第一二二話 奇跡は続く
女性を取り囲む、男性四人組
あからさまに、どこで、だれが見ていても、女性は嫌がっている。
まわりの通行人は足をとめるものの、遠くから、外野席ともいえるであろう、巻き込まれない距離で
視線を向けていた。通行人は段々と人が集まってくるものの、誰一人として、止めに入ることはなかった、
一方これは!と、動画を撮影する人も数名見られた。
女性、痛い
「やめてください、何度いったら」
リーダーの男
「あ、せやさかいさー、すこーしだけ、おいしいもんを、食べようやと、言うとるだけやん?」
「ぜったい怪しいもんではありまへんで、少しだけでええからさ」
女性、腕を掴まれて、痛い。強い痛みが走る。周りを見渡すが・・・
「痛い、痛い、放してください」
誰がみるにもあきらかに、女性が拒否をしめしており
誰がどうみても、知り合いというわけではないのは、手に取るようにわかる
一方的な強引なナンパである。風貌もわるく、誰もが近寄ることはできず、終始立ち止まって、距離をおいて
被害を、被らないように、どこか好奇心もあるような、でも、被害を受けたくはないという、いわゆる
野次馬的に足を止めて、様子をみつめていた。
そこに
嘉位がゆっくりと、前に歩き出し、香織はここでと、静止していてと手でジェスチャーをし
「はい、はい、お兄様達、あら、どうしてかしらね、嫌がっていらっしゃいますよ」
嘉位はさらに距離を詰めて、声に出しながら、近づいて行った。
男1は、にらみつけて、怒りをあらわに、視線を向け
「あ、なんや、てめーは?、あ、この女のつれか?」
「ガキはひっこんで、ままのおっぱいちゅーちゅーしてろや」
嘉位は、哀れだなと、思わせるような上から視線で
「つれ、つれねー、そう、そうですね、今つれになったということは、どうですかね?」
男2、このガキ、痛い目みないとわからんだろうな、男1をさえぎり、いきなり嘉位になぐりかかってきた
「うぜぇ、死ねや」
嘉位は、男の肩から腕、こぶしの流れを瞬時に読み取り
軽やかにそれは、それは、ミリ単位でかわした。
そとから見ていた人たちは、誰もが、殴られたと思い、目を覆った。
しかし、
そこに倒れこんでいたのは、殴りかかった男2だった。
男2
「てめーぇ、なに、しやがった」
嘉位は、見下しながら
「僕はなにも、なにも、していません、あなたが勝手に転んで」
「そうですね、地面にキスを交わしたったのですかね、この地球は美しいですから」
男2は、あたまが、ぷっつと、切れてしまい、おきあがりいきなり、嘉位の胸ぐらを、つかもうと向かってきた
嘉位は、型、腕、腰、長さ等を読み取り、
またもやミリ単位で、嘉位の体に触れさせなかった。
男2は、またもや大ぶりになり、体からころげ、地面に倒れた
外からみていた人は、誰がどうみても、掴まれているはずであったが
何故かその場に倒れているのは、男2であった。
男3、おめー、ばかか、こんなガキに、目で合図をおくり
3人の男が一斉に嘉位に殴りかかってきた。
嘉位は、三人を出来るだけ自分の近くに寄せながら、三人の腕、腰、方、足、軌道を全てよみとり
ぎりぎりまで顔に引き付けてから、
さらりと、かわし
男3と、男1はお互いの顔面にこぶしがつきささり、
その場に、痛い、痛いと、ごろ、ころと、寝転んでしまった。
男2は、すかさず、嘉位に大きな蹴りをいれようとした
嘉位は、足、腰、膝、靴の動きを読み取り、
男2は、こんどこそ、死ね!これで死ねや、と確信した
嘉位は、またもやミリ単位で軽やかにかわし、
男2は、大きく蹴り回しが、空振りしたこともあり、体制をくずして
壁際の沢山重なっている、瓶ビールの棚に顔から突っ込んでいた。
そとから、足を止めてみていいた人には
まるで、嘉位がブレイクダンスを踊っているかのような、
軽やかなステップ
さらには、男3人がその場に、倒れているのを目にした
何が起こっているのか、立ち止まって見ている、人
動画を撮っている人にも、解らない事であった、しかし男ら3人は地面に横たわっていた。
動画はSNSでライブ中継されていた。
香織は、怖い、と感じることが無く、嘉位、かっこいい、これも由良君と見せてくれた、そう、お店で実演してくれた嘉位の動作だと。嘉位にかなうものは居ないという、不思議な安心感の方が強かった。
リーダーの男は、ぶち!ぎれて、光物を取り出し
「てめー、ワイが組み物だってことが、死ねや!」
嘉位は、遠くから物凄い勢いで、走ってくる男性を見ていた
その男性は、片目をつぶりながら、顔の前に片手をあげて、申し訳ない
そう、読み取れるのであった
嘉位は、煽るように
「組ものね、何年何組なのでしょうかね?」
「世の中、いつ何時、何が起こるかわからないですからね、お気を付けくださいね」
リーダーの男は、そのまま光物を向けて、嘉位に突進してきた
外から見ている人は、あ!
こういうふうに、なるから関わらないほうが、
あ!やだ、刺されちゃう
等、顔を手で覆う人たちもいた。
リーダーの男が嘉位にあと、わずかに近づいたときに、
後ろから、いきなり
イケメンの男性が
リーダーの男の肩をおもいっきり、掴み、片手で軽々とリーダーの男を持ち上げ
「われ、うちの相方になんのようや?」
リーダーの男は、折れる、折れる、いてえぇーー
「くそが、放せ、放せ」
イケメンの男性は、即座に上から手を離すと
リーダーの男は、顔面を地面にダイレクトにぶつけて居た
リーダーのお男は、痛そうに、左右に体をゆすって、いてぇーと叫んで、這いつくばりながら、なんとかおきあがり・・・。
「てめーら、おぼえていろよ、ほらいくぞ」
男ら4人はその場から走って立ち去った。
嘉位は、捨て言葉に、軽く添えて
「僕の事、覚えてもらえるのですね、嬉しいな」
完全に上からの目線であった
女性は、震えながら
「そう、遅い、だから一緒に取りに行くっていったのに」
イケメンの男性
「いやーごめん、まじ、ごめん、こちらの方は?」
女性は、イケメンの男性の手をとりながら
「複数の変な人に絡まれているところに、一人で割って入ってきて、助けてくれた」
香織も、すぐに嘉位の元に駆け寄った
野次馬たちからは、何がおこったのかはわからなかったが、
少なくとも嘉位が、女性を救ってくれたことに、
これは映画かドラマの撮影かとさえ、疑うようなシーンであり
何人かのカップルが、
拍手をしはじめて
そして、
まわりで観ていた人たちも同調し
拍手喝采となった。
誰もが息を飲んで、いたことを忘れ、どこかスター扱いする感覚で、大きな、大きな拍手を送った、
イケメンの男性
「まじで、助かったは、お兄さん、あれ?どこかで見たことが?」
香織が割って入り、何かを言おうとした・・・
女性
「ほんまに、おおきにな、勇気あんな」
イケメンの男性
「ここじゃ、人の目もつくし、さぶいから、少しお店入って、お礼をさせてもええんかのう?」
嘉位は、この人、あれ?どこかで、見たことがあるような、香織に視線を向け、良いのか確認した
香織も、うなずき
すぐそばのお店に入った。
嘉位!ここ来たかったところだ、明日行こうともっていたので、
イケメンの男性
「いろいろ話したいから、ラーメンでも」
「ほな、入ろか」
そこは、ラーメン
天下一品
であった。
香織は、嘉位をみつめて、もしかしてと思った
嘉位も香織の手をとり、4人は店内へ
イケメンの男性
「まずは、おおきに、ほんまに助かった。わいは、宗山 走っちゅうもんや」
嘉位は、どこかで、聞いた名前だ、あ!と思い出して
「僕は山本嘉位と申します、もしかして、宗山さんはドラフト候補の宗山さんではありませんか?違っていたらすいません」
宗山、びっくりして、でも、どこかで見たことがあることも、ひっかかっていて、山本、・・・山本嘉位、あ!」
「立命館大学、今年で4年になる、宗山ですわ、ところで、もしかすると、もしかして、あのノーノーNo1の山本君?」
香織は割って入って、嘉位より先に
「あ!はい。そうです」
「あ、香織と申します」
宗山、お!やはり、それで、なのかと、関心した
「こちらはワイの嫁の平 美幸や、おないや」
美幸は、深々と頭をさげながら
「助けて頂きおおきに、ところで、お知り合いなんやろか?」
宗山
「あれやねん、あれ、わいでもできへんかった、世界を制した、U-15代表ピッチャーの山本君や」
香織はどことなく、自慢げに顔を前にだして
「はい!そうです」
美幸
「あ、みとったわ、ノーノーすごかったよね」
「ところで、お二人は恋仲ちゅうこと?観光?京都に?」
嘉位
「はい、明日東京に帰ります。」
宗山
「ま、ラーメンすすりながら、はなそうや」
「先ほどの組もんの、あの動き、見切っとったやろ、あ!わいのことは、そう でよいで」
嘉位、ラーメンが来た!こってり、旨そう!
「そう さんには、そうみえたのですか?」
宗山
「そう で いいねん」
嘉位
「では、僕も かい で」
宗山
「せや、かい、ワイも良よー高校野球みとるが、かい は、高校どこいったんや?見かけてへんので」
嘉位
「和井田です。ただ、1年間は野球をしていませんが、2年生なってから復帰します。」
宗山
「なんや、ケガしとったんか?たかが1年は気にすることあらせんや、さよかこの夏なのしみやな!」
嘉位
「ケガとかではないのですが、野球をやれる環境になりましたので、今年は頑張ります」
「そうさん、ドラフト12球団全推しですよね?もう、調査書とかは?」
宗山
「そう でいいっちゅーねん。せやな、わいも高校生の時に調査書12球団からあったんやが、ほれ18歳でプロになると美幸を一人おいていかんと、そらいやな、わけで、そんなら、指名してもらえるのであれば、結婚済み、ほなら、寮とか入らず一緒にいられるさかいな」
嘉位
「なるほど、由良、あ!キャッチャーの御手洗由良というのですが、同じような事を言ってましたね。意中の人と一緒に大学を出てからプロを目指すと」
宗山
「ん?御手洗君も和井田なのか?そうなるとあの黄金バッテリーが復活するのか、うわ、これは、熱い、熱いわ」
嘉位
「そうさん、あ!そう は球団確定しているのだですか?」
宗山
「どこで、だれが聞いとるか、わからへんから、ここでは言われへんが、あ、そな、連絡先交換しような」
嘉位は、意をくみ取って
「わかりました」
宗山
「かい、固いわ、固い、普通にしゃべってや、友達感覚で」
嘉位は、感じ取っていた。この人が日本を代表する名ショートであり、安打製造機であり、長打にもたけ、日本球界を引っ張っていく人であると
いっぽうで、そう と かい が 話している間の
こちらはと、いうと
美幸
「え?!婚約者、そうなのだあ、マネージャーやるのね。」
香織
「はい、ただ、わたしは観る専門で、マネージャーの経験が皆無でして、何をして良いのかはまだ、さっぱりわからないのです」
美幸
「したら、うちに聞いてや、なんでも、かんでも、小学生のときから、うちは、そうの専属マネージャーやから」
香織
「わ!助かります、美幸さん。ありがとうございます」」
美幸
「みゆき でも、みーちゃんでもええから、うちもそーやな、かおちゃんって呼ぶわ」
香織
「あ!わかりました、みーちゃん、私たちは今年のお正月に婚姻が認められて今年結納します、宗山さんとは?」
美幸
「うちらは、産まれてから家が隣同士で一緒に育てられたちゅーこともあってね、子供のころかずーと一緒、お風呂も寝るときも一緒や」
「そりゃ、学校では我慢するしかないけど、家に帰ったら自由。お互いの両親ももともと、うちらが一緒になればとゆうように、育ててくれたからね、小さいときから両家のおすみつきやわ」
美幸
「あっちのほうは、どない?、ほな夜の話やわ」
香織は顔があかくなり
「はい、ほんの数日前・・・」
美幸
「わ!ええわ、ええわ、もうなんちゅーか気持ちいやんな、ずっといつでも、どないなときでも、受け入れるっちゅうか、うちからしたいし」
「うちは、あ、そう、丁度同じくらいの時期やったかな、そうが少しケガをして部屋にこもっとったときに、部屋に入ったら、胸をがばっと
そのまま・・・」
「そう、胸ばっかさわりよるねん、なんであんな胸すきなんやろうな、触らるのは嬉しいねやけどね」
「学校から帰ってから、そう と部屋に入ると、無我夢中で、揉んでくる」
香織は、あ!同じだと思い
「わかります。みーちゃんと同じで、触られまくりですが、それがなんとうのか、恥ずかしいですが、気持ちよくて受けいれてしまいます。今は私の方がもっとと・・・」
香織は顔が真っ赤になっていた
美幸
「いやそれは本能であるさかい、好いた殿方に全てまかせればよいし、足りへんかったら、せがんでええのやで」
「うちの場合は、そうが疲れ切り、ねてはるときには、あそこをもう、お口で吸うて、舌でぺろりと、手でこすって・・・あかん、した なってきよった、ちゅうか、ラーメン食べながらする話とちゃうやんな、連絡先交換しよな!」
美幸も香織もラーメンのおいしく頬張る暑さより、別の熱意で熱くなっていた。
二人は、エッチな気分になっていたのである。
一方。
宗山
「さすがやな」
嘉位
「そう、ではもう1度」
嘉位
「あ、これはもっていかれました」
宗山
「さっきは、三振しもうたけど、こんどは入ったでぇ」
美幸と香織は不思議そうに、二人を見ていた
美幸が、声を変えた
「あんたら、先ほどからずっと、何にしてはんの?」
宗山
「いめとれ、試合」
嘉位
「うっし!、これは決まりましたね」
宗山
「そこで、スプリットか、うわ!」
香織は、二人を見て、この人達なにしてるのでしょう?
美幸は、そうの頭を軽くたたいて
「あんたら、こっち二人のべっぴんさんをほっといて、なにしてはるん?まったく、野球となると・・・これやさかい」
宗山
「いや、ごめん、ごめん、つい本気になっちゃって」
嘉位
「そう、流石です。ここまでやられたのは、初めてです」
香織、・・・?!意味がわからず、何をしていたのか?
「嘉位は何をしていたのですか?」
嘉位
「あ、インスピレーションで、僕が投手で、そうが、バッターで勝負を」
美幸
「は!?あたま、おかしいん?なんそれ?」
宗山
「あ、これな、これは、なんというか、もうその世界の人でないと、できないというか脳トレ的なインスピ試合」
「いや!ほんに、かいと実戦勝負したいわ」
「かい、は、ほんま、すごいは!」
嘉位
「そうは、間違いなく日本を背負っていきますね。完敗です」
香織は、なんのことかさっぱりわからず・・・
美幸もさすがになにをしているのかはわからなかった。
宗山が、思い出したように、あれをやってみるかと
「美幸、財布の中の小銭を出して、年号がわかるように並べてみて、若奥様も、手伝ってもらえますか?」
香織は、やりたいことはなんとなく、理解できていたので
「年号を表にしたら、どれくらい待ってからかくしてよいですか?」
宗山
「さすが、嫁さんだわ、そうやな、5秒、かい、せーので、5秒でよいか?」
嘉位
「もちろん、受けて立ちましょう」
美幸は財布を取り出し、小銭を全て取り出した。美幸はそうが何をしたいのかがわからなかったが、少なくともかおが、わかっていることは感じていた。
「こっちみちゃあきませんからね。」
香織も小銭を年号のあるほうが見えるように、指でひとつづ並べていた
香織は、美幸の顔を見て、目で合図した
美幸
「ほな、せーの から5秒でいいやね」
「いくよ、せーの」
宗山と嘉位は、振り返り
5秒間小銭を見て、
美幸
「はい5秒」
美幸は財布に小銭を戻した
すこし、長い沈黙がわいた
とても、驚いたからで、ある
宗山も、嘉位も予想外の展開に目をまるくして、向き合っていた!。
嘉位は宗山をじっとみて、わかりましたか?
宗山は嘉位をみて、わかった、まじかい?
そのようなアイコンタクトで、話していた。
美幸は、あきれたように
「わからへんなら、すなおに、わからへんといえばよいのに、ほんまかっこつけて」
宗山、あ、わかっていないのだな、美幸、かいは気が付いているはず
「かい、わかっているよね」
嘉位
「はい、びっくりしました、奇跡ですね」
香織は流石に、言っている事がわからなくなり
「?!枚数ではないのですか、何か年号とかですか?」
宗山
「そや、500円玉がな」
嘉位
「昭和64年」
美幸、香織
「えー!ええええ!!!」
美幸
「昭和64年ってすごいの?」
香織は気が付き
「あ!そういうことなのですね、凄い奇跡ですね。昭和64年は7日しかないので、平成元年になりましたから」
「製造流通量が少なく、そのほとんどがコレクターさんが買い占めていて、高値がくるまで保管という形で、現在はみかけることは無いのです」
美幸
「あ、それが、この奇跡の1枚ということ、ってあんたら、あの5秒でそれをみたん?」
美幸は再度財布を取り出して、小銭を並べた
美幸は声にだした、あ!指をさし
「こ、これだ!」
香織は、トップレベルの野球人はすごいな、皆こんなことしているのですね、由良君もそうでしたし、それであれば
「ちなみに、全部で何枚でしたか?」
宗山と嘉位は、せーので
「33枚」
二人は同じ数を言い放った
美幸は数えてみると、硬貨は33枚であった、そこに昭和64年の500円玉が1枚あった。
美幸はあんたら、頭くるってるのではと
「・・・。あんたら、バカなの?」
嘉位
「みゆきさん、そうは、一瞬で硬貨の色や形、サイズ、汚れ、年号等を暗記しただけですよ」
美幸
「暗記!!!5秒で、33枚も?!」
宗山
「うわ、負けや、汚れまでは暗記しとらんかった、さすがやな、かい、うわ、まじで勝負したいわ」
嘉位
「はやければ、3月にまた関西地方に来ます。」
宗山
「せやな、ただ、そのころにはこっちも色々あるから、また連絡するわ、今日はほんまに、助かった、ありがとうな、そしてもっと早く出会いたかったわ」
嘉位
「そう、それは僕も同じです。今度はグラウンドで」
宗山
「おう!」
その間じつは、天下一品のラーメンは4人とも、3杯食べていた。
旨かったのである。
この何とも言えない、
こってとりとした、野菜ベースなのか、スープが独特のあじで、麺にからみついて、
癖になる、これはまさに、天下一品であった
。
宗山にごちそうになり、
そこでわかれて、
嘉位と香織は、宿へ向かうのであった。
香織は、嘉位がいままでにみたことのない、闘志にあふれる嬉しさ、そう私に向ける嬉しさとは違う、なにかもう野球がやりたくてたまらいという姿が目に映った。
手をつなぎ、ホテルに到着した。
これから、お夜食である。
今宵が最後の京都
夜の京都はこれからであった。
< つづく >