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第一四話:初めての休日デート ショッピングとお祭り騒ぎ

おしゃれ?おしゃれって何?どういうのが、おしゃれなの?


翌日。学校が終わると、蓬田香織よもぎだ かおり山本嘉位やまもと かいとデートの約束をした週末に向けて、親友の中曽根八重なかそね やえと一緒にデパートに買い物に来ていた。春の暖かな日差しが、街を明るく照らしている。土曜日のデパートは多くの人で賑わっていた。


「かい」との初デートのために、新しい服を選ぶ。八重はファッションセンスが良く、香織に似合う服を次々と見つけてくれる。「これはどう? かおりの雰囲気に合うと思うんだけど」「このスカート、可愛い! かおりが履いたら絶対似合うよ!」八重は楽しそうに香織をコーディネートしていく。


香織は試着室で色々な服を着てみた。普段は手に取らないような明るい色や、少しデザイン性のある服に戸惑いながらも、鏡に映る自分を見て、八重の選んでくれた服が確かに自分をいつもより魅力的に見せてくれていることに気づいた。


「どう? これ、かおりっぽいけど、いつもより華やかでいいじゃん!」八重は香織が試着したワンピースを見て言う。

「う、うん…ちょっと恥ずかしいけど…」香織は顔を赤らめる。

「大丈夫! 山本嘉位もきっとドキッとするはずだよ!」


何着か試着した後、香織は淡いピンクのワンピースと、それに合う白いカーディガンを選んだ。普段の自分からは想像もできないような、可愛らしいコーディネートだった。


服を選び終え、二人は別のフロアを歩いていた。アクセサリー売り場や雑貨売り場を冷やかしていると、突然、八重が「あ!」と声を上げて立ち止まった。


「かおり! 見て見て! 大人の下着祭りやってる!」


八重が指差す方を見ると、特設会場らしき場所に、色とりどりのランジェリーが所狭しと並べられていた。普段はあまり目にすることのない、華やかでセクシーなデザインのものばかりだ。


「ええっ…!」香織は顔を赤らめながら、思わず目をそらした。


「何照れてんの! せっかくデートなんだから、下着も新調しなきゃでしょ!」八重は香織の腕を掴むと、強引に特設会場へと連れて行った。


会場には、若い女性たちが楽しそうに下着を選んでいる。香織は落ち着かない気持ちで、八重の後をついていく。


「ほら、かおり! このデザイン、可愛くない? レースがいっぱいついててさ!」八重は手に取ったブラジャーを香織に見せる。


(う、うわぁ…)


香織は目のやり場に困る。どれもこれも、自分の地味な下着とは全く違う、華やかなものばかりだ。


「かおり、サイズいくつ? ちょっと測ってみよう!」八重はそう言うと、香織の制服のブレザーを剥ぎ取ろうとする。


「ちょっ、八重! なにしてんの!」香織は慌てて抵抗する。


「いいじゃん! サイズくらい!」


結局、八重の勢いに負けて、香織はサイズを測られることになった。八重は慣れた手つきで香織のサイズを測ると、「おー! なかなかやるじゃん、かおり!」と満足そうに頷いた。


そして、八重は香織に似合いそうな下着をいくつか選んでくれた。淡いピンクやクリーム色の、レースがあしらわれた可愛らしいデザインのものだ。香織は顔を赤らめながら、それらを手に取った。生まれて初めて買う、自分で選んだのではない、誰かのために選ばれたような下着。


下着を選び終え、会場を出ると、香織はどっと疲れた。八重は楽しそうに笑っている。


「これで、デートの準備は完璧だね! かおり、頑張ってね!」

「う、うん…ありがとう、八重…」


買い物を終え、八重と別れた香織は、手に持った紙袋を見た。新しいワンピース、カーディガン、そして、可愛らしい下着。これらを身につけて、「かい」とデートをする。想像するだけで、香織の心臓は早鐘を打った。期待と不安が入り混じり、まるでジェットコースターに乗っているかのようだった。



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― 新着の感想 ―
八重さんが一緒だとなんだか心強いですね^^ 下着まで新調して、これで当日まで準備万端ですね♪̊̈
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