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Destruction=Install  作者: ennger
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89 責任と役割

「評議国の顔色を窺ってるようじゃ何もできん。ここはこっち側から積極的に推し進めていこうか。」


 結局のところ攻められるのであれば打てるうちに早めに手を打っておくに限る。

 動かない後悔から動く後悔やな。


「かしこまりました。なるべく周囲には悟られないよう、こちらで手配しておきます。」


「ほう、奴を使うのか?」


 ゼウスがアテネへと問いかける。


 その言ってる意味は俺には分からない。

 だが何かただならぬ雰囲気がプンプンしております。黒く、卑劣な何かが。


「アレですか・・いえ、使いましょうか。やけに協力的だから怪しかったところ・・・だが。」


「もしかしてスパイでも雇った?」


「スパイ・・・ではありますが、元々評議国へお邪魔させていただいた際に使えそうな方が1人居たので。」


 女神というより悪魔やん。どうやって引き込んだのやら。薬関係や洗脳でなければいいがね。


「大丈夫かな・・・・・心配にもなるが。」


「問題はないかと。

 むしろ時間が稼げればいいので。止めるまでをする必要がないかと。それに彼は彼で評議国が誇る5賢者が1人ですし。」


 なんだってそんな仰々しい名前があんのよ。厨二病かな?


「評議国の王様?かな?評議だから恐らく手を組んで国家設立とか?」


「流石はアレイスター様でございます。我々の説明など不要でございましたね。このアテネ、とても深く感服しております。」


 女神様に褒められると嬉しいが、実のところちゃんと説明はしてほしい。

 俺自身考えて物を言ってはいるものの、前情報無しではとてもではないがキツイ。

 なんて事を言えたらどれだけ幸せなんだろうか。


「?なんだって王様が5人もいんだ?それだとアレイスター様以外はバカだからすぐにバカな行動すんじゃねえーか。それで協力ってのは無理じゃねぇの?」


 トール様ナイスプレー。

 普段から脳筋とは思ってはいたが、それが救いになった。ナイス筋肉!


「はあ・・・あのですね、そもそも評議国というのは少し前に5つの国が同盟から合併を行った事で作られた国家です。」


「つまり元々関係性はそんなに悪くない。という事だ。」


 アテネの説明に続き、テュールがバカでも分かりやすいように補足してくれる。


「いやそうなんだろうけどよ。」


「ええ、アレイスター様ほど賢明で素晴らしいお方はおりません。

 しかし1人の力で一国家として生き残り戦うというのは、想像よりも厳しいものです。

 この世界にはアレイスター様より優れている者などおりません。もちろん、我々のような優れた存在にも限りがあります。」


 なんだろう。ツッコミたいが多過ぎて捌ききれない・・・・


 そこで今度は横からロキが説明を始めていく。


「トールにも分かりやすく説明するけど、人間はね皆んなアレイスター様のように賢くないんだ。

 だからこそ繋がりという名の集合体を作りたがる。

個体より集合体の方が国として運営しやすいからね。」


「それはそうだが、ウチらとはなんか違うのか?」


「私たちの場合はアレイスター様を中心とした国家であり、彼が全てだよ。ま、他の国もある意味では似たようなもんかな。

 ただ差があるとするならね、別次元とは言え同じ価値観の世界からやってきた人たち同士で手を組んでいる。

 つまり、1人ではこの世界が生きられない事を悟っているからだ。」


 難しいような難しくないような。なんとも言えないこの感じ。

 うん?それなら俺間違ってる?


「???より分からんぞ。だからこそじゃねえーか。私たちだってさ。」


 ロキはやれやれと呆れかけている。


 俺もなんかすいません。

 直接言われてはいないが、何故か謝りたくなった。


「ここからはワシが引き継ごうぞ。」


 オーディンがロキと変わって説明に入る。


「要するにじゃ、そんな我々という存在を本来国の運営としての頭数で数えてる事が問題なのじゃ。

 何せこの世界では王様による1人での統治が当たり前なのじゃからの。

 

 じゃから強力な存在の数が多ければ勝てるし、ただ質が高いだけでは勝てない現実の両方あるのじゃ。

 ワシらとてそうじゃろ?3人の神として崇められ、それぞれが歪み合うことあれど、結局は手を取り合っておる。

 つまるところ神も人も同じじゃ。強い者同士が手を取り合う。質に勝る手段とも言える。」


 1人ロキ様が他国で大暴れした事は有名だけど。それは置いといてだ。

 しかし、神様ですら誰かを仲間に入れたりとしてるのに、人間のような矮小な存在に独立なんて果たしたできるのだろうか?


 ここまで言われれば分かりやすい。


 しかし俺も地雷なもんだ。なんといっても今の今までに同盟の話がない上、孤立していたのだから。

 いややってること考えたら孤立させられるわ。


「話はそんなところだろ。

 さて今回の評議国は小生らが何者であり、アレイスター様が一体どのようなお方なのかを。よく調べているかもしれない。

 他国の間者が放たれることは度々あるが、評議国の名前は一切上がってこない。」


「裏で手を回してるってことかな。直接は攻撃しないけど、誰かを使ってとか、仲介の仲介とか。」


 矮小な脳みそで考えるのも辛いな。頭から煙出てるし。

 しかも今問題としてるのは婚姻のことである。しかも会う会わないというよりも国自体知らん。


「今回の会ってみればいいのは賛成だけど、一体どうやって?がまだ可決してないんじゃないの?」


「ええ、フレイヤの言う通り。

 評議国の事よりもアレイスター様をどのようにお守りするかです。

 恐らくユンフィを使っての身代わりは返って危険を生むかもしれません。」


「それなら国全てを焼き払って支配してしまえば?」


 アポロンさんは癒し系の筈だが?どう見てもその発言は破壊系女子なんだが。


「LRや周辺の未知領域、いつ結託されてもおかしくない環境、このさまざまな要因や可能性をしらみ潰しにしていかなければならない状況で、いきなりそんな危険な一手に出られる訳がないでしょう。

王国や帝国のように滅ぼす確実性を生まない以上は危険にも等しいです。」


 流石にアポロンの発言に大呆れするアテネであった。


 ふーん。あれ?やっぱそうだよね〜。

 なんか裏でコソコソやってくれていたからこそ、戦えてたし守れてた訳だ。いきなり隣の家怖そーぜじゃなくてよかった。


 俺は改めて頭脳派チームに心で感謝するのであった。


「で、無視すると厄介になりそうなのも事実だね。僕としてはアレイスター様が出向するのはありだと思うよ。」


 いつもミリスは俺の気持ちを優先的に考えてくれる。


「ミリスと同じかな。僕も・・・私も賛成で。」


 僕っ子被りそうだもんね?ロキさんの言い換え可愛いですよ。ちょっと照れ照れしてる。


「護衛はフレイヤ、イザナミ、ヘルメ、ジャンヌかな?」


「4人も付けていいのか?」


「何を仰いますやら、これでも足りません。本来ならあと数千ほど必要です。」


 テュールはしれっと俺の甘さを指摘してくれた。

 あれ?甘い・・・の?


「残りはSSRから選抜して参ります。テュール、ロキ、ミネルヴァは残りなさい。

 後は各自《《何事も無かったかのように》》戻りなさい。」


 うん?アテネが変に語彙を強調し出した。


「・・・・・俺」


「アレイスター様は自室でお休み下さいませ。後は我らにお任せを、ヴィーザル。」


 無言のヴィーザルがそのまま俺の背中を優しく押して奥の部屋へと誘導してくれる。


「後は頭脳頼みか。」


「うん大丈夫。私も行きたいけど、任務が入った。」


「ヴィーザルが?珍しいね。」


「うん。アレイスター様のお世話が良かったけど、そうもいかないみたい。」


 ??重要な何かを?つか、絶対俺のけもの扱いだよね?


「それは」


「アレイスター様!!」


「久しぶりね!」


 部屋を出た直後にインデグラ様とスカーレット様のお2人に挟まれた。

 あまりの速さに俺は一瞬息が止まった。

 4個の大きなお山のせいでもある。



























 ???


「来るか・・・・・来るのか!クハハハハハハハ!!」


 そんな彼女の足下には血塗れの使者が何人も転がっていた。


「陛下・・・荒らしすぎです。」


「知らん。此奴らがいけない。

 神が降臨したというのに、コイツらときたら、今が好機だ!協力を!我らと勝利を分かち合う時!とか下らない。」


 陛下の手には大きな鎌が握られていた。


「評議国の奴等も斬った以上、アイツらもこちらへ仕掛けて来るかもしれんぞ。」


 今度は別の男性が現れた。その男は古傷が何箇所にも目立ち、鎧を着込んでいる。

 そして、そのオーラは歴戦の覇者そのものであった。


「陛下、本当によろしいので?同じマスター、いや向こうはかなりの力を持っておられます。

 少々軽率かと。」


「構わない。

 むしろ、待ち望んでいた。ここまでの死の香りも初めてだ。

 私自身が化け物という自覚は大いにあったが、それでもだ。それでも私の首には何かが巻き付いてこの首を絞めているようだ。」


 ヘラヘラと笑う女性は非常に美しい顔立ちをしており、髪の毛は白いロングヘアーである。

 しかし、血のせいで所々が赤色に染まっている。


「LRと同じ力の陛下が言うんだ。俺らでも死ぬな。これは。」


「そうかな?それも楽しそうかな?どうだろう?向こうの黒馬の王子様は一体どう出るのだろうか?

 私としては殺しあっても最高だと思う。

 だがそれでは勿体無い。降臨なされたのなら共に血を啜ろうではないか。」


「陛下の意見は最もかと。しかし、婚姻まで持ってくるのは些か。」


「属国は構わないのかい?」


「属国で良いのでは?下手に同等のような条件に婚姻はどう考えても向こうの奴等を逆撫でするだけです。

 しかし、属国の在り方があるのでお勧めとは参りません。」

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