も会話も、お車も、それは、夜も、トイレもです!」
「常にいたるところで、嘉位だけ居てくれれば、良いのです。」
香織は、とんでもない事を口走ってしまい、あああああ、と思った
豊田会長
「副社長様、素晴らしい伴侶。何も心配事はありませんな。」
嘉位
「痛み入ります。幼少から世界中を飛び回り、今、日本におります。世界中見渡しても、私にとっては、香織以外考えられません。」「温かく、見守ってください」
連社長
「首相との文面は事前に、頂きましたが、副社長様」
嘉位
「資料は、わたくしだけの意ではありません、株式会社 八重の代表取締役 社長 御手洗 由良)と、豊田 連の考え、意思の上構成しています。単独ではないことを、改めて、ご理解頂きたい」
豊田会長
「見事じゃ、御手洗のせがれ、そして、孫の連。 世界の模範になる国造り」
「60年、50年、もうちょっと遅く、わしも産まれてくれば、楽しかっただろうに」
嘉位
「とんでもございません。豊田会長が道を作ってくださったからこそ、僕たちはその道を進み、そして、枝を増やして行くことができるのです。」
豊田会長
「ご謙遜を。ま、じじいの、戯言じゃ。香織ご婦人、なに1つ疑うことなく、副社長様を御支えください」
香織は、泣きながら、泣きながら
「はい、ありがとうございます」
と、こうして、ビデオ会議は終了し
香織は、泣いていたが、そのまま、嘉位にキスをした。
香織
「いつも、一緒です、何をするのも、一緒です。私からのお願いは、それだけです。常に一緒です」
嘉位は、ここは、ちゃかすところではないなと、
「香織、一緒に」
嘉位と香織は長い時間抱きしめ合っていた。
楓が帰ってきたこともあり、広間に行き食事をとることにした
楓はあえて、今日の出来事の話をしなかった。なぜなら、お姉さまの目が真っ赤であったからである。何かあったのだろう。ここは見なかったことに
楓は、食事を済ませてお風呂へ
嘉位と香織は部屋に戻り
夜を共にした
翌日、広間に楓は準備を終えて、いて
楓
「今日まで、霧雨ですが、午後にはあがるみたいです」
嘉位
「楓、今日、僕と香織、せんさん、瞳さん、かずき、乙葉さんは、学校が終わったら、由良の株式会社 連に行く」
「遠征の準備は出来ているが、最終確認を、楓と連、戸倉、1年マネージャーにお願いしたい」
「チェアーの数の確認を、父兄の名簿は全体にメッセージを入れてある」
「明日は由良が言うには、天候は回復するので」
楓
「はい、お兄様」
嘉位
「あと、もう1つ頼まれてもらえないか?」
楓は、びっくりした、お兄様に物事を頼まれる事など、いままで、無いからである
嘉位
「ご父兄の昼食、1年生の昼食も、ツアーバス2台、移動中に食べるのであるが、事前にキッチンカーの会社に注文を明日入れておいてくれないか?」
楓は、お兄様から、頼まれたことに、嬉しくて、嬉しくて
「はい!おまかせください、連とも相談して、午前には送信しておきます!」
嘉位、香織、楓は学校に向かい
合流、一同教室へ
授業が終わり、明日は在校生は、お休みである。
明日は、入学式であるから、生徒会数名以外の在校生はお休み。
野球部は、サプライズの1年生、新生和井田学園、第一戦いある
一同は
いったん、
男性寮に行き、食堂で食事をすませてから、
由良と八重の案内で、株式会社 八重に向かう。
霧雨は降っていたが、傘は入らない、
八重は会社につくと
「ここね!」
瞳
「あ!この間の焼肉屋さんの道を挟んで、隣なのですね!」
由良が中に入りみんなを、中に入れた
受付
「おはようございます、社長」
由良
「おはようございます、これから、マシン室に入るね」
受付
「かしこまりました」
八重の先導で、一同はマシン室へ向かい
認証を終えて、中に入った。
由良の認証で、全員が一斉に中に入れるようになり、
全員がマシン室の中に。
すると
瞳
「なに、ここ、音が、沢山!!、耳が痛い」
乙葉
「確かに、音が、」
かずき
「サーバ室はこのようなものですよ」
乙葉
「少し、肌寒いですね」
由良
「せんさん、かずき、これを二号機用に、そして、三号機も稼働できるように」
せんさん、かずきは、タブレットでソースコードを読み取り、なるほど、これを、連結するには
10分ほど読み取って
せんさん
「では、僕は2号機を連結します。」
かずき
「3号機のモジュールを作成します。」
物凄いスピードで、画面上にコードが並んでいく。
嘉位、流石だ。もっとやれば、僕に追いつくな。上杉さんや、直江さんにも
30分ほどして
せんさん
「これれで、ビルドします」
かずき
「同じく、ビルドします」
新たに、緑のランプが点灯した。
せんさん
「仮想データを入れていて、デバックを100回繰り返します」
由良は結果を見て、よし!!
「完璧、リンクOK!」
ところが、違和感があったのが、瞳さんと乙葉
瞳さん、大きな声で
「ねー、せん、ちょっと良い?」
せんさん、え?今、悩殺するところあったのかな?
瞳さん
「あの、これって、よくわからないけれど、音は均一なの?」
せんさん、かずきは、言っている意味が解らない。
乙葉
「かずき君、あのね、音がずれているの」
せんさん、かずきは、言っている意味が解らない。
瞳さんと、乙葉は、音のずれている場所を、背面である。
せんさんと、かずきも、背面に行き
瞳さんと乙葉は、指を指して、大きな声で
「ここ!これ、同じじゃなくて良いの?」
せんさんと、かずき???そこって、ファン?
せんさん、かずきは、元のコンソールに戻って、ステータスを確認すると、
128個あるファンの1つが、回転数が10パーセント低下していたのである。
そう、それは、瞳さん、乙葉が指摘した箇所。
せんさんと、かずきは、目を向き合って
「え???」
せんさん、物理的には問題なさそうだから、パラメータ。
せんさんは、コンフィグレーションを確認し、確かに・・・・。
設定値を戻して、
せんさん、かずきは、大きな声で
「これだとどう?」
瞳さん、乙葉
「OK!波長があった!」
そう、以前生きていた、ソリューション会社の方が、未稼働の部分のパラメータを低く設定していたのだ。
それを、見事に、瞳さん、乙葉は、音の違い、波形の違いを感じ取り
せんさん、かずきが、修正した。
八重は大きい声で、
「どういうこと??」
由良は、大きい声で
「絶対音感、それも極めて希な域の素質」
香織
「ぜったい、おかん?」
「ぜんたい、おかん??」
嘉位・・・いや、母さんではなくてだね。
「絶対音感」
「それも、極めて、希、奇跡的な、特殊!」
「絶対音感のさらに、上をいく、超絶対音感を、瞳さん、乙葉さんはもっている」
「天性の才能。恐らく世界に一人!あ、二人になるのか」
「まず、居ない」
「絶対音感を兼ね備えている人は、居るのであるが」
「限られた周波数帯域での、認識」
「瞳さん、乙葉さんは、異次元、高周波数の音も体感できている」
「まさに、唯一無二!」
「それが二人、同時に目の前に居るのは、全世界を見ても、瞳さん、乙葉さんだけですね」
「いっかい、ここから、出ようか。目的は達成したので」
八重を先頭に、マシン室から出る
香織
「ふーー、しずかになった。」
「相当防音なのですね、ここ」
由良
「室温18℃、湿度20%を徹底維持していている。サーバにはスポットクーラーと、マイクロコンプレッサー、嘉位が開発したものを搭載している」
「実は、ファンレスで動くのだけれど、トラブル時に、ファンレスで動く設計にしてある。」
香織
「はじめから、ファンレスじゃダメなのですか?」
由良
「駄目ってことは無いかな、香織さん。どちらかを先にするか、後にするか」
「個体物理数の多いファンは壊れる前提で考えると、先に壊れるまで稼働させ」
「壊れてから、自動で切り替わり、ファンレスかな」
「仮に、ファンレスを先に稼働させた場合、壊れる要素は無い、想定外の事態で壊れた場合、ファンを稼働」
「ただし、ファンレスで冷やした分を、ファンで冷却するには、最短3分はかかる。」
嘉位
「3分位なら、と、思うかもしれないけれど、土砂崩れや、堤防決壊等は、分が命とりになる」
「先に物理破壊があっても、問題が無いように、もちろん、うちの複数個所のデータセンターに、分散化しており」
「国内外のディザスターリカバリーも兼ねている」
香織
「うん、正直に言って、難しくて、わかりません、旦那様、由良君が言うのであれば、間違いないのでしょう」
由良
「しかし、瞳さん、乙葉さん、凄いな、逸材ですよ!」
瞳さんはムッとしながら、せんの前にたち
「その逸材のわたしをですね、せんは、8月甲子園優勝するまで、おあずけというのです」
「私は、いつでも、せんを迎えてよいのです、いますぐに、この場でも、せんのすべてを受け入れます」
「せんは、私の体にふれず、胸も触らず、もちろん、大事なところも!!」
「わたしは、いつまで、我慢すればよいのでしょうか?」
乙葉は顔が赤くなり
せんさんは、顔が赤くなりながら
「瞳、僕だって、男の子だよ。それは、もちろん!」
瞳はわかっていながら、あえて
「もちろん、なーあーに?」
せんさんは、顔が赤くなり
「あ、いや、それは、その・・・・」
瞳、もちろん、わかっていたが、あえて
「ちゃんと言って!!!」
せんさんは、恥ずかしいのもあるが、勢いで
「我慢できずに、一人で、瞳を想像して・・・・」
それは、乙葉、香織、八重も、真っ赤になり、想像してはいけない、想像してはいけない
瞳は良かった。と。
「一人で!もちろん、わたしもよ、せんを!一人で」
せんさんは、あらためて、姿勢を正し
「僕は、今すぐにでも、瞳と、瞳を、そう、瞳だけを、全て。」
「でも、でも、瞳、待っていて欲しい、僕は瞳に相応しい男である、証明を」
「夏の甲子園優勝!!!全力でやりきり、これを、瞳にプレゼントする!!だから、まってください。僕も我慢します」
瞳は、初めて、泣いてしまった。
せんは、数学五輪金メダリスト、それ以上の物はないのに、それでも、
私を幸せにするという、私を受け入れるのに、全力をと
八重、香織、乙葉も、うるっと、きてしまっていた。
瞳は
「せん、愛しています。必ず、必ず、優勝してください。待っています」
そういうと、社員の皆さんが居る前で
瞳さんは、せんさんの唇を奪うのであった。
その光景は、
天使が、一人の少年に、唇を重ねるかのように・・・。
< つづく >




