第一四〇話 御礼
さて火曜日の朝である。おはよう、の挨拶を交わし、二人は制服に着替えて、学校の準備をして広前へと
既に楓は、席についており
「お兄様、かお、おはようございます」
「今週は毎日遅くなりますので、先にお休みになってください」
「日曜日はオフにしています。野球部の説明会に参加致します」
嘉位
「楓、大変だね。無理をしないようにね、連君泣いちゃうからね」
香織
「そうですよね、でもこればっかりは、楓ちゃんの変わりはいないですからね。」
楓
「そういえな、お二人は放課後ご予定があると、お兄様いっていらっしゃいましたが?」
嘉位
「うん、少し、お伺いを立てるべく、蓬田家と、もう1か所へ、車になるから」
「千佳さん、放課後学校へ車をお願いしたいのですが」
千佳
「かしこまりました。」
香織は何のことだろう?と嘉位を覗き込んで
「うん、蓬田家に顔をだしてから、お礼にとね、制服のままで大丈夫だかね」
朝食を済ませて、三人で学校へ、最寄り駅にはいつも通り、
桜井、佐伯、由良、八重が待っていてくれた。
皆と合流して、週末の話で盛り上がりながらの登校である。
楓は、改めて、佐伯と桜井に、芸能活動を休業するために、2月末目標の、最大三月第一集まで全力でと
佐伯
「そうか、そうなると、ゲームは出来なくなりますね」
桜井
「わたしらで、85層まで進めておきますから、最後は85層で、みんなで引退みたいな形がとれれば」
楓
「うん、ごめんね、わがまま言って、ギルドマスターの権限は、渡しておくね」
そんな話をしながら、午前の授業を終え、昼食へ、一同食堂へ向かい
わいわいと、話ながら、まわりの生徒の注目をあびつつ、楽しく食事を済ませた。
午後の授業もあっという間に終わり、
それぞれが帰宅、所要の為に向かった。
嘉位と香織は車にのり
楓はお迎えのマネージャーの車に乗っていった。
嘉位は、蓬田家の前に車を止めて
そこで、おりて、香織をエスコートし、酒蔵の方へ足をすすめていた
職人さんたちが、おおお!この方が、香織お嬢様の旦那様になられるかたなのだ、なんて大きく、凛々しいのだあろうと感心していた
そこに、蓬田のお母さんがやってきて
蓬田の母
「嘉位さん、お気遣いありがとうございます。お礼がしたかったので、助かります」
香織はなんのことか、わからなかったが
一同は改めて、車に乗り、目的地へ向かった。
そこはビルの前であり、地下駐車場には沢山の車が停まっていた。
嘉位は、では、まいりましょうと、案内した。
嘉位
「失礼いたします。山本です。」
既に知らされていた、社長をはじめ、重役方々が嘉位を出迎えていた。
サービス会社の社長
「わざわざ、起こし頂かなくても、恐縮でございます。副社長様」
「何か、不手際がございましたでしょうか?、申し訳ございません」
社内は一斉に、静まり返っていた、学生が来ている。社会見学?か何か?
嘉位は、・・・・・・ここにも、駄々洩れだな、母さんかな?
嘉位
「その前に、施工・サービス部門へご案内頂けないでしょうか?」
社長、は顔が真っ青になり、まずい、まずいぞ、何かやらかしたのだ、終わりだ、終わりだ・・・。
「え?!。はい。」
4階のフロアーに案内された。
嘉位は蓬田のお母さんに、
「いらっしゃいますかね?」
蓬田のお母さん
「あ、はい、あちらの5名の方々です。」
そのまま、蓬田のお母さんは足をすすめて、
「お仕事中のところ、お邪魔をして申し訳ございません」
ベテランの技師
「あ!その節は大変でしたね。あれからどうですか、日々点検には向かわせていますが、問題ないみたいですが」
蓬田のお母さん
「はい、毎日来てくださって、これも、かいさん、のおかげではりますが、皆さま、非常にごくごくわずかな事にも気を配って頂いて、感謝しかありません」
「地震の時の迅速、適宜な対応、こころよりお礼を申し上げます」
社長はびっくりして!!!そんな事があったのかと
嘉位が、話に割って入り、
「その節は痛みいります。ベテランさんの適格な配慮があり、わたくしも安堵しております」
ベテラン技師
「あ、それは、もちろん、我々の仕事ですし、わたしじゃなくても、このフロアーの居るだれであっても、同じ対応、いやそれ以上の対応を実施したはずですよ」
嘉位
「素晴らしい!!!職人さんは、日本の宝です!ありがとうございます」
嘉位は、名札と、机に置いてある名詞を確認し、主任と・・・。
「皆さんのメンバーは、5名でしょうか?」
ベテラン技師
「はい、わたくしがリーダ的に務めさせており、若手4名で、1チームで5名でございます」
嘉位、どうみても50歳は超えているようにみえるし、若手といっても30後半から40半ばだろう。
「貴重な1チームを、お正月でありながら、対応して頂き、心からお礼を申し上げます」
いったん、嘉位達は、さがり、社長のほうへ向かい
「社長、急でもうしわけありません」
「会議を設定できますか?手短に終わらせますので」
「そうですね、今いらっしゃる役員の方、総務か人事、経理か財務の方も同席ねがいたいです」
「こちらの資料をお持ちいただければ、幸いです」
一行は上の階の会議室に移動した。
香織はさっぱり、わからなかったが、嘉位についていった。
それは蓬田のお母さんも一緒であった。
蓬田の母
「わたくしも、でしょうか?」
嘉位
「はい、是非、お願い致します」
各着席し、
社長から、嘉位の説明から始まった
「こちらに、いらっしゃる方は、滅多にお目通りができません、御方です」
「皆、失礼の無いように、無いように、」
今いる役員があつまり一、
社長はどうしてしまったのか、
中学生?高校生をつれてきて
社会見学か、何かなのかな?
どこかで、見たことのあるような気もするものの、
忙しいのだよ!こっちはさ、子供の遊びに付き合っていられないのだよね!?
面倒だな、
なんでこんなところに呼び出されてと、
思っていて、
横暴な態度も取っていた
嘉位はあたりを見渡し
その場に、立ち上がり、
「この度の地震への対応、誠にありがとうございます。」
嘉位は即座に資料を暗記した。それは数秒であった。
人事部長、財務部長は、
なにを、かっこつけているのだろう?
どこかで、見たことはあるが、
これはあれかな、
テレビ局のドッキリか、何かの取材なのか
適当に、やりすごすか、
時間の無駄だなー
と
冷たい目でみていた。
一方、
社長は、もうダメだ、終わりだという形で、顔が真っ青であった。
「施工・サービス部門の方々に対する待遇を改めます。人事部長、彼らは資料によると最終学歴が高校卒業とありますが?」
人事部長は、資料を、めっくて、めくって、
・・・わからない、
誰の事だ・・・。
施工なんて、そりゃ・・・。
あ、これかな、
くそ、面倒くさいな、
社会見学ならほかの、ところでやってくれないかな?
「あ、はーい、そのようですよー。」
嘉位
「人事評価制度は、どのようになっておりますか?」
人事役員が、面倒な事を聞いてくるな、
正直に答える必要などないから、
適当に、適当に
「えーーと、ですね、いわゆる、なんといいますか、それは、日本というか、ま、そのような感じの・・・」
嘉位は、
「言葉を簡潔に」
人事役員は、
なにを、言っていやがるのだ、
子供に、わかりやすいように、ってか?
面倒くさいな、
これは、週刊誌の取材か、何か、なのか?
時間の無駄、無駄、無駄
嘉位は、一同を見渡しながら
「人事制度を改めます。」
「年功序列は悪くは無いです。お子さんにかかる費用等も考慮すると必要なシステムであります」
「ただし、スキル、個の個性、特徴、特技、サービス精神等に対する評価が低い」
「学卒等で判断等は、もってのほか、不要!」
「確かに初任給という形で、待遇をわけることについては、反対は致しません。」
「個のスキルに、助けられている部分を、皆さま、くれぐれも、お忘れなく」
役員、人事部長は・・・
好きかってな事を、言っている、
社会見学にしては
カメラどこにあるのだ?
嘉位は、続けて
「先ほどのサービスリーダの主任の方を、部長級へ、メンバーを課長級へ昇進させてください」
「並びに、今回災害対応として、社員の皆様に一律100万円のボーナスを支給する」
人事部長、経理部長、財務部長・・・・・
え?この人なにを、
勝手な事を、
ドッキリとか、
そんな感じの企画なのか、
こいつバカなのか?
この子、そろそろ、摘まみだすか
時間、時間の、無駄。
経理部長
「あの、失礼ですが、どのような権限があって、そのようなことを・・・」
社長が慌てて、
え!
見てこのお方が、
どなたか、わからないのか!
私の失態だ
声を大にして、
嘉位に向かい、
深々と頭を下げて
「申し訳ございません、申し訳ございません、山本財閥の御曹司様、筆頭株主、副社長様!!!」
経理部長、人事部長、財務部長は
・・・
顔が真っ青になった
この方が
山本財閥の御曹司でいらっしゃる、
将来トップに君臨する・・・
なんたる、態度、失言をしてしまった、
・・・3名とも足ががくがく震えていた。
嘉位
「皆さんのおっしゃりたい事は、わかります。」
「しかし!」
「この日本は!即活用できる資源が無い」
「原油、ガスをはじめ資源というものが無い」
「メタンは商用化には温暖化の対応が必須」
「日本国には、いやゆる、資源そのものは、無い!」
あたりは、沈黙し
嘉位に注目していた。
すこし、の間、・・・空気が止まったような感じがあった
「我が日本が、世界に誇る資源、それは、たった一つ!!!!!」
嘉位はさらに、声を大きくし
「人財である!」
「技術こそが、財産!サービス精神が財産であり、資源!人財こそ、我が国の最大の資源であることを!!!」
一同は、・・・
嘉位に圧倒されていた。
それは、
蓬田のお母さん、香織もそうであった。
香織は、かい、御曹司の顔になっている。
かっこいい、流石、わたしの旦那様
嘉位はつづけて
「付け加えるのであれば」
「あなたがたの言う、大学とやらは、」
「世界から見れば、日本の一部の大学、3つ、4つを除けば」
「世界からみれば、専門学校以下、高等学校以下という事を認識してください」
嘉位はさらにつづけて
「この制度については、既に財閥会長兼務、社長も了承済みであり、後程何らかの形で連絡が届きます」
「人は財産!」
「人材であらず、人財」
「財産!なのです」
一同は、唖然とし、
嘉位の言っている事のスケールの大きさに、
引き込まれていた。
「わたくしは、あなた方を責めているわけでは、ございませんので、ご安心ください。」
「汗水流して、時には血を流し、家族のために、そしてそれが日本の豊のためであると」
「昼夜問わず、働いてくださっている方を、重んじてください」
「決して、あぐらをかくことが無いように、風通しの良い社会を一緒につくろうではありませんか」
社長は、涙ぐみながら
「はい!おっしゃる通りでございます。ありがとうございます。」
会議室の空気は、一変していた。
全ては嘉位の世界へ取り込まれていった。
嘉位
「社長、またおそらく別の施工チームだと思います、和井田の野球場の件、想定より早く仕上がると聞いております」
施工サービスの平取締役
「はい、山本様、全力4直三交代で務めております、当初の4月半ばより、2か月程度前倒しで、御引渡しが可能です」
「この件は、わたくしが陣頭に立ち」
「現場に入り、全力で対応しております。」
嘉位
「素晴らしいです。役員の方が現場に足を運んでいただけることに、感謝を致します」
「あなたのように、現場を理解し、おそらく現場の方々も鼓舞されているはずでしょう」
「先ほど資料を目に通しました、先ほど述べた通り、卒業した学歴等は、世界において皆無です」
「社長、こちらの方を、副社長に推薦致します」
施工サービスの平取締役!!!!!え!?
社長
「それは、もちろんでございます。わたくしは恥ずかしいばかりで、もう、外れたほうがよいですね、申し訳ございません」
嘉位
「それには及びません、和井田の野球場について許可して頂き、人財を割いて頂いた、決断をしたのは社長ですから、引き続き、宜しくお願い致します」
社長
「あ、あ、ありがたきお言葉でございます」
嘉位
「お忙しい中、お時間を頂き、誠にありがとうございます」
「今後とも、技術力、サービス精神をもって、邁進して行って頂けるよう、心から望んでおります」
一同が立ち上がり、深々と頭をさげた
嘉位
「それでは、失礼致します」
香織のお母さま、香織をつれて、駐車場へと向かった。
社長一同、深々と頭をさげて見送ったのであった。
香織の家につき、お母さまに深く、お礼をし、車は
山本のお屋敷へ向かっていた。
香織は、ずっと嘉位の腕にだきついたままであった。
二人は、屋敷について
千佳が出迎えてくれていた
「嘉位様、香織様、お風呂でしょうか、お食事でしょうか」
香織は
「今は嘉位と一緒に居たいので、先に二人でお風呂に入ります。それからお食事でお願い致します」
千佳は、にやりと、脱衣所、湯船にはこっそりとお香を焚いていたのである。
「かしこまりました。」
香織は、嘉位をぐいぐい引っ張って、かっこいいなー、私の王子様
脱衣所にはいると、いっきに、制服を脱いで、全裸になり
全裸のまま、嘉位の制服をゆっくりと、脱がしていった
嘉位の視線は・・・それは、それは、お胸にくぎ付けであった
香織はふいに、振り返って、いたずらをし、かるくジャンプをし、何故だろうか
超ご機嫌なのである。
遊んでいるが、同時に、
お胸のお山は、
上下に、ぷるん、ぷるん、と
大きく、揺れていた。
そして、
嘉位!!!!それは、反則、反則、REDカード、ああ、もう、凄い、香織
香織の胸を凝視していたら
嘉位のJrは、やば!!!! と なっていた。
< つづく >