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第一七二話 遅くなった、バレンタインデー


朝起きて、広間にいくと、既に楓が準備万端であった

朝食をすませて、駅へ


駅には、いつものように、八重、由良、佐伯、桜井がまっていてくれて

学校へと向かった。

桜井

「あ、猫ちゃんがいる。」

八重

「あの猫ちゃんを追いかけて、ここまで来たのね」


下駄箱もガラガラで、そのまま、それぞれの教室に入る。

今日はとても、暖かい日、4月頭の気温であり、上着を脱いでも良いくらいであった。


ホームルームが終わり、授業が始まると

佐伯と桜井は、なぜか・・・寝ていた。

嘉位?深夜ゲームかな?あれ、でも香織は部屋に戻って来たし。まーテストも終わっているし、良いか、寝かせておこう


1時間目の授業が終わり

チャイムが鳴ると!

また、ざわざわと、女子達は教室を出ていく

佐伯・桜井は、まだ寝続けていた。



一方、八重と香織のクラスでは!今までにない事が起きようとしていた。


休み時間

女子達はすぐに、教室を出ていった。今日もいくつかのカップルは、教室で仲良くお話をしている。


香織と八重は、沖縄について話しはじめていた時であった


廊下側から、10名、11名くらいであろうか


ものすごく

背の大きい女性達が


一斉に、

八重、香織のクラスに入って来たのだ


男性生徒達は、なんだ?なんだ?となり・・・でかい!


うわー大きい!

でかいなー!



そう、女子バスケ部のメンバーである


メンバー:

「お、八重!おひさ!」

八重:

「うわ、あんたら、一同でくると、威圧感があるわね」

「どうしたの?」

メンバー:

「八重をチームに戻しに!ってのは、嘘で、野球部のマネージャーだものね」

「今日は、ちょっと、石井君に用があってね」

「石井君、借りていくね」

メンバーB:

「かりる、石井、すこし、こい」



香織は、女子バスケットのメンバーの身長の高さに圧倒されていた

外国人さんもいる!おおきい。



女バスのメンバーは、

石井君の前に

メンバー

「石井君、ちょっとお時間もらっていいかしら」

「私たちと来てほしいの、お願い」


石井

「あ、うん」


メンバーB

「石井、こい、はやく」



メンバーB

「さわがせ、また、こい」


女バスは石井君をつれてどこかへ、行ってしまった


香織は、これは、嘉位にしらせなくてはと思い、

香織は、少し怖かった。大きさに圧倒されていたのである

八重をひっぱって、嘉位のもとへ



嘉位の周りには、男子生徒が集まっていた。

佐伯と、桜井は寝ている。


香織と八重が入ってきて

「嘉位!大変なの!」

「連れていかれたの!!」

「沢山!」

「大きいの!」

「もう、いっちゃった」

八重・・・?!女バスは別に怖くはないのだけれど、香織はどうしたのかな?

八重

「香織、おちついて、わたしが話す」


「キャプテン、休み時間に女バスが10数名きて、石井君に用があるからと」

「石井君を連れて行ったんだ」


嘉位、それが、何か問題なの?え?と

「うん」

香織

「だから、連れていかれたの!」

「こい、石井!」

「もう、こーーーなーーに、大きい女の子たち、由良君位に大きい子ばっかりで」

嘉位、石井君か、スポーツできそうな胸板筋肉している、男子の事だね。

香織

「大変、大変、嘉位、助けに行かないと!!!」

嘉位?!え?助ける、いや、邪魔するだけだから、悪いよ

「行かない」

香織

「え?どうして、連れていかれちゃったのよ」

「こーーーーーーなに、大きい人たちみんなに!!!石井君一人が」


嘉位?それのどこが、問題なのかが、わからない。

八重

「なんか、香織がキャプテンに助けをもとめにと、わたしの腕を掴んで、ここまできちゃった」

嘉位?!、何か勘違いしているな、これ

「今日は、どのような日だか、わかるかな?」


香織は、いったん落ち着いて、何の日?・・・?

香織は、考えていた、216?にとろー? にとろなんちゃら、あれ?にとろなんだったかな?にとろ?え?どーん!ってやつ

既に香織は、気が動転していて、きちんと、冷静に整理が出来ない状態である。


八重

「天気図の日、そう、天気図記念日の日」

「だからだね、今日とても、暖かいの」


嘉位?!まず、暖かさと、天気図記念日は繋がらないが・・・ま、いいか

「八重さん、正解!すばらしい!」

香織は、落ち着きを取り戻し

「それと、石井君とどのような、関係があるのですか?」

嘉位

「ない」

香織は、瞳をまるまるとして、なんで、そんなに落ち着いていられるか

香織

「どうして、嘉位はいつも、冷静なのですか、落ち着いていられるのですか!」

「連れていかれたのですよ!天気の日?え?・・・。」

嘉位・・・いやどのような、日かと、聞いたのだけれど、普通に考えればわかることだが

「天気図記念日は、関係ないかな」

八重

「え?でも、何の日と?」

「あとは、なんだ?何の日だ?」

香織

「にとろ!どーーーん、ってやつ?216.」

嘉位、噴き出してしまい、だから、何の日だなんて、一言も聞いていないのだが、

とんでもないゴロ合わせだな、ニトロ=216.ニトログリセリン


「ちなみに、化学式:C₃H₅N₃O₉ がニトログリセリン、ニトロは通称。」

「アルフレッド・ノーベルが使用したのが、ダイナマイト、つまり、ノーベル賞」

「これによって、人力でしか対応できなかった事が、大幅に削減することができ」

「鉱山からの採掘や、トンネルの工事は人力であったが、ノーベルの発明により、大幅に削減」

「工期も大幅に短縮したのだよ」


八重

「キャプテン、天気図記念日でも、ニトロの日でなければ」

嘉位・・・何の話をしているのだ?

「僕も聞きたいので、先に聞かせてほしい、八重さん、香織も」

「石井君は中学一緒、和井田の中学ですよね」

「石井君の体格は人目みてスポーツ選手の体格、中学校の時に、何か運動をしていたの?」

八重

「うん、堅は中学の時、男子バスケ部のキャプテン。全国初戦で男子は負けちゃったけれど」

「堅は、女バス、私たちね、優勝するまで残っていてくれて、色々アドバイスをしてくれたの」

「正直僅差で勝った、優勝だった。総合力、うん、堅の適格なアドバイスもあったからかな」

「ものすごく、旨い、ただね、和井田の高校男子バスケ部ないのよ」

「石井君も、他校も考えたみたいだけど、結果的に高等部も和井田に。今は部活していないかな」

嘉位

「え?男子ってバスケ部ないの?え?他は、バレー部とか、サッカー部とか、ラグビー部とか?」

香織・・・、あれだ、楓ちゃんが、嘉位は学校生活に無関心ってやつが、まさにこれだな

香織

「男子は、運動部は硬式野球部、卓球と、バトミントンのみ、あとは文芸部関係かな」

嘉位

「え?そんな男子運動部が、無いに等しい高校あるの?知らなかった」

八重・香織・・・知らないで、入学するほうも、するほうだと・・・。

嘉位

「八重さん、その全国大会で優秀な選手は沢山いたと思うのだが、その中学校から、和井田に特待出来た人はいます?」

八重

「うん、いっぱい、居る!というか18名全員、特待生、その大会に出ているね」

「ほら、特待生でも、通える子は、選択が出来て、わたしや、由良が、そう。推奨は寮生活だけれど」

「通えて、練習に支障がなければ、良いと」

嘉位やはりね、八重さんは、わかったのかな?わかってなさそうだな。

嘉位

「もう一度、今日はどのような日?」

香織

「ニトロじゃなく、天気の日でもなく、語呂合わせで、2じいいろ?216とか?」

八重

「香織、いいね、それ、虹色の日!それにしちゃおうか!!」

嘉位・・・話が、それていっている。そろそろ休み時間も終わるし、

次の休み時間は由良と行ってこよう。その後、香織のクラスだな。

嘉位

「何の日ではなく、どのような日であるのかと」

「時間が無いので、説明します」

香織と八重は、たしかに、何の日とは、聞いていない、では、どういう事?嘉位に注目した

「バレンタインデーは14日。14日の午前で現2年生は授業終了したよね?」

「15日は現2年生は準備の為、全員お休み」

「今日がどのような日かというと」

「現2年生は、海外旅行に行っている日」

「つまり、どのようなは」

「まるっきり、学生、先生も居ない。2年生いわゆる先輩女子部員が居ないので、自由!冷やかされる事もない!」

「おそらく、昨日現2年生が準備お休みのときに、チョコレートを買いに行き」

「今日は誰も、居ないので、女子バスケ部の子は石井君にチョコレートを渡す」

「連れ去られたのではなく、告白を受けに行った。」

「チョコレートと手紙をもらってくるのでは?」

「問題は、放課後の体育館の部活。」

「その前に、3時間目の休み時間に、香織と八重さんのクラス、石井君のクラスに、由良と行くから」

「教室で待っていて」

「おそらく、石井君もう、教室に戻っているよ」

「袋を持って」

香織・八重!!!!!

「えええええええええええええええーーーー」

香織

「わかった。チャイム鳴っているので、教室にもどりますね、3時間面の休み時間、まっていますね」


次の休み時間

嘉位は由良を誘って、図書室へ

嘉位

「由良、石井いしい けん君って知っているよね」

由良

「もちろん、中学の男子バスケのキャプテン、頭も良いし、かっこいい」

「それがどうしたのか?」

嘉位

「女子バスケ部の誰かは、わからないけれど、告白されたみたい」

「おそらく、今日放課後は体育館に行くことになる」

「ここに来たのは、バスケットを調べる為だ、由良はバスケットは出来るの?」

由良

「いや、無いな。良し、覚えちゃうかね」

嘉位

「だな。」

初心者から、中級、上級、専門、ルール、大会記録等を丸暗記し

そして月刊誌のバスケットも

そこには、1プレーの連続した20枚の写真があり

由良

「これ、すごいな」

嘉位!うん、すごい

由良

「嘉位、なんだ、その目は、まるまる させて、やりたいの?これ?」

嘉位は、うん!うん!と上下に頭を

「やってみたい!」

由良

「ただ、これバスケットと野球の併用は無理だな」

嘉位

「うん、これだとね、二遊間かサイドスローは通用するかもしれないが」

「投手や、捕手は同時にはできないかな、ショートスローになるからね」

由良

「うん、まー、この連携をちょっとやるくらいなら、問題ないけれど」

「二足の草鞋ってやつだな」

嘉位

「由良、次の休み時間、香織と八重さんの教室に行って、石井君に聞いてみたい」

由良

「ま、答えは出ているだろうが、確認だな」



次の休み時間


佐伯と桜井も起きて、嘉位と由良と楓はついていった

香織と八重の教室である



お、今度は野球部だ、朝は女バスが!



由良は八重と香織さんを誘って、石井君の席へ

由良

「よう、堅!チョコレート渡されたのだって?」

石井

「え?なんで知っているの?」

由良

「そりゃ、女バスが堅を連れ出したとしたら、それしか無いだろうに」

嘉位

「石井君、それでチョコレートをもらって、おそらく手紙があり」

「その手紙には、返事は放課後の部活が終わってからと」

「さらには、3本勝負で、1本でも負けたら、彼氏に!」

石井氏

「山本君!なんで、誰にも見せていないのに、そこまでわかるの?」

「相談があったの?」

嘉位

「石井君、嘉位でよいです。いや、相談は無いですよ。ただ、八重さんの話を聞いて、今日の環境を考えるとね」

石井は、驚いて、隠す必要もないでの、手紙を机に広げた

桜井が、よいしょ、と、割って入ってきて

「どれどれ、うん、愛の告白文と」

桜井!え?

「放課後部活後、体育館で、3本勝負、私が3本全て勝ったら、彼氏確定!」

八重、え???

楓、こりゃ、また強引な

香織、嘉位の言っていた通りだ


由良

「これは、別に強引でも、なんでもない、普通のスポーツする女の子、スポーツじゃなくてもね」

「ただ、字体がばらばらですから、これ、女バスみんなして、考えてつくったのだろうね」

佐伯

「あ、ほんとだ、書き方や、文字の大きさ、バラバラだね」


嘉位

「このレターには、必ず、来い!等は一切書いていない」

香織

「あ、確かに!強引と思ったけれど、行かなくてもよいのだ!」

嘉位

「そこで、石井君、今日告白、手渡れたのは中学校の全国大会に出場していた、別の学校の生徒さんですよね?」


石井

「はい、かい君。その通りです。あれは全国大会。僕らは初戦で負けたのですが、僕は女バスが勝ち続けるように」

「アドバイスをと、帰りのバスには乗らずに、大会観戦を続けました」

「決勝で、その子と、和井田中学はあたり、ぎりぎり、せって和井田が優勝」

「個のレベルでは、その子のほうが、上です。」

「和井田は総合力で粘って勝ちました。」

「表彰式後、僕はロビーの自動販売機で飲み物を買っていると。」

「激しく泣いている、選手が居ました。そう、敗れた学校のとびぬけた技術を持っている選手」

「持田さんです。持田さんは、泣きじゃくっていました」

「僕の首にかけておいた、タオルは使っていないので、スポーツドリンクを買って、タオルを彼女に渡しました」

「彼女に渡したのですが、泣きじゃくっています」


「僕は、彼女に技術レベルでは、あなたのほうが、遥かに上でしたよ」

「全体的なトッププレイヤーが集まる、和井田の高校で、さらに能力をあげて頂点を目指してみては?」

「その子、持田さんは振り返って、泣き止み、タオルを受け取り、涙を拭いて」

「本当にそう思うのか、聞き返していましたね」

「僕はもちろん、お世辞等いうつもりはないので、正直にプレーの質は大会通じてトップですと答えました」

「また、持田さんは泣いてしまいましたが」

「彼女が和井田高校に来たのは知っていました。」

「何度か女子バスケ部の練習を見に行った事もあります。さらにうまくなっていましたね。」

「1年生からAチーム、スタメンでしょうね」


嘉位

「そうなると、石井君は、もう答えは出ているのですね」

石井

「はい、その通りです。かい君。答えは出ていますので、放課後、体育館に行きます」


八重

「え?良くわからない、答え?出ていて、勝負するの?手を抜くって事?」


由良

「そうではない、もちろん、勝つ、堅がね。」

「八重なら、わかりやすいと思う。」

「思いを認めてもらうと同時に、成長も認めてもらえたら?」

「もう少し、わかりやすく言うと」

「仮に僕がバスケ部で、八重も中学バスケ部、思いは伝えたいけど、今はまだ早い」

「1年後、納得できるレベルまで来た。そうすると?」


八重

「うまくなったことを、褒めてもらいたい!そして、認めて貰いたい、思いを伝えたい」


嘉位

「そうだね。つまり持田さんは、石井君が薦めてくれた和井田へ、そして1年間の成長を認めて貰いたい」

楓、あ、これもテクニカルなのね。女バス10数名で一生懸命考えた、文面。

「つまり、逃げ道もきちんと用意してある、必ず来い!等、書いてないし、負けた場合についても、書いていないから」

「来なかった時は、自分に感心が無いと、諦める」

佐伯

「でも、石井君は行くのでしょう?」

石井

「行きます。放課後」

八重

「持田は、本当に上手いよ、わたしじゃ、もう無理かな、でも由良がいるから良いけど!」

香織

「私たち野球部も行っていいかしら?」

石井

「はい、蓬田さん、もちろんです」



最後に、嘉位が、石井君に耳打ちをして

石井君は、驚いていた。


そして、放課後を迎えた

一同は女バスの体育館へ


放課後の部活動は、ほぼアップのみで、終わり

体育館は静まりかえっていた。


練習を外から、覗いていたが、終わったようなので、

一同は中に入った。


女バス1年生は、全員居る。

もちろん、持田もである。


持田

「来てくれて、ありがとう!」

と、さらっと、シュートを決める。


石井

「上手くなったね。少し気になっていた、肩が下がる事があるのも、修正してある」


持田

「本当に、少しの練習を見て、わかるのね、凄いわ、石井君」


石井

「いや、今だけ見たわけでは無いよ、たまに女バスの練習は見ていたよ」


持田は、次のシュートを決めて

「うん、知っていた」


持田は、石井にパスを送り

「和井田、男子バスケット部ないのは、びっくりしたけれどね」


石井

「ま、しかたがないかな」


持田は、意を決して

「では、はじめようか1On1 3本勝負、私がディフェンス。」

「1本でも入ったら、私の負け」

「3本全て止めたら、私の勝ち」


石井

「了解、では、はじめるか」

「いくよ」


石井はドリブルをはじめ、左へ展開

直ぐに、持田のサイドへ、お互いステップを譲らない。

石井は右にいくと、見せかけて、左側から持田をかわし

レイアップするものの、ぎりぎりの所で、持田の指がボールに触れて

ボールはリングを捉えるものの、跳ねてしまい

ノーゴール


嘉位、由良

嘉位あれだな

由良、うん。

由良、次もなら、

嘉位,5分

由良、了解


香織、八重、楓、桜井、佐伯は1On1に夢中になっていて

女バス1年生も、集中していた。

二人のレベルが高いからである。


嘉位と由良のコンタクトにも気が付かず



持田

「止めたわよ、次2本目」


石井

「良くあれに間に合ったね、ターンが早い、では2本目行くよ」


石井今度は、正面から、持田の前にドリブルし、フェイントでかわしながらも

また、外側に移動し、持田はまずい、と思い


持田!間に合わない、

とどけーーーーーーーーー!!!



石井の3ポイントシュート。



誰もが決まったとおもったが、

ギリギリのところで、持田はボールにわずかに触れる事ができて

シュートはリングに弾かれた


誰も、声が出ない

出せないのである



石井

「これにも、反応する、流石だ、良く頑張った、次でラストだ」


由良

「あ!ちょっと、ごめん、5分ここで休憩貰ってよい?」


女バスメンバーも、呼吸をしていないくらい、息が詰まっていたので

「うん、5分、休憩にしましょう」



嘉位

「石井君、凄い、凄い、ただね」

由良

「ここと、ここと、ここの3か所が固まっている」

「相当痛いけど、半ば強引に治すよ5分で、やっていい?痛いけれど?」

石井

「ストレッチしてなかったからな、体重かったし、5分か、長いな、痛いんだよな。よし、頼む」


石井は床に横になり

嘉位と、由良は

3か所を力で、ほぐしていった


石井

「いやー、痛いってもんじゃない、ストレッチは毎日だよね」

「久しぶり、うわ、こりゃ、きつい、5分か、なげーー」


由良

「我慢だ。治すから、耐えろ」


石井

「了解、もっとやってくれ」



5分が経過し


石井

「うわ、めちゃくちゃ痛かった」

「ちょっとだけ、ランとステップを」


石井、うわ、めちゃくちゃ、軽い、さっきまでとは、別である


嘉位は、石井に耳打ちをし、

石井!!!

「凄いね、今の2本でわかったの?かい君」

嘉位は、頷いた。



石井

「持田さん、お待たせ、まってもらって、ありがとう」


持田

「5分じゃ何もかわらないでしょう」


石井

「普通ならね、でも、彼らは世界一だからね」

「では、最後の3本目だよ、いいね?」

持田は頷き

石井

「いくよ!」


ドリブルで、左右にステップしながら

持田!早い、さっきとまでとは、全然違う、コースが読めない

持田!ただ、これは、ドリブルをカットできる!

と手を出したその時

石井は、ボールをつかみながら、背後に倒れこむように飛び

スロー!



ボールは、大きな弧を描いて、そのまま、音もたてずに、リングの中へ


石井はそのまま、倒れこんだ


石井、いてーぇ

「痛い、ふーー、決まった。体が軽い、バスケットは気持ちいな」


持田

持田も、その場で倒れこみ

まさか、あの体制から、

それも、フェイダウェイ


凄い、かこいいなーー。


1年間、和井田に来て、全力で頑張ったのだけれど

勝てなかったか。

良くやったのだけれどな

誰よりも、誰よりも、長く、長く

ひたすら、練習して

認めて貰おうと


1年間をふりかえり、

日々の練習を思い出すと


瞳から、涙がこぼれてきた


あれ?わたし、泣いている


あ、そうか、


ダメだんだ。

告白


3本止められなかったから


がんばったのだけれど


全力だったのに


想いは伝わらなかった。

石井君にも、ボールにも

そして、なにより、自分自身にも



持田は


声を出して、泣き出した


それを見ていた女バス1年生も、泣いていて

だれよりも、朝早くきて、誰よりも、遅くまで

毎日、毎日

この日の為に

練習していたのを

知っているから。



持田

フラれちゃった。

バスケット一筋だったけれど

中学校の全国大会よね

石井君に初めてあって

このタオル覚えているのかな


涙をタオルでぬぐった

それは、石井が全国大会決勝で負けたときに

わたされたタオルであった。


私の宝物だった


だったのに、



終わってしまった。





石井は立ち上がり、持田の元へ

持田の隣にすわり

もちろん、タオルにも気が付いた

石井

「まだ、もっていたのだね、このタオル」

持田

「うん。宝物だから。」

「この1年、認めて貰おうと頑張ったのだけれど」

「負けちゃった、バスケも恋も」


石井は持田の頭を撫でて

「バスケは負けても、恋は負けていないよ」


持田は、え?となり、

なんのこと、え?負けてない、恋が?

意味がわからない。涙が止まらない


石井

「僕が時々、女バスを見に来ていたのは」

「持田さんを見に来ていたからね」

「上手くなったよ、バスケ、上達している」


石井

「これからは、僕が持田の専属コーチとして、一緒にいるから」

「恋は負けていない。恋は持田の勝ち」

「いや、僕の勝ちかな」


持田は、え?本当に

ダメなのでは、

え?私の事を見ていた?

いつから?

え?


石井

「僕じゃだめ?」


持田は、首を左右にふり、さらに泣き出して


石井

「お願いします!ずっと!あの日から」

持田は、大泣きをし


それをみていた、女バス1年生も、もらい泣きをしていた。





石井はあらためて、持田と一緒にたちあがり

石井、きちんと言葉で、だったね、かい君

「持田さん、僕も好きでした。見ていました。僕と付き合ってください」


持田は、また、涙がでてしまい

「はい。」





一同はやさしく、拍手を送り!



石井は、ありがとうと伝え

あ、そうだ、忘れるところだった


「女バスのみんな、持田さんの背中、そして僕の背中もおしてくれて」

「ありがとう!」

「これから、毎日部活に来るから、宜しくお願いします」

「それと」


「いまから、1つ頼まれてほしいのだけれど」

「女子5名と、男子3名で、オフェンス男子で1本つきあってもらえますか?」


女バス!え男子3?もちろん良いけれど

うちら5だよ

と話しながら



女バス5名は、守備についた。もちろん持田もである。


男子は3名 右に嘉位 TOPに、石井、左に由良


八重

「由良ーー!がんばれーー!」

香織

「嘉位!!」


楓、・・・バスケなんてやったことないのでは?


桜井・佐伯

「キャプテン、副キャプテン、バスケも出来るの?」

八重

「いや、みたことがない」

香織

「うん、ない」

「ない、ない」


??????



石井!

「では、ラスト1本 いくね」

「いくよ!」


石井は、前にフェイント気味で、ドリブルをし、右によりながら

ディフェンスをあつめ、腰の裏を通し、バックパスで

フリーの由良へ


由良はボールを持ち換えて、片手で、思いっきり

ボールを投げた


八重

「由良ーーーーそれじゃー、高すぎる!!」


由良、そうおもうだろ、でも、これがリクエスト、ここじゃないと


そこに、フェイントで、ディフェンスを交わした

嘉位が飛び込み、


高くジャンプ!!し、そのまま空中で、受取り

ボールをリングの中に押し込んだ!!!!!



事は一瞬であった



女バス!!ええええ

ありえない!


アリウープ!!!!!!



すごい!!!野球部ってなんでも出来るのね!


石井

「かい君、ナイスシュート、由良もナイスパス、ばっちり」

「アリウープをやりたいって言いだしたときは、正直出来ないと思っていたけれど」

「バスケやっていたの?」


嘉位・由良

「いや、今が初めて」


石井

「またまた、初めの人の動きじゃないよ、今のは」


女バス

「そうだよ!凄いなー」


嘉位

「いや、バスケットボール触ること自体が、僕は初めて」

由良

「俺ボールは、八重の中学の時に触った事はあるけれど、バスケをやったのは、今日が初めて」


香織・八重・楓・・・・。あれか


佐伯・桜井、人間ではないな、もうわかったので、大きな声で

「キャプテン、副キャプテン、いつ、どれくらい?」


嘉位・由良

「2時間目の休み時間、5分で、全部暗記した」



女バス!!!!

「暗記!暗記で、出来るの?」



ええええええええええええええ


香織・楓・八重

「そうなるよね、やはり」




持田と石井も、

びっくりしていた

実は、こっそりと二人は、手を握り合っていた。

女バスたち、みんなが、嘉位と由良に注目していたので

石井と持田はさらに、体を寄せ合って、はじめてのキスをしていた。誰にも気づかれる事なく。

そう、嘉位と由良以外は、

誰も気が付く事は

無かった。




< つづく >


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