20コマ目 経費削減
怪しい服の人の知識によりDPでの交換が可能になったアイテムの数々。その中でもダンジョン内での勉強で使用している触手を強化できるアイテムなどは積極的に購入していき、さらにダンジョン側のメリットが大きい物として、
「見てくださいよ、これ!何でもアイテムを入れたら勝手に食べ物に換えてくれるアイテムらしいです!」
「へ?何ですかそれ、食糧難にでもならない限り使う機会はなさそうですが」
『どんなアイテムでもと言うのは魅力ではあるか?ゴミにしかならんアイテムも捨ててしまいたいアイテムも交換してくれるというわけであろう?』
「ああ。なるほど。ゴミ箱として使えるわけですね」
何やらアイテムを見つけて興奮した様子の炎さん。話を聞いて伊奈野は日本サーバにある吸収能力のある球と同じ様な使い方をする物なのかと考えた。
が、そんな伊奈野達の様子を見て炎さんはさらに声を大きくして、
「そんなわけないじゃないですか!確かにそういう使い方がメインにはなるでしょうけど、もしかしたらこれを使えばクッキーをDPで交換する必要がなくなるかもしれないんですよ!」
『何!?それは確かに見過ごせんな。それが可能であるのならばすぐに手に入れたい』
「確かにクッキーも1枚1枚は安いですけど、供給量を考えると馬鹿にならないDPの消費量にはなってますからねぇ。それ目当てに人が来ていることは確かですけど、消費を抑えられるならそれに越したことはないですか」
炎さんが考えたのは、それにより生み出した食物をクッキーの代わりに使うという事。購入者が多すぎることでクッキーに消費するDPも多くなってきてしまっているため、ダンジョン側としては削減したい経費であったのだ。
このアイテムならばそれが可能であると考えられ、炎さんは期待をしているというわけである。
ここまでの説明を聞けば、骸さんや伊奈野もアイテムの見方が変わる。特にDPが他に回せるようになればさらに配下を増やしていける骸さんとしてはすぐにでも導入したいものとなっていた。
ということで、さっそく試しに使ってみようという事になり、
「余の配下を作る関係で、モンスターの素材などはドロップ品が大量にあるし出てくるのだ。これを使えばいいだろう」
「おお。ちょうどいいですね。それを使いましょうか」
「使うアイテムによっても出てくるものが変わったりするんでしょうか?」
疑問が口々に言葉にされるが、実際に試してみればそれはすぐに解消される。
そして即座に伊奈野達は衝撃を受けることになる。
認識としてはアイテムを入れればDPで交換しているようなクッキーなどと交換をされるのだろうと勝手に考えていたわけだが、
「あれ?同じ形?」
「何もされずに出てきた………と言うわけでもなさそうですね。これは、同じ形のまま材料だけが変わったという事でしょうか?」
「クッキーでこの形は新しいですね。斬新です」
『うぅむ。しかしこれでは何が原料かすぐに察知されてしまうぞ?』
出てきたのは、材料にした素材などと全く同じ形をしたもの。
ただしまるっきり同じものと言うわけではなく、しっかりとそれらはクッキーやチョコレートなど食料へと変化している。ただただ、見た目が同じと言うだけなのだ。
実験をしていけばより詳しいことも分かり、どのようなアイテムを使っても基本同じ形になるということは確定した。そして、何でそれが構成されるかと言う部分は元にする素材のランクによって決まるということも分かる。
「特に何を売るかという種類にこだわりはないわけですし、とりあえず安くて大きい物を突っ込んでおけばいいという事になるでしょうか?」
『そうであるな。その大きい物を削って整形することで基にしたものの面影を消せばいいか』
「そうなると、原料の厳選もしていかないといけませんね。何が1番効率がいいでしょうか?」
「私はドロップアイテムまで把握できていないので、その辺は2人に任せるしかないですね。大きいドロップアイテムとして記憶しているものとかありませんか?」
『ないわけではないが、どれが1番かと問われると分からんな』
「その辺は実際に作ってみて比較するしかないですね。とりあえず大きそうなものがあるなら作ってみましょうか」
それぞれのドロップアイテムから作る物を比較して効率を追求していく。今のうちはとりあえず骸さんが溜めていた様々なドロップアイテムを使用しているが、それの在庫が切れるようであれば1番効率の良い物を優先して骸さんの配下には倒してもらうことになるだろう。
『余の配下の増加が1種類に偏りそうだな』
「いて困ることはないのでは?」
「どうせならそのモンスターの配下を主軸にした作戦とか立ててみたらどうですか?」
『随分と簡単に言ってくれる』
特定のモンスターを倒す量を増やすという事は、その分そのモンスターを配下にする数も増加するという事だ。骸さんとしては頭の痛い問題だろう。
目的をもって配下は作成しているのだから、そうした計画に入っていない配下を増やしても使いどころに困ってしまうわけだ。
数を増やすとなるとさすがに捨てるような使い方もできないし、骸さんとしてもどうにかして使いどころを作りたいという気持ちになってしまうのだから。
もちろん今まであまり考えてこなかったモンスターの使い方なんて簡単に思いつくものではない。
強みなどもあまり理解できていない状態なのだから、まずはそうしたところの把握も必要になるわけで、
『ならばダンジョン側でも活用する方法を考えよ。余の配下にするためにもかなりの量を用意することになるのだろう?』
「えぇ~。骸様が良い使い方を見つけたらそれをパクらせてもらうつもりだったんですけど」
『自分で考えんか!!』




