6話
初葉「ということでリング借ります」
母「オッケー」
花「いいの?別にやらなくても他の人がいるかもしれないのに」
初葉「中学生までやってたってことは即戦力にはなりそうじゃん?」
花「そうかもしれないけどさぁ…」
父「初チャレンジパパビデオ回しちゃお」
初葉「胡桃さんにちゃんと許可とってね?」
父「大丈夫。もう許可は貰ってるから」
初葉「早いなぁ…」
母「ま、楽しんできなさいな」
初葉「もちろん」
胡桃と初葉がリングに上がる。
初葉「それじゃよろしくお願いします」
胡桃「初心者になんか負けないから」
鐘が鳴る。
拳を合わせる。
胡桃が仕掛けてくる。
初葉は胡桃の動きをよく見る。
いきなりの右ストレート。
初葉の顔のすぐ左を通る。
フックが飛んでくる。お腹目がけて拳も飛んでくる。
胡桃「どういうこと?」
胡桃は不思議でしかなかった。
胡桃「なんで全部避けられるの?」
初葉は最小限の動きだけで胡桃の攻撃を躱すか去なす。
花「あれ?葉っぱってもしかして強い?」
母「強いかどうかはわからないけど、あれくらいだったらまともに当たらないと思うわ」
父「なんたって、母さんと他の選手のスパーリングとかやっているからな」
花「え?だって、葉っぱは痛いの嫌いだからって」
母「そう、だから初葉は攻撃をしない。選手が攻撃をして初葉は全部捌くの」
父「それこそ中学生になったあたりだよね、やり始めたの」
母「みんなが風邪ひいちゃった時ね、代わりに私の相手をしてくれた時は驚いたよ」
父「そう、後でビデオを見せられた時驚いたよ」
母「現役のボクサーが全部攻撃が当たらないなんてね」
父「最終的にはママが本気になっちゃって重いのが入っちゃったみたいだけど」
母「あの子は本当に落ちる葉っぱのように攻撃がちゃんと当たらないの」