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11コマ目 反射効率

反射だとかなんとか言って騒いでいた骸さん達。

しかし伊奈野はそうした話を聞く中で、自分にも反射の能力があることを思い出した。

最近はあまり店主さんから求められていなかったが、


「『反射』の『設置』とかやっていましたね。もしかしたらスキルも強化されてるかもしれないです」


「反射が強化されてる、ですか?」

『そういえばそんなスキルもあったような気もするが、確か反射の内容はあまり大したものではないという話だったように思う』


反射のスキル。

伊奈野自身はあまり恩恵を感じたことはないが、店主さんやその店主さんからアイテムを買ったプレイヤーたちは一時期非常に感謝をしたスキルである。

攻撃を反射するというやり方ではないため繋がらなかったようだが、直近で言えば店主さんに渡して配ってもらった靴にも『反射』を靴底に『設置』することで反発の力を強め速度を上げやすいようにしていたりする。

邪神の拠点攻略にも非常に貢献したスキルだ。


伊奈野自身が使うことは少ない物、今でもそうした能力の付いたアイテムを愛用しているプレイヤーもおり、スキルのレベル自体はそこまで低くない。

伊奈野の所持スキルの中では、勉強に関連するものを除くとかなり高い順位に入ってくるようなレベルの高さだ。


「『反射』のスキルがあれば、怪しい服の人から反射されたとしてもさらにそれを跳ね返すことができるんじゃないでしょうか?」

「さすがに反射したものが更に反射されて返ってくるなんていうことは想定していないでしょうし、不意を突けるかもしれませんね。それこそ、次の反射を使おうと思う前に攻撃が当たるかもしれません」


『ふむ。それは確かにそうか。しかし、反射率が低いとやはり威力は下がってしまうだろう?結局は仕留め切れんと言う結論に到ってしまうように思うのだが』


「では、試してみますか?私が『反射』を『設置』したアイテムに攻撃するので、それがどの程度跳ね返るかを見れば通用するかどうかは分かるのでは?」


『ふむ。それもそうか判断するのは見てからでも遅くはないな』

「いいですね。どうせなら、ダンマスの新しい攻撃っていうのを見せてくださいよ。無限を破れるかもしれないっていうものがどんなものか見てみたいです」


「良いですよ。私もちょうど試してみたいと思っていましたし」


伊奈野を含めて誰も現在の『反射』がどこまで有用なモノなのか理解できていないため、一度試してどの程度のものなのか見極めることとなった。

丁度伊奈野としては『黒流波』ももう少し試してみたいと思っていたため、自分で用意した攻撃を反射してみることにする。


使用するフィールドは伊奈野の持つ中でもかなり威力が高い攻撃という事もあって広めでなおかつある程度滅茶苦茶に暴れても問題ないところとする。

それこそ、コスプレ魔王が使うフィールドよりも暴れて問題ない場所だ。

万全を期して骸さん達はモニター越しに伊奈野の様子を眺め、伊奈野は反射が予想以上に強くても防げるよう自分の前には魔力障壁とかまくらをいくつか展開しておく。

そしてあまり時間をかけても仕方がないのですぐに実験を始めて、


「『黒流波』」


その手から出るのは黒いレーザーのようにも見える何か。

ただ、その動きは必ずしも直線的と言うわけではないことからレーザーと呼ぶこともまた難しい。

伊奈野も日本サーバでははっきりとみることができなかったためその様子を見て何が起きているのかよく確認しつつ、


「あっ、本当に跳ね返ってきた」


一部ではあったが『反射』されたことを確認する。

『設置』していたアイテムは見事に破壊されてしまったが、ギリギリそのの効果は発揮したうえで役目を終えてくれたらしい。


かなりその太さと感じる凶悪な雰囲気は軽減されたものの、反射された『黒流波』はやすやすといくつかのかまくらを破壊し伊奈野へと迫ってくる。

あまりそれによる威力の減衰も確認できず、伊奈野は少し焦り出す。


「魔力障壁があるから大丈夫、だよね?」


『ダンマス。あまり油断は良くないですよ』

『うむ。破壊されることも想定して準備をしておけ。こちらに転移してくるだけで問題ない』


「分かりました。ダメだったらすぐに逃げます」


伊奈野の呟きを拾い、アドバイスをそれぞれ投げかけてくる炎さんと骸さん。

2人から見てもその反射された力は凶悪なモノのようで、伊奈野の『魔力障壁』を突破する可能性は十分に考えられるものだった。


すぐに反射されたものは障壁へと直撃し、


「うぅん。耐えられなくはないけど、ってところかな」


全く耐えられないわけではない。

結果はそんなところだった。

すぐに魔力障壁を突破されるというわけではないのだが、それでもずっと保っていられるわけでもない。

数秒で崩壊するという程度だった。

だが当然数秒でも耐えられているだけにかまくらとは与える影響が違う。

見て分かるというほど分かりやすい物でもないが、何度か繰り返せば少し変わったような印象も受ける程度にはなってくる。


こうなるともう少し頑張れるのではないかと伊奈野も思えてき始めた。

もう一工夫してみようということで伊奈野は小細工をし始める。

やることは同じようなことではあるのだが、


『かまくらに設置をするんですか。それだとたいして反射も出来なさそうですけど良いんですか?』

『反射の効果を完全に発揮するより前に崩壊しそうであるな』


「別にそれでいいんですよ。目的は、というか知りたいことはかまくらでも『反射』さえ『設置』してしまえば多少なりとも弱めることはできるのかという事ですから』


かまくらの表面に『設置』を繰り返し、かまくらが崩壊するまでのほんの短い間だけではあるが『反射』をさせる。こうすることで威力を弱めていけないかと考えたわけだ。

破壊されればそれで効果は切れてしまうが、逆に崩壊するまでの少しの時間だけは効果を出せる。伊奈野はその時間にできることがどの程度なのか知りたいのだ。


理由は、そうした細工だけで強い攻撃でも防ぐことができるのか知りたかったため。

伊奈野本人が使うかどうかは別として、骸さんの配下などならこれによりダメージの減少を計れるのでは大きく貢献ができるのではないかと考えたのだ。

多少とはいえ威力を抑えられるのなら、生き残る可能性は上がるのだから(なお、骸さんの配下が生きているかどうかは別の話とする)。

ということで若干の期待をしつつ伊奈野は視ていたわけだが、


「あっ、これは駄目だ」


触れた瞬間には崩れていくかまくら。

そこを通過した『黒流波』が弱まっているようには全く見えない。

伊奈野は即座にたいして意味がなかったことを悟った。そして直後、もうやることはないとばかりに転移して逃げていく。

伊奈野がいた場所まで『黒流波』が到達し防御用に設置していたものをすべて飲み込んでいくのにはそう時間はかからなった。


ただ、これだと悪いように聞こえるかもしれないがそこまで悪いことが起きたわけではない。

どちらかと言えば、良い事だったと言ってもいいくらいだ。

なぜならば、


「これで、私の『反射』弱くはないっていうところは確かめられたでしょうか?」


『うむ。そうだな。元の攻撃がどれほどだったかはさすがに余にも分からんが、反射であれだけの威力が出せたのであればそれは確実に効率のいい反射だったと考えてよいだろう』

「反射を更に反射して返すってことができそうですね」


そもそもやりたかったことは、強力な攻撃をどの程度の効率で反射できるか見る事だったのだから。

攻撃にある程度耐えられる武具さえあれば、後は反射で先に反射をした怪しい服を人を倒しきることができるだろう。

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