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第一四二話 引退


嘉位と香織は手を繋いで、帰宅した。比較的1月としては気温の高い日が続いている。

玄関をあけると、千佳が出迎えてくれていた。


千佳


「おかえりなさいませ、嘉位様、香織様」


「ところで、先ほど芸能ニュースコーナーで取り上げられていました。」


「速報として、ご覧になれましか?」



二人は、電車の中、手を取り合って話に花が咲いていたこともり、いつもの事ではあるといえば、その通りなのだが

スマートフォン等は一切目を通していなかった。



いったい何があったのだろうと



香織

「千佳さん、着替えてから、広間に行きますね」



部屋に入り、着替えながら、スマートフォンを見ようと思ったが

せっかく千佳さんが教えてくれたのであるから、余計な情報を得るよりは

素直に、千佳さんの案内を受けてみよう。

お互い、そう思い、早速広間に向かった。




千佳が

「いま、ご覧になっているニュースから、20分後位に始まると思います」

「お茶をお持ち致します」



香織


「そろそろ、ですかね!あ、赤く速報!と出ています」



ニュースはこうであった。


俳優の武田 連 芸能界電撃引退!



キャスターは

「これは驚きましたね、今や沢山の番組に出演している武田さん、突然の芸能界引退!」


芸能キャスター

「これには驚いています。この時期にいきなりというと、何か、スキャンダルでしょうか、正しい情報はまだ持ち合わせておりません。」



「ただいまー、ふぅー疲れた」



香織

「え?楓ちゃん?!おかえり」

「今日も遅くなるって言っていたような?」



「うん、事務所辞めて来たの、かお、だから帰宅!疲れたぁー」




楓は嘉位の顔を見て、千佳の顔を見て

「昨夜ね、もう辞めたいと、私は女性を磨いて、連に相応しい存在になりたい。お父様にどのように伝えればよいでしょうか、お母さま、お助けください」

「そのようなメッセージを送りました」

「学校が終わって、マネージャーの車に乗りましたら」


「マネージャーが泣いていて、楓様、今まで本当にありがとうございました」

「と、泣きながら、言われて、スマートフォンを見てみると、お母さまから返信が来ている事に気が付きました。」



「母からの文面を読み上げますわ」






「連君は素晴らしいお方です、あなたを選んでくれて、母としても安堵しております」


「お父様の指示で始めた楓のお仕事ですが、既にお父様は何も権限がありません、心配することはありません。」


「わたくしのほうで、事務所毎無くす事も可能ですが、楓はそれを望まない事でしょう」


「事務所へはわたくしから、連絡を入れておきます。本日付けで芸能界を引退となります」

「楓はマネージャーさんの事が気になるはずです。」

「楓の変わりは居ません。しかし、楓を憧れとして目指している子は沢山います。年末のコンテストでグランプリの娘さんを、マネージャーさんに、お願いすることにしております。」


「楓は、とてもやさしい子ですから、自分の事より、沢山の関係者の方々を心配することでしょう」

「そちらについても、根回しを、しておきます。」


「何も心配せずに、連君の傍にて、がんばってください。」

「夏頃には日本に戻ります、その前に、オンラインで良いので、お二人とお話が出来ればと思います、母より」



楓は読み上げながら、泣いていた。あらためて、文面に母のやさしさに・・・。


香織も、涙がこぼれた。



嘉位は、さすがだ、母さん




千佳も涙がこぼれ、同時に、ニュースが




キャスター


「さらに、今入った速報です、矢井田 楓さん、芸能界電撃引退と、あります、詳しい事はわかり次第、22時のニュースにてお伝えします。」


芸能キャスター


「今をかけぬける、2名のスターが、引退ですか、私も全く情報がありませんので、いや驚いています」


キャスター

「次は、スポーツニュース!」






嘉位は、テレビを消して



「楓、今まで、よく頑張った、よく耐えて来た。」




楓は、今までを振り返り、涙が、あふれて来た



皆は楓が泣き止むまで、まっていた。


想像を超える、辛さと、鍛錬があったのであろう。





楓は、やっと泣き止んだ


「お兄様、ありがとうございます、いったんお風呂に、入ってまいります」



楓はその場を、あとにした。







すると、

嘉位のスマートフォンに!

嘉位は?!

僕に?

という顔で



嘉位はスマートフォンを、香織に渡して

香織は、見てよいのですか?未読ですけど



嘉位は、頷いて


香織は未読のメッセージを読むと

「かい さん、報道をご覧いただけましたでしょうか、本日付けにて引退しました。」

「つきましては、身勝手ですが、金曜日夕方に、東京駅に向かいます」

「金曜から日曜日まで、おじゃまさせてください」

「宜しくお願い致します。このことは、楓には内緒にしてください」

「驚かせたいので、それでは」



香織は!!!!!嘉位を見て

嘉位はおおよその事は想像出来ていたので、


「かおり、連が来るのでは?楓に内緒で?」


香織は、びっくりして!なんで、わかるの???的に嘉位の顔を覗き込んだ



「愛しき人には、サプライズ演出をね!」




香織は、とても嬉しくなり、嘉位も、いつも想像を超えた事をしてくれる!


「はい、内緒にしておきます」


嘉位

「おそらく、明日はマネージャーが増えると思うし、マネージャー規則を作り上げる」

「金曜日監督への説明には、1時間はかからないから、金曜日は17時には終わりにしよう!」

「千佳さん、金曜日17時に正門に車をお願いします」


香織は?!と思ったが


「はい!」








楓がお風呂から出てきて、

「ふぅーお腹すいた」


香織は、そうね、先に食べましょうか?わたしもお腹すいたし

「千佳さん、お食事にしてよろしいでしょうか?」


千佳

「かしこまりました」




3人で食事をすませて、

楓は、今日はもう、寝る、眠くて・・・と

部屋に向かった。



嘉位と香織は、お風呂に入り、

お互いが乾かしながら、部屋に戻り


香織はテレビをつけた。丁度ニュースの時間であったからである

「あ!やっていますよ、嘉位」

「わ、なんでしょう、酷い事言っていますよ」


嘉位

「そういうものだよ、あること、無い事」

「芸名だから、少しすれば、ネタもつきるでしょう。」



香織

「そうですね!その通りです。さらに、和井田に来れば、誰も近寄れないですしね」


香織は、テレビを消した。

楓ちゃん、びっくりするのだろうな。



二人は明日の学校の準備をして、

横になった。


翌朝、着替えて食事に向かうと、既に楓が座っていて

「かお、おはよう!」

元気いっぱいに、迎えてくれた。


三人は学校へ向かい、駅でみんなが待っていてくれた。






佐伯、桜井

「みたよ!!!楓の引退、3月頭と聞いていたから、びっくりした」

「それに、それに、武田 連も、でしょう!びっくり」



楓は、うふ と 笑い


「それは、武田も芸名、本名は、豊田 連ね、

「わたしの、か、れ、し!」

「そして、旦那さん!」



佐伯、桜井はお互いの顔を見あって


「え!!-えええええええええ!!!----」



楓?!


「あれ、言ってなかったかしら?」

「わたくしが、休業か引退かをする理由を」


佐伯、桜井

「それは、良い人が出来たのかなくらいな、感覚はあったけど」

「まさか、武田 連、あ!豊田 連は!年の離れた、大人でしょう」


楓は、人差し指を左右にふり、


「いえいえ、1つ下ですよ、来年、新入生として和井田にきますわ」


佐伯!!!!

「え、武田 連は、もう成人しているのかと、思っていた」



桜井

「わたしも、わたしも、歳下なんて、だって!!え?」

「豊田 連 君っていうのだ、あ、名古屋での!あ、そんな事言っていたよね」


楓は香織に視線を向けて


「そう!さらには、ねー、かお」


香織

「その豊田 連 君は、楓ちゃんの旦那様になる方で、そして新一年生として和井田の野球部に入ってくるのだよ」


佐伯!桜井!


「え!!ええええーーーーーー!!!」



由良は、くすくす と笑いながら

「さっきから、驚いてばっかりだな。」



佐伯

「え!知っていたの?」


八重は自慢気に!


「皆で、香織の旦那の家にお泊り合宿してきた」



桜井!!!!!



佐伯と桜井は、嘉位に顔を向けて、

「あの、ですね、昨日帰りに二人で、話あったのだけど、わたしら二人も野球部のマネージャーに入れてもらえないかな?」


嘉位、そうなると思っていたよ

「もちろん!」


香織、あ、だからだ、マネージャーが増えるとか言っていたのは、もう嘉位にはわかって居たのだ。


由良

「よーーし!では、今日はマネージャーのルールを、完成させよう!」

「明日、金曜日に監督と生徒会に提出!」



放課後、せん、かずきも部室にきて


女性陣がマネージャー規則を作り上げていた


佐伯が

「楓は、見ていてね、私たちで作るから」


八重、どれどれ


「バカなの?女バスって、恋愛禁止!!!無理、無理、無理、ありえん!」

「ここは、なるべく恋愛を禁止とする!」

「よし、これで!」


佐伯


「は!ここもダメですわね、女バス」

「化粧禁止ってなによ!これ、乙女をわかっていませんことよ」

「ここも、なるべく化粧は禁止  と!」



八重

「ナイス!!」



楓・・・・これ、絶対にお兄様に指摘うけるやつだわ。



香織


「スマートフォンも、禁止なのですね、女バス」



八重

「そう、もう、馬鹿としか言いようがないよね」

「情報戦だよ、情報戦!」

「ここも、なるべく、スマートフォンを使用しないこと!完璧」


桜井!よし、これで完成!キャプテン、副キャプテンにみてもらおう!


若干1名を除いて、女子 一同!


「おう!!!!!!」


どや顔で、マネージャー規則を、持ってきて、広げた



嘉位と、由良は・・・笑いながら


由良

「おまえら、規則、作った事があるのかね?」


桜井

「え!なんで、完璧でしょう!」



由良

「規則は、0か1! だから」



嘉位

「気持ちは十分にわかるから、汲み取って直すよ」


「まず、なるべく恋愛を禁止とする!恋愛をしたいということなら、この行は削除」

「同じく、化粧も削除」

「規則なのですから、由良の言う通り、0か1、有りか無しかだからね」



楓・・・笑いながら、やっぱり、言われた。


女子達は、はずかしくなり、


「だってぇーーー、だってぇーーー」


由良が、さらに手を入れて、確認し、


「これで、すっきりしたよ、見てみて」



女子達!

「おおおお!!なんか、ルール って感じ」


せん

「いや、ルールを作っていたのでは、ないのですかね?」


かずきは、笑っていた。


せん

「よし、これで大丈夫です。明日、放課後すぐに監督のところへ、4名でいこうか?」


桜井は、両手で ばつ  を作り!


「全員で行くの!!!」



せん・・・目立ちすぎだけど、良いのかなと嘉位に視線を


嘉位

「みんなで作ったのですから、良いのでは、ないのでしょうか?」


女子一同


「やったーーーーーぁ!」


嘉位


「明日は早めに終わりする」

「土曜日の件、13時に駅に集合で、野球関連のものを一新するために、買い物にいきます」

「せんさん、かずきは、寮長へ届けをお願いします」



佐伯

「あのー、私たちも行ってよいですか?」


由良

「もちろん、全員でいこう、いろいろ、マネージャー用の物もあるから、任せるよ」


桜井

「やったーーー!あ、服装は」



嘉位、忘れるところだった、段ボールから袋を取り出して

「すこし、荷物になるけれど、これを」


和井田の野球部のジャージや、防寒具一式を、佐伯、桜井に手渡した。


佐伯、桜井は喜んで!!!わぁーマネージャーっぽい!


「着替えていい?」


かずき、・・・


「帰宅してから、お願いします」



佐伯、桜井は、あ!そうだった、男子が居るのだった。と笑いながら



戸締りをして、みんなで帰宅した。



そのころ、連も、自宅で、2泊三日の準備をしていた

豊田の母は、

「連、これが行きのチケット、18時には東京駅につきます。日曜日は18時にのります。帰りは一緒です」



「ありがとう、お母さん」





<  つづく  >


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