第一九六話 連 卒業
朝になり、嘉位は起きていた。香織は、まだ、眠っている
嘉位は、タブレットを取り出して、株式が社 連の専務、取締役の上杉、直江にメッセージを入れた。
内容は本日、連社長と山本財閥との会議の為、連社長は終日出張であると」
嘉位
「これで、よし!と」
嘉位は、続けて、SNSでメッセージを入れ、連である
「連、おはよう、起きてからで良いが、今日、香織、楓、豊田のお母さん、千佳さん、一夜さんは、終日エステ等を、一日を充実させてあげたい」
「僕と、連は、二人で出かけないかい?17時前にはここに、戻ってこよう」
「17時に、名古屋を出るので」
そのように、連にメッセージを送った。
すると、すぐに連から返信があり
「かいさん、おはようございます。了解しました。僕も楓も起きています。」
「まだ、朝早いですか、かいさんのお部屋に行ってよいですか?」
香織は、嘉位が起きていることに、気が付いて、
嘉位の背中に、抱き着いてきて、
香織
「おはよう!ございまーす」
「あれ?連君からですか?」
嘉位は、スマートフォンを香織に渡して
香織は、目をまんまると開いて、あら、やだ、お着替えしないと
香織
「かい、着替えましょう!連君きちゃいますよ」
嘉位、まだ・・・返信していないが、ま、良いか
嘉位は、連に返信をして
嘉位と香織は着替えを済ませ。
ほどなくして、連と楓が部屋に来た。
連
「かいさん、香織さん、朝早くすいません」
楓
「お兄様、お姉さま、朝早くすいません、もう、なんというか、その、その、ですね」
連
「あの、そう、僕もそう、その」
香織は、え?どうしたの?なんだろう、二人して?
嘉位
「おはよう、連、楓、座って」
「わかりやすいな、二人とも」
「楓が誘ってきたけれど、どうしたものか、と、お互い悶々としながら」
「そのまま、朝を迎えたということ」
連
「あ、ま、そうです」
楓
「うん、そうなの、我慢したくないのに、我慢しちゃって、それが、また、意識してしまいまして」
嘉位
「我慢なんて、する必要は無い。」
「正しい性の知識を身について、お互いが求めあうことは、自然」
「あ、連、ごめん、そういうことか」
「楓もごめん、渡していなかった。」
「卒業まで待つというから」
「両家快諾している、結納もする」
「連、明日卒業式、その後、屋敷にくるのだよね?」
連
「はい。そうです」
嘉位
「では、卒業式後、屋敷についたら、渡すね」
香織は、なんのことだろう?さっぱりわかっていなかった。
楓
「お兄様、よろしいでしょうか?」
嘉位
「え?何が?」
楓
「その、わたくしが、連と」
嘉位は、わかっていながら、あえて
「え?言っている意味がわからない。連以外に誰を受け入れるのだ?」
楓
「あ、そんなわけ、ありません、生涯連一人です」
「そうではなく、お屋敷でと」
嘉位、そのことか。
「もちろん」
楓は、ほっとした。あ、はやく、連をお屋敷に連れて帰りたい!
嘉位
「連、さっきの件、もう1度、ここで香織、楓に話すね」
連
「はい、かいさん、お願いします」
香織は、まったく、何の話かついてこられて、いない。楓ちゃんのお部屋?受け入れ?お話?良いの、良いの、嘉位が決めたことなら、なんでも、良いのです。
嘉位
「香織、楓、今日は、女性陣はゆっくりしてほしい」
「朝食後から、12時までは自由に、12時にエステを予約してある」
「香織、楓、豊田のお母さん、千佳さん、一夜さん。」
「120分。その後は、お任せする。香織が色々決めてくれる」
「全員17時にホテルを退館する。」
「僕と香織、千佳さん、執事の方は、お屋敷に向かう」
「楓は連と一緒に、豊田家に、一夜は、豊田家に近いホテルがあるそうだね。そちらに移動」
「恐らく、豊田の御父さんは、ほぼ終日寝ていると思う」
「上杉さんから、連絡もあって、ここ数日社長は徹夜続きでありますから」
「お休みをさせてくださいと」
「株式会社 連には、社長は僕、山本財閥との会議、終日出張ということにしてある」
「まとめると、1日女性陣で、ゆっくりして頂きたい」
香織
「はい、旦那様、お任せください」
楓
「え?それだと、お兄様、連は?」
嘉位
「僕と連は、話す事があるので、二人で、出かけてきます。17時にはホテルにもどります」
楓?仕事の話?野球の話?お兄様なら、間違いないから、安心。そして気をつかってくださっている。
楓
「わかりました。」
楓は、連にいってらっしゃいの、キスをした。やはり、悶々としていることにはかわりないのである。
香織、あら、やだ、楓ちゃんたら、でも、お二人絵になりますね
連、話ってなんだろう?でも、かいさんと二人で居られるのは、嬉しい!
連
「そろそろ、朝食の時間ですので、ルームで食べ終えたら、フロントに向かいます」
香織
「私から、千佳さんに連絡をいれておきます。千佳さんから、一夜さん、一夜さんから、豊田のお母さんに、伝えてもらいますね」
楓!うーん、これほど、お屋敷が恋しいと思ったことはない、早く、連を連れて帰りたい。
楓はニコニコしながら
楓
「わかりました、それでは、朝食を済ませてきます。あとは、かおの指示でお願いね!」
香織も明るく
「はい!」
それぞれ、朝食を済ませ、荷物をまとめ、整理し
キャリーケースに入れ、準備を整え
11時ごろに、ラウンジへ
香織は嘉位から、すべて部屋付けにしてあり、特別な御もてなしメニュで組まれている事をきかされており
その話を、楓、豊田のお母さん、千佳さん、一夜さんに話
エステに向かった。
嘉位は、執事の方と話し、17時までご自由になさってくださいと伝え
嘉位と連は、ホテルのハイヤーに乗った。
ハイヤー運転手:
「お客様、どちらへ行かれますか?」
嘉位
「今日17時まで、お付き合い頂いてよろしいでしょうか?」
ハイヤー運転手は、少し、困った顔を見せたので
嘉位
「ご予定があるのでしたら、他のハイヤーに、変えます。予約優先でお願い致します」
ハイヤー運転手:
「いえ、本日ご予約はございません。」
嘉位、名古屋はそういうものなのか、ま、ロスも、カルフォルニアも同じだったし
嘉位は、封筒を取り出して、ハイヤー運転手に渡した
嘉位
「これは、料金とは別ですので、お受け取りください」
ハイヤーの運転手は、中身を確認し、上機嫌で
「かしこまりました、17時まで、お仕えさせて頂きます」
連は、何を渡したのかは、想像がついたのだが、その分厚さに、驚いていた
嘉位
「連、2つは行ってみたい、観光名称がある、そこを寄りつつ、話をしよう」
「熱田神宮と、名古屋城、いければ、清州城、あと、お昼というか、食事のタイミングで、名古屋で有名なラーメンを!」
連、ラーメン!良いですね、もちろんですよ、名古屋といえば
「名古屋は、ご存じ通り、名古屋コーチン」
と言いかけたところ、ハイヤー運転手が割って入り
ハイヤー運転手
「お客様、そこは、わたくしのお仕事でございますので、わたくしから」
「名古屋コーチン、黄金の鶏ですね。又、名古屋はきしめん」
「また、カツ煮込み、味噌カツがごく一般的ですが」
「名古屋を代表とするならば、どて煮です」
「お酒に合うのです。お客様は、おわかいですが、23,24歳くらいのフレッシュな方」
「是非、お勧めしたい!」
連は、笑いながら
「確かにそう見えますね、いつも、そう思われます。24,25歳位と」
「僕ね、明日中学校卒業なのです。」
ハイヤー運転手
「いや、それは、失礼な事を、申しました、申し訳ございません、お二人とも、とても背が高く、がっちりしていて、ハンサムですので」
「どこかの、俳優さんなのかと」
連
「元、俳優です」
ハイヤー運転手
「え?えええええ、あ、見たことが、あああ、武田 連さん!!」
「えええええ?武田連さんって、25,26歳くらいでは?え?中学校卒業ええええ?!」
連は、笑いながら
「ですので、お酒は、」
ハイヤーの運転手、は、頭をひねり!
「おおお、それならば、あれですね、趣向をかえて」
「名古屋発祥の地、台湾ラーメン!」
「麺屋 はなび、少々、並びますが!」
嘉位は、おおお、まさに、それ!!それだよ。
「そこ!!是非、行きたいです」
「熱田神宮、名古屋城、その台湾ラーメン、時間が許せば、清州城へ、17時にはホテルに戻る必要があるので」
連!!あそこは、並ぶときは、並ぶし、ただ、平日はうまくいけば、それほど、並ばなくても
ハイヤーの運転手
「お任せください、では、まずは、熱田神宮へ」
「お客様、おタバコはお吸いになられますか、電子タバコでしたら構いません」
連・・・だから、今、中学校を明日、卒業すると、伝えたばかりなのに
「いえ、すいませんので、お気になさらず」
車は出て、熱田神宮へ
ハイヤーは駐車場で待つ
嘉位と連は、車を降りて、
熱田神宮に
連
「嘉位さん、熱田神宮に思い入れが?必勝祈願とかですか?」
嘉位
「そうではなく、僕、あれ?楓から、聞いていない?生い立ち?」
連
「もちろん、聞いております」
嘉位
「海外が長く、日本はほんのここ4年、そして日本の観光というのにいったのは」
「香織と行った京都が初めて!次に沖縄」
「日本家屋、お城等、興味あるんだよね、知識としては暗記しているけれど」
連
「聞くと見るとでは、大違いですね」
嘉位
「そう!まさにそれ、暗記はすぐにできて、しまうが、実物を目にする、触れるはやはり、感覚、受け取り方がね」
連、そう、わかる。僕も暗記する。でも暗記と、実際、目というか、5感で得るものと
そんなことを話ながら、進んでいった。
嘉位
「ここに、香織と、八重さんも連れてきたかったな、もちろん由良もね」
連
「え?伊勢神宮でなく、熱田神宮ですか?」
嘉位
「両方だね」
連?
「必勝祈願?和井田の野球部も、やるのでしょうか?」
嘉位
「いや、神頼みはしないかな、それは、連の代で決めて良いよ」
「ほら、せんさんは一人、新3年、僕と由良とかずきが、新2年生」
「主力は連が率いる、新一年生だから、ルール等も、連が決めてよいです」
連、それは、わかる、わかりますが、話がつながっていないような?
「それと、熱田神宮は?」
嘉位
「あ、そう、それね、連、あるいみ、凄いと思った!天才ではないのかと、僕も由良もね」
「これ!これ!」
嘉位は、熱田神宮の案内をさして
「草薙剣、日本武尊、これをね、八重さん、香織もだ」
「連、わかる?」
連、いや、どうみても、そのままでしょう
連
「草薙剣は、三種の神器、日本武尊が、殺されそうになったときに、ありとあらゆるものをなぎ倒して、難を逃れた」
「ま、これには、幾分おかしな点がありますよね」
「親子関係や時系列が、諸説でバラバラですから、あとから祭り上げられた、物語というのが」
嘉位、まさに、それ!
「そう、連、おどろくなかれ、妻、香織、 そして、由良の妻、八重さん、なんていったとおもう」
連は、考えながら、うーん、国1つを焼き払ったとか、そういう表現をしたのかな?
嘉位は、連が考えていることを、わかったうえで
「連、そのような考えにも、至らず、日本武尊をね」
「にほんむそん と、言うのだよ。それも、間違いなく、にほんむそん だと」
「さらには、そこにね、八重さんのご両親、香織のご両親もいるのに」
「にほんむそんはね と・・・・」
連も、大笑いしてしまい
「どこを、どう読めば、そうよめるのですか!!!」
嘉位
「だろ!あるいみ、ネタだよね、これ、使えるよな」
連
「すげーーー、ある意味、天才ですね!」
二人は大爆笑して、まわりの観光客から注目されていた。
嘉位
「連ありがとう、次は名古屋城にいこう!」
二人は、その場をあとにして
名古屋城に向かった。連は、八重さん、香織さん、熱田神宮に一度つれてきたほうがいいな。と思いながら
一方の香織立ちは
エリア専用の着衣に着替え
香織は、すべて、部屋づけと伝え
エステ120分特別コースが始まった
豊田の母
「あーーー、幸せ」
楓
「もう、おまかせ、お母さま、お父様は?」
豊田の母
「今日は、夕方まで寝るって」
「まーそれもそうよね、朝食が来る前まで、ずっと」
香織
「え?ずっとって、夜から、朝まで?」
豊田の母
「えーー、もう、副社長様からの、夜、ね つけない本のおかげで」
「何年振りかしら、5年、6年?6年よね。もう、私がもりあがってしまって」
楓は赤くなりながら
「ちなみに、その本というのは? ね つけない?」
豊田の母
「避妊具よ、避妊具 ね につける つけない 結果、寝付けない、朝まで」
香織ええええええーーーー
「朝まで、す、すごい・・・!」
千佳と一夜、楓は顔がまっかになっていた
豊田の母
「楓ちゃんは、連とはしましたか?」
楓は、ドキっとし、怒られるのかな、でも、正直に言おう
「まだです。でも、お母さま、したいのです。連と」
豊田の母
「あら、やだ、まだ、なのね、てっきり、もう毎晩しているのかと」
「我慢することは、ないのですよ、楓さん、存分に愛し合いなさい」
楓は、赤くなり
「はい」
千佳と一夜は、うらやましいーーーと思っていた。
そんな、エステをしている間に、皆、ここちよくなり、眠ってしまった
名古屋城についた、嘉位と連
嘉位と連は、歩きながら、会話を
嘉位
「昨夜なのだが、あえて、言わなかったことがある。これは、連がいうべきことだからだ」
連は、わかっていた。それは、もちろんである。
「結納、そして、高校三年終わりの、マンション」
「この時に、いう伝える事ですね」
「かいさん、僕は結納式の時に、宣言します」
「順序を守ります。」
嘉位
「連、満点回答だ。楓を頼む」
連
「もちろんです」
嘉位
「それでだ、ちょっとここからは、入れ知恵になるだが」
「聞いてもらえるか、おせっかいな事なのだけれどね」
連
「はい」
嘉位
「明日、卒業式だろう。楓がいうには、連は中学校3年間の生活」
「モデル、俳優とばれないように、でかい、黒ぶちの眼鏡をかけ」
「友達も作らず、一方、ボーイズでは堂々と」
「つまり、中学校では、豊田連が、武田連であることは、誰もしらないと」
「先生も知らないと」
連
「はい、事務所との決め事がありましたので、とにかく、目立たないようにしていました」
嘉位
「そこでだ、明日の卒業式、卒業生代表挨拶がある」
「言わんとしている事、わかるはず」
連
「はい、そのつもりです。そこに楓も」
嘉位
「連!流石である、楓が惚れるわけだ。もう、何も言うことは無い。連」
連は、一筋の涙がこぼれ
「お兄様!ありがとうございます」
二人は、ぐるーと名古屋城をめぐり、お腹がすいてきた、それもそのはずすでに、15時になろうとしていた
連
「それでは、まぜそばへ、お願いします」
車は、本店の近くに停まり、二人を下し、車はコインパーキングへ
元祖台湾まぜそば はなび についた
連が言うには、それほど並んでいない、これは、ラッキーだと
嘉位と連は、中に入り
各々、券売機で買い
嘉位はチーズ大盛
連は、ネギ大盛
少し、ほんの少しの間である
すぐに、まぜそばが、目の前に!
嘉位、連も、がっつりと、頂いて、大満足
スマートフォンの時間を見ると、16:30分であった。
嘉位、間に合うかな、ホテルまで
車はホテルに向かい、なんとか、16:55分につき
御礼を言い、ラウンジへ
ラウンジでは皆さん、集合しており
嘉位はルームキーを受け取り、フロントで会計を済ませて
嘉位は、豊田の御父さん、お母さんに
「連を卒業後、和井田でお預かりいたします。寂しくはなりますが」
「まずは、今年の夏甲子園!でお会いしましょう」
そう言って、嘉位、香織、千佳は執事の運転でお屋敷へ
連社長、奥様、連、楓、一夜は、豊田の家へ」
途中、一夜を最寄りのホテルで、わかれた
いよいよ、明日は、連の卒業式である。
連社長は、仕事の為、出られないが、奥様は卒業式にとのこと
連は、父と母に
「いままで、ありがとう、まだ、先は長いです。これからの僕と楓を見守ってください」
「明日は、式の途中で、一夜さんと山本の御屋敷に向かいます」
「次は、甲子園を見に来てください!」
「御父さん、御母さん、ありがとうございました」
そう言って、
翌朝を迎えた
卒業式当日
桜は、まだまだ、先である。
少し、風はあるが、温かく、卒業式にはもってこいの日であった。
既に、連は楓につたえてあり、御母さんにも伝えてあった
連は学校に行くなり、職員室に行き、伝えるべきことを伝えた。
卒業式が始まった。
1年生から、送り出す3年生全てが体育館にあつっていた。
通例通りであり、
どこか、飽き飽きしているのが、大半であった。
開会と共に
各祝辞が述べられ
生徒たちは
つまらねー、100年前、以下同文とかでいいんじゃね?
100年前は、ねーだろうに
じゃ10年間同じで、以下同文で
時間むだだよ、この後カラオケとかどう?
ファミレスで、卒業やろうよ!
男女とも、退屈で退屈で、だれも、卒業式に注目等
していない。
来賓の挨拶でさえ、
どこから、声が聞こえて、
それ、昨年と同じなので、それなら、録音を再生しておけば
と、
そして、卒業する三年生に卒業証書授与がはじまり
在校生もあきてしまい
つまらないねー。
かえっていいかしら、
こんなの形式だけでしょ。
バカなんじゃない?
せめて、録画をあとで、自由鑑賞とかに
帰れば?
無駄、無駄
いみないし、先輩?だれ?それ、先輩なんて呼べる人いるの?
ごみごみ
どこを見ても、酷いよね。根暗ばっか、男も女も
ごみ
下級生も、飽きてしまい、さらに卒業生に対する文句も
収集はつかない
酷い、卒業式である
連、卒業証書授与
司会の先生?え?え?そうなの、変わっている、ま、もう、いいかな、皆こんな状態だし
司会の先生
「卒業生代表挨拶、豊田 連」
卒業する3年生、在校生
誰だよ、豊田って
は?俺じゃねーの?挨拶って?
あれ、生徒会長ではないの?
だれ、豊田って?
あ、あの眼鏡?
でっかいよね、黒ぶち顔、見えないし
暗いし、
背ばっかり、でかくて
すごい、陰キャ!オタクって感じ
なんか、あの豊田って、24時間寝ないでゲームやってそう
いや、違うよ、もっと、小学生の女の子の動画とかみてそーじゃない?
なんで、そんなのが、卒業代表挨拶なのよ
ま、こんな卒業式するより
うちら、これから、何する?夜通し、カラオケ?
いいね、いいね、いこうよ!!
在校生はもとより、卒業する3年生も、誰も、卒業代表の挨拶に関心がない。
先生達も、あきらかえっていた。
ざわざわと、私語が飛び交う
連は構わず、あがり、中央へ
連
「卒業生を代表として、この場をおかりして、ご挨拶を」
なにが、この場をだよ
いんきゃ、眼鏡
おまえ、だれだよ
って学校にいたのか?こんなの
えーー、だれだっけ、この人?
しーーーらない
いいんじゃねーー?それより、カラオケ予約するから、何人?
連は、マイクを通さず
連、極大な大な声で
連、生の大声で!!
「刮目せよ!!!!」
一同は、しーーーーんとなり
保護者の方も、なんだろうと、しーーーーんとなった。
空気が氷ついた、そのように、まったくもって
静まり返っていた
連は、後ろを向き、どでかい、黒ぶちの眼鏡をはずし、制服上着を脱ぎ
皆の前に、振り返り
当たり一面を見回す
そして、さらに、前に出て、あたりを見渡す
3年生
え?あれ、あの人
あ、あいつ、えええ?
もしかして、嘘
えええ?、何?
おいおい、あの眼鏡えええええーーー
誰?
女子生徒
ええええええ、もしかして
え?だって眼鏡、陰キャええええええ?
連
「わけあって、武田 連と名乗っていた」
「本名は、豊田 連」
生徒、保護者、先生
えええええええええええええ!!!!!
それは、想定外、というより
えええええ、誰も、誰一人
今ままで、気が付いた人が居ないからだ
連
「卒業生諸君、卒業おめでとう。先生、ご来賓の方、保護者の方々、深く御礼申し上げます」
「在学中、皆さんとお話できなかったことは、事務所との契約があり」
「先ほどのまでの、眼鏡は、度が入っていない、伊達メガネです」
「又、皆さんにご報告していない点」
おい、あれ、って、ボーイズの!
だよな、
日本一の!
連
「中学校、野球部、あるいは、クラブチームに所属の方、おわかりでしょうか?」
「ボーイズリーグ、優勝日本一の投手、それは、わたくしです」
やっぱり、えええ?なんで、あの眼鏡が?
あのくらい、オタク?
なんか、家でフィギュアと会話してそうな、オタクじゃねーーの
バカ、いっていん、じゃねーー、野球しらないからだろう!ボーイズの豊田といえば
そりゃー、もう、このままプロに入れるレベル、プロ注だぞ!
まじかよ
俺なんか、3年間、ボーイズで対戦して、1度もバットに、かすりすらしなかった。
ええええ、あの豊田 連!!
連
「いくつか、隠していて申し訳ありません」
「芸名、武田 連 俳優、芸能活動、ドラマ、CM、歌等」
「一方、クラブチームに所属し、日本一の投手として」
「皆さまと、お友達という、学生生活を送れなかったこと」
「また、隠していたことを、深く、お詫び申し上げます」
「卒業生の皆さま、これから、それぞれの道、高等学校へ進みます」
「僕は、これから、東京の和井田学園に進学致します、そして今年の夏、和井田学園は甲子園に行きます」
和井田!!あの、頭の良い、和井田!!
え?和井田って、そうとう頭が良くないと
いや、豊田は、つねに学年トップから落ちたことないよ
あ、確かに、豊田は、え?
勉強一筋の根暗でなくて、野球で日本一!えええええ?
連
「先日、芸能界を引退致しました」
「皆さま、武田連が芸能界を引退したことは、聞いているかもしれません」
そうよ
そうだよ、武田連、ええええ!!それが、目の前にいる豊田連!
えええ、わたし武田連の大ファン
もちろん、わたしもよ、武田連
連様!!!!
それが、豊田連!!えええええ
連
「引退には、理由があります、先に申した通り、東京の和井田学園に進学する」
「もう一つは」
楓が、袖から、中央に
ええええええええええ!!!!、矢井田 楓!!
綺麗!!
すごい、綺麗!!ええええ!!なんで
どうして、ここに楓さんが!
美人!!
楓さん!
えええ、どうして?
連
「武田連、あらため、本名豊田連」
楓
「皆さま、ご卒業おめでとうございます、先生をはじめ、保護者の方々、ご来賓の皆々様、3年生を繰り出して頂き、ありがとうございます」
連
「矢井田 楓も引退しています。武田連とともに」
「矢井田 楓、 本名 山本 楓」
「私事でございますが、ここで改めて」
「豊田連、山本楓は、今年結納式を行います」
「その為、武田連、矢井田楓は、芸能界を引退しました」
「それだけですと、僕の話になりますので、ここで」
「今だけ、そう、今だけ、武田連、矢井田楓にもどり」
「卒業生をはじめとする、皆々様に感謝を形にしてお伝えいたします」
連は、ピアノに移動し、かるく音をたてて、音を確認し、問題ないと、楓に視線を
楓は、
「それでは、皆さま、お聞きください、武田連、矢井田楓の卒業へ」
楓はマイクをとり
連のピアノからはじまり
楓の歌がみなのまえで、始まった
会場は、楓と連に注目していた
楓のそのすき通る声は、卒業をテーマに、感謝を込めた、誰もが知っている歌であった
楓の歌
卒業への歌が始まった
楓の歌は、卒業生は当然、在校生、父兄、先生、ご来賓の胸にささり
楓は歌による、感情変化に天性の才能があり
卒業生、在校生は泣き出していた。
涙を止めようとするが、止まらないのである
父兄も同じであった
楓は一曲を歌い終えたが、連の伴奏は続き
次に、連が、歌いながらピアノを弾き
楓は、連が歌うその間に、マイクで
「卒業生の皆さま、やり残したことはないですか?」
「伝えたい想い、伝えられず、あきらめていませんか?」
「想いを形にする1つに、そして、直接伝わることに、言葉があります」
「言葉で、伝えられました?」
「言葉で伝える事は、勇気が居る事です」
「しかし、今、伝える事ができなければ、あとで振り返って後悔します」
「これは、恋の話だけではありません」
「御父さん、御母さん、先生、お友達」
「感謝の気持ちを、言葉で伝えてください」
「今なら、間に合います」
「今日なら、間に合います」
「今、この時、卒業式なら、間に合います」
「けして、後悔はしないように」
そう、いうと、今度は楓が歌いはじまり
連はピアノを
そして、錆の部分がもう一度
楓は、マイクを、卒業生、在校生一同に差し出し
モニターには錆の歌詞が映し出され
卒業生、在校生、父兄、先生、ご来賓の方も
歌いだし
そして、なぜか、涙がこぼれていた
楓の歌は、心に響き、聞いている方の感情が動く
そして、また楓が歌い
次の錆でもう一度、会場へ
俺、卒業式バカにしていた
こんな、最高な卒業式、ねーーーよ、泣きながら
わたしも、卒業式になにも期待していなかった
それが、武田連、矢井田香織、登場
それだけじゃない、この歌!!!涙が止まらない
私は、言わなくては、卒業前に分かれた彼氏、別々の高校だから
でも、いや、高校が違うだけで、想いは変わらない、伝えようこの気持ち
俺は、言えなかった、3年間、もう、言わないまま、閉まっておこうと思ったこの気持ち
伝えるんだ、これから、そう、泣きながら、勇気をもらった。
連と楓は、曲が終わり、回りを見渡し、皆が感動していることを、確認し
中央で、深々と頭をさげ
豊田の御母さんも、こんな素晴らしい卒業式は、ありませんと、涙していた
連と楓は、そのまま、体育館から外に出て、
一夜のレンタカーにのりこみ、
山本の御屋敷に向かうのであった
< つづく >