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第一九八話  千佳 と 一夜


江戸前寿司を堪能し!これから、楓お嬢様と、連様は・・・。羨ましい

そう思う、千佳と一夜であった。別館にもどり、それぞれの部屋で。


一夜の部屋


そう、一夜である。

一夜は大学卒業と同時に、御屋敷に


はじめは、色々覚える事が多くて、多くて、大変だったな。

教養は十分あったが、人、世界、財界、等の方々に、失礼の無いように。

だいたい、御屋敷、でかすぎるのよ!!!!

屋敷内に、車で走れるって、どういうこと!

おかしいでしょう!東京のど真ん中に!

と、笑いながら


いよいよ、来年の夏の終わりに、お勤めも終わるのね。


直江様!かっこいいな、あんなに、副社長様と気軽に話せるのも不思議。

よほど、副社長様、直江様に信頼が厚いのですね。

ここまで、来るには、波乱万丈であったな。

ベッドに横になりながら、昔を思い出していた。



千佳の部屋


こちら、千佳である


千佳は、大学卒業後、そのまま、御屋敷に訪れ

なに?ここ、御屋敷というか、え?どこから、どこまで?・・・?ここ、東京よね?

千佳は、右に進めば、玄関のところを、

左にすすみ、御屋敷をぐるーーーーーと、一周回って

これ、どれだけ、あるけば、御屋敷につくの?

もう、10分以上歩いている、中は見えないし、え?ここ、人の住むところなの?

やっと、玄関らしきものが見えてきて、やっと、着いた。

え?ミラーがあって、え?

もしかして、私、逆方向にあるいて、一周してきただけ?

うわ、やらかした。


中に入ると、うわ、なにこれ!この庭園。え?東京だよね?長野じゃないよね?

それから、財界の方々との接し方等、はじめの教育は、覚える事ばかりで

普通は、こんな事、おぼえるかーーーい!!ま、それは、1億円ですから、毎年。

やります、やります。しかし、ここ、御屋敷というより、お城だよね。

地図にも、なぜか載っていないのよね。庭園と、しか。


それも、来年の夏には、ここを出ていくのね。上杉様のもとへ。

上杉様って、あんなに、普通に副社長様と話せるのね。皆、恐れ多く、言葉を発することが出来ないのに。

流石ですわ、上杉様。


良いなー、楓お嬢様、今晩!はじめてなのよね。

もう露天風呂では、お互いここよ、ここなど、触りながら、

恥ずかしくなって、

千佳は、咳払いを、

早かったな。まだ、まだ、来年の夏まで。皆さまといられるから。がんばろう!

ここまで、来るのに、大変だった。あきらめなくて良かった。

パジャマに着替え、ベッドに横になり、そう、あの時、あきらめていたら・・・。






千佳も一夜も幼いころ、とても、裕福な家庭環境で、恵まれていた



一夜


一夜の両親は、ゴルフ場、ゴルフ練習場、広大なスキー場を経営しており

家には、お手伝いさんが、常にいて

おばちゃん、一夜ちゃん、元気ね!まー、かわいいこと、幼稚園?いってらしゃーい。

小学生になり、一夜は運動がとてもできて、リレーもマラソン大会も常に1位。


うわー、一夜ちゃん、早すぎるし、男子にも勝っちゃうなんて?将来、オリンピック選手?

一夜は、照れて。そして中学生になり

勉強もつねに、学年5位には入っていた。1位は、とれない、そう、親友の千佳が、常に1位。

部活は陸上部ではなく、剣道部を選んだ。もともと、御家柄、中に道場もあり

つねに、お兄様達と、剣道をしていた、その二人のお兄様も既に、大学を卒業し、社会に出ていた。

二人とも、海外に単身赴任

連絡は、まったく、私にはなかった。

そして、私立高校に合格し、剣道部を続けていた。



千佳


千佳の家は、真田のゴルフ場、スキー場とならんで、温泉旅館や、ホテル、民宿を経営しており

温泉旅館のとなりに、大きな、平屋があった、中庭も広く、綺麗に整っていた。

元気!いっぱい、ときより、ちょっと、やんちゃな、千佳であったが

幼稚園、小学生と、クラスの人気者になった。

中学校になり、はじめて、一夜たちと一緒の学校になる。学校までは、歩いて40分と少しかかるが

ゆく先々で、おじいちゃんや、おばあちゃん、お兄さんたち、働いている人からも、

千佳ちゃーーーん、と 手を振ってくれていた。

中学校は吹奏楽部であり、千佳は、男性からも特にもてていて。

告白されることは、多々あったが、千佳は、東京の大学に行ってから、恋をするんだと

断っていた。兄は東京大学を出ていて、東京での生活を聞かされていた。兄は、卒業後、渡米すると言い、海外の半導体会社に勤めていた。

千佳も、優秀で、トップの成績であり、私立高校に合格し、高校では部活動は行わず、勉強に集中する。そう、兄が教えてくれた、東京大学を目指していた。






両親の商売は、一夜も千佳も、同じで

それは、それは、大繁盛で

予約は2年先まで埋まっており!

日々、人の出入りが激しく


休む暇もないくらい!

千佳や一夜もお手伝いをしようと、思うが、

それは、断られ

お嬢様は、学校生活を満喫してくださいと、

何不自由ない、生活を日々送っていた。




千佳、一夜、内藤、甘利、板垣、5名とも同じ高校である。

5名は、相変わらず、勉強ができ、千佳は常に学年1位であり、一夜も5位を堅守していた。

言うまでもなく、内藤、甘利、板垣、そして一夜は2位から5位を入れ替わっていたが

一位、常に満点の千佳には、勝てなかった。


千佳、一夜、内藤、甘利、板垣は、学校の注目で

美女であり、そして、頭がよく、千佳は帰宅部であったが、皆運動が出来。

ことがあることに、


先輩、同級生、下級生から、告白を受けていた。

しかし、千佳、一夜、内藤、甘利、板垣は東京という、世界に憧れがあり

恋は、東京に行ってからと、断っていた。





高校に進学したころである、

真田のおうちに、県知事、市長が訪れていた。

一席を設け、盛大に、料理、お酒が振舞われていた。


県知事がいうには、今こそ、投資の最大のチャンス!これを長野のアピールにしたいと


スキー場、ゴルフ場の拡張を進められた。

しかし、父も母も、乗り気ではなかった。今のままで十分であると。

施設の老朽化は、メンテナンス程度で、預金で行える。


新しい設備等は、必要ないと、県知事や、市長に、話したが


県知事から、銀行の紹介があり、頭取が、融資を!破格の融資を提案し


長野は、ここを中心に栄えて行きますから、間違いないと!

おしきられ、

父と母は、預金もあることから、その話に乗ることにした。


スキー場は、新ゲレンデ、滑走路を増やし、スノーボード専用リスト、さらには、24時間の360度の監視カメラ、ライブ中継

花火の打ち上げスペース。最新のスノーモービルを10台増やし。安全対策に費用を割いた。

また、スキー場の屋外での、ライブが出来る、特設会場も設置した。


ゴルフ場は、クラブハウスを立て直し、駐車場を広げ、ツアーバスも20台確保できるまで、広げ

一般客も十分に、とまれる駐車場を確保、最寄り駅からの送迎バスも5台増やした。

クラブハウスは、エコキュート、太陽光発電を完備し、ゴルフ場は大会等においては、360度カメラで、

ライブ中継を出来る設備にあてた。


総額40億円の借入であった


地元の建築会社、施工会社、全て長野の会社で行われ、長野自体が潤った感じではあった。




リニューアル後、

日々満員のお客さんで賑わい、真田の大繁盛により

猿飛、内藤、甘利、板垣も同時に大繁盛の状態。

お金は沸いて出てくる状態であった。


翌年である、突然の、アメリカをはじめとした

世界経済、株式の大暴落


アメリカの大暴落は、翌日にはEUも大暴落

重ねて、アジアも大暴落

中でも、日本は、酷いありさまであった。


日本企業の大手がいくつか、突然の倒産。

結婚式場等、ゆるぎないはずのものまで、倒産ラッシュ


日本企業は守りの姿勢にはいり、間接費、交際費0運動が始まった。



そうなると、真田の

ゴルフ場、スキー場は、相次ぐ、キャンセルが起こり

スキー場の夏場は、キャンプ場として使われていたが、こちらも、キャンセル。


わずか、1年足らずで、雪だるま式に、真田は、衰退していった。


そうなると、収入減である、お客様

お客様が来なければ、収入があるはずもなく、

預金から、従業員へ給与を支払い、メンテナンス費用も出していた。

しかし、

客足は遠のくばかり


それは、この長野だけでは、なかったが。


既に融資を受け、設備投資を行ってしまったこともあり、

銀行への返済が、滞るようになっていった。


真田の父と母は、別の銀行に頭をさげて、なんとか、少しばかりの融資をして頂いた。


しかし、それも、ほんのつかの間

設備維持と従業員の給与への支払いにあて


客足は一向に戻ることがなく、

収入減はほぼ、ゼロであった。



真田の父、母も、預金という、預金を切り崩していったが、

維持することは、困難になり


せめて、従業員への給与は、給与だけは。と

消費者金融に借入を

それは、猿飛、内藤、甘利、板垣の両親も同じである

中核を担っていた、真田の衰退により

猿飛、内藤、甘利、板垣も、衰退していった。


銀行からの催促の電話はなりっぱなし、郵便受けにも督促状。

なにより、酷いのが消費者金融の取り立てである。



大繁盛だった、1年前とは大違いである。まさか、こんなことになろうとは、予想すら出来なかった。






一夜は、夜部活の帰り


暗くなったなー、ま、家も暗いのだけどね。本当にこの先、どうするのだろ。

一夜は、後をつけられることを感じとっていた。

誰かいる、何人


ゆっくり、歩きながら、ミラー等を確認し

3人。

まちがいなく、つけられている。


いちやは、袋のままの竹刀に手をおきつつも、ゆっくりと歩いていると、

三人は走り出して、一夜のほうへ


そこは、中学、高校と日本一の一夜である、

一瞬で、三人を、返り討ちに。


一夜は、その場から走って、家に向かい

帰宅後は、何事もなかったようにすごす。


今日も、おにぎりと、お味噌汁。

頂きます!と、一人で、夜食を、その後は勉強に励んだ。


朝も、おにぎり1つ食べ、学校へ。


明らかに生活は、逆転していたのである。




それからも、いやがらせの日々は続き、

千佳、一夜、内藤、甘利、板垣の家、それぞれに

頼んでもいない、寿司を50人前や

電話はなりっぱなし、

家に石をなげられたり

家に張り紙をされ、この家に近寄るべからず、悪魔の所業

等、意味不明のいやがらせが、続いた



学校でも、生徒のみんなが、心配してくれたが

千佳、一夜、内藤、甘利、板垣は、特に問題ないよ。心配してくれて、ありがとう

と返すのみ。

千佳は、下をむきっぱなしで、何か考えていた。




千佳は、先に帰り、一人で歩いていた


このままだと、高校も通えないな。


ごはん、一日、朝だけ、おにぎりだし。

高校やめるしかないなーと、想いながら、歩いていると


そこに、電柱があり、立ち止まる


千佳は、電柱に貼ってある、女性限定、高収入50万以上


千佳の目に入り、これって、春を売るってことよね?

でも、50万円以上でしょう。これなら、学費はなんとかなるし

もしかしたら、両親の返済にあてられる。

少しやせてしまったが、大丈夫なはず。


千佳は、生きる道を選んだ。



千佳、電話をしようと、する

丁度、その時、後ろから、千佳の異変に気が付いていた、一夜が走って来て

千佳の電話を取り上げ!!


一夜は、激怒し

「なにしているのよ!!千佳、これが、どういうことかわかる!!わかっているの!」

千佳は、泣きながら

「でも、もう、こうする他に、」

一夜

「こんなの、50万なんて、それも、嘘よ、その先は、ビデオをとられて、お金なんかもらえず」

「ただ、ひたすら、道具に!そんな事も、わからない、千佳じゃないでしょう」

千佳は、泣きながら、

「だって、だって、もう!!どうしようも、ないじゃない!!」


一夜の怒りは収まらず

千佳の頬を、おもいっきり、ひっぱたいた!!


ばしーーーーーーーーーーーん!



そして、一夜は、千佳を抱き寄せ

二人は、大きな声を出して、泣きながら、泣きながら


もう、どうすることも、出来なかった。



絶望とはこのこと。



泣きながら、二人は、千佳の家についた。


今日は、千佳の家に、一夜も泊まることにした。

一夜

「今日は、ダメ、一人にしておいたら、千佳なにをしでかすか、わからないから」

千佳も泣きながら

「ごめん、ごめんなさい、一夜」

千佳も、一夜も泣き止まず。


千佳と一夜は、とりあえず、落ちつき、温泉にはいるところを

高坂さん、飯富さん、馬場さんが居て、もう80歳を過ぎている、おじいちゃん、おばあちゃんである。


高坂のおばあちゃん

「あら、千佳ちゃん、一夜さん、目が赤い、泣いていたのね」

「わかるわー。もう、この先、どうやって生きて行けば良いのか、わからない」

飯富のおじいちゃん

「おれの子供の頃も、そうだった。戦争の中産まれ、そして戦後、食べ物なんて、何もない」

「1杯の麦飯を6人で、食べて、もう、この先どーなのだ?と、子供の時思っていたよ」

馬場のおばーちゃん

「あの時に比べれば、まだ、まだ、生きていれば、山あり谷ありよ。ほら、千佳ちゃんも、一夜ちゃんも、早く、あったまっておいで」



その日は、落ち着いたが、

いやがらせの日々は、さらにエスカレートする。


又、一方で、従業員にお金を払うことができず、徐々に、従業員がお暇と、言う形で去っていった。


日々取り立てはひどくなる、一方。

選挙では、前県知事の不正、市長の不正による、選挙の敗退


真田の父へ、強引に融資をさせて、その融資から、地元企業を斡旋していたのだ

そう、真田は騙されたのであった。


一方、真田の父は、ありとあらゆるところに、お金の融資をと

銀行に頭をさげるが、融資が得られない


父、はさらに、消費者金融に借金をし

僅か残っている従業員に滞納していた、給与を払う


しかし、それも続かず、従業員のほとんどが、去る


千佳も一夜も、カップー麺の日々

時には、二日でおにぎり1個の日が続いた。




もう、何をしても、ダメなのである。


同情だけでは、救われないのである。


誰もが、もう、終わり。終わりにしようと、思っていた。




真田の父は、仏前に、刀を置いて、じっとしている

長い時間、じっと、仏前と向き合っていった。


そこに、一夜は気が付いて、一夜は父を、止めに入る


真田の父

「まだ、負けたわけではない。歴代の真田と話していたのだ」

一夜は、泣きながら、御父さん、死ぬつもりだった。いや、そうだ。でも、私が・・・。止めて、そうなのだけど

これから、どうする?誰か!!どうすれば!!と


真田の父は、先代、先代、歴代の額縁に目をやると、そこには、掛け軸に大きな山と川


真田の父は、突然立ち上がり、消えて行った。


それから、数日、音信が途絶え、家にも帰らず


一夜叫ぶ

「え、だって、負けたわけではないと!!いやだよ!!お父さん!!おとうーーーさん!!」

一夜は、その場で泣き崩れた。


親族一同、探すが、真田は、みつからず


父の行方は知れない。


屯所の警察は、

自殺?保険金?


しぶしぶ、警察も探すが、見つからない。


一夜、千佳をはじめ、誰も、何も食べていない。



既に4日、何も食べていない日々が続いた。







5日目の明け方

父が、父が、帰ってきた

帰ってきたのだ!!


母は、泣きながら、父に寄り添い


父の姿は、ボロボロである。かなりの疲労、足元を見れば、解る。


真田の父は、一族を、集めるようにと母に伝えた。


真田の家に、猿飛、板垣、内藤、甘利の全家族があつまる



みな、やつれていて疲れ切っている

もはや、これまでである。誰もがそう思った。

一夜も千佳も覚悟を決めた。


一夜と千佳は、一緒に死のう。

千佳となら、怖くない

一夜も、千佳となら、怖くない



いよいよ、家に、そう、ここで、火を放ち


猿飛、内藤、甘利、板垣は、

せめて、娘だけでも、末の娘だけでも

真田の父に、懇願する


しかし、真田の父は、首をふる。


この時、真田の母をはじめ

猿飛、板垣、内藤、甘利、家族全員が、終わった。


ここで、死のうと、覚悟を決めた。

すまん、娘たち。


もう、流す涙すら、枯れており、あとは、死をまつのみ。


誰が、火をつけるのか、目で、合図をしていた。

猿飛の父が、わたくしがと、立ち上がった。





その時である。大きな、リムジンが玄関の前にとまり、気品の高い、着物姿の若い女性が、中に入ってきて


ばーーーーーーーーーーん!


と、テーブルに、たたきつけた


各借入書、完済証明書を5家、見えるように

真田、猿飛、板垣、内藤、甘利の両親は書類を手にとり、順番に回していた

書類をまわしながら、気品の高い、若い女性は、話し始めた。



気品の高い、若い女性

「数日前に、真田さんが、私の所にまいりました。ボロボロの姿にて、歩いてきたのでしょう。真田さんは、自分の命は、どうなっても、構わない。しかし、末の娘、そう、5家の末の娘だけでも、かくまって頂けないかと」


5家の両親は、すすり泣いて、話を聞いた


気品の高い、若い女性

「わたしは、真田さんに、幾らの借金と、どうしてこのようになったのか、経緯の説明を求めました。真田さんは、話そうとはせず、全て、わたくしの責任です。設備投資以外の借金は、従業員への給与にあてました。」


気品の高い、若い女性

「真田さんは、続けて、従業員に給与が払えなければ、従業員は家族を養っていくことができません。わたしは、それが耐えられません。家族あっての、従業員、従業員あっての家族です。しかし、もう、これ以上は借入することもできず。せめて、5家、末の娘だけでも。」



気品の高い、若い女性


「従業員は家族、家族あっての従業員、良い心がけ。真田さん、あなたの目は死んでいません。今、気迫に満ち溢れています」


気品の高い、若い女性

「借入書を見せていただけますか?」



なるほど、これは、何かありますね。

気品の高い、若い女性は、脇に居た10数名に、調べを命じ


気品の高い、若い女性:真田さん、ご安心ください。当家が解決致します。後日お伺いいたしますので、お待ちください。


真田の父は、理解においつけなかったが、その場を立ち去った。あとは、信じるしかない。将は、知あり、信あり、仁あり、勇あり、厳あるなり。そう言い聞かせながら、歩いて、長野に向かった。あるきながら、常に胸の中で、言葉を繰り返していた。

将は、知あり、信あり、仁あり、勇あり、厳あるなり



気品の高い女性は、あたりを見渡し、死を覚悟なさっていたことは、十分にわかり。



山本財閥社長、5家に名刺を渡し


「皆さま、全て、終わっています。ご安心ください。お手元にあるように、全て当家で完済しました。

また、融資を断った、銀行は、当家にて、潰す事にしました。新しい銀行は、当グループの長野支店になります。」

5家の皆さまに置かれましては、山本財閥グループの傘下に、5家それぞれに、3000億円、これで、従業員を呼び戻し、再建を」



真田の母をはじめ、猿飛両親も、助かったと、同時に、真田の父は、自らの命をかけて、あの、山本財閥にかけあってくれたのだと。



山本財閥社長

「末の娘さん、こちらへ、あなた、方才女、今はやつれていますが、お写真を拝見いたしました。容姿端麗、才色兼備、あなたがた、今日からあらゆるものを極めなさい。そして、これを」


千佳、一夜、内藤、甘利、板垣の娘は、書類を読む


そこには、大学卒業後、


山本財閥の御屋敷のお使い人に、固定年俸一億円と、記載があった。


山本財閥社長

「そこに、サインをしないさい。これで、契約は終了、あなた方が、御屋敷に来ることをお待ちしております」


そういうと、山本財閥社長は、家を出て、車に乗り行ってしまったのである。



5家は、もう1度、1から、やりなおそう!

騙された事にも、あらためて、山本財閥の報告書類に記され、また、従業員は家族、家族あっての従業員に感銘を受けたと記載があった。




あれから、東京大学を出て、御屋敷に、お勤め6年目、まさかの、出会い、そして結婚の約束に、マンション



千佳


私の想いは、副社長様には、伝わらなかったけれど、上杉様、素晴らしい、わたしは上杉様に嫁ぐために、産まれてきたの



一夜

素晴らしい日々だった。残り一生懸命、お使いして、直江様のもとへ。


そう思うと、御屋敷での日々を思い出し、涙が、こぼれるのであった。



< つづく >


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