第一九九話 少年 学童野球 球道 マクドナルド へ
それぞれの夜を終えて、翌朝
嘉位と香織は起きていた。
香織は、実は、楓ちゃんが心配であった。
もちろん、心配事は、あるが、夜はやることは、やっていたのであるが。
香織
「おはよう!嘉位、楓ちゃん、連君その後、連絡ありましたか?」
嘉位
「おはよう!香織、特にないから、大丈夫だったのでは?」
嘉位、あれ?連、朝、練習場行かないのかな?それとも、寝ている、まさか、朝も、良いなー。いや、そうではなく、練習場は?
「香織、連から連絡が来るまで、僕達もゆっくりしていよう」
香織、むふふ、これは!これは!
「ゆっくりとは?ねーーぇ?ゆっくりとは?ねーーーぇ、ねぇーねぇーってばー」
嘉位、いや、そういう意味で、言ったのでは
香織は肌を押し付けて、嘉位と香織も。朝からと
一方の連と楓は、夜な夜な、明け方まで、愛を育み
現時点においても、二人は熟睡中であった。
連と楓は気が付いて、起きたのは10時を回っていた
楓は、連の腕枕で、
楓
「おはよう、連!大人になれました!良い朝!5時?6時くらいかな?」
連は、スマートフォンに手をやって
「おはよう、楓!・・・あ、あ、今10時過ぎている!」
楓は、えーーー?
楓
「ああああ、10時過ぎ!!久しぶりだ、徹夜でゲームしていた、以来だ!」
連は笑いながら、
連
「かいさんに、連絡してみるね」
楓
「はい!旦那様!」
連は、かいに?あ、もしかして、朝も、SNSでメッセージを入れる事にした。
すぐに返信があり、起きているとのこと。
連は嘉位に電話をし
「かいさん、すいません、気が付いたら、10時過ぎていました」
「これから、食事でしょうか?かいさんは、食事すませましたか?」
嘉位
「いや、まだだよ、そうだ、ちょっとまっていて、折り返す」
香織は、楓ちゃん、良かったねーー、嘉位を見ればわかります
嘉位
「香織、ちょっと、由良に電話する」
香織
「はい、旦那様」
嘉位は電話をスピーカーにし
「おはよう!由良社長!仕事中悪いね!」
由良
「悪いと思うなら、仕事に来いよ!ってのは、嘘で、もう、あがるところ。荷物一式を皆で、大阪と、青森へと」
嘉位
「お疲れ様です。それでね、由良社長、午後って空いている?」
由良
「ちょっとまっていて、八重も居るから、聞いてみる、八重、午後って予定あった?」
八重は、宅配便の伝票を貼っていた、ないよーーー
「由良、これから、もう、あがるし、午後予定は無い、どうした?嘉位」
嘉位
「学童野球に午後、行かないか?連もつれて、僕ら6人で」
「弟、球道の試合に!確か、午後からのはず」
由良
「球道君って、香織さんの弟の、今年新6年生の?」
嘉位
「そうそう、東京都地区代表出場決定戦、今日のはず、マクドナルド」
由良
「なつかしいな、そうだ、そのころだ。ここから全国4つあるから」
「マクドナルド、ミズノ、年中無休、ポップアップストリート」
嘉位
「そう、そこでだ、僕は学童野球の日本は知らないから、是非、由良社長に、連も詳しいはず」
由良
「了解、服装は、和井田の野球部ジャージで良いか?」
嘉位
「もちろん、僕も香織も、連も楓も野球部のジャージで、12時に八重さんの家に迎えに行くよ」
由良
「了解!嘉位、でも、車入れないぞ、野球場!」
嘉位
「そうなのだ、シニアみたいに、台数制限?」
由良
「シニアより、厳しい、6台とか7台だから」
嘉位
「わかった、送迎だけ、執事の方にお願いしておく、後で迎えにきてもらおう、ミットは持ってきてね。僕もグローブと硬式球はもっていくから」
由良
「了解キャプテン、では、こっちも、片づけて、帰るは」
嘉位
「由良社長、お疲れ様でした!」
通話は終わり、
香織は目が、輝いていた!もう、王子様ったら、弟の球道の事も考えてくれて、嬉しい!嬉しいなー、嬉しいなー。
嘉位、つづけて、連に電話をし、連はスピーカーにして受けた
嘉位
「おまたせ、連、これから食事したら、由良を迎えにいって、学童野球へ行く。紹介しておきたい。弟の球道
連
「かい、さん、弟さんいるのですか?」
香織
「連君、おはよーーう!むふふ、」
と見透かされたような、笑いをし
「連君、わたしの弟、球道新小学校6年なの、ピッチャー」
連
「あ、なるほど!」
楓
「お兄様、お姉さま、おはようございます。そうか、連はまだ、球道君見て居ないのね。わたしも正月だけしか見たことないけど」
「いこうよ、連!」
連
「はい、いきましょう!和井田の野球部のジャージで良いですか?かいさん?」
嘉位
「うん、あと、グローブは持っていこう!」
連
「わかりました」
そういって、4人は和井田の野球部のジャージに着替え、グローブを持ち、嘉位と連は練習場から、軟式の持てるものを、箱に入れてから
広間に戻り4人は、朝食を取り、車をお願いし、八重さんの家に向かった。
由良、八重をピックアップし、野球場へ。
一同は、車から降りて、車その場を去って行った。
連は、表示を見て
「お!マクドナルド、地区代表決定戦。そうか、その時期ですね。懐かしいな」
由良
「連も、当然マクドナルド出たのだろう?」
連
「はい!全国決勝で負けましたが、そう、このチームに」
由良
「そうだろう、そうだろう、文京ジャイアンツ」
「俺も、そう、けい、こうせい、まもる達も文京ジャイアンツだからな」
「もちろん、俺も!文京ジャイアンツで、マクドナルドを制覇している」
連
「そうなのですね、けいくんも、あ、あれ?もう始まっていますよね?」
香織
「行きましょう!行きましょう!」
中に入り、ネット越しに、コーチ数名と父兄の方々が居た
蓬田の父、母も
香織
「おとうさん、おかあさん、どう?球道
蓬田の母
「それがね、香織、球道出ていないのよ」
由良は、スコアーを見ると
由良
「あららら、3回表6-0、負けている!」
「三塁側ってことは、裏だな。文京ジャイアンツ」
由良は、コーチに話かけ
「コーチ、6点、初回に4点、2回に1点、3回に1点、このままだと、コールド負けに」
コーチ
「おおお、由良!でっかくなったな、久しぶりだ、デカいな。和井田か!!みていたぞ、U-15ノーノー!あ、ピッチャーの彼も和井田!」
由良
「その話は、おいて・おいて、誰か怪我ですか?」
コーチ
「球道が、足が捻挫なのか、歩けないと、言い出して、ベンチにいる。」
嘉位が来て
「はじめまして、ところで、その球道君、状態を見る事は出来ますか?
コーチ
「ベンチの裏なら、可能だよ」
嘉位
「すいませんが、呼んで頂けないでしょうか?状態を見たいので」
コーチ
「U-15世界一が言うのだから、ことわれねーーな。よし、まっていてくれ」
コーチは、球道を連れてきて
球道
「ああああ!かいにいちゃん!!ねーちゃんも!」
嘉位と由良と連は、早速
「どこが痛い?今、歩いてきたよね?」
球道は、スパイクを外し、ソックスを脱いで、足を見せた
由良!!
「あ、これは、ね、すぐ治る」
連
「うん、治りますね」
嘉位
「すいません、テーピングありますか?あと、香織、八重さん、楓、悪いがそこのダンボールをあけて、スパイクを」
連
「そのスパイク、かかと、それなら、擦れるよ。小さいでしょう?スパイク?」
球道
「はい、痛くて、痛くて、でも、これしかないから」
由良、ものを大切にすることは、良い事だが、ここまで、ボロボロに、履いているとは
八重は、由良にスパイクを渡し
由良
「コーチ、スパイク、単色ならルール変わっていないですよね?」
コーチ
「うん、変わっていない」
嘉位は、テーピングを取り出して、状態をみながら、うん、大丈夫。テーピングを巻き始まった。
嘉位
「これは、スパイクのサイズがあっていません、それと、痛みすぎです」
球道
「かいにいちゃん、これは、ねーちゃんが、買ってくれた、大事なもので!」
香織!!そうだ、このスパイク、私が買ってあげたやつだ!
嘉位
「球道!ものを大切にすることは、とても良い事。でもね、体はどんどん、大きく、足もそう。だから、香織が買ってくれたスパイクは、大切に保管しておいてね」
由良は、球道にスパイクを履かせ
由良
「どう?これ?少し、ジャンプや走ってみて」
球道は、その場で、軽いダッシュと、ジャンプを
球道
「痛くない!これなら、大丈夫」
連
「球道君、バットを持ってきて、素振りしてくれるかな?」
球道は、ベンチにもどり、バットを取り出してきた
連
「振ってみて!」
球道は何かいか、スイングをしてみせた
由良
「上手いな!よし、そうなると」
由良と嘉位、連は、スコアーボードとアウトカウントを見て、裏の攻撃前の守備体形を確認し
嘉位と由良、連は、あれだな。
由良
「コーチ、紙とペンありますか?」
八重
「由良、わたしもっている、これで良い?」
由良、ナイス八重!
香織、八重、楓は、この3人完全に野球だけに集中している、それも、楽しそうに。わたしら、奥様として、忘れられている?いや、野球部できているのだから、良いのだけどね。
3人の姿が、なぜか、たくましくて、香織、八重、楓もワクワクしていた。何かをやってくれそうな気がしていた。
嘉位が、書き出し、連に回し、連も付け加え、由良が、付け加え、そして、代打完全回復支障なしと、さらに、次の回の表と裏の、指示を、由良、嘉位、連3名の名前も記載
由良
「コーチでも、球道君でもよい、これをベンチの監督に、由良が必ず、これをやれと言っていたと、U-15代表が言っていたと」
コーチ
「俺らは、登録されていないから、ベンチに入れないので、球道お前が、監督に、そして、今由良が言ったことをそのまま、言ってこい」
蓬田の父と母は、一体何をしているのかが、わからなかった。
球道は、ベンチに戻り、監督に紙を手渡した
監督は紙を受け取ると、ええええ!!!!と、由良が言うなら、実行せねば
3回裏が始まり、打順は7番から
香織、八重、楓は、何を書いたのと聞いてみたが
連
「それは、お楽しみ!ただ、1つ言えるとしたら、副キャプテン」
由良
「4回裏に10点差をつけて、コールドで勝利」
嘉位
「そうだね」
3回裏が始まった。
7番バッター、初球バント、三塁線にころがし、余裕のセーフ
連、やはりな
8番バッターもバント、三塁線に転がしセーフ
9番バッターも、バント、三塁線に転がし、余裕のセーフ、オールセーフ、ノーアウト、満塁
ここで、監督が出ていき、選手の交代を告げる
代打、蓬田 球道
文京ジャイアンツのメンバーも、やった!球道が試合に出られる!出てくれる、これなら!勝てる!
球道は、打席に立つと、
バットは、バックスクリーンを指し、ホームラン宣言
球道
そして、その初球を、強振し!
打球は一直線に!
打った瞬間、誰もがわかる!
打球は場外へ!!
球道
値千金の満塁場外ホームラン!!
3回裏 6-4 文京ジャイアンツ しかもノーアウト
その後も、バント、バントを三塁線に転がし、さらに、バントで、フルベース。
満塁である。ノーアウト、満塁
レフト方向に打球が落ち、3塁ランナー、2塁ランナーもホームイン 審判セーフ、セーフ
3回裏 ノーアウト、6-6 ついに同点に。
コーチ
「由良、何を指示したのだ?」
由良
「守備練習みていれば、わかりますよ、あの三塁、捕球はおろか、足も遅いし、送球にいたっては、酷いありさま、良く、チームのスタメンに入れたなと」
コーチ
「あれに、初回満塁ホームランを打たれたのだよ」
由良
「なるほど、一発屋ですか」
嘉位
「それも、次の回からは、バットにかすりも、しなくなりますね」
3回裏、流石に、サードの子は、レフトにさがり、レフトとサードが入れ替わり、反撃は終了。
嘉位、由良、連、シナリオ通り。
香織、八重、楓は、聞いてみた
「コーチの話で、理解できたけれど、どうして、あの2分程度で、わかったの?」
嘉位、由良、連
「2分!!!」
由良
「俺らからすれば、9時間分位解析をしたかな」
香織、八重、楓
「ええええええええええええーー!!!」
コーチも
「えええええええええ????」
嘉位、由良、連
連
「2分もあれば、24時間分の解析は普通ですよね、かいさん、由良さん」
由良
「そうだな。ただ、紙にかかなくては、間に合わないから、せいぜい9時間分くらいの解析だけどね」
嘉位
「そうなるね」
香織、八重、楓
「ええええええええええええーー!!!」
コーチも
「えええええええええ????」
由良
「4回裏で、6-16で、コールドで、文京ジャイアンツが優勝し、本選確定するよ」
蓬田の父と母は、あらためて、この3人は、人間離れしている・・・。
普通なら息子の満塁ホームランを大喜びするのだが、
この3人は、打って当たり前だというのだ、そりゃ、息子に感動するより、驚いていた。
監督は審判に、守備変更を伝え
ピッチャー、蓬田 球道が伝えられ
投球練習!
球道は、ワインドアップし、
ばーーーーーーーん
球場は静まり返った。
連
「すごいね、130Km、軟式でしょう!僕もそこまでは出なかったな、学童時」
由良
「うん、良い球筋、特に、回転数が小学生とは思えない、真縦」
香織
「由良君、お正月にね、嘉位に球道を見てくれて、投球フォームを直してもらったの!」
由良
「なるほど、そりゃ、出るわな、130Km。」
楓
「え?それで、納得できるほうも、おかしいのでは?」
一同、大笑い!!
コーチも、
「一体、なんなのだ、この人たちは」
バットにかすりもせずに、3者3、三振 スリーアウト!
4回裏の攻撃
集中的に、レフト方向に打つ、打つ、打つ、そして満塁で、
球道
今度はレフト方向へ一直線、これまた満塁場外ホームラン!
4回裏 6-10 文京ジャイアンツ、ノーアウト
さらに、連打は続き、レフト方向へ、満塁になり
ヒットが出て
6-14 途中、盗塁失敗が2回あり、2アウト
2アウト、満塁で、打席には球道
嘉位
「ライト方向」
由良
「ライトだな」
連
「ライトですね」
球道
球道の強振は、ライト方向へ一直線!これも大おおきな、ホームラン
場外へ!
審判は、球道がホームに帰り、
指を4にし、セット、整列し、
6-18 文京ジャイアンツ
審判は ゲームをコールした。
蓬田の父と母も大喜び
3打席連続、それも、満塁ホームラン!!!勝った!勝った!
監督、登録コーチをはじめ、選手一同がベンチから出て
応援席にお礼を、一同整列、
球道
「応援ありがとうございました、日本一取ってきます!」
応援席の父兄からは大きな拍手と、何人かのお母さんは、泣いてしまっていた。
学童野球は母の力が大いにあるのである。母達が子供たちの野球に費やした時間は、計り知れない。
その思いが、母達はこみあげて、涙があふれたのである
母達、良かった、本当に、良かった、もう、負けてしまうのかと
本当に、良かった、勝って!くれて、今までが、報われたと、涙した。
その後
監督、コーチ、選手はベンチを整理し、外に出てきて
監督は選手達を芝に座らせ、コーチ陣が達、保護者の方々も、その後ろで監督が何を話すのかを、まっていた
嘉位は、車を呼んでいた。
監督の話の1番目、開口一番、何を言い出すかと思えば
「由良!!!」
由良は、俺か、嘉位と連に目で合図、そして、八重、香織さん、楓ちゃんにも目で合図をおくり
和井田学園野球部は、監督の前に
監督
「おおお!!由良!そして、こちらは、あれだな、U-15代表ピッチャー、伝説のノーノーの!」
「和井田野球部!」
「由良、2つ、聞きたい、そのうえで、チームに、話がしたい」
「まず、球道について」
由良
「それなら、俺より、和井田野球部キャプテン、UCLA飛び級卒、アメリカの医師免許を持っている先生から」
保護者の方
「ええええええええええええーーー!!」
嘉位
「物を大事にすることは、とても素晴らしい事です。しかし、スパイク、かかと、裏がめくれていて、そこが飛びでていたので」
「僕がアメリカで使っていた時のスパイクと変え、テーピングで固定しました。足自体に問題はありません」
「固定は痛みを軽減し、軸がぶれないように、補強したまでです」
監督
「そ、そうだったのか、球道には無理をさせたからな、もう1つ、作戦の紙だ」
由良
「俺から、答えるのは、簡単ですが、ここは、ボーイズリーグ日本一のピッチャー、連から」
保護者の方
「ええええーーー!!」
連
「守備についた、ボール回しを見ました、サードの彼が穴である。そこで、あの作戦です」
「レフトに下がることは安易に想像出来ますから、次はレフト方向、ただそれだけです」
監督
「ボール回しだけで、わかったというのか?」
由良
「ボール回し見れば、全てわかりますよ。」
コーチ陣
「ええええええーーーー、わからないよ、由良!!!!」
「由良、本当に、化け物だな!」
監督
「和井田学園、野球部、凄いな!世界を制した、二人、そして日本一と」
嘉位
「今年の夏、和井田は甲子園に出ます。見て居てください」
球道
「かいにいちゃんなら、甲子園出るじゃなくて、優勝でしょう!!」
保護者達も、笑っていて
監督
「こら、球道、今は俺の話だ、といいたいところだが、球道3打席連続満塁ホームランは、過去にない、良く打った!」
コーチ、保護者からあらためて、大きな拍手が起こった。
監督
「今日は、あーだ、こーだ、と話すより、優勝を祝おう!そして、これからは」
球道が立ち上がり
「文京ジャイアンツが、マクドナルドを制し、日本一になります!」
監督
「昨年は、負けてしまったが、今年は、優勝旗を取り戻すぞ!」
一同
「はい!!!!」
球道は、嘉位にかけより!
球道
「俺やったよ!俺、かいにいちゃんの、教えてくれた通りに、やった、どうだった?」
嘉位
「球道君、できすぎだよ、完璧、このまま、どんどん、進もうね」
球道は、嘉位に褒められるのが、嬉しかった
香織
「球道、がんばりました。今度、お屋敷に遊びに来てね、もっと、試合、日々の練習が優先だから、雨が降った日とかね」
球道
「ねーちゃん、ありがとう!」
そうして、和井田野球部一同は、車にのり、
野球場を後にしたのであった。
< つづく >