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追憶。そして、規格外の……2

エピソードの終わりに設定説明を入れてあります。

参考にしてください。


ぺこり

 女神スキルというものが習得した人間にどういう風に認識されているのかはある程度わかっていたけど、隠蔽解除されて自分で確認できるようになってから、初めて本当の意味で理解した。


 運命の三女神様のことを強く認識すると、利き手の甲に紋様化された女神スキルが浮かび上がってくるのだ。

 そして、女神スキルの紋様に意識を集中することで、現在使えるスキルが紋様となって一覧表示される。


 更にそれぞれに意識を集中すると、スキルの能力や発動条件などがわかるといった感じだ。


 つまり、実際に武技が発動されるかどうかは、条件を満たした攻撃を繰り出したかどうかで決まる、ということらしい。



 ――だけど、今問題にすべきところはそこではない。俺のスキルの構造が異常だということだ。



 普通であれば、女神スキルの紋様を意識したときに浮かび上がってくるのは、そのときに使えるスキルの数々である。

 スキル1、2、3、4といった感じに。


 対して、俺の場合は女神スキルを意識すると、なぜかスキルではなく、女神スキルの下に新たにちっこい女神スキルのようなものが無数に表示されてしまうらしいのだ。


 通常女神スキルというものは、大カテゴリー名となっている女神スキル名の下に、常時発動されている身体強化スキルを始めとした様々なスキル群がそのままリスト化されて連なっているだけ。


 図で示すと、長方形の平面図みたいなものか。使えるスキルが上から下に一覧表示されているだけ。

 しかし、俺が習得したものは、そうではなかったのである。



 ――円筒形。



 まさしくそう表現するに相応しいスキルだった。


 三百六十度全方位に向かって、『世界龍の円環』という大カテゴリーの下に、ちっこい女神スキルみたいないくつかの子カテゴリーが展開されていく。


 そして、その下に通常の女神スキル同様、色んなスキルが追加されていくとのことだった。


 図で示すと、中央に小さな丸があり、その周囲に無数の丸があって、そこから外に向かってまっすぐ線が延びていくような感じ。


 まぁ、『*(アスタリスク)』みたいな見た目かな。

 あと、俺のスキルが他のスキルと決定的に違う部分があり、それが、



『自己進化型』



 ということであった。


 普通の女神スキルは色んな経験を積んでいくうちに、使えるスキルがどんどん増えていくと言われている。


 これに対して俺のスキルは、常時発動している『事象変化(エントロヴィクス)』というちっこい女神スキルの下にある同名スキルの進化成長度合いによって、様々な変化がもたらされるとのことだった。


 他の子カテゴリーに分類されるスキルが増えたり、習得しているスキル自体が進化したりといった感じに。


 紋様――紋章も進化状態に応じてどんどん天井方向へと連なって表示されるらしい。

 ただ、進化条件はまったくわからない。


 俺が習得したのはそんなあやふやな女神スキルだった。

 そして、今のところ、俺が使えるスキルは事象変化以外だと、他に一つだけ。


 それが、『真眼(ヴェラムゲイン)』という子カテゴリーに分類される同名スキルで、物事の本質を見抜ける力ということらしい。



 ――イリスが持つ王家スキル『王者の瞳』が人に対して作用するならば、俺のスキルは物質や事象に作用する。つまりは王者の瞳の物質バージョンといったところか。



 だからその効果を確かめるために夕方、イリスは俺を連れ出して指輪やら卵やらを選ばせたというわけだ。


 物事の本質を見抜くということはつまり、本物と偽物を見抜いたり、より希少価値のあるものを見抜いたりすることが可能になるということだから。


 だから、あの指輪も掘り出し物かもしれないし、俺が選んだ卵も、もしかしたらとんでもなく希少価値の高い幻魔が生まれてくるかもしれないということだった。



 ――今のところ、俺が手に入れた女神スキルはそれぐらいしかないから、有り体に言えば大したことがないスキルと言える。



 戦闘系なのかそうでないのかすらわからないんだからな。だけど、これだけは断言できる。

 この女神スキルの真の力がどれほどのものなのか、現時点ではまったくわからないということだった。


 イリスが指摘した通り、習得した俺自身、靄がかかっていてよくわからない部分があるくらいだからな。

 この先いったいどんな化け方をしていくのか。

 そしてもし大化けしたとき、俺はどうなってしまうのか。



「いい方向に発展していってくれればいいけどな。そうしたら俺は、くそったれな未来を変えられるかもしれないからな」



 まだ野垂れ死にの未来も回避できていない微妙な状態だったが、俺のスキル次第では王国や世界滅亡の危機も阻止できるかもしれない。


 俺は一人、胸の鼓動が高まるのを感じていた。






~~ * ~~ * ~~


【設定解説のコーナ~~】


※女神スキルについて少し補足しておきます。


以下、概念図式(リスト図、展開図)。


★通常の女神スキル

 取得者の成長度合いにより、スキルが増えていく。


○女神スキル名(大カテゴリー)

 ・スキル1

 ・スキル2

 ・スキル∞

 ・身体強化スキル(戦闘系のみ)


ex)

 ○女神スキル『剣姫』

  ・剣姫スキル1

  ・剣姫スキル2

  ・剣姫スキル3

  ・身体強化スキル1



★フレくんのスキル


○女神スキル名(大カテゴリー)

 ○子カテゴリー1

  ・スキル1

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル2

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル∞

   (進化、もしくは種別変化可)

 ○子カテゴリー2

  ・スキル1

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル2

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル∞

   (進化、もしくは種別変化可)

 ○子カテゴリー∞

  ・スキル1

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル2

   (進化、もしくは種別変化可)

  ・スキル∞

   (進化、もしくは種別変化可)


ex)

 ○女神スキル『世界龍の円環(アークヴェイン)

  ○『真眼(ヴェラムゲイン)

   ・真眼スキル

  ○『事象変化(エントロヴィクス)

   ・事象変化スキル

  ○『■■■■』

   ・■■■■スキル

  ○『※※※※』

   ・※※※※スキル

  ○etc



 リスト図で示すとこんな感じになっています。

 フレくんだけスキルツリーに近い形といったところでしょうか。

 カテゴリー自体も進化する可能性があります。


 イメージ的に、フレくんの女神スキルは『世界龍の円環』の下に、小型の女神スキルを複数所持しているような感じですね。


 今後どんな物が増えていくのか、なんでこんなスキルを手に入れてしまったのかは……女神様のみぞ知る、ということで(笑



※紋章での図式は割愛(後日、アップできそうであれば画像をアップします)。

※もし真眼スキルが進化した場合は、進化した分だけ紋章が上に積み重なって二重、三重に表示されるといった感じになります。

要するに立体構造ですね。

本作に興味を持っていただき、誠にありがとうございます!

『ブックマーク登録』や『☆☆☆☆☆』付けまでして頂き、本当に嬉しく思っております。

皆さんの応援が執筆の励みとなり、ひいては大勢の方に読んでいただくきっかけともなりますので、今後ともよろしくお願いいたします(笑

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