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第一八三話 和井田野球部 グラウンド完成


話は戻り、同日の和井田野球部グラウンドの引き渡しの日である。

楓と連は5時に起きて、和井田の野球部のジャージに着替え、軽食をすませた。

楓は、今日は、お兄様、かおの、あまり、物音をたててはいけないと、思い

「連、静かに、行きましょう。このまま」


玄関には一夜が二人を見送ってくれた。


楓と連は、手を繋ぎながら、

「楓、だんだん、朝日が昇るわけではないか、空が明るくなるのが、早くなったね」

「うん!、今日も暖かいし、良い日ですわ」

「そういえば、連、荷物の整理は進んでいるの?」

「こっちに、来ちゃったから、心配で」

「大丈夫、もう、いつでも行けるように、準備万端」

「あとは、もう、郵送するだけだから」

「量があるので、宅配便屋さんに引き取りに来てもらわないと、行けないけれど」

「え?そんなに!、撮影衣装とかも持ってきたり?」

「うん、箱に入れたよ」

「うわ、それ、梱包するの大変だったわね」

「母さんも手伝ってくれたからね。そうそう、なんか、母さんが言うにはね」

「父さん、転勤から戻ってくるんだって」

「母さん、連が、楓さんのお家にいくなら、そのまま、そちらで、過ごして、卒業式だけもどってくれば!」

「だってさ!、母さん、まだ、僕ね、時間は短縮されても、学校は、卒業式まであるのだよ、と伝えたら」

「母さん、え!そうなの、あらやだ、もう、春休みなのかと思って居ました。」

「日曜日には、戻ってくるのかしら?連」

「うん。戻ります。僕が出発するのは、卒業式を終えたその日になりますね」

「来週末は、楓も来ますし、と話したよ」

「あ、そういえば、何か言っていたような、お父様の事、あれ、寝ぼけているせいか、思い出せない、思い出したら、言うね」

「そう、そしたらね、母さんが、それでしたら、良かったわ。お父さん、もう一度、楓さんと連が一緒にいるところが見れるのね」

「そのような事を言ってたよ、来週末は、どこかでみんなでお食事会をするらしいよ」

「詳しくは聞いて居ないから、来週に連絡するね」

「うん!ありがとう!」


そんな話をしながら、駅でみんなと合流した


皆、和井田の野球部のジャージを着ている。

八重

「おはよーう!皆、朝早く偉い、偉い」

「わたしは、前、女バスだったから、もっと早かったけれどね」

「って、楓ちゃん、佐伯、桜井、眠そうね」


佐伯、眠い、昨夜、もう1度恋愛シュミレーションゲーム、別のをやったのが、いけなかった。結局全部クリアーしちゃったし

「おはよう、部活ってこんなに、朝早いのー?」

桜井

「おはようー、目覚まし10個目で、何とか起きれましたわ」

「1つは、ぶん投げて、壊れちゃいましたが」

「うわ、わかるは、目覚まし、アラームって本当に、挑戦的ですわよね?」

由良

「野球部は平日の朝練は、無いのは、知っていますね?」

桜井!ラッキー、毎日1個ずつ、目覚まし壊れたら、10日で目覚まし時計が消えるところだった。

「平日は朝、部活ないのですね、残念!準備万端でしたのに」

楓、野球部規約を再構築して、みんなで確認しただろうに、

「シュンは、部室の掃除があるから、毎日、朝はやいですわよ」

桜井

「え?まじ?わたしだけなの?じゃー、レイもいっしょ!」

佐伯

「うわ、話を振るな、と言いたいが、当然わたしも、朝練、え?ない?掃除?」

八重

「二人とも、野球部の規約見て居ないでしょう。平日の朝練は無いよ、それと、雨が降ったら、お休み」

「キャプテンが言っていたでしょう、勉強あっての、部活動であると」

佐伯

「あ!そうだ、みんなで、見直したやつだね、恋愛はなるべく、禁止 とか書いたら」

「キャプテン、副キャプテン、せんさんに、大笑いされて、二重線で消してくれたやつだ!」

由良

「そう、その通り」

「ただ、そうは言っても、土日祝日の朝練はあります。また、長期ロードは、朝もっと早いよ」

「直近だと、ゴールデンウィークの東北遠征、泊がけね」


門をくぐると、沢山のトラック等が、停まっていた。

桜井

「学校なにか、やるのかね?」

丁度そこに、せんさん、かずき、瞳さんも和井田の野球部のジャージで、来た。

いったん、部室にいくことにした


瞳さん

「朝、騒がしいと思ったら、すごい車両の数」

かずき

「うん、僕も車の音で起きたようなものです」

せんさん

「確かに、ものすごい音で、沢山きたよね」


そんな話をしながら、部室に到着


由良

「では、先にタブレットに回した通りのスケジュールで、進めるからね」

「まず、男子は硬式ユニフォームに着替える」

「次に、俺はミット、連はグローブ、そして投球ボールを」

「キャップは全員和井田の応援用のキャップね。男子も和井田の応援用のキャップ、公式戦用ではないからね」

「スパイクは不要、男女ともに、トレシューにここで、履き替える」

佐伯は、手をあげて

「副キャプテン、始球式でしょ!バットは要らないのですか?」

由良

「うん、要らない。式典だからね。一般の試合前の始球式と違って、打席に立たないか、なので、バットは不要」

桜井、え?バットもたないのだ、ほら、始球式って、わざと、ぐるーーーんと、ふるじゃない?聞いてみよう

「服キャプテン、セレモニー?始球式にはなんで、バットもたないの?」

由良

「明確な決まりはないのですが、2つかな」

「1つは、式典の始球式はその後ろに、御来賓が立って居る点で、危ないから」

「もちろん、打者は普通うたないわけだけれど、わかりやすくいうと、始球式って、わざと空振りしますよね?」

桜井

「うん、するする、テレビとかで見ると、しているよ!」

由良

「万が一、バットにかすりでも、したら、御来賓に直撃する可能性があるから、バットは持たない、打席には立たない」

桜井

「なるほど。もう1つは?」

由良

「もう1つは、まー、なんだろうね、どうして、そうなったのかまでは、調べたことは無いけれど」

「式典では、土地のお守り様が、お怒りになり、呪いが、祟りがとか、不幸や、打てなくなる、という、ま、そのような、どこで、どうあったのか、わからない」

「言い伝えもあるからだね」

桜井、うわ、怖い。

瞳、へー、面白いわね。調べてみよう。


由良

「それでは準備を、準備を終えたら、応援硬式用帽子をかぶって、出発」

「では、まず、男子は、着替え!」

「俺、せんさん、かずき、連は、ユニフォームに着替える。公式戦用で、背番号は無で」


佐伯

「え?ここで、着替えるの?」

かずき

「ここ以外ないからね」

佐伯、へーー、へーーー、どーぞ、どーぞ、確認できるかもしれないし!

せんさん

「着替えるって、下着になるわけでは、ないですよ?」

「皆、アンダーシャツも、下は、下着の上に、スラパンもつけていますから」

佐伯

「なーーんだ、」

「え?全裸になるとでも、思っていたの?」

桜井

「いやだな、マスター、そんなこと、思っても、居るはずないじゃない」

桜井、う、うう、確認したかったのに

「もう、マスターったら、ねー、シュン」

佐伯、そうなのか、うーん、確認したかったのに

「も、もちろんよ」

瞳、おしいーー!確認できたのに


「由良さん、着替え終わりました、みんなも終わったみたいです」

せんさん

「次は、ボール、1個あれば良いか、このダンボールがボールですね」

かずきは、ダンボールを開けて、そこには、ダース毎に山積みになった、新品のボールの箱があった。

せんさんは、箱からボールを1つ取り出して

「これで、良いかな?1個で」


連は、いや、そうではない。

「せんさん、すいません、今初めて、開けた、和井田第一号のボールは、そのまま、キャプテンに、お願いします」


由良

「連良い事、言うね!そうだな、嘉位も、今頑張っているだろうから、ありがとう、連!」

せんさん

「ありがとう、連君、気が付かなかったよ。では、これは、キャプテンに。そして、もう1つ。このボールで良いかい?連君?」

「はい!」

せんさんは、1番はじめに取り出したボール、そこにはゴシック体で和井田学園と印字されている。ボールを見つめ、袋に入れ2つ目に取り出したボールを、連にトスした。


八重

「それでは、グラウンドへ向かうわよーー!」


おおおーーーーーーー!




一同が、グラウンドに到着すると、もうすでに、沢山の車が停まっていた。

皆、運転手付きである。さらに、警備の方も居て

警備の方に、案内された。


既に、テープカット用に準備されており、

移動指示番号等は、貼りだされており


由良

「あ、ほぼ、やることないわ、事前準備」

「え?」

「この準備をやる予定だったわ」

由良

「おそらく、嘉位の計らいだろうね、嘉位自身が来るのであれば、もちろん、嘉位自身が行いたかったはず」

「みんなに、迷惑をかけないように、手配していたのだろう」

「もちろん、俺に任せる事も、出来る事は承知の上で、何か、嘉位自身もしておきたかったのだろな」

「嘉位、投げたかったからな」


由良

「連、大役だな」

「はい、こけらおとし、なんて、一生に一度であっても、チャンスなんてないのですから」

「かいさんの分まで、かいさんの想いを背負って、努めます」


「連、ありがとう」


そのような話をしていると、理事長や、監督、コーチ達もやってきた。


時間になり、

まずは、外から始まり


理事長、監督、由良、八重、ゼネコン社長、施工会社取締役、都庁の方が

テープカットの前に並び


記念撮影が行われた。


外での、テープカットを終え、

次に、石碑の布が二つ、外された


石碑の1つは、山本財閥、寄贈 と書いてある

もう1つの石碑は、石板だけであった。


桜井

「あの石、何も書いてないよ?あれ、間違い?」

「今まで、上位記録が無かったからですわね。春、夏、秋、優勝とか準優勝とか」

八重

「うん、初戦敗退って書けるのは、全国大会位よね、それも敗退とは書かず、全国大会1回戦 みたいにね」

佐伯

「へーそうなのだ。」

由良

「その他は、名記録等も刻む所もあるよね。大会史上最多ホームランとか、選手の名前入りでね」

「吹奏楽部は、石碑はないわね。トロフィー、賞状等や、記念品は飾れない程あるけれど、運動部はこういう見える形で、残るから良いですね」

せんさん

「まずは、今年の夏!決めて、僕らが第一号へ!」


一同!おおおおおおおおおおおーーーー!


監督、しー、しー、ほら、中に入るぞ


一同は中に入ると、ついに、出来たのだ


和井田の野球部の練習場が、スタジアムが。


目の前のグラウンドには、それぞれが、思い描く、それぞれの意中の選手の活躍する姿が

見えていた。



グラウンドの手前にも、テープカットがあり

これから、式典が始まった


テープカットを行い、

式が進んでいった。


各御来賓の挨拶があり、

理事上からの挨拶まで、終えて

次に、野球部代表の挨拶は、由良 副キャプテン


由良

「本来、ここで、述べるべき、キャプテンは、今、この場にはおりません。」

「彼がここで、述べるべき事、いや、彼が誰よりも伝えたかったと思います。」

「自らの声で、自らの想いを」

「しかし、それは、本日は出来ません。」

由良は、一呼吸をおいて

「素晴らしいグラウンドを、ありがとうございます」

「僕達は、和井田の長年の夢、思いを背負い、そして、皆さまのご期待に沿えるよう」

「日々、努力を惜しまず、今年、甲子園に行きます。」

「簡単な事ではありません。ですが、ここに、宣言する以上」

「この晴れの舞台で、宣言する以上、甲子園出場は実現させます」


「ありがとうございました!」


力強い、由良の言葉に、一同は、感動していた。



その後、監督、由良、八重の順番で、ベースにお清めを。

香織が手配してくれた、お酒である。


八重は、本当は、嘉位と香織で、ベース周りたかったのだろうな。と思い出すと、涙が出てしまった。



静まり返った、グラウンド


次は、始球式


御来賓が横一列、学校関係者、都の関係者が、横一列に並んだ


由良は防具をつけ、ミットを持ちグラウンドへ


連もグラブをつけて、ボールをもち、マウンドへ


八重

「由良ーーー!がんばってーーーぇ!」


由良?何を、どのように、がんばれと・・・始球式だが、ま、良いか、ありがとう、八重


連は、空を見つめていた。

連、本当はここには、かいさんが、居るはずだったのだろう、この見渡せる青空も、かいさんが、初めて見る光景だったはず

連、はグラウンド、一度全体を見渡して、この光景も、かいさんが、感じるものだったのだろう。

連は、由良のほうに、向きを変え、

一度、帽子をとり、頭をさげた。


由良も、目、連、全力でこい!と、


連は、ゆっくりと、ワインドアップを初めて、おもいいきり、腕をふって、由良のミットへ

ばーーーーーーーーーーーーーーーすーーーーーーーーーーーーーーーーーん



電光掲示板には、156Km と表示された



これには、来賓一同、驚いて

監督、コーチも、驚いていた。


由良、ナイスボールをマウンドへ歩き出した時であった

脇から、


楓が、連の元に走って行き!!!


「連!!!かっこいーーーーーーーい!」

楓は、連に抱き着いてしまった!!!



由良は、笑いながら

「連、楓ちゃん、そこは、俺だろう、女房役の俺と、ハイタッチだろうに!!」


楓は、顔がまっかになって

「え?そうなの、ごめんなさーーい」


来賓一同、大笑いし、理事長も大笑いしていた。

監督は、わらいながら

「ま、いいのでは、ないか」


こうして、グラウンド開きは終わり、


懇談会が始まり、


野球部一同は、いったん、学校の部室に戻り


着替えをした。



着替えが終わると、

由良が、みんなを見渡し

由良

「連、大役お疲れ様。連と楓ちゃんの抱きあっているシーン、テレビ中継されているからな」

連、え?まじで、

「うわ、サングラスしてない!!!」

「わたしも、サングラスしてない!!!!」


「そうね、お二人は少し前まで、芸能の世界にいたのですから」


由良

「テレビ中継なんか、あるわけ、ないでしょうに!ま、和井田学園としての録画には残るが」

連は、照れ笑いしながら

「あ、そうですよね、普通に考えれば」

「うわ、副キャプテンにやられた!」


由良

「そこでだな、これから、野球部全員で、嘉位と香織さんの家に行こうと思うのだが、予定はどうだい?」

「僕もそれが、良いと思います。嘉位さん、香織さん、喜びますよ!」

「うん、ありがとう、お兄様、お姉さま、喜ぶと思う!皆、いこうよ!」

佐伯、桜井、瞳、八重、せんさん

「もちろん、いく!」


かずき

「僕も良いの?」


「もちろんよ、かずき君は来たことがなかったか、バレンタインのチョコづくり、勉強で歯が折れていたから」

かずき

「はい、でも、行きたいです」

由良

「もちろん、かずきも、全員野球部一緒だ!」

「よし!戸締りして、嘉位と香織さんの家にいくぞーー!」


おーーーー!!!




< つづく >



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