第一八〇話 瞳さん、せんさん、確認しあい、瞳はせんさんの全てを受け入れる
翌朝、3人で食事をとり
駅で、みんなと合流した。
八重
「おはよう!かお、御父さん、すごく喜んでいたよ」
「それとね、値段を聞いて、口が、あきっぱなしだった」
「今度、かお、キャプテンにも御礼がしたいってさ」
香織
「いや、わたしではなく、手配してくれたのは、嘉位だから」
嘉位
「八重さんの御父さんは、財閥の関係もお願いしているから、いつでも会えますし」
「何か言ってなかったですか、今週はお仕事が忙しいとか?八重さん?」
八重
「あ、言っていたよ、キャプテン、今週は土曜日緊急の仕事が入っているから、とお母さんに話していた。」
「何か関係があるの?」
嘉位
「ま、そんなところかな、詳しくは週明けにでも聞いてみてね」
八重は、うーん、御曹司となると、あ、副社長様か、いろいろあるのだろうな、うん、ここは、これ以上はやめておこうと思い
「わかった!」
桜井
「あれ?なんか、レイ、今日とても、なんとういうか、元気というより、スッキリした顔しているわ」
佐伯
「うん!昨夜ね、一人でずっと悩んで、悩んで、どうにもならないことをね、お母さんに相談したの」
「怒られると思っていたのだけれど、まさか、お母さんが協力してくれるなんて、思いもしなかったから」
「嬉しくて、嬉しくて」
「今朝も、おかあさんと、朝ごはん食べながら、話が盛り上がって」
「いままで、両親は怖いという、イメージと、お兄さんしか見ていないという、なんだろう、わたしから、の偏見があって」
「会話していなかったのよね」
「でも、いざ、話してみると、それは、もう、頼りになるというのか、あ、そう、久しぶりだな、賑やかな朝食」
香織
「レイ、良かったですね」
楓
「悩んでいるなら、私たちに相談すればよいのに、でも、ご両親と仲良くなれたなら、それはとても良い事ですわ」
「うちの場合は、両親が年に数日くらいしか、居ないですから、昨年だけ例外でしたわ」
「私は、一夜さんになんでも、相談できますし、今は、かおが居るので、かおにも相談できます」
佐伯・・・うん、そう、相談したいのだけれど、こればっかりは、八重か、かお、え?もしかしてマスター?
いや、マスターは卒業するまで我慢すると言っていたから、まだのはず
佐伯
「マスター!うん、相談するね、ちょっと、いわゆる、破廉恥な話だけれど?」
由良
「今日日破廉恥とは、久しぶりに聞いたよ、その言葉」
「ま、なにはともあれ、案ずるより産むが易し、まさに母は強し、雨降って地固まる」
「だな、良かったね、佐伯!」
桜井は、あ、昨日言っていたことを、お母さんに相談したのだね、レイ、凄いな。
桜井
「うん、実は、私にも相談してくれたのだけれど、こればっかりは、私では、答えられなくて」
「なんせ、この国あげて1番の箱入り娘とは、わたくしのことですわ」
佐伯
「うん、シュンには相談したのだけれど、二人して悩んでしまってね」
香織は、あ、なんとなく、わかったので
「それは、今度、家に来た時に、女子達で話そうか?」
佐伯
「うん!良いね、御屋敷!凄いからね」
「大声で話しても、誰にも聞かれないし」
八重
「あ、そっちの話なのね、任せなさい!」
桜井
「うわ、大先輩!」
香織は笑いながら
「うん、確かに、お母さんがと、みーちゃんも言っていたなー」
佐伯
「みーちゃん?」
香織
「あ!この間、由良君が言っていた、宗山さんの、彼女、婚約者がみーちゃん」
「お二人は、家が隣同士で」
「その、ま、いわゆる、女の子にしかわからない悩みを、みーちゃんは持っていて」
「悩んだ末に、お母さんに話したら、解決した」
「みーちゃんが、言うにはね、女の子の悩み事は、大先輩がいるじゃない、お母さん!」
「なんでも、相談できるわよ、ですって」
「レイの話は、まさに、みーちゃんと一致しますね」
八重
「かお、その、みーちゃんとも、甲子園視察に行ったら、会えるの?」
香織
「うん、行くことは伝えてあるから、あえると思う、宗山さんと大学も同じだから」
由良
「へー、宗山さん、婚約者居るのだ」
嘉位
「ある意味、由良や、八重さんと境遇が似ているかな、そう と、みーちゃん、産まれたときから、両親が二人を結ばれるようにと」
由良
「お!そりゃ、色々、話せて楽しそうだ!」
佐伯
「注目ドラフトって、副キャプテンいっていたよね、調べておこう、そうなると大学4年生なのですわね」
由良
「うん、4年生、調べれば沢山出てきますよ」
そのような話をしながら、下駄箱につくと
瞳さん
「ひさしぶりーーーー!」
桜井
「わ!久しぶり、瞳さんだ!」
「せんさんも、一緒だ」
楓
「おかえりなさい!どうでしたか?グアム?」
瞳さんは、少し考えて・・・
「うん、お昼、食堂にせんといくから、その時にね」
一同は、それぞれの教室へ
午前中の授業が終わり、
一同は食堂へ
せんさん、瞳さんも一緒である。
皆それぞれメニューを選んで
席につき、一同がまとまってすわり
「頂きます」と声をだして食べ始まった
突然
由良は意味不明の事を口にした、由良はヒレカツ定食を選んでいた
「馬刺しと定食、とんかつ定食、最後の決め手、さー、最終判定は?」
と、いきなり、意味不明な事を口走った、そう、ヒレカツがとても美味しいのである。
佐伯
「え?ヒレカツ?とんかつよね?」
「豚ヒレを揚げるのだよね?」
桜井
「キャベツは必須!昔から、とんかつ屋、こ ろすには、刃物はいらねー、キャベツが高くなれば良い」
「とか、言うくらいですからね」
佐伯
「キャベツ大事よね!」
八重
「とんかつ、ソースも、色々あるよね!」
「キャベツもドレッシング、あ、みんなは、とんかつは、醤油は?ソースは?、からしは必須として」
楓
「ソース一択です、醤油?え?醤油でとんかつ、想像できませんわね」
八重
「うん、わたしも、ソースだな」
香織
「うん、わたしも、ソース」
瞳
「ソースよね」
せんさん
「僕もソース以外で食べたことがないかな、あ、卸ポン酢はあるのか」
桜井
「え?わたし、醤油」
佐伯
「わたしも、醤油」
八重
「えええええ、醤油で食べるの?え?醤油って、とんかつに、上からどばーーとかけるの?」
桜井
「どばーとは、かけませんが、とんかつ全体に、うすく、しょうしょう、ぐるーっと」
瞳
「え?それ、おいしいの?」
佐伯
「はい、おいしいです、瞳さん、さっぱりしていて」
瞳
「今度、試してみようかしら?」
香織
「それは、そうと、馬刺し定食と、とんかつ定食でしょう。そもそもの、工程がことなりますね」
「パン粉であげる、とんかつ、一方の、馬刺しは、冷やして、食べるもの」
嘉位
おい、由良
どーするのだ
由良
まさか、こんなことに
なるとは
嘉位
だよな
由良
あたまの良い子たちって
嘉位
うん、2択を即答しない
由良
いや、やばいな、これ
嘉位
答えは、ダジャレ
由良
そうだ
嘉位
逃げるか
八重は二人に気が付いて
「ほら、そこの二人、また、目で話している。それで、由良、で、その後よ」
由良は、苦笑いしながら・・・
「ま、食べよう、食べましょう!ほら、冷めちゃうよ」
香織
「馬刺し定食は、薬味も大事ですね、そしてヘルシーです」
八重
「ヘルシーかー、美味しそうだけれど、そうそう、食卓にあがるような物ではないような?」
佐伯
「確かに!1回位しか、食べた記憶がないですわ」
桜井
「わたしも、一口食べて、間違えてニンニク醤油につけて食べたら、お口の中が大戦争で・・・あれは、大人の食べ物ですわね」
楓
「シュンには、まだ早いかなー?」
桜井
「えーーーマスター、わたし、これでも、体は!」
と立ち上がり、アピール
男性3名、見向きもせず、
桜井は、ちょっと、カチンときて、再度アピール!
せんさん
「定食だから、両方、ごはん、お味噌汁はつくと考えてよいのだよね?」
桜井・・・呆然と立ち尽くす・・・完全に無視されている。
瞳は、今の桜井の意味不明な行動で、これ、たんなる、ダジャレだわ、答え分かった。とクスクスと笑ってしまった。
桜井は、うわ、瞳さんに笑われている、座らなくては。
瞳、頭の良い、和井田の学生さんは、そうなるのね。ある意味、面白い。
「みなさん、真剣に考えていますが、これ、ダジャレですよ」
八重
「ええええーー?」
香織
「え、そうなの瞳さん」
せんさん、せんさんも、気が付いて
「ダジャレ?あ!」
由良
逃げるぞ
嘉位
僕をまきこむなよ
由良
同罪だ
嘉位
なんで?
僕何も話してないよ
由良
それが、罪だ
八重はまた、目で話しているのに、気が付いて
「ほら、そこ、また目で会話している、で、由良、判定よ、判定」
由良
「ふー、食べた、ごちそうさま、さて、教室にもどるかな、嘉位?」
嘉位、由良ーーー!!!僕にふったな、同じ領域に引き込まれた
「そうだな、教室に戻るか!」
楓
「お兄様、わたくしたちまだ、食べ始めて、話がすすみ、お箸がすすんでおりませんわ」
楓、あ!そういうことか、楓も気が付いて、クスクス笑い
「なるほど、それは、それは、教室が恋しいですわね」
桜井
「え?お昼休みより、教室が恋しい?うわ、これだから、学年1位は」
せんさん
「キャプテンも、副キャプテンも、たんなるダジャレにたいし、皆さん真剣に考えてくれたので」
「申し訳ないのですよ」
「つまり、最後に残るのは、瞳?」
瞳
「馬」
せんさん
「そういうことです。ダジャレですので真剣に考えてくれたことに、副キャプテンは申し訳ないと」
「おそらく、とんかつ定食が美味しくみえたので、とっさに、口に出てしまったのでしょう」
由良
「せんさん、すんません、頭の良い子たち、和井田の学生さんだと、こうなるのだと、改めて、理解しました」
八重
「なに、ゆら、誤っているのよ、わたしは、とんかつ だと思っていたのに、瞳さんは、馬が正解だというし」
「え?どういうこと?ダジャレ?」
瞳
「はい、小学生レベルのダジャレです」
佐伯
「えええええ、わたしも、とんかつだと、思っていたのに、ダジャレ、馬?」
佐伯
「あああああ、馬、馬、旨かった、そういうこと、うわ、次元が低い」
一同、大笑い
桜井
「真剣に考えていたのに、わたしのアピールも、ガン無視されて・・・」
由良
「なんか、すいません、うーん、なんか、すいません」
嘉位は、話題を変えようと
「ところで、瞳さん、朝下駄箱で、グアムの話は、お昼にと言っていましたが?グアムどうでした?」
瞳、流石キャプテン、旨く、話を切り替えましたね
「もう、大変だったの、沢山あるけれど、その中でも、1番を話すとすれば」
「せんに、抱きしめられたの、そう、せんのほうから、初めて」
「せんに、御姫様だっこ、もう私はせんを見る事しかできない。」
「女性の大事なところだけを、布でしか隠していない、肌を露出している、わたしを、せんは、強引に」
「もう、せんは、わたししか、見えていなくて」
「ちから強く、せんは、わたしを」
「せんは、もう、自分の持てる全てを、出し切って、ちからづくで、強引に、無理やり」
「せんは、わたしだけを、見つめて」
「せんは、すぐに、わたしの体に、はじめて」
「じっくり、わたしの体を調べ、全身をそれは、もう、舐めるように、そう、それは、もう真剣そのもので」
「わたしは、もう、ドキドキしてしまい、身動きをとることもできずに」
「もう、せんを、止める事はできません」
「せんのおこないは、止める事などできず」
「わたしは、わたしは、ただ、ただ、全てを」
「せんの行い、すべてを受け入れました、ときに、わたしの体は敏感に反応し、もう、自分ではどうすることもできません。それでも、せんは、続けます。はじめてみる、せんの行動に、わたしからは、もう、どうすることもできず、それでもせんは、いろいろなことを、わたしの体に」
「そして、せんは、奥の手と言い出して、わたしに、道具までも使い」
「はじめてなのに、はじめてなのに、道具まで、わたしは、怖くて、怖くて、痛かったらどうしよう、怖いと思いました」
「せんは、もう、私しか見えて居なくて、わたしの体に、道具を使い始めました。わたしは、それを受け入れるしかありませんでした。感覚はすぐにわかりました。今までに経験したことが無い感覚です」
「それも、屋外、ビーチです、昼間です。もう隠すことは出来ません。」
「周りの目も気にせず、せんは、せんは」
佐伯、桜井は、聞いているだけで、顔があかくなり、想像してしまった、斜め右の想像を
楓、香織、八重も、ごくりと、つばを飲み込み、想像以上だ、せんさん、すごい、
え?昼間から、人前、それも外で!せんさん、やるときは、やるのだ、凄い!
せんさんを、見る目が、変わってしまう。うちらの旦那よりも、凄い!
え?私なら、え、恥ずかしい、それを受け入れる、瞳さんも、凄い!
せんさん、その言い回し・・・誤解を
「間違った事を瞳は言っていませんが、表現にいささか、問題がありますので、訂正を」
佐伯・桜井・楓、香織、八重は???
「え?」
せんさん
「言い直しますね」
「グアムの湖、海から、奥に崖の中にある、スポットです」
「皆さん水着に着替えて、海でばしゃばしゃ、遊んでいました」
「水深3メートル位はありますが、さらに奥は水深5メートル」
「そこは崖が、直射日光を遮ってくれます」
「ある意味、穴場ですね」
「吹奏楽部の女性陣、瞳を含めて、深いところは危ないですから、その浅瀬で女性陣は遊んでいました」
「時間がたってからは、泳げる人が浅瀬から、中ほどまで、泳いでは、また、浅瀬に戻りを繰り返していました」
「僕は、特に入るつもりは、なかったので、少し高めの崖で本を読んでいました」
「崖の上からでも、瞳たちは十分みられましたし、女性陣だけの世界に、男一人はいるのは」
「申し訳ないと思い、崖といっても、高さ3メートルくらいです、そこで、読書を」
「すると、一人の女性が、両手を上にあげて、ばしゃばしゃと」
「?もしかして、溺れている?」
「すぐに、僕は、崖から、深めの方に、飛び込み、そのまま、溺れている女性のもとへ」
「溺れていたのは、瞳」
「僕が瞳に届くときには、体全てが、海水の中に、沈み」
「僕は、即座に瞳を抱えて、立漕ぎで、瞳を一度、空気を吸わせて、意識はあるのを確認し」
「瞳も僕に気が付いて、せん、せん、足が、足、なにかに、さされ、痛い」
「瞳を片腕で抱えながら、泳いで、岸について」
「足を見ると、確かに何かにさされている」
「吹奏楽部の女性に海用救急箱をもってきてもらい、先生は救護を依頼しに」
「虫眼鏡で見ると、確かに、何か袋萩にさされているものを、確認し」
「ピンセットで、抜いて、真水を大量にかけ、その後、御酢を大量にかけて、レスキューを待ちました」
「すぐに、レスキューが来て、瞳と僕は病院へ」
「ドクターが言うには、ハコクラゲだろう、適切で迅速な処置で問題はないとのこと」
「初期が遅いと、重篤な症状を起こす、恐れがあったそうです」
八重
「す、すごい、せんさん、せんさん、泳げるのですね、記録員というから運動はできないのかと」
香織
「瞳さん、九死に一生を得た、せんさん、かっこいいです」
佐伯
「せんさん、実は、出来る人なの?すごいです、かっこいいです」
楓
「適切な対応ですわ、救命士、ダイバー、並みの知識が無いと出来ませんわね、流石です、せんさん、かっこいいです」
桜井
「せんさんって、もしかして、頭が良いだけではなくて、キャプテン、副キャプテンみたいに、なんでも出来ちゃうの?
せんさん
「一通りは出来ます。できないとは、一度も言ったことはないのですが?」
由良
「うん、せんさんは、何でもできるよ、その上で、飛びぬけているのが、観察力、分析力だから」
「学童で野球をやめていなければ、そうそのまま野球を続けていれば、スタメンだっただろうね」
嘉位
「うん、そうだね」
香織
「え?嘉位も、由良君もせんさんが、万能って事、知っていたの?」
嘉位
「香織も見たと思うけど、皆さんも、あの資料は運動が出来る人でないと、書けません」
「ましてや、野球となると、猶更です」
瞳は、少し照れながら
「せん、普通に話すと、盛り上がらないじゃないの」
「でも、その日はずっと、せんは、私の手を握って、一緒に居てくれたの」
「正直、ドキドキして、せんと一線を越えたいと、私から強引に迫ったのですが」
「病室ということもあり、そして、まだしびれ、痛みが残っている事もあり」
「せんをずっと、見つめていました。本当に、せんが、かっこよくて、かっこよくて」
「この人を好きになって良かったと思います」
「わたしの王子様です、せん!」
佐伯と桜井は、瞳さんの思いが胸にささり、涙目に。
楓、八重、香織も、瞳さんの思いが、痛い程良くわかるので、目頭が熱くなっていた。
楓、おそらく瞳さんも、せんさんの迅速、適切、運動神経、全てに魅了されたのは、始めてなのだろう
「瞳さん、あらためて、おめでとうございます」
瞳も、涙目になり
「はい、楓ちゃん!わたしは、幸せです。」
食事を終えて、教室に戻った
午後の授業も終えて、皆、帰宅した。そう、せんさんと瞳さんの話をしながらであった。
< つづく >