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第一八五話 千佳と、一夜

新たな季節が、和井田学園に訪れる。

春の始業式、新入生の入寮、そして野球部の新体制が始動。

恋の芽生え、すれ違い、そして結ばれるまでの青春模様が、学園の空気を彩る。

一方、野球部は甲子園出場を目指し、練習と試合を重ねていく。

嘉位の迅速な判断と行動力は、医療・経営の両面で仲間を支え、信頼を築いていく。そして大災害へと

春の予感が、やがて夏の約束へと変わる。

仲間との絆、恋の進展、そして甲子園出場という夢が交錯する、青春の熱が詰まった章。








第一八五話 千佳と、一夜


嘉位

「さて、そろそろ、御開きを致しましょうか」

瞳は、手をあげて

「キャプテン、料理長にご挨拶をしたいのですが」

香織、瞳さん、流石です。

「そうですね、瞳さん、厨房に行きましょう」


香織を先頭に、みんなで厨房へ

かずき、なんだ、この迷路、廊下も広いってもんじゃない、ダンジョン?


香織が、扉を開けると

厨房は、落ち着いている様子で、素材の確認作業等をしていた。


料理長が気が付いて

「これは、これは、副社長様、奥様、わざわざお越しくださいまして」


瞳が前に出て、

「本日は、とても美味しいお料理を頂きまして、ありがとうございました」

一同も、深く頭をさげて、ありがとうございました


料理長

「喜んで頂いて、なによりです。副社長様、奥様のお客様です。また、いつでもいらしてください」


瞳は、手をあげて

「料理長、無理は承知で、お願い事があるのですが、宜しいでしょうか」

料理長

「先ほども申した通り、副社長様、奥様のお客様で、ございます。なんなりと、ご用命ください」


「私は今年3年生になり、来年は和井田の大学に進学します。10月の全国コンクールが終わると、ある意味高校生活を終える事になります」

「そこで、差し出がましいお願い毎なのですが、学校生活が終わりましたら、お料理を教えて頂けないでしょうか」

「私は、自分で言うのも恥ずかしいのですが、お米のとぎ方から、洗い方、素材等、まったくの初心者です。」


桜井?え?お米って洗うの?え?そうなの?

「え?お米って洗剤とかで、洗うの?知らなかった・・・。なんせ、わたくしは、箱入り娘、お箸より重いものを」

佐伯は、桜井を遮って

「桜井は、だまっていて」


料理長

「もちろんでございます。わたくしも、その他のスタッフも、自分で言うのもなんですが、この世界において、超一流」

「右に出るものはおりませんと、自負しております。1からお教えいたします」

「楽しみにしております」


瞳は、嬉しくて、嬉しくて

「料理長!ありがとうございます!」


八重

「そうか、三年生になると、もう最後の年ですものね、そう考えると高校生活ってあっという間ですね」

「私も、お母さんに料理を猛特訓で教えてもらっている!由良のためにね」


「八重ちゃんも、なんだ、わたしも、せんのために、がんばります」


一同は、厨房を後にし、玄関へ


嘉位

「明日は、部室に9時集合で、お昼は和井田の寮で、食べよう。16時で解散で」

「その時間にしないと、連が名古屋に戻れないからね」

由良

「了解、キャプテン、じゃ、また、明日な」

おじゃましましたー


香織

「行っちゃいましたね、広間でお茶でも、頂きましょう」


嘉位、香織、楓、連は、広間へ


千佳、一夜をはじめ、メイドさんも、広間に居る。


嘉位と、香織は、緑茶

楓と連は、紅茶が運ばれてきて

席についた


嘉位

「連、あらためて、ありがとうな。僕の変わりに投げられるのは、連しか居なかったから」

「こうせい、まもる、も、良いものを持っているが、あの場は、記録的に残したかったからね」

「連、助かったよ」

「いえ、大役を任命して頂いて、一生の思い出になりました。ありがとうございます」

「お兄様、お姉さまも、もう、お疲れでしょうから、お休みなられては」

香織

「流石に、お夜食という形では、お腹にはいりませんものね、美味しかった。」

千佳

「それでは、お腹が空いた時の為に、お部屋の前に、おにぎり等を置いておきます」

「千佳さん、ありがとう」


スマートフォンのバイブレーションの音が聞こえる


連、あ、俺だ、あ、母さん、え?父さん、これビデオ通話だ

連は、嘉位の顔を見て、嘉位も構わないと

嘉位も、そろそろだろう、と思っていたので


嘉位

「連、ビデオ通話だろう、それ受けたら、一回、移動しよう、センターへ」

連は、ビデオ通話にでて

「あ、ちょっと、まっていて、何かするみたいなので、このまま、切らないで」


「え?センターって、あそこですか、あそこは、お母さまとお兄様以外は、入れないのでは?」

香織。え?そうなの?

「楓ちゃんも、入れないのですか?」

「ええ、入れません。あそこが、山本財閥のコアと言っても、過言ではないので」

「入室出来るのは、お母さま、お兄様のみ。お父様ですら、入れません、もちろん、楓も、です」

香織え?わたし、わたし?普通にえ??


嘉位

「では、行きましょう、千佳さん、一夜さんも来てください」

千佳え?電源を入れておくと命じられることはあっても、来てくださいとは?

一夜、あそこは立ち入り禁止なのでは?


嘉位

「楓も、連も一緒に、そして、そのビデオ通話を、切り替えますので」


一同は、中央センターへ


「うわ、すごい!こんなに、なっているの、初めてみた、映画の指令室みたい!」

「なんだ、ここ、ロケ現場ですら、こんな機材見たことが無い!」

嘉位

「連、スマートフォン借りていいかな、繋ぎ変える」

一夜

「うわー、初めて、入りました。6年目で初めて」


香織、え?忍者でも入れないの?こうー、すーーーと、そーーーと


嘉位は、モニターを繋ぎ変え、音声も、マイク切り替えをし、全員が映るように設定した

嘉位

「連、大丈夫だよ、席について、はじめよう、むこうからは、こちらの席全体が見えているから」

連、うわ、凄い!

「あ、おまたせ、父さん、母さん」

豊田のお母さん

「あら、丁度よかったですわ、皆さんいらして、こちらの声は聞こえますか?」

「はい、お母さま、聞こえております」

豊田のお母さま

「あら、楓ちゃん、では、おとうさんが、伝えたいと、ほら、あなた」

豊田のお父様は、驚いていた。それも、そうである

「副社長様、改めて、本日の誠にありがとうございました。」


「そのうえで、まず、息子、連に報告を」

「連、今日付けで、株式会社 連 の 代表取締役社長に就任した。」

「単身赴任も、これで終わる。」

「連、楓さん、今週末はお食事会に、致しましょう」

「まさか、このような事になるとは、夢にも思っていなかった」

「福岡支店長から、最後は九州全体統括位までは、出世の限界だと思っていたが」

「副社長様の、御計らい、お父様、豊田会長からのご指名を受け」

「月曜日午後に、記者会見を行う」

「父さん、おめでとうございます」

「お父様、おめでとうございます、お母さま、おめでとうございます」

豊田のお母さまも、涙をこぼして

「楓さん、ありがとう、わたしも、このような日が来るとは、思ってもいませんでした」

「楓さんが、来てくれて、連を選んでくれたからこそ、成しえたことなのです」

「もっとも、山本財閥の嘉位様、お父様である豊田会長が道を示してくれたのです」

「しかし、楓ちゃんがね、連を選ばなかったら、この話は無かったのです」

「本当に、ありがとう、楓ちゃん」

「そして、副社長様、ありがとうございます」


嘉位

「ご報告ありがとうございます。既に、僕から報告はしておりますが」

「お父様、お母さまから、直接お話くださることにより、連、楓も重みを一層感じて居る事でしょう」

「すこし、社長とお仕事のお話を、この場で宜しいでしょうか」

豊田のお父さん

「はい、副社長様」

嘉位

「会見を月曜日、午後ということは、役員きまり、手続きも終わった事を意味します、月曜日の朝刊やテレビのニュースは速報で伝えるでしょう」

「そこで、僕が口を出す事ではないのですが、少し、知りたい事がありまして、役員編成、山本財閥、グループ会社から誰が抜擢されましたか」

「わたしは、社長、副社長両名にお任せしております。」

豊田のお父様

「ありがとうございます。まず、山本財閥からです」

「専務取締役に、ゼネコンの取締役」

「そして、取締役なのですが、2名」

「31歳 男性、セミコンの技術部門の係長の方、お二人が、任命され、山本財閥からは副社長を含め4名です」

嘉位、流石、見る目あるな、セミコンの副社長


千佳、一夜は、ここに呼ばれた意味が、今、やっとわかった。


嘉位

「ありがとうございます。そこが知りたかったのです」

「素晴らしい!皆さまからしたら、というか日本の企業の常識からみると」

「異常に思われるかもしれません」

「長い歴史のある大企業であれば、猶更です」

連社長豊田:

「副社長様は、お知り合いなのでございましょうか、31歳、2名の取締役になられた方」

嘉位

「昨年末、1度だけ、短い時間ですが、両名と話す機会がありまして、山本財閥の年に1度の感謝祭というか、その類のパーティーが年末にございます」

「4年に1度は、大感謝祭として、盛大に行われます。もちろん、豊田のお父様、お母さまも、今年はもちろん、お待ちしております。昨年は豊田会長も来て頂きまして、今年も来て頂けるとの事」

「話を戻して、その若い両名、31歳」

「相当の頭の回転が速い。判断力、決断力、分析力、想像力、そしてなにより、統率力がある。」

「スタンフォード大学を出て、その後MBAを、そして日本の半導体を復活させる事で、セミコンに入社」

「入社当初から頭角を現した逸材」

「おまけに、イケメンです」

「連社長、従業員が刺激を受ける事は、間違いなく、そして、株式会社 連 において さらに頭角をあらわすでしょう!太鼓判です」


香織、うわ、お兄さん版の嘉位や由良君みたいだ。

楓、すごい、学歴だ

千佳、一夜、うん、凄い。


連社長豊田:

「副社長様、履歴は見ました。副社長様がおっしゃられるのであれば、間違いありません、頼もしい限りです。」

「その他ですが」

嘉位

「連社長、その他はお任せしています、いや、全てお任せしていたのですが、どうしても、2名が気になって居まして」

連社長:

「かしこまりました」


嘉位

「一番、気にしているのは、実は、僕では無いのです、連社長!」

連社長

「?おっしゃっている意味が」


嘉位

「こちらの話ですから、このまま、聞いてくださいね、これを待ち望んでいたのは」


嘉位

「千佳さん、一夜さん」

「連社長、こちらのお二人の女性、美しいですよね」


楓、え?どういうこと

香織、え?何の話?


連社長

「はい、美しく、清楚でございます」


嘉位

「先の、31歳の取締役 2名、 こちらの、女性、2名が、嫁ぎます」


千佳は顔が真っ赤になり

一夜も顔が真っ赤になり


嘉位

「ね、千佳さん、一夜さん」


千佳、あ、それで、ここに呼んで頂いたのですね、ありがとうございます。

「はい、副社長様、ありがとうございます。そして取締役に抜擢頂き、ありがとうございます」


一夜、そういうことですね、初めての入出許可は、伝えたい事が、副社長様からあったからですね

「はい、副社長様、感謝しております。取締役にして頂いて」


嘉位

「千佳さん、一夜さん、お二人なら、彼らを選ぶと思っていました。おめでとう、千佳さん、一夜さん」


香織、え?どういう事?

楓、えええ?知らない、知らない、知らないよ


嘉位

「千佳さん、一夜さん、香織と楓が、混乱しているから、話してあげてください」


千佳、目頭があつくなりながら、

千佳

「奥様、お嬢様、昨年の大感謝祭にて、沢山の殿方から、私は先程ご紹介頂いた、彼の元に嫁ぎます」

一夜

「奥様、お嬢様、わたくしも、同じで、感謝祭にて、先ほどの方に心を決めて、嫁ぐことになります」


楓、え?え?

香織、え、嫁ぐ?


香織

「嫁ぐということは、このお屋敷から居なくなってしまうの?千佳さんも、一夜さんも」

「え、それは嫌です、嫌です」

香織は、泣きながら

「だって、千佳さんが、居なかったら」

「昨年、私と嘉位が引き離された時、千佳さんが、千佳さんが、嘉位の想いを繋いでくれて」

「それも、お屋敷のルールに反して、それでも、私と、嘉位を繋いでくれたのは」

「千佳さん、千佳さんが居なかったら、私と嘉位は、結ばれなかったのかもしれないのです」

「千佳さんが、信じてくださいと、言ってくれたから、私も、嘉位をずっと信じて」


千佳

「奥様、副社長様のお気持ちを、伝言として、奥様にお伝えしたのです。」

「奥様は、何も心配することは、ございません」

「一夜を含む、5名はそれぞれ、嫁ぐ事になります」

「お屋敷の命もあり、外に嫁ぐ場合は、お屋敷に戻ることは、ありません」


香織

「え、それって、もう、会えないということ、千佳さんと、一夜さんとも」

香織は、泣きながら

「それは、嫌、嫌です。わたしは、千佳さんが居ないと、千佳さんが、側に居てくれないと」


千佳も、涙がこぼれて、信頼してくださったことに、

「奥様、もう、大丈夫です、副社長様が、ずっと一緒にいてくださいます」

「嫁ぐと言っても、わたしが選んだ男性で、素晴らしいお方です」


香織、確かに、千佳さんだって、幸せにならなくては、

「はい、でも、急すぎて、いつからなのですか」

千佳

「年末の感謝祭でご返答をする事になっております。そして年が明けた4月に新しい、お勤めをする方5名が来ます。」

「1か月引き続きを行い、お休みの前には、お屋敷から出立することになります」


千佳は、少し、呼吸を整え、間を置いてから


「ただ、わたくしも、1つ我がままを、進言したく」

「副社長様、通例では、来年のゴールデンウィーク前には、出なくてはいけません」

「もし、許されるのであれば、8月末まで、お勤めさせて頂けないでしょうか」

「この事は、希望として、先方にも伝えてあり、それが条件で僕を選んでくれるのであれば、待ちますと、言ってくださいました」

「わたくし、副社長様の、3連覇を見届けてからと」


香織は、それを聞いて、また、泣き出してしまった。

香織そうだ、千佳さん、ずっと嘉位の側で見てきたのだから、千佳さんも、千佳さんも、同じなの。そう、千佳さんも


嘉位

「先方がその条件で、良いのであれば、僕は構いません」


千佳!え?本当に?嬉しい、わがままを言ってしまった、でも、言いたかった、言えなかった事を、言えた、それだけで十分すぎるのに

お許しを得た。

「ありがとうございます」

そういうと、千佳は泣いてしまった。


一夜も、千佳と同じような条件を出していたので

一夜

「副社長様、わたくしも、千佳と同じでございます。彼も条件を承諾し、決めました。8月末まで、お願いできますか」


嘉位

「もちろん、これは僕が決める事ではなく、当人同士ですから、大丈夫です」


楓は、お屋敷の決まりは十分しっており、お仕えになられる方は、教養はもちろん、純真無垢、純潔でなくてはならない。

楓は、そのうえで、良かった!うれしい、いつかはこの日が来るのは、もちろんわかっていた

楓は、それでも小学校の高学年から、今に居たり、私の側には一夜が居て、お姉さんで、なんでも話せる、お姉さん、一夜は幸せになってほしいと同時に、和井田の野球部の夢を見届けて欲しいと


「一夜さん、良かったですね。わたしはいつか、もうそろそろ、この時が来ると覚悟していました」

「今年だと思っていたので、来年の8月末まで、御一緒出来ます。一夜さんは、わたしの、良き理解者で、信頼できるお姉さまでした」

「来年の夏の終わりまで、宜しくお願い致します」


嘉位

「連社長、お待たせしました、このようなわけですから、彼ら2名の伴侶は、こちらに居る、千佳さん、一夜さんになります」

「式には、仲人をお願いするかもしれませんね」


連社長

「それは、おめでたい!素晴らしい取締役2名に、素晴らしいお嫁さん。なによりです。嬉しくなります」

豊田のお母さま

「一夜さんとは、最近ずっとご一緒していました。素晴らし礼儀正しく、清楚で、良かったですね。一夜さん」


一夜

「はい、豊田のお母さま」


連社長

「それでは、失礼いたします。副社長様、奥様」


ビデオ通話は終わった。


香織は、千佳に飛び込んで、千佳に抱き着いていた

香織は千佳を抱きしめ、

千佳も香織を抱きしめて


香織は、涙がこぼれて


「千佳さん、千佳さん、困らせてしまい、ごめんさない」

「千佳さんが居たから、私と嘉位はつなぎ留められました」

「ありがとう、千佳さん!」


千佳も涙がこぼれた

千佳

「残り、来年の夏が終わるまで、精一杯お勤め致します」


香織

「はい!」



嘉位

「それでは、それぞれ、部屋に戻ろう。明日は9時部室だから、8時過ぎには出よう」



それぞれが部屋に


香織は、じーーーと、嘉位を見つめ


嘉位、あれ?・・・なにか、僕間違った事を言ったのかな?あれ?


香織は、さらに、じーーーーと、嘉位を見つめてから


「嘉位は、いつから、知っていたのですか、千佳さんがお嫁さんに行かれることを」


嘉位、あ、千佳さんの話か、なにか別の事で、なにかあったのかと


「どうだろう、あれ、以前、話したよね?」

「ほら、千佳さんもそろそろでしょう」

「食事の時?だったかな」


香織、あ!あった、そのような時


香織

「ありました!!ありました!!千佳さんが、顔が真っ赤になったとき!」

「あの時、あれ?なんで、私は問い詰めなかったのだろう?」

「あれ?思い出せないや」

「でも、そうなると、先月位ですね」


嘉位

「うん、そうなるね。香織も、年末、千佳さんと、一夜さんの旦那さんになる方と、お会いできるから」

「素晴らしい男性です」

香織

「嘉位が言うのであれば、間違いないでしょうね」

「ちなみに、知識として、知りたいのですが、聞いても良いでしょうか?」

「お屋敷にお勤めになられている方々の、給金についてです」

嘉位

「そうだね、話して居なかったね、お屋敷にお勤めなれて、昼夜、寝泊まりをしながら、働いている方は」

「財閥と複数年契約になります。つまり、言い換えると、個人事業主と言えば、わかりやすいですかね」

「1年1億円固定で、料理長も、厨房スタッフ、警備、運転手、執事、あと、メイドさん、それぞれ、と契約になります」

「日中の交代の方も、契約になり、こちらは、1年2000万円固定契約です。」

香織

「うわ、凄いです!」

嘉位

「うん、契約を取るには、至難の業と聞きますね。狭き門とのこと」

香織

「皆さん、凄く働いてくれるので、正直、いらぬ心配をしていました。それは、1年に1億円も頂いているのであれば、それに見合う事を、納得です」


二人は、パジャマに着替えて、


ベッドに入り、

嘉位、よーーーし、がんばるぞーー!と、香織を見ると

香織は、既に、寝ていた


香織の寝息が、すーーー、すーーーー と 聞こえるだけであった。


嘉位、うわ、本当にねちゃっている。ま、香織も疲れたよね、そして、泣き疲れもあるし

今日は、寝かせてあげよう。おやすみ、香織




朝が来て、

香織は目を覚まし!!あ、寝てしまった。ああああ、もうーー、したかったのに、寝てしまった

嘉位も起きて、香織、おはよう と

二人は、和井田の野球部のジャージに着替えて

広間へ

既に、楓と連も着替えて座っていた


嘉位

「おはよう、連、今日新幹線何時?」

「17時東京発です。ですので、16時ですと、厳しいのが正直です」

嘉位

「そうだね、15時で、長引くようなら、楓と連は、先にあがろうね」

「お兄様、ありがとう」

「一夜さん、お屋敷まで帰ってきますので、それで着替えてから、東京駅にお願いします」

「和井田学園、工事でしょうか沢山トラックとか、車両が停まっていて、うちのお車ですと、今日は入れなそうなので」


一夜

「かしこまりました」


4人は、和井田の駅について

佐伯、桜井、八重、由良と合流した


由良

「1度部室にいくのは、ボールとかを運ぶで、良いのかな?」

嘉位

「うん、そうなるね」

「監督、コーチは居ないはずだから」

「男子は、力仕事になるね、往復することになる」

「女子は、既に練習場に納品されているものを、各棚へと」


それでは、部室へ


部室には、せんさん、かずきが居た。

瞳さんは、今日は吹奏楽部である。


そして、墨田トレーナーが居た。


由良

「おはようございます、墨田さん、どうしたのですか?」

墨田トレーナー

「昨日朝、車で来て、ここに置いていったのだ。懇談会は顔だけと思っていたら」

「盛り上がっちゃって、飲んじゃったから、電車で帰れば良いやと」

「それで、懇談会が終わったら、即電車で帰る予定が、理事長をはじめ、監督、コーチ陣、学長も、2次会へ」

「2次会で終わるかと思ったら」

「飲み過ぎて、2軒、3軒、4軒といったら、終電がなくなってしまい」

「結果的に、止めてあった車で、寝たよ。」

「8時から外が騒がしくて、目覚めた」

「腹減ったな。」

せんさん

「学園の認証カードは持っています?」

墨田トレーナー

「これの事か?」

せんさん

「そう、それです、それを寮の食堂にかざせば、朝ごはん食べられますよ。お酒はないですが」

「墨田さん、案内します」

由良

「せんさん、お願いします」

「では、男性陣は、このボールのダンボールを、練習場に運ぶぞ」

「もっとも、4箱しかないから、他のボール等は、練習場にあったからね」

「一人、一箱で、1回で済みそうだ」

かずき

「よし、了解」

佐伯

「うちらは、雑巾とか持っていったほうが、良さそうね」

「バケツとか」

「ゴミ袋も」

「うわ、レイ、マネージャーっぽい!」

香織

「この間かった、三角巾や、エプロンもつけようね、軍手もあった方がいいのかな?」

桜井

「この間、選んだ、ピンクの軍手なら、練習場にあったはず」

かずき

「ピンクの軍手って」

桜井

「普通のも、とりあえず、オーダーは入れてある」

由良

「よし、ではいこう!せんさんは、墨田さんをよろしく」


一同は、練習場へ向かった



練習場につくと、

嘉位と香織は、石碑等を見ていた


由良

「俺らでやっておくから、嘉位と香織さんは、じっくり、見てきて」

香織

「由良君、ありがとう」


嘉位は、全体を見渡してから、中に入り、ダンボールを置いて、

嘉位と香織は、移動した



かずきが、ダンボールから、取り出し

それぞれの棚に、


女性陣も、女性用のものなどを箱から取り出し

次に、ロッカーへ

八重

「いいよね、このロッカー、おしゃれで、普通はほらグレーのスチールじゃない?ロッカーって」

「これ、木で木目よ、凄い、おしゃれ、開くと姿見は大きいし」

「ロッカーに、それぞれの名札をつけましょう」

皆、名札をつけて


佐伯、ここが、戸倉君と名札をつけて

佐伯は、戸倉のロッカーに軽い、キスをした


桜井

「ロッカーに、ちゅーーを、しても、しょうがなくない?」


佐伯

「いいの!」


連は野球道具を、整理し、小物も整理し、終えた

連もロッカーへ入り


あらためて、広いロッカーだと。


佐伯

「連君は、終わり?キャプテンとかお は?」

「さー、見て居ません」

由良とせんさん、かずきも、終わって、ロッカーに来た


桜井

「副キャプテン、かお と、キャプテンが居ないのだけど」

由良

「おそらく、グラウンドでしょう。次に、放送設備、そこで、最後だから」

「思ったより早いね。午前中で終わるね」

「うん、終わるね、もともと、新品で、殆ど整理されているから」


一同は放送室へ

八重

「うわ、カーテン電動だ、これ、何処に電源があるの?」

かずき

「1つ押せば、全て、連動しています。マニュアルに書いてありましたよ、そのボタンです」

八重がボタンを押すと、ありと、あらゆるシステムが稼働し、モニターも映り、マイクも操作できるようであった

せんさん

「マイクテストしてみます?」



一方

嘉位と香織は、グラウンドを見渡していた


ホームベースの後ろまで移動し

全体を見渡す。


香織

「投げたかったですよね?」

嘉位

「気持ちは、投げたから、連もそれを受け取って、投げてくれたから、良かったよ」


香織は、嘉位によりかかり


そして、香織は、嘉位にキスをした、

それは、長い、長い、キスを


スピーカーから

八重の声

「ほら、そこ!グラウンドで、キスするんじゃない!」

「って、まいいか、キャプテンのグラウンドだし」

一同の笑い声も、スピーカーで響いていて


香織は、恥ずかしいと思い、

嘉位と、香織も、戻ることにした



一同は、外に出て

かずき

「キャプテン、お昼の時間です、それと、整理整頓、全て終わりました」

由良

「では、寮の食堂で、お昼食べて、解散としますかね」


一同は、いったん、和井田の学校にもどり、

かずきの案内で、墨田コーチも一緒に、寮の食堂へ


それぞれが、選び、食べ終えて、

いったん外へ、出て、歩いている時に


数名の部活動の女性が、慌ただしく、走っていた


八重、八重ーーー、大変なのーーーー

と近寄ってきて。息を切らしていた。

「八重、倒れちゃって」

嘉位と、由良は即、走り出した

佐伯

「どこで、倒れたの?」


第一

八重

「わかった、行く」

八重は大きな声で、

「由良ーーー第一体育館!」


由良は手をあげて、


すぐに、嘉位と由良はついた


嘉位、由良はすぐに状況を理解し


嘉位

「持田さん、倒れてから、この方、どれくらい?」

持田

「3分位、まだ、すぐよ、倒れて」

嘉位

「ちょっと、この方、触ってよいかな」

持田

「はい、お願いします」


嘉位、熱は無い。呼吸が浅く、繰り返し、早い


その時に、野球部一同もついて、あわてて、走ってきた


嘉位は、女性の足を広げて、持ち上げ、戻す


嘉位は顔を近づけて、手首をとりながら

呼吸もあるが、浅く、繰り返し早い、脈も速い


嘉位

「話せますよね、無理に話さず、こちらの質問に、頷いてください」

「熱は、平熱です。今呼吸が浅く、脈が速い、足もつっているわけでも、脱水でもない」

「肩や背中が重く感じるのは、左ですか?」

女バスは、頷かず

「肩や背中が重く感じるは、右ですか?」

女バスは、頷く

「ここ、1、2週間、肩が重い感じが、右だけにありましたか?」

女バスは、頷く

「ここ、1,2週間、肩あたりに、ぷくぷくと、何か浮き上がってきたような事はありましたか?」

女バスは、頷く

嘉位

「持田さん、すこし、胸に顔をあてますが、良いですね」

女バスは、頷く

持田

「はい、お願いします」

嘉位は、女性の右胸に耳を当てて

手を出すと、墨田コーチが、聴診器を渡してくれた

嘉位

「Right upper lobe 自然気胸です」

「まず、突然で驚いたと思います」

「息を深くすうと、空咳がでますので、」

「息を浅く、し、吸ったり、入ったりも、浅くでよいです」

「自然気胸と言いまして、身長の高い、やせ型の人に起きやすいものです」

「上部の胸膜が薄く、そこから気泡的に、空気が漏れます」

「たいていの場合は、2,3週間安静にしていれば、元に戻ります」

「この症状は、初めてですか?」

女バスは、頷く

嘉位

「そのまま、浅く、ゆっくり、息を吸って、履いてを、浅くです」

「少し、落ち着いてきませんか?そのまま続けてください。決して、大きく息を吸い込まないように、空咳が出て」

「酸素濃度が下がるので」

女バスは、頷く

女バス

「突然で、怖かったですが、今の呼吸で落ち着きました」

嘉位

「墨田コーチ、サチュレーション ありますか?」

墨田

「もちろんだ、これ」

嘉位は、指にとりつけ

「落ち着いて、大丈夫ですからね、こちらに居るのは元オリンピック代表帯同医師 名医です」

女バスは、頷き

嘉位は数値を確認し、96


嘉位

「墨田コーチ、念のため、レントゲンを、病院はすぐそこにあるので」

墨田

「車で行こう、嘉位、由良、運んでくれ」

墨田

「俺は車をもってくる」

嘉位

「大丈夫だからね、怖かったでしょう」

「もう、大丈夫、ただし、2,3週間は運動禁止で、安静にしている事になるけれど」

「まず、それで治るので、これから、レントゲンを撮りに行くね」

「僕と由良で、抱き上げるけれど、良いですか?」

女バスは、頷き

嘉位と、由良は、左右に肩を入れて、ゆっくりもちあげ、太ももを抑え

人型タンカーをつくり、女バスを体育館の外へ、持田も一緒に

墨田コーチの車がきたので、

席を倒して、女バスの女性と、持田は車にのり、

墨田コーチの運転で、直ぐ近くの病院へ車は出て行った。



女バスメンバーは、

ふーーーーと、その場に、座り込み


女バス:

「わたしらじゃ、パニックになっちゃって、何をどうしてよいのか、わからずに」

「とにかく人を呼ばないと、慌てちゃって」

「本当に助かりました、野球部、キャプテン、副キャプテンは何でもできるのですね」


香織も、八重も、連でさえ、嘉位の行動に驚いていた。

香織

「どうして、わかったの?」

嘉位

「え?わかる?あ、僕が対応したけれど、由良も出来るよ」

「ほぼ、全ての、医学書暗記しているし」


「いや、暗記だけでは、わからない事では?症状の対応方法は、暗記したことの実践、それでも、神のような対応ですが」

嘉位

「うん、海外で、同じような事は、経験しているし、僕はこれで、6回目くらいかな」

由良

「俺は、2回目だな、遠征がね」


せんさん

「あ、それで、墨田コーチが手を出さずに、キャプテンと、副キャプテンに任せたのですね」


一同

「凄い!!!」


嘉位

「とりあえず、みんな、心配しないで、練習を続けてね、病院から帰ってくるのは、1,2時間後だからね」

「あの子は、医者が良いというまでは、運動は禁止ね。普段の生活は大丈夫だけど、走ったりしても、ダメ」


女バス

「わかりました、ありがとうございました」

と、深く頭をさげた


由良

「それでは、僕らもかえるか」



佐伯、桜井

今、ものすごい事したのに、なんで、こうも、あっさりと


とんでもない行動を起こしたのに、どうして、平然としていられるの


八重、由良、かっこいいな、なんで、さらっと、なんでもやってしまうのだろう


普通に考えても、出来ない事なのに、なんだろう、本当に世界を制したこのお二人は



かずき

医療知識のある僕でさえ、一歩ふみだせなかったのに


せんさん

平然とこなしてしまうところが、


香織

嘉位はすごい、かっこいい、さらっと、なんでもしてしまう、それも、何事もなかったように




一同は体育館の外に出て、



振り返って


嘉位と由良を見て


一同

「ええええええええええええ?、どうして、そんなに、平然としているのーーー!!!」


と驚いて



笑っては、いけないのに


嘉位と、由良が、あまりにも、ごく普通にしているものだから




みんなで、不思議に、大笑いして!そして、


この二人であれば、

なんでも、出来る、安心であると


確信した



< つづく >


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