第一三七話 連の速球!
おはようございます!朝の7時になるころであった。
既に朝食は用意されており、豪華に並んでいた。
嘉位があらためて
「朝食をすませたら、みんなで練習場へ」
「お腹、すくから、たくさんたべよう!」
「いたーーだーーきーーーまーす」
楓と連、初々しい二人の食時を見て、
八重、香織は、あれが普通なのよね、たぶん?うちらって、と八重、香織はお互いの顔をみつめあい
二人とも顔が真っ赤になっていた。
由良はなんのことだろうと、八重を見ていた
おなかいっぱいになり、
嘉位が、そろそろ、かな?練習いこうか
「連、中学校の卒業式は三月1週目だよね?」
連
「はい、そうです」
嘉位
「楓、休業するのは3月頭かな?」
楓
「休業か引退かはまだ、確定しておりません、お兄様のいわれるとおり、3月頭には休業します」
嘉位
「連は、芸能界引退で良いのだね?」
連
「はい!もちろんです、野球に邁進します!」
嘉位
「そこでだ、もともと僕、香織、由良、八重さんで、初選抜へ視察に行く予定である」
楓!あ、確かに監督に進言していたことだ
「連も、楓も、一緒に甲子園視察、1週間くらいだが行かないか?泊まりにはなるが」
「学校のほうは、うちのほうで説明しておくから、心配は無い。」
連!!!!
「え、良いのですか!行きます、行きます!」
楓もとても嬉しくなって
「はい!お兄様、是非、是非、連れて行ってください」
香織は、楓を見て
「楓ちゃん、良かったですね」
楓は、あ、これはお兄様の発案として、かお が、背中を押してくれたのだ、かお、ありがとう!お姉さま、大好き!
一同は、練習場へ
練習場までの通りは冷え込んでいたが、練習場へ入ると
暖かかった。
八重
「ふーーーーー、生き返る!」
嘉位
「空調聞いているし、香織たちがいるところは、床暖房ついているから、そのネット側、ベンチで見ていてね」
「まずは、ストレッチから」
由良、当然のごとく
「午前中はストレッチかな、午後も良いけど」
連は、え?ストレッチ、午前中いっぱいとうと4時間、え!投げたいのだけど、投げたい、ゆら さんに、受けてもらいたい
「ゆら さん、俺投げたいのですけど、受けてもらえますか?」
嘉位は、由良を見て、たぶん、・・・・、
由良は、アイコンタクトで、だよな、やらせるだけ、やらせて、それからストレッチでも?
嘉位は、わかったと、アイコンタクトを取った。
由良、はミットを取り出して
「よっしゃ、あそこがブルペンだから、あっちだな」
嘉位はいったんネットの外側に出て、香織たちと、連の投球をネット越しにみることにした。
連は、ゆっくりと構えて、まっすぐを、投げるようにボールを握った手を前にさしだし
「では行きます。」
由良
「おう!」
連は、ワインドアップをしてから、
ばーん
由良、シュート回転しちゃっているな、やはり
「もう、一球」
連は、投げてみるものの、自分の球ではないことに気が付いた
嘉位はやはり、そうなるよな
120半ば位か、ただ直せるし、出来上がっているし、タイミングも良いから、午後には
連は自分の球が、信じられなかった。
嘉位はネットの中に入って
「連、おそらく15から20、いや30位、下がっているでしょう」
連は、肘等を確認しながら
「はい、まったく球が伸びません、シュート回転もしています」
由良!そうなのだよな、まず、これを直すのに時間がかかるが、連の場合は、午前中だけで直りそうだ
「午前中、ストレッチをしよう、重点的に」
連、いや、おかしい、こんなはずでは
嘉位
「つまり、ここ課題なのだよ。」
楓は言っている意味が、良くわからなかった、お兄様の説明を聞いておこう。間違いないから、お兄様は
嘉位
「中学3年夏、ボーイズはもう少し早いのか、クラブチームの活動」
連
「はい、そうです」
嘉位
「夏で終わったと仮定し、8月とする、そして、高校へ進学し入部するのが4月。この間、約6か月ある。」
「この6か月の間に皆受験勉強に励むわけです。」
「一方で、個人練習は別として、チーム練習、練習試合等は、この6か月間、まったく実戦形式がなくなってしまい」
「体は覚えていても、体が言うことを聞いてくれないために、高校に入ってから、イップスと勘違いをし、諦める選手も」
「入部して、夏前に辞めてしまう高校生も多々居る」
「先ほども言ったとおり、体は覚えているから、感覚を呼び戻してあげれば、問題ない」
「指導方針を、間違て、無理に全力でやると、今度は怪我をし、下手をすれば野球生命も終わる」
「では、どのようにすれば良いのか?」
由良
「簡単だよ!」
「ここからは、俺が」
「入念のストレッチ、これに尽きる」
「体の至る部分が、硬直しているから、十分にストレッチをすれば、自分のベスト、いやベストを更新できるようになる」
「連、これから4時間みっちり、ストレッチし、お昼を食べてから、午後投げてみよう。それまではストレッチ」
連は、言っている意味が良く理解できなかったが、かい さん、ゆら さん 世界一が言うのであれば、信じてみることにした。
午前中、男性陣は入念にストレッチをした
連は、体がこんなにも固くなっていることを実感し、それが徐々に、ほぐれていくことも実感していた。
一方、女子達は
昨夜のエッチな話題で盛り上がっていた。黄色い声が聞こえるが、それに反応するような男性陣のストレッチではなかった。遠巻きにみても、見ているだけで痛くなる感じがあり
それよりも、エッチ体験を各々が、語っていた。
特に楓は、指だけで、頂点・・・大満足であったことを、事細かに説明し
聞いている、八重、香織は顔が真っ赤であった。
八重は手で顔をあおいで
「ふぅーー、なぜかな、ここ熱いな、熱い」
女子達はそんなことを、延々と4時間熱意をこめて、エッチな話でもりあがっていた。
香織のストップウォッチから音が聞こえて、
香織は大きく手を振りながら
「嘉位、4時間でーーーす」
男性陣は、練習場から出てきて
連は、とても体が軽くなっていた。
タオルで汗を拭いて、一度昼食を取るため、広前へ
昼食をとりながら
連
「ゆら さん!ストレッチ4時間、まだ足りないですが、かなり固まっていたことを実感しました」
「今は、もう軽いです。」
由良!
「そうだろう、そうだろう、腕の張りや、肩甲骨、腰と、大腿骨まわりの内筋がほぐれたかな?」
連
「はい!かなり!」
嘉位、流石だな、これは一級品であるな
「連、不満を言わずに、よくストレッチを続けた。」
「来週末か、連の試験後の資料を見ると、月曜日だと思っていたが、日曜日、入学説明会、午後部活動、入寮説明会」
「僕は、新野球部1年生に、2つ課題を出す」
「1つは、ストレッチを毎日2時間最低、2時間欠かさず、入寮するまで続ける事」
「もう1つは、当時の楽しみにしておいてほしい」
「ストレッチを続けて来た新入生が、Aチームスタメンになるだろう」
「もっとも、人数的に1チームしか作れないから、紅白戦等は出来ないがね」
連!やった!
「はい!」
千佳が嘉位に大丈夫という合図を送った。
嘉位は、無理言ってありがとう、千佳さん
「今日も午後の練習は15時まで」
由良!?少し早いな、午後2時間か
嘉位
「その後、そのまま、ここには戻らず、昨日焼肉を食べたところへ集合」
「お楽しみは、そこで」
香織もなんだろう、千佳さんと話していたみたいだけど、私に話してくれても、いや嘉位の事だから、私を含めてなにかあるのだろう
ごちそうさまでした!
では、いくぞ、練習へ
おおお!!!
まずは、軽くランするか
由良がゆっくりと走り出し、その後に連、嘉位と続いた。
何週かゆっくり、体を動かし、アップを開始し、既に1時間が立っていた。
14時である、15時までとなると、あと1時間切っていた。
由良、では!そろそろかね、と嘉位に視線をおくり、嘉位も頷いた。
由良はミットを手にもち、嘉位はネットの外にでた
楓は嘉位をみつめて、
嘉位
「楓、連を今度はじっくり見てみて、ものすごいから」
楓は、午前と何が違うのかは、わからなかった。
ブルペンをネット越しに、みつめていた。
連はボールをとり、
由良が、そうだな、20だな
「連、変化は何が?」
連
「そうですね、縦と、フォーク」
由良、
「了解、では、直12、縦3、フォーク3、MAX2」
「20で」
連!?
「はい、わかりました」
連はゆっくりと、セットをし、
楓はじっと、連をみつめていた。
ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
八重と香織は、何、何、何
楓は、す、すごい
由良!お、145は出ているな、午前とまったく別人だわ
「ナイスボール、そのまま、続けよう」
ばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
嘉位、良い筋をしている。
由良、これは、連か、こうせい、どちらかが先発だな
「よし、では縦スラ」
連の球は、楓の視線のあたりを直撃するかのように、
楓は大きな悲鳴ともいうべき・・・ネット越しに声を出した
ところが、ボールは、由良の真下。
香織、八重は、すごい、消えた、落ちた。
楓もびっくりした。何今の?何が起きたの?
由良、縦スラも、落差あるな!良いぞ
「では、フォークを」
連はゆっくりとしたフォームで、
投げた!
楓は・・・・?!あれ、ボール、ボール、
八重も、あれ?消えた
香織も?!
嘉位、おおすごい、2段階に落ちたぞ
由良
「ナイスボール、もう1球」
楓、は何が起こったのかが、わかなかった。
「お兄様、今のは?」
嘉位
「フォークボールだよ、それも2段階で落ちている、リリースから、半ばあたりで、落ちて、さらに、手元でいっきに沈み込む」
「こりゃ、打てないな」
「僕が打ちたいくらいだよ」
「楓、スマートフォンで動画録画してみてね」
楓は!
「連、ちょっと、まっていて、今録画するから!」
「連!OK!」
連はもう、一球フォークボールを投げた。
八重!消えた、ボールが
由良、すごい球だな、これ俺打ちたいわ
「よし、ではラスト2、フォーシーム2、MAXで」
連はゆっくりとワインドアップし、一気に、由良をめがけた
ばーーーーーーーーーーーーしーーーーーーーーーーーーーーーーーん
楓!!!!!!
「凄い、凄い!お兄様みたい、お兄様を、超えてる?」
楓は嘉位を見て
嘉位
「良いたまだ、150-153位でているよ、信じられない中学生だね」
由良、こりゃイケルは!
「ラスト!」
ばーーーーーーーーーーーしーーーーーーーーーーーーーーん
由良
「ナイスボール!150、ちょっとは出ている、自己ベスト更新しているのでは?」
連!!!150???
「はい、MAX144だったので、す、すごい、自分でも信じられないです。」
由良
「ナイスボール、だから、ストレッチな!」
連、嬉しくなり、あの ゆら さんに、受けて貰えた、それも最速を更新できた、自分でも走っているのが実感できた
「はい!」
連は手を挙げて
「あの、良いでしょうか?」
由良
「20まで、20まで、それ以上は痛めるから」
連
「そうではなく、かいさんの、球も見てみたいのですが」
由良
「あ、そういうことか、嘉位、投げるか?」
嘉位
「時間も時間だから、3球でどうだろう?」
「直のみで」
由良、
「了解」
嘉位はネットをくぐって、ブルペンにはいり、軽いキャッチボールを10級程度、肩や腕、腰、足を確かめながら
「よし、OK」
連はネットの外に出て、楓と一緒にブルペンをみつめていた。
連
「楓、かいさんのも動画撮ってもらえる?」
楓は頷いた。
嘉位はゆっくりと、ワインドアップをはじめ、頭の中でイメージをした、9回裏2アウト、ランナーなし、この3球で仕留める
びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
由良、うひょうーーーー!
連はびっくりした、楓も、である
由良
「ナイスボール、ドストライク、もう1球」
びゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
由良
「これまたすげーな。」
連、こ、これが、世界一のバッテリー、連はものすごく感動した!
由良は、嘉位が本番をイメージしていることを感じとっていた
「ラスト、これで決めてくれ!」
ばすーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんんん
練習場に響く、そして音が残っていた。
楓、は圧倒されていた、連も凄かったが
その領域を超えていた。
由良!よっしゃーーーー!
「ナイスボール、ゲームセットだ!」
嘉位は由良に超えていたか?と指を上にさして
由良、も、頷いた。
連は!興奮していた。凄い!凄い!連の頭の中にも甲子園の一面が浮かんでいた。
嘉位、は連に近寄って
「どう、でしたか?」
連!!!!
「凄いです、これが世界一のバッテリーなのですね、興奮しています!!」
「は、はやく、和井田にきたいです!」
嘉位
「うん。まずはストレッチね」
連
「はい!」
一同は片づけをしてから、そのまま外に出て、冷える・・・。
嘉位が、あ!あそこだ、と指をさすと
香織が!!!あ!そういうことだったのね
香織は八重、楓ちゃんを手招きして
「まぐろの解体ショー!!!!!!」
由良
「うわ、このまぐろ、でけーーーー!!!」
嘉位
「今日は、職人さんに来てもらい、握ってもらうことにした、解体ショーを楽しんだら、広間に戻って頂こう。」
おおおおおお!!!!
お寿司、お寿司、とスキップしながら、八重、香織、楓は喜んでいた。
< つづく >