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1.うだる暑さに負けない一歩⑤-2
オリジンのメンバーが地上に戻った後、地下研究所でひとり笑う男がいた。
「ククククク」
聞いている者がいるならば気分を害する笑いだ。実際、傍にいるヨキが、笑っている理由を知っていることもあり、げんなりとした顔になる。
「ほんとにこれでよかったんですか~?」
「ウン、上出来だヨ。付き合ってくれてアリガト。ヨキちゃんも今日は好きに過ごしてもらってイイヨ」
「そうですか~? それならお言葉に甘えて帰りますけど……」
「ハイ気を付けてオカエリ~」
ヨキは、この人に付き合うのは疲れるといった顔色だ。正直な彼女は大きめの鞄を肩にかけてエレベーターで上階へと去っていった。
完全に独りになった部屋で、セツラはテーブルの端に置いてある二つの核依代を見下ろした。
「楽しみだナァ……ヤヒコくんとの約束もあるシ、早く研究を進めてあげないとネェ……」
セツラのその言葉は、心を躍らせているような声色を滲ませた。




