第一七五話 沖縄の夜、喧嘩
嘉位はルームキーを渡して、
席につく
今日は
嘉位・香織
由良・八重
それぞれ別の席
席からは、沖縄の夜景が一望できる素敵な場所であった。
八重
「奇麗!わたし、お姫様みたいじゃない?」
由良
「八重はいつも、俺のお姫様だよ」」
八重は、顔があかくなり
「さらっと、そういう、恥ずかしい事を、言うのね、もうーーー」
前菜が運ばれてきて、
八重は、スマートフォンに収めてから
二人は食事を
嘉位と香織も、ゆっくりと食事をはじめ
香織も、スマートフォンに収めながら
香織
「おいしいい!!!この酸味の中に、ほのかな歯ごたえと、噛んだときに甘味が、たまらない!嘉位、嘉位と」
「オードブル、アラカルトに色鮮やかに!」
「おいしい!嘉位・嘉位」
と
喜んでいた。
その後も、フォアグラのソテーに旬の野菜、オマールエビと
続き
身も心も全て、幸せでいっぱいであった。
八重の方も同じである。
由良は、手をあげて、写真をお願いし、
二人はお料理の前で、写真を撮った
メインの黒毛和牛のトリュフソースは、これまた、お口にいれると消えてしまい!
八重
「由良、由良、消えちゃったの、お口の中で、甘いとおもったら、消えたの」
由良
「うん、おいしいよね」
メインディッシュが終わるが、
続けて、
あぐー豚のしゃぶしゃぶが運ばれてきた
八重
「あ!!このあいだ、みんなで、食べたあぐー豚」
「これって沖縄なのだー?」
説明を受けて、なるほどと、
由良は軽く手をあげて、お肉を追加4人前と
お口直しの、マンゴーシャーベットも食べ
最後にデザートと、紅茶がきて
幸せいっぱいであった。
八重と香織は、大満足で。
幸せであった。
嘉位、由良、
由良 美味しかった
嘉位、ま、喜んでくれるなら、
由良 良いか、明日は、早いし
嘉位 だな
と目で会話をし、
八重
「あーーまた、目で話している」
「わかった、由良が、わたしのことを、愛していると言っているのね」
由良・・・。まだ、お店の中なのですが、ま、良いか
香織
「もう、旦那様ったら、わたしだけが、全てと公言しなくても、恥ずかしい」
嘉位・・・、そのような事は一言も言っていないが、ま、確かにその通りだし、ま、良いか、ただ、お店の中なのだが
嘉位はルームキーを受け取り、
レストランから出る事にした
食事を終えて
八重・香織の希望という事もあって、いったん部屋に戻り、上着を羽織って、懐中電灯をもち
夜の海に向かう事にした。少し風があり、ひんやりとした感じであった。
上着を着てきて正解であった。
歩いて、すぐ海辺であり、辺りは明るい。
由良と八重を腕を組み
嘉位と香織も腕を組み
もう少し、暗い方へと歩いて行った。
八重?海沿いから振り返って、ホテル側を見ると
「あれ?あっちに見えるのって?桜?」
由良
「うん、今年は沖縄雨が少なかった事もあり、まだ見られそうだね」
八重
「桜ってこう、ばーーと、なんか壮大な淡いピンク、白っぽいってイメージがあるけれど」
由良
「ソメイヨシノとは、違うかな、カンザクラで、強めのピンク、明日通るから見てみると」
「違いがわかるかな」
「東京でも3月頭に桜が見られるところがあるけれどね」
八重
「ええ?桜って入学式!という感じで、4月の頭だけれど」
由良
「うん、確かに東京の浅草や、深川あたりの桜は3月下旬から4月頭だけれど」
八重
「え?話が合わない、3月頭に東京で見られるのでしょう?」
由良
「うん、ごく一部の限られた場所でね、小石川」
「あそこは、ドームやビルの熱があるので、早咲きで見る事が出来るね」
八重
「知らなかった。今度見に行こうよ!」
由良
「そーだね。見るなら来月だな、来年は見るのは出来ないからね」
八重
「あ、そうか、春の甲子園!選抜」
由良
「うん」
そんな会話の中、歩いていると
周りは暗くなっており、波の音が聞こえる。
嘉位
「由良、ここらで、みようか?」
由良
「おう」
4人は海を見て、そして、視線をあげると
そこには、沢山の星々が見えた
香織
「すごい、奇麗!!こんなにお星さまを見たのは、初めて!」
八重
「うん、わたしも!凄い!」
嘉位
「修学旅行の時の場所でも、良く見えるのだけれど、少しあの時は雲があったからね」
八重
「あ!香織が夜中抜けだしたっていう」
香織
「うん。あそこも奇麗だったけれど、ここはそれよりも、星々が奇麗」
と話していると、どこからか、女性が強い口調で、大きな声が聞こえた
視線を向けると、
めがねをかけた男性と女性が喧嘩をしているように、見えた
女性は、さらに大きな声で!どなっていた
「だから、もう!良いって、これ以上は待てないわ」
「私も28よ!2年目にはって言ってくれてから、それから、もう6年」
女性は、もっと強い口調で
「もうやめて、私は働いているから!!!!」
「なんとかなるから!!!」
「私は、一緒に居られれば、良いのだから」
「なんで、わからないの!!!!!」
「これ以上は、待てない、待っても同じ!!!」
「諦めて、もう、やめてよーーーー!」
めがねをかけた男性
「もう少し、最後、今年1年だけ」
女性は、さらに大きな声で叫んで
「もう!まてない!知らない!」
女性は泣きながら、走って行ってしまった。
嘉位と由良は話が良く聞こえており
香織と八重は、なんとなくだが、喧嘩別れしたくらいにしか、思えていなかった。
由良!見たことがあるな
由良は、静かに男性のほうへ進んでいき
めがねをかけた男性は、海を眺めていた
由良
「突然すいません、もしかしたら、佐々木さんではないでしょうか?」
めがねをかけた男性はびっくりして!え?なんで、知っているの?そして、こんな時間にこの場所で
佐々木
「あ、はい。僕の事、知っているの?」
由良の元に、嘉位、香織、八重もやってきた
由良、そりゃ、そうでしょう
「はい、数年前のドラフト1位の佐々木さんですよね」
佐々木
「うわ、これは驚いた、まだ俺の事を知っている人が居るのだなんて」
嘉位
「先ほどの女性の方は、婚約者の方でしょうか?」
佐々木
「うん。今俺、崖っぷち、なんだ。ドラ1注目選手といわれながら、1年目、2年目は1軍、2軍いったりきたり」
「3年目から今年で6年目は、2軍、今年1軍にあがれなかったら、戦力外だろうな」
「なんとか今年、1軍に戻って、結婚式をあげたいのだけれど、今の状態も正直自分でも良くないのはわかっている」
由良
「すこし、よろしいですか?」
佐々木
「うん、どうしたの?」
由良
「佐々木さんは、セカンドですよね、僕の記憶では眼鏡をつけているイメージがないのですが」
佐々木
「うん、グラウンドでは眼鏡をつけてないな」
由良
「大学の時もですか?」
佐々木
「うん、付けていなかった」
「プロ1年目の後半からかな、見えづらい感じがあって、視力を計ったら、悪くて、眼鏡を」
嘉位
「スポーツ用の眼鏡やコンタクトはお持ちではないのですか?」
佐々木
「あるよ、もっているけれど、付けたことが無いな」
由良と嘉位は、それだ。
嘉位
「これから、眼鏡をかけてプレーしてみてください。守備も打席も」
由良
「その方が良いです。僕の知っている佐々木さんは、大学でホームラン連発、守備は神業でした」
「おそらく、勝手な推測ですが、視力低下で、縫い目とか見えてないのでは?」
佐々木
「お、良くわかるね、見えてないな、大学の時は良く見えていたのだけれど、今は感覚だけで」
嘉位
「間違いありません、今の状態低下は視力が原因でしょう」
由良
「釈迦に説法ですが、野球選手は視力、特に動体視力がなによりも大事ですから、是非、眼鏡を」
佐々木
「まいったな、そんな事言われるまで、気が付かなかったよ」
「よし、明日から眼鏡つけてやってみる、フリーバッティングやシートは入るから」
「試合には呼ばれないけれどね、韓国戦」
佐々木
「ありがとう!皆さんも気を付けて、帰ってね、僕はあっちだから、そろそろ門限だから戻らないと」
由良
「明日、僕達キャンプ見に行きますので!必ず、眼鏡つけてくださいね」
佐々木は、手を振りながら、振り返り
「わかったー、ありがとう!」と言って、歩いていった
嘉位と香織、由良、八重も
ホテルに戻ることにした
八重
「どうして、眼鏡をつけていない事が、不調の原因なの?」
由良
「僕の知っている、佐々木さんは、それは神業!野球選手は目が命だからね」
「たぶん、縫い目はおろか、遠近感もズレがあるだろうし、眼鏡さえ合えば、な?嘉位」
嘉位
「ああ、明日が楽しみだね」
香織
「うーん、そういうものなのかなー、難しいです」
嘉位
「まー、今日は、それぞれ早く寝ようね、明日試合は午後からだけれど、その前から入れる」
「8時には着くように、7:40までに朝食を済ませよう!」
4人はそれぞれ、部屋に戻った
由良は突然、八重のお尻を触り!
八重
「ゆらのえっちーーーぃ、由良、お風呂はいろう!」
二人は沖縄の夜を満喫した
一方、嘉位と香織も変わることがなく、沖縄の夜景を見ながら
夜を共にした。
由良は5時に起きて、八重の髪をなでて、ベッドから出て
和井田の野球部のジャージに着替え、ストレッチを始めた
嘉位も5時に起きて、香織の髪をなで
ベッドから出て、和井田の野球部のジャージに着替え
ストレッチを始めた。
八重と香織は、まだ、熟睡状態であった。
7時になり、アラームが鳴って
八重は、あれ?由良は・・・
「由良、起きていたの!!起こしてよー」
由良
「うん、大丈夫!そろそろ、モーニングだから、着替えかな?」
八重!野球となると、こうも違うのだ
「はい」
一方香織も、アラームで起きて、隣に嘉位が居ないので、びっくりした、が
視界に嘉位がストレッチをしていたので
嘉位に近づいて
背後から、胸をあてて、
香織、さらに胸をおしあてて
「おはよう!おこしてよ!もう1回したーーーい、かーーーいぃー」
嘉位
「あ、ごめん、ごめん、香織、かおーーーり、かおーーりーーさーん」
「そんなにしたら、起きちゃうよ。」
「今日は、我慢、明日の朝は!ずっとね」
香織は顔が赤くなりながら、野球となると、嘉位は真剣なのだと
香織
「はい!着替えます」
朝食を済ませ、由良は嘉位に連絡をして、
ルームキーをフロントに預けて、嘉位、由良それぞれ、グローブ、ミットを斜め掛けの布にいれて、
外に出た。
まだ、少しヒンヤリしているが、寒いわけではない
嘉位、由良は目を合わせて
おりゃ!!!
由良は八重を
嘉位は香織を
たかい、たかいと、肩車をした
八重
「えええええ!!!はずかしいーーーよ!」
香織
「あの、嘉位、嘉位、はずかしいい!!」
由良
「たかいたかい、して、と言ったのは、八重だろうに」
「このまま、いくよ!」
香織も八重も顔が真っ赤であった。
あ、確かに桜だ!あかっぽい、桜!手に取るようにできた。
香織
「ちょっと、まってね、写真とる!」
嘉位
「うん、撮り終えたら、ここままいくよー!」
数分歩いていると、スタジアムの入り口についた
まだ、2,3名程度しか人は居ない。
八重と香織を、下ろして
入口付近についた
八重
「今日、ここで試合が見られるの?」
香織
「韓国戦?」
由良と嘉位、正直試合より、アップ、練習に興味があったこともあり
由良
「そうだね、試合は午後からかな」
八重・・・?あら、リアクションが、ま、良いか。
そんな話をしていると、
向こうから、2名が来て
入口の方へ来た
井畑
「お!おおおお!!おおお!嘉位と由良じゃないか」
原田
「おおお!また、デカく、なったな!嘉位、由良」
嘉位・由良
「ちわーす!」
井畑
「となりのお嬢さんは、マネージャーさんかい?彼女さんかい」
原田
「いいじゃないの、そのような事も、由良、今は春漣はじまっているだろう?」
「視察か?」
由良
「僕達は、今年夏からになりますので、今はある意味オフです」
井畑
「そうだな、昨年見なかったもの、和井田だよな、ま、その姿だから、そうか」
嘉位
「はい、監督!和井田です。今年夏、甲子園に出ます」
井畑
「お前らならやるだろうな」
原田
「だよな!おっと、今さら来たのがいるぞ、こら!先輩より遅れてくるとは、何事だ」
と笑いながら、頭をぐりぐりされていたのが、現監督
現監督
「はやいっすね、歳とると、寝られないってやつですか?」
井畑
「いうねーー、監督は知っているか、この二人」
現監督
「え、あああ!!IU-15のバッテリー!」
井畑
「そうだ、俺が率いて、世界を制してきた」
原田
「いま僕にもWBCの監督依頼があってね、それで、いばちゃんに来てもらってね」
現監督
「あ、聞いています。うちからも、調整しますから、是非」
原田
「ま、そういうところもあっての視察も含めて、見せてもらうよ」
井端
「もちろん、指導はするぞ。あ、どうだ、嘉位、由良、投げてみるか?」
現監督
「面白そうですね!」
原田
「由良、どうだ、あがってきているか?」
由良
「はい、160はいけますね、嘉位」
現監督
「おいおい、簡単に言うなよ、よし、じゃ、お嬢ちゃんたちも含めて、ブルペン入るかね、おいで」
八重・・・え?
香織・・・・ええええ?
一行はブルペンに入ると
丁度そのころ、ぞろぞろコーチ、選手も入って来た
嘉位と由良は袋からグローブ・ミットをだして、
現監督が、ボールをかるく、由良にトスをして
ネットの外に出た
そこに、エース!も通り、
嘉位と由良は軽いキャッチボールをし、
井畑
「そろそろいいな、20で」
現監督
「あ、ガンを、ちょっと待ってきて」
そこにコーチが来て、現監督、監督より入るのが遅い、コーチがどこにいるのだよと
あたまを、ぐりぐり・・・
八重は笑っていた、先ほどやられたことを、そのまま、やっていたからである。
現監督がコーチ達にガンをもってこさせて、山上ピッチングコーチも見つめて、ガンを構えていた
原田
「嘉位、由良、いいぞ、20くらいするか」
井畑
「160って言っていたな、見せてもらおうかね?」
山上
「では、直5、横5、下5、MAX5の20でどうですかね?監督」
監督
「おし、それでいこう」
そんなことを話していると、佐々木も通り、あ、あの子、昨夜のと足を止めた。佐々木は眼鏡をしていた。
嘉位も佐々木さんに気が付いて
嘉位
「佐々木さ、おはようございます。今投げますから、見て行ってくださいね」
井畑
「なんだ、佐々木と知り合いなのか、ま、いいか、では、嘉位・由良はじめてくれ」
嘉位はゆっくりと、ワインドアップし
軽めに、びゅーーーーーーーーーーーーーーーーん
原田監督
「おおお、凄いな!今何割くらいだ、嘉位?」
嘉位
「3割ですね」
現監督
「ええええ?嘘でしょ?今で3割?」
山上は、現監督に表示をみせて、158と出ていた
井畑
「つづけて!!」
嘉位と由良は続けて、投げていった
現監督
「由良君だっけ?ものすごく、良い取り方している。俺より上手いじゃないか?」
井畑
「だろう、10年に一人の逸材が、まだ、いるのだよ」
「それも二人同時に」
山上
「それでは、MAXでいこうか」
嘉位は、振りかぶって
びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
佐々木ええええ?
山上
「163」
現監督
「もう1球」
びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
「162」
山上
「ラスト!」
嘉位は全力で、
ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
山上!!!!!!!
「166km」
現監督に山上は見せようとしたが、いや不要、不要
佐々木、凄い、あ、彼らあれだ、悲願の世界一を成し遂げた、U-15のバッテリーだ。
現監督
「すごいな、二人とも、投げるのも、受けるのも、このままプロ来ちゃえば?」
「今日試合で投げるか?」と笑いながら
「いやー、まいった、何でもいう事を聞くよ、何ら全員のサインを用意させるか、っていらないか、何かあるかい?」
井畑
「すげーーだろう、俺が育てたのだぞ、監督よーー!」
由良!良いのか?ダメ元できいてみるか
「現監督、もし、本当に1つわがままをきけるのであれば」
現監督
「今日スタメンマスクか、良いぞ」
由良
「いえ、そうではなく、今日のスタメンは決まっていますよね、そこに佐々木さんを入れてもらえませんか?」
現監督
「スタメンは決めてあるが、たしかに、こうたが、昨日から咳で風邪っぽいのだよな、かつを使うかと思っていたのだが」
「なんで、佐々木なのだ?」
原田
「佐々木は大学では神業だったのだが、どうも、下がり気味だったな」
由良
「はい、修正できたので、今日の仕上りを見て、今後を、3本は、入れます」
嘉位
「守備含めて、復活する日になります」
井畑
「嘉位と由良が言うのだから、やらせてみては?」
現監督
「よし、では、かつ ではなくて、佐々木で」
佐々木は、丁度、嘉位と由良を見ていたので、足をとめていたこともあり
現監督は、佐々木に
「今日いけるよな?スタメンで行くから、決まりだ」
「結果を見せてくれ!結果次第では、復帰」
「期待しているよ」
佐々木は、びっくりして!!!!
「はい、ありがとうございます」
佐々木は少しすすんで、電話をし
「涼子、涼子!俺今日の試合、スタメンで出るから、見に来て、それからで、判断して」
と伝えていた
話はまた、嘉位と由良に戻っていて
現監督
「これは、日本球界も安泰だわ。せっかくだから、フリーバッティングもやっていくか?」
原田
「いいね!わかっているじゃん、現監督」
確か、山本君と御手洗君
他の1軍、2軍、選手も足を止めて、二人の投球にくぎ付けになっていた。
嘉位と由良は、ブルペンから出て、ネットの外へ
井畑
「いや、すごいな、凄いという言葉じゃない、まじめに、このままプロ入りできるぞ」
「和井田か、そーなると大学へ行くのか?」
由良
「はい。」
原田は笑いながら
「じゃ、契約書にサインして、ほら、高校いきながら、大学いきながらでも、いいから」
由良は、笑いながら
「ま、まずは甲子園で、名前を売って来ます」
現監督
「ほら、皆足止めてないで、アップしてこいよ、出来上がったものから、バッピたのむは、マスクも」
嘉位
「え?このかっこうで、中に入ってよいのですか?」
現監督
「土日はファン感謝も込めているし、たまにだが、ジュニアをブルペンに入れる事もある。」
「流石にジュニアを、打撃とはいかないがな、硬式だし」
原田
「嘉位・由良なら、何も心配していないから、メットだけ、バットは誰かをかりて、バッテはいるか?」
嘉位
「いえ、20なら要りません」
現監督
「ほいじゃ、いこうか、お嬢ちゃんたちも、じいさんの隣に居ていいからね」
原田
「だれが、じいさんだ!こら!」
八重と香織は、笑っていた。野球選手の舞台裏ってこんなに、にぎやかなのだと
フリーバッティングが始まり
嘉位と由良は、20球全て、スタンドに、ほおりこんだ。
原田
「これは、すごい、WBCにつれていきたいくらいだ」
井畑
「バッピとはいえ、変化ありのボールをたやすく」
嘉位と由良は、頭をさげて、ボックスを出た
「あざーす」
八重と香織は、大興奮していた。生で初めて、投手の球を打ち、それが全てホームランだったのだから
嘉位と由良が井畑のもとに来て
井畑
「すごいな、流石!教え子!俺のおかげだ」
嘉位と由良は、笑いながら
「あざーす」
現監督
「大学を出てから、こっちに来るのだろう?」
由良と嘉位は、目を見て
「はい」
嘉位
「向き合いたい選手がいますので」
由良
「まだプロではないですが」
井畑
「?だれだ、プロでない、というと、高校生か、大学生か、社会人か?」
嘉位
「はい、今年のドラフト候補、宗山さんです」
現監督
「おお!!!もちろん、うちもアプローチかけている。大学No1ショート、打撃も凄いし、足も速い、鉄壁」
「そうか、楽しみだな」
原田
「宗山もWBCに呼びたい一人だよ」
井畑
「だろうな!いやー楽しみだ」
「嘉位、由良、試合は見ていくのだろう?」
嘉位
「はい、今日は一日、観ます。佐々木さんを」
由良
「もちろん、佐々木さんを」
井畑
「10年に1度の逸材、2名が、ご指名とあれば、じっくりとみておくべきだな、現監督さんよ」
現監督
「そーっすね!」
井畑
「そーすね、じゃねーだろ、はい、だ、はい」
現監督
「はーーーーーーい」
原田
「なんだ、そのやる気のない、返事は」
現監督は、わらいながら、逃げて行った
「すんませーーーーーん」
それを八重と香織は、目の当りにしていたから、大笑いしていた。
嘉位・由良
「それでは、ありがとうございました。これで失礼いたします」
井畑
「おう、またな!こっちの世界でまっているからな」
原田
「うん、まっているよ」
嘉位、香織、由良、八重は、グラウンドから、廊下を出て、いったん、入り口を出た。
八重と香織は、
由良と嘉位にとびついて
「かっこーーーーーいい!! 旦那様!!!」
嘉位・由良は、笑いながら
「こらこら、ここは、人が多くて、人目につくから」
嘉位
「少し、飲み物を買って、練習を見に行こう」
一同了解
プロ野球の練習を見ると、いたるところで、ストレッチをしていて
終わったメンバーから、ランニング等各自ですすめていた
八重・香織、プロってあんなにも、ストレッチするのだ!だから、いつも、嘉位と由良も毎日ストレッチしているのね
フリーバッティングが始まり、
佐々木は快音を響かせていた
現監督
「今日の佐々木は、いままでと違うな、ドラフト1位のあの時みたいだ」
嘉位達は、軽い食事をとり、トイレをすませて、
また観戦に戻った。お茶等も買ってきた。
気温があがってきて、22℃であった。
シートノックが終わり、アナウンスでスタメンがコールされていた。
そう、
1番 セカンド 佐々木
と
コールが!
先攻である。
バッターボックスに入る、佐々木
初球ボール。
佐々木?あれボールが大きく見える、さっきのフリーバッティングもそう思ったが、縫い目もはっきり見えるぞ
2球目、これは低め、ボール
3球目、ボールが大きく見える!ここだと、芯でとらえて
そのまま、ボールは、勢いよく、スタンドへ!
佐々木、先頭打者ホームラン!!
2打席目、3打席目、4打席目も、右、左、へ、ホームラン。
佐々木の快進撃!
5打席目はフォアボール
守備でも魅せて、
1Outランナー1塁
打球は、センターへぬけるあたりのヒット性を
ダイビングで抑えて、左手でショートにトスし、ゲッツー!3OUT
これには、観客も大きな拍手を!!
由良
「ナイス!」
井畑
「オープン戦だから記録には残らんが、4打席連続ホームランは、凄い、嘉位と由良は、何をしたというのだ」
「昨日までの佐々木ではない、あきらかにあのドラフト1位の時の佐々木、いやそれ以上だ」
試合が終わり、嘉位達も外へ
外に出ていると、
佐々木と昨夜の女性が、由良と嘉位の元へ
佐々木
「昨夜はありがとう!まさか、眼鏡でこんなに変わるとは」
「それとね、監督から開幕1軍で行くと言われて」
「涼子にも伝えて、あ、こちらが涼子」
「今年結果を残したら、結婚します」
由良
「おめでとうございます、1軍も、結婚も」
嘉位
「もう、大丈夫です、今日1番か輝いていました、このまま、今シーズン佐々木さんにメディアは釘付けでしょうね」
涼子
「わたしが、釘付け!昨夜の言葉は撤回!信じて結婚します」
八重
「良かったですね」
香織
「おめでとうございます!」
佐々木
「これからお互い忙しいだろうけれど、がんばろうな。」
由良・嘉位
「はい!それでは失礼します」
嘉位達は、ホテルに戻った。嘉位19時に食事だから、まだかなり時間がある、19時前に連絡で
食事まで、時間があるので、
それぞれの部屋で
お風呂を済ませる事にした。
湯船で
香織が、嘉位を称え
八重が、由良を称え
女性二人は、大満足であった
実際の活躍を目の前で、それぞれの旦那様の活躍を
だれよりも早く、観る事ができたのだから、
それは、もう、言葉には出来ない、出来事であり、宝物であった。
お互いが、ベッドやソファーの上で
寄り添い、
八重は、いちゃいちゃと、甘えるように由良へ
香織も、あまえんぼさんのように、嘉位に、それはまるで、猫ちゃんの甘えっぷりであった。
19時が近くなったので、由良が嘉位に電話を入れて
由良は、着替えて、食事に行くことを伝え
嘉位は、明日はフリーであることを伝えた。
野球観戦、
スタジアムでの活躍は終えたが、
夜から朝までの、チェックアウトまでの
つまり
お互い
そう、
夜の活躍は、
これから
という
意味を指していた。
風の便りで、それは、文字に起こせません、と・・・どこからか、天の声が。
天の声は、ほどほどにと
(何の事であろう、うん、控えめに魔法の光で)
嘉位と由良は?
何か聞こえたような?
< つづく >