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転生して未来視に目覚めた俺。追放や破滅の未来を変えようとしていたら、俺のことが好きすぎる幼馴染女王様に拉致された挙げ句、旅のお供にされてしまったんだが?  ~転生竜騎士と愛の重い逃亡剣姫  作者: 鳴神衣織
第6章 帝国編 ~リリックライラの魔草~

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反転された毒素

【女王様サイド】

 すべてが片付いたとき、辺り一面はまるで白い靄に覆われたかのように真っ白な煙に包まれていた。


 動いているのはナーシャとぽこちゃん、それからイリスのみ。

 それ以外のすべての黒山羊は草むらに横倒しとなって息絶えていた。



「ホント……このリリックライラの魔草って危険極まりない植物ね。さすが、最上級の毒物に指定されているだけのことはあるわ」



 レッサー・レプリカントデビルの死骸がそこら中に倒れる中、頭の上にぽこちゃんを乗せたナーシャの右手を握りしめながら、イリスは独り言のように呟いた。


 二人は毒草と呼ばれる魔草の前に立ってそれらを見下ろしていた。

 リリックライラの魔草は強い毒素を持つと同時に魔力も宿している。


 その魔力に誘われるようにして、普通の魔獣なら絶対に食べない魔草を、レッサー・レプリカントデビルは好んで食していた。


 本来であればあり得ないことだ。

 魔獣と言えども、毒を食らえば即死する。

 しかし、あの黒山羊だけは死ぬことはない。


 そこから考えてみるに、おそらく、彼らは魔草が持つ毒素を中和してしまうなんらかの機関を体内に宿していたのだろう。

 あるいは、もしかしたら中和していたのではなく、毒そのものが彼らにとっての栄養源となっていたのかもしれない。


 そうやって考えるとすべての辻褄が合う。

 なぜ、彼らが毒を気にせず、ひたすら毒草をむさぼり食うことができていたのか。


 そしてなぜ、ぽこちゃんが繰り出した溶解液によって死滅してしまったのか。



(まさか、溶解液を浴びると毒素の属性が変わってしまうなんてね)



 ぽこちゃんの溶解液攻撃には反転属性効果というものがある。王者の瞳で見た限りでは、それがなんの効果をもたらすのか、特に情報として載っていなかった。


 しかし、おそらく今回の出来事から紐解くに、何かしらの属性を変化させてしまう性質を持っていたことは間違いないだろう。

 今回はたまたま、それがリリックライラやレプリカントデビルの体内に含まれていた毒素だったというだけのこと。


 そして、そのせいで黒山羊たちはおそらく全滅した。


 あくまでも結果論だから断定はできないが、あの毒こそが彼らにとっての生命の源なのだとしたら、それがいきなり真逆の良薬へと反転されてしまった場合、彼らはいったいどうなってしまうのか。


 普通の生物にとっては良薬。されど、彼らにとっては死をもたらす猛毒となったと考えれば、すべての疑問が解決される。



(もっとも、エルレオネはスライムの攻撃があの魔獣に有効という言い方をしていたから、もしかしたら、あの子の溶解液に含まれる反転属性効果はまったく関係なくて、普通のスライムでも同じことが起こったのかもしれないけれど)



 スライムの溶解液を浴びると、単純に良薬に変化する毒素だったのか、それともぽこちゃんの攻撃だったからよかったのか。

 今となってはどちらなのかわからないし、どうでもいいことだった。


 ともかくだ。


 魔草の魔力や毒によって生命力を極限まで高められていたせいで、首を落としても死ななかった黒山羊たち。


 しかし、毒素が溶解液に溶かされたことで、それが反転されてプラスの毒素――つまり魔草が薬草へと変化したことで、その不死性が失われた。


 ぽこちゃんによって溶解液をかけられた固体が、身体の中まで液体の侵食を受けて取り込んでいた毒素が反転して、猛毒となり死滅した。


 あるいは、リリックライラそのものに溶解液をかけたことで、溶かされた魔草が白煙を上げて、その中に含まれていた反転された毒素が大気中に広がり、それを吸い込んだ彼らが皆、猛毒にやられて息絶えた。


 イリスたちにとっては反転された煙は良薬となるから、返って魔力が整えられて気力が回復するというおかしな状態。



(都合のいい解釈かもしれないけれど、今更確かめようがないし、そんな気も起こらないからどうでもいいことだわ。結果よければすべてよし――ともかく。これで魔草が無事手に入る。待っていて、フレッド。今すぐ持っていくから)



 イリスはぽこちゃんの溶解液によって溶かされた光り輝く魔草を眺めながら、ゆっくりと深呼吸した。

本作に興味を持っていただき、誠にありがとうございます!

『ブックマーク登録』や『☆☆☆☆☆』付けまでして頂き、本当に嬉しく思っております。

皆さんの応援が執筆の励みとなり、ひいては大勢の方に読んでいただくきっかけともなりますので、今後ともよろしくお願いいたします(笑

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